この章で学ぶこと

指数関数・対数関数は、これまで「正の整数乗」しか扱えなかった指数を0・負の数・分数へと拡張することで、まったく新しいタイプの関数を手に入れる章である。前章「三角関数」が周期的に変化する量を扱ったのに対し、この章では倍々に増える・一定の割合で減っていく量を1つの式で表す方法を学ぶ。指数を拡張して指数関数のグラフと性質を調べたあと、その「逆」の関数として対数を定義し、対数の性質・底の変換公式・常用対数(桁数や小数首位の計算)へと話がつながっていく一直線の構成になっている。ここで身につける「同じ底にそろえて比べる」「単調性で大小・方程式・不等式の向きを判断する」という考え方は、次章「微分法と積分法」でグラフの増減を読み取るときの土台にもなる。

学習の順路

下から順番に読み進めよう。1で指数の意味を実数全体に広げ、2でその指数関数のグラフと計算に慣れ、3〜4で「逆」の関数である対数へと進む、という一直線の流れになっている。

  1. 1. 指数の拡張 ― 0乗・負の整数乗・累乗根・有理数の指数を定義し、指数法則が分数の指数でもそのまま使えることを確認する。
  2. 2. 指数関数とグラフ ― \(y=a^x\)のグラフの形を調べ、指数の大小比較・指数方程式・指数不等式を解く。
  3. 3. 対数とその性質 ― 「何乗したら?」の答えを表す対数を定義し、積・商・累乗の性質と底の変換公式を導く。
  4. 4. 対数関数・常用対数 ― \(y=\log_a x\)のグラフを調べ、対数方程式・不等式を解き、常用対数で桁数や小数首位を求める。

要点整理 指数の拡張と指数法則

中学までの「正の整数乗」を、0乗・負の整数乗・有理数乗へと段階的に広げてきた。テスト前は、どんな形で指数が与えられても同じ数値に直せることを確認しよう。

指数の拡張(\(a>0\)、\(n\)は正の整数。累乗根の\(n\)は2以上)
\(a^0=1\)  \(a^{-n}=\dfrac{1}{a^n}\)
\(a^{\frac{1}{n}}=\sqrt[n]{a}\)  \(a^{\frac{m}{n}}=(\sqrt[n]{a})^m=\sqrt[n]{a^m}\)
\(n\)が偶数のとき
\(n\)乗して\(a\)になる正の数だけを\(\sqrt[n]{a}\)と呼ぶ(\(a<0\)なら\(\sqrt[n]{a}\)は存在しない)。
\(n\)が奇数のとき
\(n\)乗して\(a\)になる実数はただ1つに決まる。\(a<0\)でも\(\sqrt[n]{a}\)が定義できる(符号も含めて1通り)。
法則1 \(a^m\times a^n=a^{m+n}\)
↓
法則2 \(a^m\div a^n=a^{m-n}\)
↓
法則3 \((a^m)^n=a^{mn}\)
↓
法則4 \((ab)^n=a^nb^n\)
注意 この4つの法則は指数が整数でも分数でも成り立つが、底\(a>0\)が前提。負の数の分数乗は実数として定まらない場合がある(例えば\((-8)^{\frac{1}{2}}\))ので、この章では底は正の数として扱う。

要点整理 指数関数のグラフと方程式・不等式

\(y=a^x\)(\(a>0,\ a\neq1\))のグラフの形は、底\(a\)が1より大きいか0と1の間かで真逆になる。この「増えるか減るか(単調性)」が、大小比較・方程式・不等式すべての判断基準になる。

\(a>1\) 右上がり(単調増加)。指数が大きいほど値も大きい。
\(0<a<1\) 右下がり(単調減少)。指数が大きいほど値は小さい。
どちらの場合もグラフは点\((0,\ 1)\)を通り、\(y>0\)、x軸が漸近線になる。
手順1 両辺を同じ底の累乗になおす
↓
手順2 方程式なら指数どうしを=で結ぶ(\(a^p=a^q \iff p=q\))
↓
手順3 不等式なら底が1より大きいかで向きを判定する(\(a>1\)はそのまま、\(0<a<1\)は逆転)
おきかえのコツ \(4^x\)や\(9^x\)のような式が混ざる方程式・不等式は、\(t=2^x\)や\(t=3^x\)(\(t>0\))とおくと\(t\)の2次方程式・不等式に帰着できる。おきかえたら必ず\(t>0\)で解を吟味すること。

