この章で学ぶこと

「図形の性質」は数学Aの2番目の章であり、直前の「場合の数と確率」で身につけた「もれなく重複なく数える」姿勢とは違って、図形の中に隠れた不変の関係——比・角度・長さの積——を、根拠を積み重ねて見つけ出す章である。1ページでは三角形の中にできる特別な点(重心・内心・外心)と、そこにできる比や長さの性質を学ぶ。2ページではその視点を広げて、3本の線分が1点に集まるとき(チェバの定理)や、1本の直線が3辺を切り取るとき(メネラウスの定理)に成り立つ比の関係を学び、面積比への応用にもつなげる。3ページでは円周角・内接四角形・接線・方べきの定理という、円にまつわる性質を一通り整理し、4ページでは定規とコンパスだけで正確な図形をかく「作図」と、平面を飛び出した空間図形(ねじれの位置・オイラーの多面体定理)を扱う。ここで身につける「角度や比を、根拠を示しながら追いかける」という論証の感覚は、数学Iの正弦定理・余弦定理とも自然につながっており、次の章「整数の性質」で整数の性質を論理的に絞り込んでいく考え方の土台にもなる。公式を丸暗記する前に、まずは図をかいて「なぜそう言えるのか」を目で確かめながら復習しよう。

学習の順路

下から順番に読み進めよう。1で三角形の中の特別な点、2でその応用にあたる比の定理、3で円の性質、4で作図と空間図形へと話題が進んでいく。

  1. 1. 三角形の性質(二等分線・重心・内心・外心) ― 角の二等分線と比の定理、重心を2:1に内分する性質、内心と内接円の半径、外心と外接円の半径、直角三角形の外心が斜辺の中点になることを学ぶ。
  2. 2. チェバの定理・メネラウスの定理 ― 3本の線分が1点に集まるときの比の関係(チェバ)と、1本の直線が3辺を切るときの比の関係(メネラウス)、両者の使い分け、面積比への応用を学ぶ。
  3. 3. 円の性質(円周角・接弦定理・方べき) ― 円周角の定理、円に内接する四角形の性質、接線の長さと接弦定理、方べきの定理(2弦・2割線・接線と割線の3型)、2円の位置関係を学ぶ。
  4. 4. 作図と空間図形 ― 垂直二等分線・角の二等分線・垂線の作図、空間内の直線と平面の位置関係(ねじれの位置を含む)、オイラーの多面体定理と正多面体が5種類しかない理由を学ぶ。

要点整理 三角形の「4つの心」比較

三角形の中には、3本の特別な線が1点に集まってできる点が何種類もある。「どの3本の線が集まるか」「その点にどんな性質があるか」を表で並べて、混同しないように整理しておこう。

名前 交わる3本の線 性質 三角形の内部にあるか
重心 G 3本の中線 各中線を頂点側から2:1に内分 必ず内部
内心 I 3つの内角の二等分線 3辺までの距離が等しい(内接円の中心、\(r=\dfrac{S}{s}\)。Sは三角形の面積、sは半周長=3辺の和の半分) 必ず内部
外心 O 3辺の垂直二等分線 3頂点までの距離が等しい(外接円の中心) 鋭角三角形:内部/直角三角形:斜辺の中点/鈍角三角形:外部
(参考)垂心 H 各頂点から対辺への3本の垂線 外心・重心・垂心はいつも一直線上に並ぶ(オイラー線) 三角形の形によって内部・外部が変わる
まぎらわしいポイント 重心と内心は、三角形の形によらず必ず内部にある。外心だけが三角形の形(鋭角・直角・鈍角)によって位置が変わることに注意しよう。直角三角形の外心が斜辺の中点になる、という性質(1ページSTEP4)は特に頻出。

