この章で学ぶこと

微分法と積分法は、数IIの中でも最も応用範囲が広い単元である。前章「指数関数・対数関数」で身につけた「式の形からグラフの概形を読み取る」という姿勢を土台にしつつ、ここでは新しく「変化の割合(傾き)」という道具を手に入れ、式の計算だけでグラフそのものの形――増減・極大・極小――を決定していく。章の前半(1〜3)は微分によって接線・増減・極値・最大最小・方程式や不等式への応用を扱い、後半(4〜5)はその逆演算である積分によって、曲線に囲まれた面積を求める。「微分してから積分すると元に戻る」という2つの演算の対応関係が、この章全体を貫く一本の柱になっている。ここで身につけた考え方は、数Bの数列における和の計算の発想にも通じ、さらに数IIIの極限・微分法・積分法では、三角関数や指数関数などより一般の関数へとそのまま拡張されていく。

学習の順路

下から順番に読み進めよう。1〜2で「微分」の基本操作(導関数・接線・増減)を固め、3で「最大最小・応用」に発展させ、4〜5で「積分」に折り返して面積の計算へとつなげる、という流れになっている。

  1. 1. 微分係数と導関数 ― 平均変化率の極限として微分係数を定義し、導関数の公式(べき乗・定数倍・和差)と、接線の傾きとしての図形的な意味を学ぶ。
  2. 2. 接線・関数の増減と極値 ― 接線の方程式の2つの求め方、\(f'(x)\)の符号から増減表を作る手順、極大・極小の判定条件(符号変化)を学ぶ。
  3. 3. 最大・最小、方程式への応用 ― 区間における最大値・最小値(極値だけでなく端点も比較する)、体積などの文章題、方程式の実数解の個数、不等式の証明への応用を学ぶ。
  4. 4. 不定積分・定積分 ― 微分の逆算としての不定積分、定積分の計算手順、偶関数・奇関数の性質、微分と積分の関係\(F'(x)=f(x)\)を学ぶ。
  5. 5. 面積 ― 曲線とx軸の間の面積(符号に注意)、2曲線の間の面積、交点だけで計算できる1/6公式、3次関数と接線の面積への拡張を学ぶ。

要点整理 微分の基本公式と接線

微分係数の定義に毎回立ち返る必要はない。テストで実際に使うのは、次のべき乗の公式と、それを使って求めた導関数を接線の公式に代入する、という2ステップだけだ。

導関数の公式
\((x^n)' = nx^{n-1}\)(\(n\)は正の整数)、\(\{kf(x)\}' = kf'(x)\)、\(\{f(x)\pm g(x)\}' = f'(x)\pm g'(x)\)、\((c)'=0\)(\(c\)は定数)
接線の公式 曲線 \(y=f(x)\) 上の点 \((a,\ f(a))\) における接線の方程式は \[ y - f(a) = f'(a)(x-a) \]
接する点のx座標が分かっている
その値をそのまま\(a\)として公式に代入するだけ。
通る点は分かるが接点かどうか不明
接点を文字\(t\)とおいて「\(t\)を使った接線の一般式」を作り、通る点の座標を代入して\(t\)の方程式を解く。曲線の外の点から引く接線も同じ手順。
微分係数の3つの見方 \(f'(a)\)は「\(x=a\)での平均変化率の極限」=「導関数\(f'(x)\)に\(x=a\)を代入した値」=「\(x=a\)での接線の傾き」。この3つが同じものだと理解しておけば、公式を丸暗記しなくても迷わない。

要点整理 増減・極値と最大値・最小値の全体像

この章のいちばんの土台は「\(f'(x)\)の符号=グラフの向き」という対応。ここさえ押さえれば、増減表・極値・最大最小・方程式への応用まで、すべて同じ考え方でつながっている。

増減の判定 ある区間で\(f'(x)>0\)なら\(f(x)\)は増加、\(f'(x)<0\)なら減少。
注意(頻出のワナ) \(f'(a)=0\)は極値をとるための必要条件にすぎず、十分ではない。\(x=a\)の前後で\(f'(x)\)の符号が実際に変わることまで確認して、初めて極値と言える(例:\(f(x)=x^3\)は\(f'(0)=0\)だが極値ではない)。
手順1 \(f'(x)=0\)となる\(x\)を求める(区間内にあるものだけ使う)
↓
手順2 区間内で増減表をかき、極大値・極小値を求める
↓
手順3 極大値・極小値と、区間の両端の値をすべて比べる。いちばん大きいものが最大値、いちばん小さいものが最小値
方程式・不等式への応用 方程式\(f(x)=a\)の実数解の個数は、グラフ\(y=f(x)\)と直線\(y=a\)の交点の個数と一致する。3次関数\(f(x)\)が極大値・極小値をもつ場合、\(a\)が極大値と極小値の間なら3個、どちらかに一致すれば2個、それ以外なら1個。不等式\(f(x)\ge0\)の証明は「\(f(x)\)の最小値が\(0\)以上であること」を示せばよい。

