この章で学ぶこと
2次関数は、第1章「数と式」で学んだ展開・因数分解や不等式の考え方を土台にして、「関数のグラフ」という新しい見方を身につける章である。式を平方完成すればグラフの頂点が読み取れ、そこから最大値・最小値、方程式の解、不等式の解までが、すべて同じ1本の放物線の上でつながっていることを確認していく。第2章「集合と命題」で学んだ論理的な場合分けの考え方は、区間や軸が動くときの場合分けでそのまま生きてくる。ここで身につけた「グラフで考える」姿勢は、次の第4章「図形と計量(三角比)」でのグラフの読み取りや、数学IIで学ぶ微分法・積分法にもそのまま受け継がれていく。
学習の順路
下から順番に読み進めよう。1〜3で「式とグラフ」の基礎を固め、4〜5で「最大値・最小値」を仕上げ、6〜7で「方程式・不等式」に接続し、8で逆に「グラフから式を決める」練習をする、という流れになっている。
- 1. 2次関数とグラフ・平行移動 ― \(y=ax^2\)の形とグラフの特徴、平行移動・対称移動の符号の扱い方を学ぶ。
- 2. 平方完成 ― 一般形\(y=ax^2+bx+c\)を、頂点が読み取れる形\(y=a(x-p)^2+q\)に書きかえる技術を身につける。
- 3. グラフの描き方 ― 頂点・軸・y切片・x軸との交点の4つの情報から、正確にグラフを描く手順を学ぶ。
- 4. 最大値・最小値 ― 区間が固定されているときの最大値・最小値を、軸と区間の位置関係の3パターンで求める。
- 5. 軸や区間が動く最大・最小(場合分け) ― 区間や軸が文字を含んで動くときの場合分けを学ぶ。
- 6. 2次方程式 ― 因数分解・解の公式・判別式・解と係数の関係を学ぶ。
- 7. 2次不等式 ― グラフがx軸より上か下かを読み取って、2次不等式の解を求める。
- 8. 2次関数の決定 ― 頂点形・因数分解形・一般形を使い分けて、条件から式を逆算する。
要点整理 式とグラフの対応
2次関数の式は、置き方によって「何がすぐ読み取れるか」が変わる。テスト前は、まずこの対応表を思い出そう。
y切片が\(c\)と即わかる。頂点は平方完成しないと見えない。
頂点\((p,\ q)\)と軸\(x=p\)が即わかる。最大・最小の出発点になる形。
x軸との交点\((\alpha,0),(\beta,0)\)が即わかる。方程式・不等式で活躍する形。
要点整理 最大値・最小値の全パターン
「区間指定なし」「区間が固定」「区間や軸が動く」の3段階があるが、やることの本質はいつも同じ:軸(頂点のx座標)が区間のどこにあるかを比べる、これだけ。
下に凸なら頂点で最小、もう一方は軸から遠い方の端点。上に凸なら逆(頂点で最大)。
区間内はずっと単調(下に凸なら増加、上に凸なら減少)。最大・最小は両端点だけで決まる。
左と対称。区間内はずっと単調(下に凸なら減少、上に凸なら増加)。両端点だけで決まる。
要点整理 2次方程式と判別式
異なる2つの実数解
グラフはx軸と2点で交わる
ただ1つの実数解(重解)
グラフはx軸に接する
実数解はない
グラフはx軸と交わらない
要点整理 2次不等式と2次関数の決定
解は\(x<\alpha\)または\(\beta<x\)
解は\(\alpha<x<\beta\)
頂点形\(y=a(x-p)^2+q\)で置く。未知数は最少で済む。
因数分解形\(y=a(x-\alpha)(x-\beta)\)で置く。
一般形\(y=ax^2+bx+c\)で置き、連立方程式を解く。
この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。
\(y = x^2\) を \(x\) 軸方向に \(-3\)、\(y\) 軸方向に \(5\) だけ平行移動してできる関数の頂点の座標を求めよ。
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\(y = -3(x + 4)^2 - 7\) の頂点の座標を求めよ。
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\(y = x^2 - 10x + 18\) を平方完成し、頂点の座標を求めよ。
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\(y = 3x^2 + 12x + 7\) を平方完成し、頂点の座標を求めよ。
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\(y = x^2 - 6x + 5\) の頂点の座標・軸・y切片を求めよ。
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\(y = -x^2 + 6x - 4\) の最大値を求めよ。
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\(y = x^2 - 4x + 2\)(\(0 \le x \le 5\))の最大値・最小値を求めよ。
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\(y = x^2 - 2x - 3\)(\(3 \le x \le 6\))の最大値・最小値を求めよ。
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\(x^2 - 3x - 10 = 0\) を解け。
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\(x^2 - 2x - 4 = 0\) を解の公式で解け。
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\(2x^2 - 5x + 1 = 0\) について、判別式\(D\)の値と実数解の個数を求めよ。
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\(x^2 - 7x + 10 > 0\) を解け。解は \(x < \text{ア}\) または \(\text{イ} < x\) の形になる。
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\(x^2 - x - 12 < 0\) を解け。解は \(\text{ウ} < x < \text{エ}\) の形になる。
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頂点が\((3,\ -2)\)で、点\((5,\ 6)\)を通る放物線を\(y=a(x-3)^2-2\)の形で表すとき、\(a\)の値を求めよ。
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放物線が\(x\)軸と点\((-2,0),\ (3,0)\)で交わり、点\((0,-12)\)を通るとき、これを展開して\(y=ax^2+bx+c\)の形にしたときの\(a,b,c\)の値を求めよ。
