この章で学ぶこと
微分法と積分法は、数IIの中でも最も応用範囲が広い単元である。前章「指数関数・対数関数」で身につけた「式の形からグラフの概形を読み取る」という姿勢を土台にしつつ、ここでは新しく「変化の割合(傾き)」という道具を手に入れ、式の計算だけでグラフそのものの形――増減・極大・極小――を決定していく。章の前半(1〜3)は微分によって接線・増減・極値・最大最小・方程式や不等式への応用を扱い、後半(4〜5)はその逆演算である積分によって、曲線に囲まれた面積を求める。「微分してから積分すると元に戻る」という2つの演算の対応関係が、この章全体を貫く一本の柱になっている。ここで身につけた考え方は、数Bの数列における和の計算の発想にも通じ、さらに数IIIの極限・微分法・積分法では、三角関数や指数関数などより一般の関数へとそのまま拡張されていく。
学習の順路
下から順番に読み進めよう。1〜2で「微分」の基本操作(導関数・接線・増減)を固め、3で「最大最小・応用」に発展させ、4〜5で「積分」に折り返して面積の計算へとつなげる、という流れになっている。
- 1. 微分係数と導関数 ― 平均変化率の極限として微分係数を定義し、導関数の公式(べき乗・定数倍・和差)と、接線の傾きとしての図形的な意味を学ぶ。
- 2. 接線・関数の増減と極値 ― 接線の方程式の2つの求め方、\(f'(x)\)の符号から増減表を作る手順、極大・極小の判定条件(符号変化)を学ぶ。
- 3. 最大・最小、方程式への応用 ― 区間における最大値・最小値(極値だけでなく端点も比較する)、体積などの文章題、方程式の実数解の個数、不等式の証明への応用を学ぶ。
- 4. 不定積分・定積分 ― 微分の逆算としての不定積分、定積分の計算手順、偶関数・奇関数の性質、微分と積分の関係\(F'(x)=f(x)\)を学ぶ。
- 5. 面積 ― 曲線とx軸の間の面積(符号に注意)、2曲線の間の面積、交点だけで計算できる1/6公式、3次関数と接線の面積への拡張を学ぶ。
要点整理 微分の基本公式と接線
微分係数の定義に毎回立ち返る必要はない。テストで実際に使うのは、次のべき乗の公式と、それを使って求めた導関数を接線の公式に代入する、という2ステップだけだ。
\((x^n)' = nx^{n-1}\)(\(n\)は正の整数)、\(\{kf(x)\}' = kf'(x)\)、\(\{f(x)\pm g(x)\}' = f'(x)\pm g'(x)\)、\((c)'=0\)(\(c\)は定数)
その値をそのまま\(a\)として公式に代入するだけ。
接点を文字\(t\)とおいて「\(t\)を使った接線の一般式」を作り、通る点の座標を代入して\(t\)の方程式を解く。曲線の外の点から引く接線も同じ手順。
要点整理 増減・極値と最大値・最小値の全体像
この章のいちばんの土台は「\(f'(x)\)の符号=グラフの向き」という対応。ここさえ押さえれば、増減表・極値・最大最小・方程式への応用まで、すべて同じ考え方でつながっている。
要点整理 積分の公式と面積
積分は微分の逆算。だからこそ公式の形も微分の公式をひっくり返した形になる。あとは「不定積分にはCが要る/定積分には要らない」という違いと、「面積は必ず0以上」というルールを押さえれば、この章の後半はすべて計算手順の問題になる。
\(f(x)\ge0\)ならそのまま積分。\(f(x)\le0\)なら\(-\)をつける(絶対値)。区間の途中で符号が変わるときは交点で分割し、それぞれ絶対値をとってから合計する。
交点を求め、区間内でどちらが上かを1点代入して確認し、(上−下)を交点から交点まで積分する。
この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。
\(f(x) = 3x^4 - 2x^3 + x^2\) の導関数 \(f'(x)\) について、\(x^3\) の係数と \(x\) の係数を求めよ。
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\(f(x) = 2x^3 + 3x^2 - 4\) について、\(f'(2)\) の値を求めよ。
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\(y = x^2 - 4x + 5\) 上の \(x=1\) における接線の傾きと切片を求めよ。
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\(y = x^3 - x\) 上の \(x=2\) における接線の傾きと切片を求めよ。
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\(f(x) = x^3 - 12x + 7\) について、\(f'(x)=0\) となる \(x\) の値をすべて求めよ。
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\(y = x^3 - 6x^2 + 9x + 2\) の極値を求めよ。
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\(y = x^3 - 3x^2 - 9x + 2\)(\(-3 \le x \le 2\))の最大値・最小値を求めよ。
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\(y = 2x^3 - 3x^2 + 4\)(\(2 \le x \le 4\))の最大値・最小値を求めよ。
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\(\displaystyle \int_0^2 (3x^2-4x+1)\,dx\) を求めよ。
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\(\displaystyle \int_1^3 (2x+3)\,dx\) を求めよ。
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\(\displaystyle \int_{-1}^{1} 6x^5\,dx\) を求めよ。
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\(\displaystyle \int_0^1 (x-2)^2\,dx\) を求めよ。
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\(y = x^2 + 1\) のグラフとx軸、および直線 \(x=0\)、\(x=2\) で囲まれた部分の面積を求めよ。
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\(y = x^2 - 9\) のグラフとx軸、および直線 \(x=0\)、\(x=4\) で囲まれた部分の面積を求めよ。
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\(y = -x^2 + 9\) のグラフとx軸で囲まれた部分の面積を求めよ。