要点整理 対数の定義と性質

対数は「何乗したら?」の答えそのものを表す記号。指数法則を対数の言葉に言い換えると、積・商・累乗の3つの性質が導ける。

\[a^{p}=M \iff p=\log_a M\] (\(a>0,\ a\neq1,\ M>0\))\(a\)を底、\(M\)を真数と呼ぶ。真数は必ず正、底は正かつ1でない。基本値:\(\log_a 1=0\)、\(\log_a a=1\)。
対数の性質(\(M>0,\ N>0\))
\(\log_a MN=\log_a M+\log_a N\)  \(\log_a\dfrac{M}{N}=\log_a M-\log_a N\)  \(\log_a M^r=r\log_a M\)
底の変換公式(\(a,\ c\)は正で1でない、\(b>0\)) \[\log_a b=\dfrac{\log_c b}{\log_c a}\] 特に\(c=b\)とすると\(\log_a b=\dfrac{1}{\log_b a}\)(底と真数を入れ替えると逆数になる。この逆数の形はさらに\(b\neq1\)が必要)。
手順1 真数条件(\(M>0\))・底の条件を確認する
↓
手順2 積・商をまとめる(またはバラす)
↓
手順3 累乗があれば係数として前に出す
↓
手順4 底がそろっていなければ底の変換公式でそろえる
ミスの定番 \(\log_a M+\log_a N\)は\(\log_a(M+N)\)ではない。足し算になるのは真数どうしの掛け算のとき(\(\log_a MN\))だけ。真数を先に足してはいけない。

要点整理 対数関数のグラフと常用対数

対数関数\(y=\log_a x\)は指数関数\(y=a^x\)の逆関数。\(x\)と\(y\)を入れ替えた関係だから、グラフは直線\(y=x\)に関して線対称になる。

定義域:\(x>0\)/値域:実数全体/グラフは点\((1,\ 0)\)を通り、\(y\)軸が漸近線。
\(a>1\)なら増加関数、\(0<a<1\)なら減少関数(指数関数と同じ判断基準がそのまま使える)。
対数方程式・不等式の鉄則 真数条件は計算の前に確認し、計算後に求めた解が満たすかも必ず確認する。この確認を忘れると、真数が0以下になってしまう値を解として答えてしまう事故が起きる。
桁数
\(m\le\log_{10}N<m+1\)となる整数\(m\)が見つかれば、\(N\)は\(m+1\)桁の数。
小数首位
\(\log_{10}N=-k+s\)(\(k\)は正の整数、\(0\le s<1\))の形に書けたら、\(N\)は小数第\(k\)位に初めて0でない数字が現れる。
最高位の数字
小数部分\(s\)が\(\log_{10}d\le s<\log_{10}(d+1)\)を満たす1桁の数\(d\)が最高位の数字。
まとめテスト(標準)

この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」のように入力。
常用対数の値は \(\log_{10}2=0.3010,\ \log_{10}3=0.4771,\ \log_{10}4=0.6021,\ \log_{10}5=0.6990,\ \log_{10}6=0.7781,\ \log_{10}7=0.8451,\ \log_{10}8=0.9031,\ \log_{10}9=0.9542\) を使ってよい。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜15)
1
負の整数乗

\(4^{-2}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
負の指数は、正の指数の逆数として計算する。 \(4^{-2} = \dfrac{1}{4^2} = \dfrac{1}{16}\) \(4^{-2} = \dfrac{1}{16}\)
2
累乗根(奇数・負の数)