要点整理 積分の公式と面積

積分は微分の逆算。だからこそ公式の形も微分の公式をひっくり返した形になる。あとは「不定積分にはCが要る/定積分には要らない」という違いと、「面積は必ず0以上」というルールを押さえれば、この章の後半はすべて計算手順の問題になる。

\(\displaystyle\int x^n\,dx = \dfrac{x^{n+1}}{n+1}+C\)(\(n\)は0または正の整数)、\(\displaystyle\int k\,dx = kx+C\)、\(\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx = \big[F(x)\big]_a^b = F(b)-F(a)\)
Cが要る/要らない理由 不定積分は原始関数全体(無数にある)を表すので\(+C\)が必要。定積分は\(F(b)-F(a)\)という引き算で計算するので、\(C\)は必ず消えて結果に影響しない。だから定積分では\(C\)を書かなくてよい。
定積分の性質 \(\displaystyle\int_a^a f(x)\,dx=0\)、\(\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx+\int_b^c f(x)\,dx=\int_a^c f(x)\,dx\)(区間の分割)、偶関数(\(f(-x)=f(x)\))なら\(\displaystyle\int_{-a}^{a}f(x)\,dx=2\int_0^a f(x)\,dx\)、奇関数(\(f(-x)=-f(x)\))なら\(\displaystyle\int_{-a}^{a}f(x)\,dx=0\)。すべての項が奇数次数だけなら全体が奇関数になることを利用すれば、計算せずに\(0\)と分かる場面も多い。
曲線とx軸の間の面積
\(f(x)\ge0\)ならそのまま積分。\(f(x)\le0\)なら\(-\)をつける(絶対値)。区間の途中で符号が変わるときは交点で分割し、それぞれ絶対値をとってから合計する。
2曲線の間の面積
交点を求め、区間内でどちらが上かを1点代入して確認し、(上−下)を交点から交点まで積分する。
1/6公式 2曲線の差\(f(x)-g(x)\)が交点\(\alpha,\ \beta\)(\(\alpha<\beta\))を使って\(a(x-\alpha)(x-\beta)\)の形に書けるとき \[ S = |a|\dfrac{(\beta-\alpha)^3}{6} \] \(a\)は差の2次の項の係数。曲線とx軸の間の面積(放物線とx軸の2交点)も、\(g(x)=0\)の特別な場合として同じ公式が使える。
まとめテスト(標準)

この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜15)
1
導関数の公式

\(f(x) = 3x^4 - 2x^3 + x^2\) の導関数 \(f'(x)\) について、\(x^3\) の係数と \(x\) の係数を求めよ。

\(x^3\) の係数  \(x\) の係数
解説を見る
\((x^n)'=nx^{n-1}\)を各項に適用する。 \((3x^4)'=12x^3\)、\((-2x^3)'=-6x^2\)、\((x^2)'=2x\) \(f'(x)=12x^3-6x^2+2x\)(\(x^3\)の係数\(12\)、\(x\)の係数\(2\))
2
微分係数の値

\(f(x) = 2x^3 + 3x^2 - 4\) について、\(f'(2)\) の値を求めよ。

\(f'(2) = \)
解説を見る
\(f'(x)=6x^2+6x\) \(f'(2)=6\times4+6\times2=24+12=36\) \(f'(2)=36\)
3
接線の公式(2次関数)

\(y = x^2 - 4x + 5\) 上の \(x=1\) における接線の傾きと切片を求めよ。

傾き  切片
解説を見る
\(f(1)=1-4+5=2\)。\(f'(x)=2x-4\)、\(f'(1)=-2\)。 接線:\(y-2=-2(x-1)\) \(y=-2x+4\)(傾き\(-2\)、切片\(4\))
4
接線の公式(3次関数)

\(y = x^3 - x\) 上の \(x=2\) における接線の傾きと切片を求めよ。

傾き  切片
解説を見る
\(f(2)=8-2=6\)。\(f'(x)=3x^2-1\)、\(f'(2)=11\)。 接線:\(y-6=11(x-2)\) \(y=11x-16\)(傾き\(11\)、切片\(-16\))
5
増減の準備:f'(x)=0を解く

\(f(x) = x^3 - 12x + 7\) について、\(f'(x)=0\) となる \(x\) の値をすべて求めよ。

\(x = \)
解説を見る
\(f'(x)=3x^2-12=3(x-2)(x+2)\) \(3(x-2)(x+2)=0\)より \(x=2,\ -2\)
6
極値の基本