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\(y = x^2 - 2ax + 5\)(\(0 \le x \le 4\))について、\(a=5\)のときの最小値を求めよ。
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\(x^2 + 6x + k = 0\) が実数解をもつような \(k\) の値の範囲を求めよ。
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2次方程式 \(x^2-3x-1=0\) の2つの解を\(\alpha,\ \beta\)とする。解を求めずに、解と係数の関係を用いて\(\alpha^2+\beta^2\)の値を求めよ。
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連立不等式 \(x^2 - x - 6 < 0\) かつ \(x^2 - 5x + 4 \ge 0\) を解け。共通範囲の下端・上端を入力せよ(不等号の等号の有無はdetailsで確認)。
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周の長さが\(28\)cmの長方形がある。縦の長さを\(x\)cm(\(0 < x < 14\))として、面積を\(S\)cm²とすると\(S=-x^2+14x\)と表せる。面積が\(45\)cm²以上になるような\(x\)の範囲を求めよ。
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放物線が3点\((-1,\ 6),\ (0,\ 1),\ (2,\ 3)\)を通るとき、\(y=ax^2+bx+c\)の\(a,b,c\)の値を求めよ。
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\(y = -x^2 + 2ax - 3\)(\(1 \le x \le 4\))について、\(a=0\)のときの最大値を求めよ。
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放物線\(y=x^2-2x+4\)に接する直線\(y=2x+k\)の\(k\)の値を求めよ。また接点の\(x\)座標を求めよ。
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ある商品は1個\(150\)円で1日\(200\)個売れている。この商品を1円値上げするごとに、1日の販売個数は1個ずつ減るという。値上げ額を\(x\)円(\(0 \le x \le 150\))とするとき、1日の売上金額を\(30400\)円以上にするには、値上げ額を何円以上何円以下にすればよいか。
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すべての実数\(x\)について\(x^2+2kx+3k+10 > 0\)が成り立つように、定数\(k\)の値の範囲を求めよ。
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答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。
2次関数の学習は、平方完成によって頂点の座標がわかることを出発点に、グラフの概形、最大値・最小値、2次方程式の解、2次不等式の解までが一本の線でつながっている。なぜ平方完成ができれば、これらすべての問題に対応できるようになるのかを、具体的な式を1つ挙げながら説明せよ。
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頂点が\((-1,\ 4)\)で、点\((2,\ -5)\)を通る放物線がある。この放物線の式を求め、求めた式を使って、(1)この関数の最大値、(2)この関数のグラフと\(x\)軸との共有点の個数、(3)\(y \le 0\)となる\(x\)の範囲、をそれぞれ求めよ。
模範解答を見る
先生「1個あたりの価格と、売れる個数を、まず\(x\)を使った式で表してみよう。」
太郎「はい。1個あたりの価格は\((80+5x)\)円、売れる個数は\((20-x)\)個になります。」
1日の売上金額を\(S\)円とすると、\(S=(80+5x)(20-x)\)である。これを展開して整理し、平方完成すると \[ S = -5(x-\boxed{\text{ア}})^2+\boxed{\text{イウエオ}} \] となる。ア、イウエオの値を求めよ。
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先生「値上げの回数は、仕入れの都合で5回以上10回以下に制限されることになりました。」
(1)の結果を利用すると、この範囲でSが最大になるのは\(x=\boxed{\text{カ}}\)のときで、そのときの売上金額は\(S=\boxed{\text{キクケコ}}\)円である。
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花子「値上げをしすぎると売れなくなるので、売上金額が1495円を下回らないようにしたいです。」
(2)の値上げ回数の制限(5回以上10回以下)の範囲で、\(S\)が1495円以上になる\(x\)の範囲を求めると、\(\boxed{\text{サ}} \le x \le \boxed{\text{シ}}\)である。
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花子「この放物線、通る点と接する条件が2つ与えられたら、\(a\)と\(b\)が両方決まりそうだね。」
太郎「うん。まず条件を式にして、連立方程式を解いてみよう。」
この放物線が点\((1,\ 4)\)を通り、\(x\)軸に接するとき、\(a,\ b\)の値と接点の\(x\)座標を求めよ。 \(a=\boxed{\text{ア}}\)(符号もつけて入力)、\(b=\boxed{\text{イ}}\)、接点の\(x\)座標は\(\boxed{\text{ウ}}\)である。
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(1)で求めた放物線\(y=(x-3)^2\)と直線\(y=2x+c\)が異なる2つの共有点を持つのは、\(c > \boxed{\text{エオ}}\)(符号もつけて入力)のときである。
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逆に、この放物線と直線が共有点を持たないのは、\(c < \boxed{\text{カキ}}\)(符号もつけて入力)のときである。