\(\sqrt[3]{-125}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
3乗根は奇数乗根なので、負の数にもただ1つの実数の根がある。 \((-5)^3 = -125\) より \(\sqrt[3]{-125} = -5\)
3
有理数指数(m/n形)

\(25^{\frac{3}{2}}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
\(25^{\frac{3}{2}} = (\sqrt{25})^3 = 5^3 = 125\) \(25^{\frac{3}{2}} = 125\)
4
指数法則(掛け算→指数の足し算)

\(3^{\frac{1}{2}} \times 3^{\frac{3}{2}}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
底が同じなので指数を足す。 \(3^{\frac{1}{2}} \times 3^{\frac{3}{2}} = 3^{\frac{1}{2}+\frac{3}{2}} = 3^2 = 9\) \(3^{\frac{1}{2}} \times 3^{\frac{3}{2}} = 9\)
5
指数方程式

\(2^x = 32\) を解け。

\(x=\)
解説を見る
\(32 = 2^5\) なので \(2^x = 2^5\)。 \(x = 5\)
6
指数不等式・底が1より大

\(3^x > 27\) の解は \(x > \Box\) の形になる。\(\Box\) に入る数を答えよ。

\(\Box=\)
解説を見る
\(27 = 3^3\) なので \(3^x > 3^3\)。底3は \(3>1\) なので増加関数 → 向きはそのまま。 \(x > 3\)
7
大小比較(底が同じ、a>1)

次のうち大きいのはどちらか。記号で答えよ。 ア:\(3^{-1}\) イ:\(3^{2}\)

大きいほう
解説を見る
底3は \(3>1\) なので単調増加。指数を比べると \(-1 < 2\)。 イ(\(3^2=9 > 3^{-1}=\dfrac{1}{3}\))
8
対数の定義

\(\log_3 81\) の値を求めよ。

値
解説を見る
\(3^4=81\) なので \(\log_3 81 = 4\)
9
対数の性質(積)

\(\log_2 3 + \log_2 \dfrac{16}{3}\) の値を求めよ。

値
解説を見る
積の性質でまとめる。 \(\log_2 3+\log_2\dfrac{16}{3}=\log_2\left(3\times\dfrac{16}{3}\right)=\log_2 16\) \(=4\)
10
対数の性質(商)

\(\log_5 200 - \log_5 8\) の値を求めよ。

値
解説を見る
商の性質でまとめる。 \(\log_5 200-\log_5 8=\log_5\dfrac{200}{8}=\log_5 25\) \(5^2=25\) なので \(=2\)
11
対数の性質(累乗+商)

\(2\log_3 6 - \log_3 4\) の値を求めよ。

値
解説を見る
累乗の性質で係数を指数に戻す。 \(2\log_3 6 = \log_3 6^2 = \log_3 36\) これと引いて \(\log_3 36 - \log_3 4 = \log_3\dfrac{36}{4} = \log_3 9\) \(3^2=9\) なので \(=2\) 別解 先に積の性質で\(6\)を分解してもよい。\(6=2\times3\)より\(2\log_3 6=\log_3(2\times3)^2=\log_3(4\times9)=\log_3 4+\log_3 9\)。これから\(\log_3 4\)を引くと\(\log_3 9=2\)で同じ結果になる。
12
底の変換公式

\(\log_8 16\) の値を求めよ。

値
解説を見る
底の変換公式で底を2にそろえる。\(8=2^3\)、\(16=2^4\) より \(\log_8 16=\dfrac{\log_2 16}{\log_2 8}=\dfrac{4}{3}\) \(\log_8 16 = \dfrac{4}{3}\)
13
対数方程式(基本)

\(\log_4(x+1) = 2\) を解け。

\(x=\)
解説を見る
真数条件:\(x+1>0\) より \(x>-1\)。 \(x+1=4^2=16\) → \(x=15\)(\(x>-1\) を満たす) \(x = 15\)
14
対数不等式・真数条件に注意