\(y = x^3 - 6x^2 + 9x + 2\) の極値を求めよ。

極大値 (\(x=\) ) 極小値 (\(x=\) )
解説を見る
\(f'(x)=3x^2-12x+9=3(x-1)(x-3)\)。\(f'(x)=0\)となるのは\(x=1,\ 3\)。 \(x<1\)で増加、\(1<x<3\)で減少、\(x>3\)で増加。 \(f(1)=1-6+9+2=6\)、\(f(3)=27-54+27+2=2\)。 \(x=1\)で極大値\(6\)、\(x=3\)で極小値\(2\)
7
区間の最大最小(極値が1つだけ区間内)

\(y = x^3 - 3x^2 - 9x + 2\)(\(-3 \le x \le 2\))の最大値・最小値を求めよ。

最大値 (\(x=\) ) 最小値 (\(x=\) )
解説を見る
\(f'(x)=3x^2-6x-9=3(x-3)(x+1)\)。\(f'(x)=0\)の解は\(x=-1,\ 3\)だが、区間\([-3,2]\)内にあるのは\(x=-1\)のみ(\(x=3\)は範囲外)。 \(x<-1\)で増加、\(-1<x<2\)で減少。 \(f(-3)=-27-27+27+2=-25\) \(f(-1)=-1-3+9+2=7\)(極大) \(f(2)=8-12-18+2=-20\) 3つの値\(-25,\ 7,\ -20\)を比べると、最大は\(7\)、最小は\(-25\)。 \(x=-1\)で最大値\(7\)、\(x=-3\)で最小値\(-25\)
8
区間の最大最小(極値が区間の外→単調)

\(y = 2x^3 - 3x^2 + 4\)(\(2 \le x \le 4\))の最大値・最小値を求めよ。

最大値 (\(x=\) ) 最小値 (\(x=\) )
解説を見る
\(f'(x)=6x^2-6x=6x(x-1)\)。\(f'(x)=0\)の解\(x=0,\ 1\)はどちらも区間\([2,4]\)の外(左側)。 \(x=3\)で確認すると\(f'(3)=6\times3\times2=36>0\)なので区間内はずっと増加。 \(f(2)=16-12+4=8\) \(f(4)=128-48+4=84\) \(x=4\)で最大値\(84\)、\(x=2\)で最小値\(8\)
9
定積分の基本

\(\displaystyle \int_0^2 (3x^2-4x+1)\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
原始関数は\(F(x)=x^3-2x^2+x\)。\(F(2)-F(0)=(8-8+2)-0=2\) \(2\)
10
定積分(1次式)

\(\displaystyle \int_1^3 (2x+3)\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
原始関数は\(F(x)=x^2+3x\)。\(F(3)-F(1)=(9+9)-(1+3)=18-4=14\) \(14\)
11
奇関数(対称区間)

\(\displaystyle \int_{-1}^{1} 6x^5\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
\(6x^5\)は奇関数(次数5は奇数)なので、対称区間\([-1,1]\)の積分は計算しなくても0。
12
展開してから積分

\(\displaystyle \int_0^1 (x-2)^2\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
先に展開する。\((x-2)^2=x^2-4x+4\) 原始関数は\(F(x)=\dfrac{1}{3}x^3-2x^2+4x\)。\(F(1)-F(0)=\left(\dfrac{1}{3}-2+4\right)-0=\dfrac{1}{3}+2=\dfrac{7}{3}\) \(\dfrac{7}{3}\)
13
曲線とx軸(区間全体で正)

\(y = x^2 + 1\) のグラフとx軸、および直線 \(x=0\)、\(x=2\) で囲まれた部分の面積を求めよ。

面積
解説を見る
区間\([0,2]\)で\(x^2+1\ge0\)なのでそのまま積分する。 \(S=\displaystyle\int_0^2(x^2+1)\,dx=\left[\dfrac{x^3}{3}+x\right]_0^2=\dfrac{8}{3}+2=\dfrac{14}{3}\) 面積\(=\dfrac{14}{3}\)
14
曲線とx軸(符号が変わる・絶対値注意)

\(y = x^2 - 9\) のグラフとx軸、および直線 \(x=0\)、\(x=4\) で囲まれた部分の面積を求めよ。

面積
解説を見る
\(x^2-9=0\)より\(x=\pm3\)。区間\([0,4]\)の中にある交点は\(x=3\)のみ。 \(x=1\)で\(1-9=-8<0\)、\(x=3.5\)で\(12.25-9=3.25>0\)なので、\(x=3\)で区間を分割する。 \(\displaystyle\int(x^2-9)\,dx=\dfrac{x^3}{3}-9x\) \([0,3]\):\(\left(9-27\right)-0=-18\) 符号がマイナスなので面積は\(18\)。 \([3,4]\):\(\left(\dfrac{64}{3}-36\right)-(9-27)=\dfrac{64}{3}-36+18=\dfrac{64}{3}-18=\dfrac{10}{3}\) 面積\(=18+\dfrac{10}{3}=\dfrac{64}{3}\)
15
曲線とx軸(偶関数の対称性を利用)

