この章で学ぶこと
指数関数・対数関数は、これまで「正の整数乗」しか扱えなかった指数を0・負の数・分数へと拡張することで、まったく新しいタイプの関数を手に入れる章である。前章「三角関数」が周期的に変化する量を扱ったのに対し、この章では倍々に増える・一定の割合で減っていく量を1つの式で表す方法を学ぶ。指数を拡張して指数関数のグラフと性質を調べたあと、その「逆」の関数として対数を定義し、対数の性質・底の変換公式・常用対数(桁数や小数首位の計算)へと話がつながっていく一直線の構成になっている。ここで身につける「同じ底にそろえて比べる」「単調性で大小・方程式・不等式の向きを判断する」という考え方は、次章「微分法と積分法」でグラフの増減を読み取るときの土台にもなる。
学習の順路
下から順番に読み進めよう。1で指数の意味を実数全体に広げ、2でその指数関数のグラフと計算に慣れ、3〜4で「逆」の関数である対数へと進む、という一直線の流れになっている。
- 1. 指数の拡張 ― 0乗・負の整数乗・累乗根・有理数の指数を定義し、指数法則が分数の指数でもそのまま使えることを確認する。
- 2. 指数関数とグラフ ― \(y=a^x\)のグラフの形を調べ、指数の大小比較・指数方程式・指数不等式を解く。
- 3. 対数とその性質 ― 「何乗したら?」の答えを表す対数を定義し、積・商・累乗の性質と底の変換公式を導く。
- 4. 対数関数・常用対数 ― \(y=\log_a x\)のグラフを調べ、対数方程式・不等式を解き、常用対数で桁数や小数首位を求める。
要点整理 指数の拡張と指数法則
中学までの「正の整数乗」を、0乗・負の整数乗・有理数乗へと段階的に広げてきた。テスト前は、どんな形で指数が与えられても同じ数値に直せることを確認しよう。
\(a^0=1\) \(a^{-n}=\dfrac{1}{a^n}\)
\(a^{\frac{1}{n}}=\sqrt[n]{a}\) \(a^{\frac{m}{n}}=(\sqrt[n]{a})^m=\sqrt[n]{a^m}\)
\(n\)乗して\(a\)になる正の数だけを\(\sqrt[n]{a}\)と呼ぶ(\(a<0\)なら\(\sqrt[n]{a}\)は存在しない)。
\(n\)乗して\(a\)になる実数はただ1つに決まる。\(a<0\)でも\(\sqrt[n]{a}\)が定義できる(符号も含めて1通り)。
要点整理 指数関数のグラフと方程式・不等式
\(y=a^x\)(\(a>0,\ a\neq1\))のグラフの形は、底\(a\)が1より大きいか0と1の間かで真逆になる。この「増えるか減るか(単調性)」が、大小比較・方程式・不等式すべての判断基準になる。
\(0<a<1\) 右下がり(単調減少)。指数が大きいほど値は小さい。
どちらの場合もグラフは点\((0,\ 1)\)を通り、\(y>0\)、x軸が漸近線になる。
要点整理 対数の定義と性質
対数は「何乗したら?」の答えそのものを表す記号。指数法則を対数の言葉に言い換えると、積・商・累乗の3つの性質が導ける。
\(\log_a MN=\log_a M+\log_a N\) \(\log_a\dfrac{M}{N}=\log_a M-\log_a N\) \(\log_a M^r=r\log_a M\)
要点整理 対数関数のグラフと常用対数
対数関数\(y=\log_a x\)は指数関数\(y=a^x\)の逆関数。\(x\)と\(y\)を入れ替えた関係だから、グラフは直線\(y=x\)に関して線対称になる。
\(a>1\)なら増加関数、\(0<a<1\)なら減少関数(指数関数と同じ判断基準がそのまま使える)。
\(m\le\log_{10}N<m+1\)となる整数\(m\)が見つかれば、\(N\)は\(m+1\)桁の数。
\(\log_{10}N=-k+s\)(\(k\)は正の整数、\(0\le s<1\))の形に書けたら、\(N\)は小数第\(k\)位に初めて0でない数字が現れる。
小数部分\(s\)が\(\log_{10}d\le s<\log_{10}(d+1)\)を満たす1桁の数\(d\)が最高位の数字。
この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」のように入力。
常用対数の値は \(\log_{10}2=0.3010,\ \log_{10}3=0.4771,\ \log_{10}4=0.6021,\ \log_{10}5=0.6990,\ \log_{10}6=0.7781,\ \log_{10}7=0.8451,\ \log_{10}8=0.9031,\ \log_{10}9=0.9542\) を使ってよい。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。
\(4^{-2}\) の値を求めよ。
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\(\sqrt[3]{-125}\) の値を求めよ。
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\(25^{\frac{3}{2}}\) の値を求めよ。
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\(3^{\frac{1}{2}} \times 3^{\frac{3}{2}}\) の値を求めよ。
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\(2^x = 32\) を解け。
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\(3^x > 27\) の解は \(x > \Box\) の形になる。\(\Box\) に入る数を答えよ。
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次のうち大きいのはどちらか。記号で答えよ。 ア:\(3^{-1}\) イ:\(3^{2}\)
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\(\log_3 81\) の値を求めよ。
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\(\log_2 3 + \log_2 \dfrac{16}{3}\) の値を求めよ。
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\(\log_5 200 - \log_5 8\) の値を求めよ。
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\(2\log_3 6 - \log_3 4\) の値を求めよ。
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\(\log_8 16\) の値を求めよ。
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\(\log_4(x+1) = 2\) を解け。
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\(\log_2(x-3) < 4\) を解け。
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\(2^{15}\) の桁数を求めよ。