\(\log_2(x-3) < 4\) を解け。

解の範囲: \(< x <\)
解説を見る
真数条件:\(x-3>0\) より \(x>3\)。 \(4=\log_2 16\) より \(\log_2(x-3) < \log_2 16\)。底2は増加関数なので向きはそのまま:\(x-3<16\) → \(x<19\) 真数条件とあわせて \(3<x<19\)
15
桁数

\(2^{15}\) の桁数を求めよ。

桁
解説を見る
\(\log_{10}2^{15} = 15\times0.3010 = 4.515\) \(4 \le 4.515 < 5\) なので \(10^4 \le 2^{15} < 10^5\)。 5桁(\(2^{15}=32768\))
発展(16〜25)
16
おきかえ・2つの解

\(9^x - 10\cdot3^x + 9 = 0\) を解け。解が2つあるときはコンマ区切りで入力せよ。

\(x=\)
解説を見る
\(9^x=(3^x)^2\) なので \(t=3^x\)(\(t>0\))とおく。 \(t^2-10t+9=0\)、\((t-1)(t-9)=0\)、\(t=1,\ 9\)。どちらも\(t>0\)を満たすので両方採用。 \(3^x=1=3^0 \Rightarrow x=0\) \(3^x=9=3^2 \Rightarrow x=2\) \(x = 0,\ 2\)
17
おきかえ・不等式の範囲

\(4^x - 5\cdot2^x + 4 < 0\) を解け。解は \(\Box_1 < x < \Box_2\) の形になる。

\(\Box_1=\)  \(\Box_2=\)
解説を見る
\(4^x=(2^x)^2\) なので \(t=2^x\)(\(t>0\))とおく。 \(t^2-5t+4<0\)、\((t-1)(t-4)<0\)、\(1<t<4\)(このままで\(t>0\)も満たしている)。 \(1=2^0\)、\(4=2^2\) なので \(2^0 < 2^x < 2^2\)。底2は \(2>1\) なので向きはそのまま。 \(0 < x < 2\)
18
対数方程式・真数条件で解を絞る

\(\log_2 x + \log_2(x-3) = 2\) を解け。

\(x=\)
解説を見る
真数条件:\(x>0\) かつ \(x-3>0\) より \(x>3\)。 左辺をまとめる:\(\log_2\{x(x-3)\}=2\) → \(x(x-3)=2^2=4\) \(x^2-3x-4=0\) → \((x-4)(x+1)=0\) → \(x=4,\ -1\) \(x=-1\) は真数条件 \(x>3\) を満たさないので除外。 \(x = 4\)
19
対数不等式・底が0<a<1

\(\log_{\frac{1}{3}}(x-1) \ge -2\) を解け。

解の範囲: \(< x \le\)
解説を見る
真数条件:\(x-1>0\) より \(x>1\)。 \(\left(\dfrac{1}{3}\right)^{-2}=9\) より \(-2=\log_{\frac{1}{3}}9\)。底\(\dfrac{1}{3}\)は\(0<\dfrac{1}{3}<1\)なので減少関数 → 向きが逆転:\(x-1 \le 9\) → \(x \le 10\) 真数条件とあわせて \(1<x\le10\)
20
底の変換公式+累乗の性質の組み合わせ

\(\log_9 27 \times \log_3 81\) の値を求めよ。

値
解説を見る
\(\log_9 27\)を底の変換公式で底3にそろえる。\(9=3^2,\ 27=3^3\)より \(\log_9 27=\dfrac{\log_3 27}{\log_3 9}=\dfrac{3}{2}\) \(\log_3 81\)は\(3^4=81\)より\(4\)。 かけ合わせると \(\log_9 27\times\log_3 81=\dfrac{3}{2}\times4=6\) \(=6\)
21
桁数・複数の底の合成

\(2^{20} \times 5^{15}\) の桁数を求めよ。

桁
解説を見る
積・累乗の性質で常用対数をとる。 \(\log_{10}(2^{20}\times5^{15}) = 20\log_{10}2+15\log_{10}5 = 20\times0.3010+15\times0.6990\) \(=6.020+10.485=16.505\) \(16 \le 16.505 < 17\) なので \(10^{16} \le 2^{20}\times5^{15} < 10^{17}\)。 17桁
22
小数首位