要点整理 比の定理の使い分け

「角の二等分線と比」「チェバの定理」「メネラウスの定理」は、どれも三角形の辺を分ける点の比を扱う。図に出てくる線の本数と、点の個数を見れば迷わず判別できる。

問1 図の中の線は、頂点から対辺へ引かれた1本の線分(二等分線)だけ?
↓
YES → 角の二等分線と比の定理
頂点からの二等分線1本と対辺の交点の比:\(BD:DC=AB:AC\)
NO(線が3本、または1本の直線が3辺を横切る)→ 問2へ
↓
問2 3本の線(頂点から対辺)が、三角形の内部の1つの点に集まっている?
↓
YES → チェバの定理
3本の線分(またはその延長)が1点で交わる:\(\dfrac{BD}{DC}\times\dfrac{CE}{EA}\times\dfrac{AF}{FB}=1\)
NO → メネラウスの定理
1本の直線が3辺(の延長を含む)を切る:式の形はチェバと同じだが、延長上の点が必ず1個か3個
見分けるコツ 迷ったら辺の延長上にある点の個数を数える。0個(すべて内部)なら3本の線が1点に集まるチェバの定理。1個または3個(奇数個)なら1本の直線が突き抜けるメネラウスの定理。1本の直線が3辺を切る場面では2個(偶数個)にはならない(2章STEP3)。

要点整理 円の性質一覧

円周角の定理 円周角は中心角の半分。同じ弧に対する円周角はどこから見ても等しい。直径に対する円周角はつねに\(90^\circ\)(タレスの定理)。
円に内接する四角形 対角の和は\(180^\circ\)。1つの内角の外角は、向かい合う(隣接しない)内角に等しい。
接線と接弦定理 円外の1点から引いた2本の接線の長さは等しい。接点における半径は接線と垂直。接線と弦がつくる角は、反対側の弧に対する円周角に等しい(接弦定理)。

方べきの定理は、点Pが円の内部にあるか外部にあるかで見た目は変わるが、式の形は同じ「Pから測った2つの距離の積」。

型1:2弦の交わり(Pは内部)
\(PA \times PB = PC \times PD\)
型2:2割線の交わり(Pは外部)
\(PA \times PB = PC \times PD\)(近い交点×遠い交点)
型3:接線と割線(Pは外部)
\(PT^2 = PA \times PB\)
2円の位置関係(\(r_1>r_2\)、\(d\)は中心間の距離) \(d>r_1+r_2\):離れている(接線4本)/\(d=r_1+r_2\):外接(3本)/\(|r_1-r_2|<d<r_1+r_2\):2点で交わる(2本)/\(d=|r_1-r_2|\):内接(1本)/\(d<|r_1-r_2|\):一方が内部(0本)

要点整理 作図と空間図形の要点

作図で使ってよい操作は2つだけ 「2点を通る直線(半直線)を引く」「コンパスで円(弧)をかく」。長さや角度を測るのは反則。垂直二等分線・角の二等分線・垂線は、どれも「2点から等距離にある点を2つ見つけて結ぶ」という同じ原理でできている。
平面が決まる条件
1. 一直線上にない3点
2. 1直線とその上にない1点
3. 交わる2直線
4. 平行な2直線
空間の2直線の位置関係
平行(同じ平面上・交わらない)
交わる(同じ平面上・1点で交わる)
ねじれの位置(そもそも同じ平面上にない)
2平面の位置関係
平行(共有点なし)
交わる(共有部分は必ず1本の直線)
オイラーの多面体定理 \(V-E+F=2\)(頂点の数-辺の数+面の数=2)。正多面体が5種類しかないのは、1つの頂点に集まる面の内角の和が\(360^\circ\)未満でなければならない、という条件のため。
まとめテスト(標準)

この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「3/4」、根号は「√5」または「sqrt5」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜15)
1
角の二等分線と比

三角形ABCで \(AB=10,\ AC=15,\ BC=20\)。∠Aの二等分線がBCと交わる点をDとするとき、BD, DCの長さを求めよ。

BD=  DC=
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\(BD:DC = AB:AC = 10:15 = 2:3\) \(BC=20\) をこの比\(2:3\)(和5)で分けると \(BD = 20 \times \dfrac{2}{5} = 8\)、\(DC = 20 \times \dfrac{3}{5} = 12\) \(BD=8,\ DC=12\)
2
重心の性質(2:1)

三角形ABCの重心をGとする。中線AM(頂点Aから辺BCの中点Mまで)の長さが\(27\)のとき、AG, GMの長さを求めよ。

AG=  GM=
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\(AG:GM=2:1\)なので、中線全体を3等分すると1等分は\(27\div3=9\)。 \(AG=18,\ GM=9\)
3
内接円の半径