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\(9^x - 10\cdot3^x + 9 = 0\) を解け。解が2つあるときはコンマ区切りで入力せよ。
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\(4^x - 5\cdot2^x + 4 < 0\) を解け。解は \(\Box_1 < x < \Box_2\) の形になる。
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\(\log_2 x + \log_2(x-3) = 2\) を解け。
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\(\log_{\frac{1}{3}}(x-1) \ge -2\) を解け。
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\(\log_9 27 \times \log_3 81\) の値を求めよ。
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\(2^{20} \times 5^{15}\) の桁数を求めよ。
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\(0.2^{8}\) は小数第何位に初めて0でない数字が現れるか求めよ。
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\(1\le x\le27\) のとき、関数 \(y=(\log_3x)^2-4\log_3x+2\) の最大値・最小値を求めよ。またそれぞれのときの \(x\) の値も求めよ。
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\(18^{10}\) の桁数を求めよ。(\(18=2\times3^2\) と考える)
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\(3^a = 5\)、\(5^b = 3\) のとき、\(ab\) の値を求めよ。(\(a,\ b\) を対数を用いて表してから考えよ)
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答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。
指数関数\(y=a^x\)と対数関数\(y=\log_a x\)が「互いに逆関数」の関係にあることを、具体的な点の対応とグラフの対称性の観点から説明せよ。
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指数の意味を0・負の数・分数へと広げてから対数を定義するまでの流れを、\(a^{p}=M \iff p=\log_a M\)という関係を軸にして、この章全体の流れとしてまとめよ。
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先生「1回目に跳ね返る高さ\(h_1\)は、最初の高さ256cmに\(\dfrac{3}{4}\)を掛ければ求まるね。」
太郎「はい。\(h_1=256\times\dfrac{3}{4}=192\)ですね。2回目はさらに\(\dfrac{3}{4}\)倍だから\(h_2=192\times\dfrac{3}{4}=144\)になります。」
先生「そう。ということは、\(h_n\)を\(n\)を使った式でまとめて表せそうだね。」
\(h_n\) を \(n\) の式で表すと、\(h_n = \boxed{\text{アイウ}} \times \left(\dfrac{\boxed{\text{エ}}}{\boxed{\text{オ}}}\right)^n\) となる。アイウ、エ、オの値をそれぞれ求めよ。
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先生「\(h_n\)が初めて100cmを下回るのが何回目かを知りたいときは、不等式\(256\times\left(\dfrac34\right)^n < 100\)を解けばいい。でも\(\left(\dfrac34\right)^n\)のままでは指数を求めにくいから、常用対数を使って指数を前に出そう。」
\(\log_{10}\dfrac34 = \log_{10}3-\log_{10}4\) に、\(\log_{10}3=0.4771,\ \log_{10}4=0.6021\) を代入すると、\(\log_{10}\dfrac34 = -0.\boxed{\text{カキクケ}}\) となる(\(\log_{10}4\)は\(2\log_{10}2\)に置き換えず、ここで与えた\(0.6021\)をそのまま使うこと)。カキクケに入る数を求めよ。
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(2)の結果と\(\log_{10}\dfrac{100}{256}=2-8\log_{10}2=2-8\times0.3010=-0.408\)を用いると、不等式\(256\times\left(\dfrac34\right)^n < 100\)は\(n\log_{10}\dfrac34 < \log_{10}\dfrac{100}{256}\)、すなわち\(-0.1250n < -0.408\)と書き換えられる。これを解くと、\(h_n\)が初めて100cmを下回るのは\(\boxed{\text{コ}}\)回目の跳ね返りである。整数で答えよ。
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先生「\(1.2^x\)のままでは指数方程式として簡単には解けないね。こういうときは、両辺の常用対数をとって、指数を前に出す対数の性質を使うといいよ。」
\(500\times1.2^x>2000\)を変形すると、\(1.2^x>\boxed{\text{ア}}\)となる。さらに両辺の常用対数をとると、\(x\log_{10}1.2>\log_{10}\boxed{\text{ア}}\)、すなわち\(x>\dfrac{\log_{10}\boxed{\text{ア}}}{\log_{10}1.2}\)(\(\log_{10}1.2>0\)なので不等号の向きはそのまま)となる。アに入る数を求めよ。
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\(\log_{10}1.2=\log_{10}\dfrac{6}{5}=\log_{10}6-\log_{10}5=0.\boxed{\text{イウエオ}}\)である。\(\log_{10}6=0.7781,\ \log_{10}5=0.6990\)を用いて、イウエオに入る数を求めよ。
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(1)より\(x>\dfrac{\log_{10}4}{\log_{10}1.2}\)である。\(\log_{10}4=0.6021\)と(2)で求めた値を用いると、フォロワー数が2000人を超えるのは\(\boxed{\text{カ}}\)週間後である。整数で答えよ。