\(y = -x^2 + 9\) のグラフとx軸で囲まれた部分の面積を求めよ。

面積
解説を見る
\(-x^2+9=0\)より\(x=\pm3\)。この区間で\(-x^2+9\ge0\)。\(-x^2+9\)は偶関数なので\(2\displaystyle\int_0^3(-x^2+9)\,dx\)で計算できる。 \(\displaystyle\int_0^3(-x^2+9)\,dx=\left[-\dfrac{x^3}{3}+9x\right]_0^3=-9+27=18\) 2倍して\(36\)。 面積\(=36\)
発展(16〜25)
16
接点をtとおく(外部の点から引く接線)

点 \(\mathrm{P}(0,\ 2)\) から曲線 \(y=x^3-3x\) に引ける接線は何本あるか。また、その接線の方程式を求めよ。

本数 本 接線の方程式 \(y=\)
解説を見る
Pが曲線上にあるかは分からないので、接点を\((t,\ t^3-3t)\)とおく。\(f'(t)=3t^2-3\)より接線は \(y-(t^3-3t)=(3t^2-3)(x-t)\) 整理すると\(y=(3t^2-3)x-2t^3\)…(A) (A)が点P\((0,\ 2)\)を通るので、\(x=0,\ y=2\)を代入する。 \(2=(3t^2-3)\times0-2t^3=-2t^3\) \(t^3=-1\) 実数の範囲で\(t^3=-1\)を満たすのは\(t=-1\)のみ(他の2解は虚数)。よって接線は1本だけ。 \(t=-1\)のとき傾きは\(3(-1)^2-3=0\)、接線は\(y=0\times x-2\times(-1)^3=2\)。 (確認:接点は\((-1,\ f(-1))=(-1,\ 2)\)で、Pの座標\((0,2)\)と同じ高さの水平な接線になっている。) 接線は1本、\(y=2\)
17
極値を求めてから方程式の解の個数へ

\(y = x^3 - 3x^2 - 9x + 5\) の極値を求めよ。また、方程式 \(x^3-3x^2-9x+5=0\) の異なる実数解の個数を求めよ。

極大値 (\(x=\) ) 極小値 (\(x=\) )
実数解の個数 個
解説を見る
\(f'(x)=3x^2-6x-9=3(x-3)(x+1)\)。\(f'(x)=0\)より\(x=-1,\ 3\)。 \(x<-1\)で増加、\(-1<x<3\)で減少、\(x>3\)で増加。 \(f(-1)=-1-3+9+5=10\)(極大) \(f(3)=27-27-27+5=-22\)(極小) 極大値\(10>0\)、極小値\(-22<0\)。極大値が正・極小値が負なので、グラフはx軸と3回交わる(極大値の手前で1回、極大値と極小値の間で1回、極小値の後で1回)。 極大値\(10\)(\(x=-1\))、極小値\(-22\)(\(x=3\))、実数解の個数は\(3\)個
18
区間の最大最小(端点の値も候補になる)

\(y = x^3 - 6x^2 + 9x - 2\)(\(-1 \le x \le 2\))の最大値・最小値を求めよ。

最大値 (\(x=\) ) 最小値 (\(x=\) )
解説を見る
\(f'(x)=3x^2-12x+9=3(x-1)(x-3)\)。解\(x=1,\ 3\)のうち区間\([-1,2]\)内にあるのは\(x=1\)のみ。 \(x<1\)で増加、\(1<x<2\)で減少。 \(f(-1)=-1-6-9-2=-18\) \(f(1)=1-6+9-2=2\)(極大) \(f(2)=8-24+18-2=0\) 3つの値\(-18,\ 2,\ 0\)を比べると、最大は極大値の\(2\)、最小は端点\(x=-1\)の\(-18\)(\(x=2\)の値\(0\)はどちらでもない)。 \(x=1\)で最大値\(2\)、\(x=-1\)で最小値\(-18\)
19
文章題:表面積一定で体積最大

底面が1辺 \(x\)cm の正方形、高さが \(y\)cm の直方体があり、表面積が \(96\)cm² で一定であるとき、体積 \(V\) の最大値を求めよ。