\(0.2^{8}\) は小数第何位に初めて0でない数字が現れるか求めよ。

小数第 位
解説を見る
\(\log_{10}0.2^{8} = 8\log_{10}0.2 = 8(\log_{10}2-1) = 8(0.3010-1) = 8\times(-0.6990) = -5.592\) これを\(-k+s\)(\(0\le s<1\))の形に書きなおす:\(-5.592=-6+0.408\)なので\(k=6\)。 小数第6位に初めて0でない数字が現れる
23
対数の置き換え型・最大最小(軸が区間の内側)

\(1\le x\le27\) のとき、関数 \(y=(\log_3x)^2-4\log_3x+2\) の最大値・最小値を求めよ。またそれぞれのときの \(x\) の値も求めよ。

最大値 (\(x=\) ) 最小値 (\(x=\) )
解説を見る
真数条件:\(1\le x\le27\)はすでに\(x>0\)を満たす。 \(t=\log_3x\)とおく。\(x=1\)のとき\(t=0\)、\(x=27\)のとき\(t=\log_3 27=3\)。\(x\)が\(1\)から\(27\)まで動くとき\(t\)は単調に増加するので\(0\le t\le3\)。 \(y=t^2-4t+2=(t-2)^2-2\)と平方完成できる。軸\(t=2\)は区間\([0,3]\)の内側にあるので、そこで最小値をとる:\(t=2\)のとき\(y=-2\)。このとき\(x=3^2=9\)。 最大値は区間の両端のうち軸から遠いほうで出る。\(t=0\)のとき\(y=(0-2)^2-2=2\)、\(t=3\)のとき\(y=(3-2)^2-2=-1\)。\(2>-1\)なので\(t=0\)で最大値\(2\)をとる。このとき\(x=3^0=1\)。 最大値\(2\)(\(x=1\))、最小値\(-2\)(\(x=9\))
24
桁数・指数と対数の複合(底の分解)

\(18^{10}\) の桁数を求めよ。(\(18=2\times3^2\) と考える)

桁
解説を見る
\(\log_{10}18 = \log_{10}(2\times3^2) = \log_{10}2+2\log_{10}3 = 0.3010+2\times0.4771 = 0.3010+0.9542=1.2552\) \(\log_{10}18^{10} = 10\times1.2552 = 12.552\) \(12 \le 12.552 < 13\) なので \(10^{12} \le 18^{10} < 10^{13}\)。 13桁
25
章の総仕上げ:指数と対数の関係そのものを使う

\(3^a = 5\)、\(5^b = 3\) のとき、\(ab\) の値を求めよ。(\(a,\ b\) を対数を用いて表してから考えよ)

\(ab=\)
解説を見る
指数の式\(a^p=M\)は対数の式\(p=\log_a M\)に書き換えられる(この章の出発点となった関係)。 \(3^a=5\)より\(a=\log_3 5\) \(5^b=3\)より\(b=\log_5 3\) 底の変換公式で、底と真数を入れ替えると逆数になるという関係(\(\log_a b=\dfrac{1}{\log_b a}\))を使うと、\(\log_5 3\)は\(\log_3 5\)の逆数である。 \(b = \log_5 3 = \dfrac{1}{\log_3 5} = \dfrac{1}{a}\) よって \(ab = a\times\dfrac{1}{a} = 1\) 別解 底の変換公式を底10で直接使ってもよい。\(a=\log_3 5=\dfrac{\log_{10}5}{\log_{10}3}\)、\(b=\log_5 3=\dfrac{\log_{10}3}{\log_{10}5}\)なので、かけ合わせると\(ab=\dfrac{\log_{10}5}{\log_{10}3}\times\dfrac{\log_{10}3}{\log_{10}5}=1\)。\(\log_{10}3\)や\(\log_{10}5\)の具体的な値を知らなくても、約分だけで\(1\)になることがわかる。 \(ab = 1\)
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