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点 \(\mathrm{P}(0,\ 2)\) から曲線 \(y=x^3-3x\) に引ける接線は何本あるか。また、その接線の方程式を求めよ。
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\(y = x^3 - 3x^2 - 9x + 5\) の極値を求めよ。また、方程式 \(x^3-3x^2-9x+5=0\) の異なる実数解の個数を求めよ。
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\(y = x^3 - 6x^2 + 9x - 2\)(\(-1 \le x \le 2\))の最大値・最小値を求めよ。
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底面が1辺 \(x\)cm の正方形、高さが \(y\)cm の直方体があり、表面積が \(96\)cm² で一定であるとき、体積 \(V\) の最大値を求めよ。
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\(x \ge 0\) のとき、\(x^3 - 3x + 5 \ge 0\) が成り立つことを証明せよ。まず \(f(x)=x^3-3x+5\) の(\(x\ge0\)における)最小値を求めよ。
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\(y=x^2-4x\) と \(y=2x-5\) で囲まれた部分の面積を、1/6公式を使って求めよ。
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\(\displaystyle F(x) = \int_{-1}^x (2t^3-3t^2+1)\,dt\) について、\(F'(2)\) を求めよ。
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\(\displaystyle \int_0^4 |x^2-2x-3|\,dx\) を求めよ。
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\(y=x^3-x\) のグラフとx軸、および直線 \(x=-2\)、\(x=2\) で囲まれた部分の面積を求めよ。
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曲線 \(y = x^3 - 4x + 3\) の \(x=1\) における接線を求めよ。また、この接線と曲線とで囲まれた部分の面積を求めよ。
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答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。
「微分と積分は互いに逆の演算である」とはどういうことか、具体的な式を挙げながら説明せよ。また、この関係が定積分の計算にどのように役立っているかについても述べよ。
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\(y = x^3 - 3x^2 - 9x + 10\)(\(-2 \le x \le 4\))の増減を調べ、極値を求めよ。さらにこの区間における最大値・最小値を、増減表と区間の両端の値を示しながら答案として記述せよ。
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| \(x\) | −2 | … | −1 | … | 3 | … | 4 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| \(f'(x)\) | + | 0 | − | 0 | + | ||
| \(f(x)\) | 8 | ↗ | 15(極大) | ↘ | −17(極小) | ↗ | −10 |
太郎「底面は1辺\((30-2x)\)cm、高さは\(x\)cmの直方体になるね。」
花子「じゃあ、体積\(V\)を\(x\)を使った式で表して、微分して増減を調べてみよう。」
体積は\(V=x(30-2x)^2\)(\(0<x<15\))である。これを展開して整理すると \[ V = 4x^3 - \boxed{\text{アイウ}}x^2 + 900x \] となる。さらに\(V\)を微分すると \[ V' = 12x^2 - \boxed{\text{エオカ}}x + 900 \] となる。アイウ、エオカの値を求めよ。
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\(V'=0\)を解くと、\(V'=12(x-\boxed{\text{キ}})(x-15)\)の形になる(キには定義域\(0<x<15\)の中にある方の解を入れよ)。このとき体積が最大になるのは\(x=\boxed{\text{キ}}\)のときで、そのときの体積は\(V=\boxed{\text{クケコサ}}\)cm³である。
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太郎「アルミ板の在庫の都合で、実際に切り取れる\(x\)の範囲は6以上10以下に制限されることになりました。」
この範囲\(6\le x\le10\)で体積が最大になるのは\(x=\boxed{\text{シ}}\)のときで、そのときの体積は\(V=\boxed{\text{スセソタ}}\)cm³である。
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先生「まずは交点を求めて、定義通りに定積分で面積を計算してみよう。そのあと、1/6公式でも同じ答えになるか確かめてみよう。」
2つの放物線の交点のx座標を、小さい順に求めよ。\(x=\boxed{\text{ア}}\)、\(x=\boxed{\text{イ}}\)
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区間\([0,4]\)では\(y=-x^2+8x\)が上、\(y=x^2\)が下にある。差を計算すると \[ (-x^2+8x)-x^2 = -\boxed{\text{ウ}}x^2+8x \] となる。これを定義通りに定積分すると、面積は\(\dfrac{\boxed{\text{エオ}}}{\boxed{\text{カ}}}\)である。
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1/6公式を使って(2)の結果を検算する。差\(-2x^2+8x\)の2次の項の係数の絶対値は\(|a|=\boxed{\text{キ}}\)であり、公式\(S=|a|\dfrac{(\beta-\alpha)^3}{6}\)にあてはめると、面積は\(\dfrac{\boxed{\text{クケ}}}{\boxed{\text{コ}}}\)となる。