最大値 \(V=\)  そのとき \(x=\)  \(y=\)
解説を見る
表面積の条件(底面2つ+側面4つ)は\(2x^2+4xy=96\)。\(y\)について解くと(\(x>0\))\(y=\dfrac{96-2x^2}{4x}=\dfrac{48-x^2}{2x}\)。 体積は\(V=x^2y=x^2\cdot\dfrac{48-x^2}{2x}=\dfrac{x(48-x^2)}{2}=\dfrac{48x-x^3}{2}\)(\(0<x<4\sqrt3\)、\(y>0\)の条件から) \(V'(x)=\dfrac{48-3x^2}{2}\)。\(V'(x)=0\)より\(x^2=16\)、\(x>0\)なので\(x=4\)。 \(x<4\)で\(V'(x)>0\)(増加)、\(x>4\)で\(V'(x)<0\)(減少)なので\(x=4\)で極大かつ最大。 \(x=4\)のとき\(y=\dfrac{48-16}{8}=\dfrac{32}{8}=4\)。 \(V=4^2\times4=64\) \(x=4,\ y=4\)(立方体)のとき体積は最大値\(64\)cm³
20
不等式の証明(最小値を利用)

\(x \ge 0\) のとき、\(x^3 - 3x + 5 \ge 0\) が成り立つことを証明せよ。まず \(f(x)=x^3-3x+5\) の(\(x\ge0\)における)最小値を求めよ。

最小値
解説を見る
\(f'(x)=3x^2-3=3(x-1)(x+1)\)。\(x\ge0\)の範囲で\(f'(x)=0\)となるのは\(x=1\)のみ(\(x=-1\)は範囲外)。 増減表(\(x\ge0\)): \(x\):\(0 \to 1 \to\) \(f'(x)\):\(-\ \ 0\ \ +\) \(f(x)\):\((5) \to 3\)(最小)\(\to\) \(x\ge0\)の範囲で\(f(x)\)は\(x=1\)で最小値\(f(1)=1-3+5=3\)をとる。 最小値が\(3>0\)なので、\(x\ge0\)のすべての\(x\)について\(f(x)\ge3>0\)、よって\(f(x)\ge0\)も成り立つ。 \(x\ge0\)における最小値は\(3\)(\(x=1\))。最小値が正なので\(x\ge0\)のとき\(x^3-3x+5\ge0\)が成り立つ。
21
1/6公式の応用

\(y=x^2-4x\) と \(y=2x-5\) で囲まれた部分の面積を、1/6公式を使って求めよ。

面積
解説を見る
交点:\(x^2-4x=2x-5\)より\(x^2-6x+5=0\)、\((x-1)(x-5)=0\)、\(x=1,\ 5\)。 差(直線−放物線)\(=(2x-5)-(x^2-4x)=-x^2+6x-5=-(x-1)(x-5)\)、\(a=-1\)(\(|a|=1\))。 \(S=|a|\dfrac{(\beta-\alpha)^3}{6}=1\times\dfrac{4^3}{6}=\dfrac{64}{6}\) 面積\(=\dfrac{32}{3}\)
22
微分と積分の関係

\(\displaystyle F(x) = \int_{-1}^x (2t^3-3t^2+1)\,dt\) について、\(F'(2)\) を求めよ。

値
解説を見る
公式\(\dfrac{d}{dx}\displaystyle\int_a^x f(t)\,dt=f(x)\)より、積分せずに\(t\)を\(x\)に置きかえるだけでよい。 \(F'(x)=2x^3-3x^2+1\) \(F'(2)=2\times8-3\times4+1=16-12+1=5\) \(F'(2)=5\)
23
絶対値つき定積分

\(\displaystyle \int_0^4 |x^2-2x-3|\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
\(x^2-2x-3=(x-3)(x+1)=0\)より\(x=-1,\ 3\)。区間\([0,4]\)の中にある交点は\(x=3\)のみ。 \(x=1\)で\(1-2-3=-4<0\)、\(x=3.5\)で\(12.25-7-3=2.25>0\)なので、\(0\le x\le3\)では\(x^2-2x-3\le0\)、\(3\le x\le4\)では\(x^2-2x-3\ge0\)。 \(\displaystyle\int(x^2-2x-3)\,dx=\dfrac{x^3}{3}-x^2-3x\) \([0,3]\):\(\left(9-9-9\right)-0=-9\) 符号がマイナスなので面積分は\(9\)。 \([3,4]\):\(\left(\dfrac{64}{3}-16-12\right)-(-9)=\dfrac{64}{3}-28+9=\dfrac{64}{3}-19=\dfrac{7}{3}\) \(\displaystyle\int_0^4|x^2-2x-3|\,dx=9+\dfrac{7}{3}=\dfrac{34}{3}\)
24
3次関数とx軸(符号が3回変わる)