指数関数\(y=a^x\)と対数関数\(y=\log_a x\)が「互いに逆関数」の関係にあることを、具体的な点の対応とグラフの対称性の観点から説明せよ。

模範解答を見る
例として底が2の場合を考える。指数関数\(y=2^x\)に\(x=3\)を代入すると\(y=2^3=8\)なので、このグラフは点\((3,\ 8)\)を通る。一方、対数の定義\(a^p=M \iff p=\log_a M\)にあてはめると、\(2^3=8\)は\(\log_2 8=3\)と書き換えられるので、対数関数\(y=\log_2 x\)は点\((8,\ 3)\)を通る。 この2つの点\((3,\ 8)\)と\((8,\ 3)\)を見比べると、\(x\)座標と\(y\)座標がちょうど入れ替わった関係になっている。これは指数関数上のどの点についても同じことが言え、指数関数\(y=a^x\)上の点\((s,\ t)\)(つまり\(a^s=t\))に対して、対数の定義から\(s=\log_a t\)が成り立つので、対数関数\(y=\log_a x\)は必ず点\((t,\ s)\)を通る。 一般に、座標平面上で点\((s,\ t)\)と点\((t,\ s)\)は、直線\(y=x\)に関して線対称の位置にある(直線\(y=x\)を折り目にして折ると2点がぴったり重なる)。指数関数のグラフ上のすべての点について、\(x\)座標と\(y\)座標を入れ替えた点が対数関数のグラフ上に乗るということは、対数関数のグラフ全体が、指数関数のグラフを直線\(y=x\)に関して折り返した形になっているということにほかならない。 指数関数上の点(s,t)に対して対数関数は点(t,s)を通るという座標の入れ替えの関係があり、これは直線y=xに関する線対称を意味する。だから両者のグラフはy=xについて線対称であり、互いに逆関数の関係にある。
記2

指数の意味を0・負の数・分数へと広げてから対数を定義するまでの流れを、\(a^{p}=M \iff p=\log_a M\)という関係を軸にして、この章全体の流れとしてまとめよ。

模範解答を見る
この章は、\(a^p=M\)という1つの関係式の中で、何が既知で何を求めたいのかを段階的に変えていく構成になっている。 はじめの「指数の拡張」では、\(a\)(底)と\(p\)(指数)が与えられたときに\(M\)を求める計算を、\(p\)が正の整数の場合から0・負の整数・分数の場合にまで広げた。\(a^0=1\)や\(a^{-n}=\dfrac{1}{a^n}\)、\(a^{\frac{m}{n}}=\sqrt[n]{a^m}\)といった定義は、指数が1変化するたびに値が一定の倍率で変わるという規則性をそのまま延長したものであり、これによって\(p\)がどんな有理数であっても\(M\)がただ1通りに決まるようになった。 続く「指数関数とグラフ」では、\(a\)を固定して\(p\)(\(x\)と書き換える)を変数として動かし、\(M\)(\(y\)と書き換える)がどう変化するかをグラフで観察した。ここで、底\(a\)が1より大きいか0と1の間かによって、\(x\)が大きくなると\(y\)も大きくなる(単調増加)か小さくなる(単調減少)かが決まることを確認した。この単調性が、指数方程式・不等式を解く際の判断基準になった。 ここまでで「\(a\)と\(p\)から\(M\)を求める」計算は完全に身についたので、次の「対数とその性質」では、逆に「\(a\)と\(M\)から\(p\)を求める」という向きの問いを考える。この\(p\)を表す記号が\(\log_a M\)であり、\(a^p=M \iff p=\log_a M\)という関係は、同じ3つの数\(a,\ p,\ M\)の間の対応を、指数の言葉と対数の言葉のどちらで表すかの違いにすぎない。指数法則\(a^p\times a^q=a^{p+q}\)などをこの対応にあてはめれば、対数の積・商・累乗の性質がそのまま導ける。 最後の「対数関数・常用対数」では、指数関数のときと同じように\(x=M\)を変数として動かし\(y=\log_a x\)のグラフを調べた。指数関数で\(x\)と\(y\)の役割だった\(p\)と\(M\)が、対数関数では逆になっているので、両者のグラフは\(x\)と\(y\)を入れ替えた関係、つまり直線\(y=x\)に関して線対称になる(記1の内容)。底を10に固定した常用対数は、\(\log_{10}N\)の整数部分・小数部分を読むことで、\(N\)の桁数や小数首位を求める道具として応用された。 a^p=Mという1つの関係式について、pからMを求める計算(指数の拡張・指数関数)を先に固め、その逆にMからpを求める記号として対数を定義し(対数の性質・対数関数)、最後に底10に固定した常用対数で桁数などに応用する、という一直線の流れでこの章は構成されている。
共通テスト形式チャレンジ

大問1 目標時間 8分/配点 20点

あるボールを高さ256cmから落とすと、跳ね返るたびに直前の高さの\(\dfrac{3}{4}\)倍の高さまで跳ね返るという。\(n\)回目に跳ね返った直後の高さを\(h_n\)cmとする。次の会話を読んで、あとの問いに答えよ。

先生「1回目に跳ね返る高さ\(h_1\)は、最初の高さ256cmに\(\dfrac{3}{4}\)を掛ければ求まるね。」
太郎「はい。\(h_1=256\times\dfrac{3}{4}=192\)ですね。2回目はさらに\(\dfrac{3}{4}\)倍だから\(h_2=192\times\dfrac{3}{4}=144\)になります。」
先生「そう。ということは、\(h_n\)を\(n\)を使った式でまとめて表せそうだね。」
(1)

\(h_n\) を \(n\) の式で表すと、\(h_n = \boxed{\text{アイウ}} \times \left(\dfrac{\boxed{\text{エ}}}{\boxed{\text{オ}}}\right)^n\) となる。アイウ、エ、オの値をそれぞれ求めよ。

アイウ エ オ
解説を見る
跳ね返るたびに直前の高さに\(\dfrac34\)を掛けるので、最初の高さ256cmに\(\dfrac34\)を\(n\)回掛けた値が\(h_n\)になる。 \(h_n = 256\times\left(\dfrac34\right)^n\) (検算:\(n=1\)のとき\(256\times\dfrac34=192\)、\(n=2\)のとき\(256\times\left(\dfrac34\right)^2=256\times\dfrac{9}{16}=144\)。会話文の値と一致する。) \(h_n = 256\times\left(\dfrac{3}{4}\right)^n\)
(2)

先生「\(h_n\)が初めて100cmを下回るのが何回目かを知りたいときは、不等式\(256\times\left(\dfrac34\right)^n < 100\)を解けばいい。でも\(\left(\dfrac34\right)^n\)のままでは指数を求めにくいから、常用対数を使って指数を前に出そう。」

\(\log_{10}\dfrac34 = \log_{10}3-\log_{10}4\) に、\(\log_{10}3=0.4771,\ \log_{10}4=0.6021\) を代入すると、\(\log_{10}\dfrac34 = -0.\boxed{\text{カキクケ}}\) となる(\(\log_{10}4\)は\(2\log_{10}2\)に置き換えず、ここで与えた\(0.6021\)をそのまま使うこと)。カキクケに入る数を求めよ。

カキクケ
解説を見る
商の性質を使って\(\log_{10}\dfrac34\)を分解する。 \(\log_{10}\dfrac34 = \log_{10}3-\log_{10}4 = 0.4771-0.6021 = -0.1250\) 底\(\dfrac34\)は\(0<\dfrac34<1\)なので、この値が負になるのは自然(\(\dfrac34\)を何回も掛けると値はどんどん小さくなっていく)。 \(\log_{10}\dfrac34 = -0.1250\)
(3)