\(y=x^3-x\) のグラフとx軸、および直線 \(x=-2\)、\(x=2\) で囲まれた部分の面積を求めよ。

面積
解説を見る
\(x^3-x=x(x-1)(x+1)\)より、区間\([-2,2]\)の中にある交点は\(x=-1,\ 0,\ 1\)。3つに区切って符号を確認する。 \(x=-1.5\)で\(-1.875<0\)、\(x=-0.5\)で\(0.375>0\)、\(x=0.5\)で\(-0.375<0\)、\(x=1.5\)で\(1.875>0\)。 \(\displaystyle\int(x^3-x)\,dx=\dfrac{x^4}{4}-\dfrac{x^2}{2}\)、\(F(x)\)とおく。 \(F(-2)=4-2=2\) \(F(-1)=\dfrac14-\dfrac12=-\dfrac14\) \(F(0)=0\) \(F(1)=-\dfrac14\) \(F(2)=2\) \([-2,-1]\):\(F(-1)-F(-2)=-\dfrac14-2=-\dfrac94\) マイナスなので面積\(\dfrac94\) \([-1,0]\):\(F(0)-F(-1)=0-\left(-\dfrac14\right)=\dfrac14\) プラスのまま \([0,1]\):\(F(1)-F(0)=-\dfrac14\) マイナスなので面積\(\dfrac14\) \([1,2]\):\(F(2)-F(1)=2-\left(-\dfrac14\right)=\dfrac94\) プラスのまま 面積\(=\dfrac94+\dfrac14+\dfrac14+\dfrac94=5\)
25
総合問題:接線を求めてから面積へ(章の総仕上げ)

曲線 \(y = x^3 - 4x + 3\) の \(x=1\) における接線を求めよ。また、この接線と曲線とで囲まれた部分の面積を求めよ。

接線の式 \(y=\) \(x+\)   面積
解説を見る
\(f(x)=x^3-4x+3\)、\(f'(x)=3x^2-4\)。\(f(1)=1-4+3=0\)、\(f'(1)=3-4=-1\)。 接線:\(y=0+(-1)(x-1)=-x+1\) もう一方の交点を求める。\(x^3-4x+3=-x+1\)より\(x^3-3x+2=0\)。\(x=1\)が接点なので重解になっているはずで、\((x-1)^2\)で割れる。 \(x^3-3x+2=(x-1)^2(x+2)\)(展開して確認すると一致する) よって\(x=1\)(重解、接点)または\(x=-2\)。 \(x=0\)を代入すると、曲線側は\(f(0)=3\)、接線側は\(1\)なので、区間\([-2,1]\)では曲線が接線より上にある。 \(S=\displaystyle\int_{-2}^{1}\{(x^3-4x+3)-(-x+1)\}\,dx=\int_{-2}^{1}(x^3-3x+2)\,dx=\left[\dfrac{x^4}{4}-\dfrac{3x^2}{2}+2x\right]_{-2}^{1}\) \(x=1\):\(\dfrac14-\dfrac32+2=\dfrac34\)  \(x=-2\):\(4-6-4=-6\) 接線は\(y=-x+1\)、面積\(=\dfrac34-(-6)=\dfrac{27}{4}\)(\(=6.75\))
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

「微分と積分は互いに逆の演算である」とはどういうことか、具体的な式を挙げながら説明せよ。また、この関係が定積分の計算にどのように役立っているかについても述べよ。

模範解答を見る
「微分と積分が互いに逆の演算である」とは、ある関数を微分してから積分すると(あるいは積分してから微分すると)、元の関数に戻る、という対応関係のことである。 たとえば\(f(x)=x^2\)を微分すると\(f'(x)=2x\)になる。この\(2x\)をもう一度積分すると\(\displaystyle\int2x\,dx=x^2+C\)となり、積分定数\(C\)を除けば元の\(f(x)=x^2\)に戻っている。これは偶然ではなく、不定積分がそもそも「微分すると\(f(x)\)になる関数(原始関数)」として定義されているからである。逆向きにも同じ対応があり、\(\displaystyle\dfrac{d}{dx}\int_a^x f(t)\,dt=f(x)\)という公式(微分と積分の関係)は、いったん積分してからまた微分すると元の被積分関数に戻ることを表している。 この関係は、定積分を実際に計算する場面で決定的な役割を果たしている。定積分\(\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx\)は、本来は面積のように細かく区切って足し合わせて求めたい量であり、そのままでは計算がとても大変である。ところが、微分と積分が逆演算であるという関係を使うと、\(f(x)\)の原始関数\(F(x)\)を1つ見つけさえすれば、\(\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx=F(b)-F(a)\)という引き算だけで値が求まる。原始関数を見つける作業は、微分の公式を逆にたどるだけでよいので、べき乗の公式\((x^n)'=nx^{n-1}\)を知っていれば\(\displaystyle\int x^n\,dx=\dfrac{x^{n+1}}{n+1}+C\)がすぐに分かる。 このように、微分と積分が逆演算であるという関係のおかげで、本来は難しい「面積の計算」が「原始関数を求めて代入し、引き算する」という機械的な手順に置き換わる。これが、この章で微分法を先に学び、そのあとに積分法を学ぶ理由でもある。 微分してから積分する(またはその逆)と元の関数に戻るという対応関係が、微分と積分が逆演算であるということ。この関係により、本来難しい面積の計算(定積分)が、微分の公式を逆にたどって求めた原始関数の引き算\(F(b)-F(a)\)という機械的な手順に置き換わる。
記2

\(y = x^3 - 3x^2 - 9x + 10\)(\(-2 \le x \le 4\))の増減を調べ、極値を求めよ。さらにこの区間における最大値・最小値を、増減表と区間の両端の値を示しながら答案として記述せよ。

模範解答を見る
\(f(x)=x^3-3x^2-9x+10\)とおく。 \(f'(x)=3x^2-6x-9=3(x^2-2x-3)=3(x-3)(x+1)\) \(f'(x)=0\)より\(x=-1,\ 3\)。どちらも区間\([-2,4]\)の中にある。この2つの値の前後で\(f'(x)\)の符号を調べる。 \(x=-2\)のとき\(f'(-2)=3(-2-3)(-2+1)=3(-5)(-1)=15>0\) \(x=0\)のとき\(f'(0)=3(0-3)(0+1)=3(-3)(1)=-9<0\) \(x=4\)のとき\(f'(4)=3(4-3)(4+1)=3(1)(5)=15>0\) よって\(x<-1\)で増加、\(-1<x<3\)で減少、\(x>3\)で増加。 \(x=-1\)の前後で符号が\(+\to0\to-\)(山型)に変わるので\(x=-1\)で極大。 \(x=3\)の前後で符号が\(-\to0\to+\)(谷型)に変わるので\(x=3\)で極小。 \(f(-1)=-1-3+9+10=15\) \(f(3)=27-27-27+10=-17\) 増減表(区間\(-2\le x\le4\)):
\(x\) −2 … −1 … 3 … 4
\(f'(x)\) + 0 − 0 +
\(f(x)\) 8 ↗ 15(極大) ↘ −17(極小) ↗ −10
区間の両端も計算する。\(f(-2)=-8-12+18+10=8\)、\(f(4)=64-48-36+10=-10\)。 極値と両端の値\(8,\ 15,\ -17,\ -10\)をすべて比べると、いちばん大きいのは極大値\(15\)(\(x=-1\))、いちばん小さいのは極小値\(-17\)(\(x=3\))。今回はどちらも極値の方が両端の値より大きい・小さいので、最大・最小は極値のところで実現する。 \(x=-1\)で極大値\(15\)、\(x=3\)で極小値\(-17\)。区間\([-2,4]\)における最大値は\(15\)(\(x=-1\))、最小値は\(-17\)(\(x=3\))。
共通テスト形式チャレンジ

大問1 目標時間 8分/配点 20点

ロボット部の花子さんと太郎さんは、文化祭で展示する部品ケースを、1辺30cmの正方形のアルミ板から作ろうとしている。四隅から1辺\(x\)cmの正方形を切り取り、残りを折り曲げてふたのない箱を作る計画である。次の会話を読んで、あとの問いに答えよ。

太郎「底面は1辺\((30-2x)\)cm、高さは\(x\)cmの直方体になるね。」
花子「じゃあ、体積\(V\)を\(x\)を使った式で表して、微分して増減を調べてみよう。」
(1)

体積は\(V=x(30-2x)^2\)(\(0<x<15\))である。これを展開して整理すると \[ V = 4x^3 - \boxed{\text{アイウ}}x^2 + 900x \] となる。さらに\(V\)を微分すると \[ V' = 12x^2 - \boxed{\text{エオカ}}x + 900 \] となる。アイウ、エオカの値を求めよ。

アイウ エオカ
解説を見る
\(V=x(30-2x)^2\)を展開する。\((30-2x)^2=900-120x+4x^2\)なので \(V=x(900-120x+4x^2)=900x-120x^2+4x^3=4x^3-120x^2+900x\) これを微分すると \(V'=12x^2-240x+900\) \(V=4x^3-120x^2+900x\)、\(V'=12x^2-240x+900\)
(2)