(2)の結果と\(\log_{10}\dfrac{100}{256}=2-8\log_{10}2=2-8\times0.3010=-0.408\)を用いると、不等式\(256\times\left(\dfrac34\right)^n < 100\)は\(n\log_{10}\dfrac34 < \log_{10}\dfrac{100}{256}\)、すなわち\(-0.1250n < -0.408\)と書き換えられる。これを解くと、\(h_n\)が初めて100cmを下回るのは\(\boxed{\text{コ}}\)回目の跳ね返りである。整数で答えよ。

コ
解説を見る
\(-0.1250n < -0.408\)の両辺を\(-0.1250\)(負の数)で割ると、不等号の向きが変わることに注意して \(n > \dfrac{-0.408}{-0.1250} = 3.264\) \(n\)は跳ね返りの回数(自然数)なので、\(n>3.264\)を満たす最小の自然数は\(n=4\)。 (検算:\(h_3=256\times\left(\dfrac34\right)^3=256\times\dfrac{27}{64}=108\)cm(まだ100cm以上)。\(h_4=256\times\left(\dfrac34\right)^4=256\times\dfrac{81}{256}=81\)cm(初めて100cmを下回る)。) 4回目の跳ね返りで初めて100cmを下回る

大問2 目標時間 8分/配点 20点

太郎さんは、あるSNSアカウントのフォロワー数を毎週記録している。今週のフォロワー数は500人で、毎週1.2倍ずつ増えているという。\(x\)週間後のフォロワー数を\(y\)人とすると、\(y=500\times1.2^x\)と表せる。太郎さんは「フォロワー数が2000人を超えるのは何週間後だろう」と考えている。次の会話を読んで、あとの問いに答えよ。

先生「\(1.2^x\)のままでは指数方程式として簡単には解けないね。こういうときは、両辺の常用対数をとって、指数を前に出す対数の性質を使うといいよ。」
(1)

\(500\times1.2^x>2000\)を変形すると、\(1.2^x>\boxed{\text{ア}}\)となる。さらに両辺の常用対数をとると、\(x\log_{10}1.2>\log_{10}\boxed{\text{ア}}\)、すなわち\(x>\dfrac{\log_{10}\boxed{\text{ア}}}{\log_{10}1.2}\)(\(\log_{10}1.2>0\)なので不等号の向きはそのまま)となる。アに入る数を求めよ。

ア
解説を見る
両辺を500で割る。 \(500\times1.2^x>2000\) \(1.2^x>\dfrac{2000}{500}=4\) 底1.2は\(1.2>1\)なので指数関数は単調増加、両辺は正なので常用対数をとっても不等号の向きは変わらない。 \(1.2^x>4\)
(2)

\(\log_{10}1.2=\log_{10}\dfrac{6}{5}=\log_{10}6-\log_{10}5=0.\boxed{\text{イウエオ}}\)である。\(\log_{10}6=0.7781,\ \log_{10}5=0.6990\)を用いて、イウエオに入る数を求めよ。

イウエオ
解説を見る
商の性質で\(1.2=\dfrac{6}{5}\)を分解する。 \(\log_{10}1.2 = \log_{10}\dfrac{6}{5} = \log_{10}6-\log_{10}5 = 0.7781-0.6990 = 0.0791\) \(\log_{10}1.2 = 0.0791\)
(3)

(1)より\(x>\dfrac{\log_{10}4}{\log_{10}1.2}\)である。\(\log_{10}4=0.6021\)と(2)で求めた値を用いると、フォロワー数が2000人を超えるのは\(\boxed{\text{カ}}\)週間後である。整数で答えよ。

カ
解説を見る
(1)(2)の結果を代入する。 \(x > \dfrac{\log_{10}4}{\log_{10}1.2} = \dfrac{0.6021}{0.0791} = 7.61\cdots\) \(x\)は週数(自然数)なので、\(x>7.61\cdots\)を満たす最小の自然数は\(x=8\)。 (検算:\(1.2^7\approx3.583\)より7週間後は約\(500\times3.583=1791\)人(まだ2000人未満)。\(1.2^8\approx4.300\)より8週間後は約\(500\times4.300=2150\)人(初めて2000人を超える)。) 8週間後に初めてフォロワー数が2000人を超える