\(V'=0\)を解くと、\(V'=12(x-\boxed{\text{キ}})(x-15)\)の形になる(キには定義域\(0<x<15\)の中にある方の解を入れよ)。このとき体積が最大になるのは\(x=\boxed{\text{キ}}\)のときで、そのときの体積は\(V=\boxed{\text{クケコサ}}\)cm³である。

キ クケコサ
解説を見る
\(V'=12x^2-240x+900=12(x^2-20x+75)=12(x-5)(x-15)\) \(V'=0\)より\(x=5,\ 15\)。定義域\(0<x<15\)の中にあるのは\(x=5\)のみ(\(x=15\)は定義域の端で、正方形が切り取れなくなる境界値)。 \(x<5\)で\(V'>0\)(増加)、\(5<x<15\)で\(V'<0\)(減少)なので\(x=5\)で極大かつ最大。 \(V(5)=5\times(30-10)^2=5\times400=2000\) \(x=5\)のとき最大値\(V=2000\)cm³
(3)

太郎「アルミ板の在庫の都合で、実際に切り取れる\(x\)の範囲は6以上10以下に制限されることになりました。」

この範囲\(6\le x\le10\)で体積が最大になるのは\(x=\boxed{\text{シ}}\)のときで、そのときの体積は\(V=\boxed{\text{スセソタ}}\)cm³である。

シ スセソタ
解説を見る
(2)の\(V'=12(x-5)(x-15)\)を使う。範囲\(6\le x\le10\)は、極大点\(x=5\)より右側にある。 \(x=8\)で確認すると\(V'(8)=12(8-5)(8-15)=12\times3\times(-7)=-252<0\)なので、この範囲では\(V\)はずっと減少する。 したがって最大値は範囲の左端\(x=6\)でとる。 \(V(6)=6\times(30-12)^2=6\times324=1944\) (参考:\(x=10\)のとき\(V(10)=10\times(30-20)^2=10\times100=1000\)で、確かに\(x=6\)の方が大きい。) \(x=6\)のとき最大値\(V=1944\)cm³

大問2 目標時間 8分/配点 20点

花子さんは、文化祭のステージ背景に、2つの放物線\(y=x^2\)と\(y=-x^2+8x\)で挟まれた部分を色紙で貼ろうと考えている。先生と一緒に、面積を2通りの方法で計算して確かめている。次の会話を読んで、あとの問いに答えよ。

先生「まずは交点を求めて、定義通りに定積分で面積を計算してみよう。そのあと、1/6公式でも同じ答えになるか確かめてみよう。」
(1)

2つの放物線の交点のx座標を、小さい順に求めよ。\(x=\boxed{\text{ア}}\)、\(x=\boxed{\text{イ}}\)

ア イ
解説を見る
\(x^2=-x^2+8x\)より \(2x^2-8x=0\) \(2x(x-4)=0\) \(x=0,\ 4\) \(x=0,\ 4\)
(2)

区間\([0,4]\)では\(y=-x^2+8x\)が上、\(y=x^2\)が下にある。差を計算すると \[ (-x^2+8x)-x^2 = -\boxed{\text{ウ}}x^2+8x \] となる。これを定義通りに定積分すると、面積は\(\dfrac{\boxed{\text{エオ}}}{\boxed{\text{カ}}}\)である。

ウ エオ カ
解説を見る
差は\((-x^2+8x)-x^2=-2x^2+8x\)。 \(S=\displaystyle\int_0^4(-2x^2+8x)\,dx=\left[-\dfrac{2x^3}{3}+4x^2\right]_0^4=-\dfrac{128}{3}+64=-\dfrac{128}{3}+\dfrac{192}{3}=\dfrac{64}{3}\) 差は\(-2x^2+8x\)、面積は\(\dfrac{64}{3}\)
(3)

1/6公式を使って(2)の結果を検算する。差\(-2x^2+8x\)の2次の項の係数の絶対値は\(|a|=\boxed{\text{キ}}\)であり、公式\(S=|a|\dfrac{(\beta-\alpha)^3}{6}\)にあてはめると、面積は\(\dfrac{\boxed{\text{クケ}}}{\boxed{\text{コ}}}\)となる。

キ クケ コ
解説を見る
差\(-2x^2+8x=-2x(x-4)\)より\(a=-2\)、\(|a|=2\)。交点は(1)より\(\alpha=0,\ \beta=4\)。 \(S=|a|\dfrac{(\beta-\alpha)^3}{6}=2\times\dfrac{4^3}{6}=2\times\dfrac{64}{6}=\dfrac{128}{6}=\dfrac{64}{3}\) (2)の定義通りの計算結果\(\dfrac{64}{3}\)と一致する。 \(|a|=2\)、面積は\(\dfrac{64}{3}\)((2)の結果と一致)