3辺が\(9,\ 12,\ 15\)の直角三角形の内接円の半径\(r\)を求めよ。

r=
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直角三角形なので面積は\(S=\dfrac{1}{2}\times9\times12=54\) 半周長は\(s=\dfrac{9+12+15}{2}=18\) \(r=\dfrac{S}{s}=\dfrac{54}{18}=3\)
4
外接円の半径

3辺が\(7,\ 24,\ 25\)の直角三角形の外接円の半径\(R\)を求めよ。

R=
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直角三角形の外心は斜辺(最長辺)の中点。斜辺は\(25\)なので \(R=\dfrac{25}{2}=12.5\)
5
チェバの定理

三角形ABCで、3直線AD, BE, CFが1点で交わっている。\(BD:DC=5:4\)、\(CE:EA=3:2\)のとき、\(AF:FB\)を求めよ。

\(AF:FB = 8 :\)
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チェバの定理より \(\dfrac{5}{4}\times\dfrac{3}{2}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{15}{8}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{AF}{FB}=\dfrac{8}{15}\) \(AF:FB=8:15\)
6
メネラウスの定理

1本の直線が、辺BC上の点D、辺CA上の点Eを通り、辺ABの延長上の点Fを通っている。\(BD:DC=2:5\)、\(CE:EA=3:1\)のとき、\(AF:FB\)を求めよ。

\(AF:FB = 5 :\)
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メネラウスの定理より \(\dfrac{2}{5}\times\dfrac{3}{1}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{6}{5}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{AF}{FB}=\dfrac{5}{6}\) \(AF:FB=5:6\)
7
中心角→円周角

円Oにおいて、弧ABに対する中心角が\(130^\circ\)であるとき、弧ABに対する円周角∠APBを求めよ。

∠APB= 度
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円周角は中心角の半分。 \(\angle APB = 130^\circ \div 2 = 65^\circ\) ∠APB = \(65^\circ\)
8
内接四角形・対角の和

円に内接する四角形ABCDにおいて、\(\angle A=110^\circ\)である。\(\angle C\)を求めよ。

∠C= 度
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円に内接する四角形の対角の和は\(180^\circ\)。 \(\angle C = 180^\circ - 110^\circ = 70^\circ\) ∠C = \(70^\circ\)
9
接線の長さは等しい

円Oの外部の点Pから円に2本の接線を引き、接点をそれぞれA, Bとする。\(PA=9\)のとき、\(PB\)を求めよ。

PB=
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円外の1点から引いた2本の接線の長さは等しい。 PB = \(9\)
10
方べき・2弦(内部の点)

円の内部の点Pで2本の弦AB, CDが交わっている。\(PA=5,\ PB=8,\ PC=4\)のとき、\(PD\)を求めよ。

PD=
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方べきの定理より \(PA\times PB = PC\times PD\) \(5\times8 = 4\times PD\) \(40 = 4\,PD\) \(PD=10\) PD = \(10\)
11
方べき・接線と割線(外部の点)

円Oの外部の点Pから接線PT(Tは接点)と割線を引く。割線は円とA(近い方), B(遠い方)で交わり、\(PA=4,\ AB=12\)である。\(PT\)を求めよ。

PT=
解説を見る
\(PB = PA+AB = 4+12=16\) 方べきの定理より \(PT^2 = PA\times PB\) \(PT^2 = 4\times16 = 64\) \(PT = \sqrt{64} = 8\) PT = \(8\)
12
空間図形・平行な辺

立方体ABCD-EFGH(前面ABCD、後面EFGH、AE・BF・CG・DHが奥行きの辺)において、辺AEと平行な辺(辺AE自身は除く)は何本あるか。

本数
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立方体の辺は3方向に4本ずつのグループに分かれる。奥行き方向(AEと同じ向き)の辺は、BF・CG・DHの3本。 3本
13
オイラーの多面体定理

ある凸多面体の頂点の数は\(V=10\)、辺の数は\(E=15\)である。オイラーの多面体定理を使って、面の数\(F\)を求めよ。

\(F=\)
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\(V-E+F=2\) より \(10-15+F=2\) \(-5+F=2\) \(F=7\)
14
平面が決まる条件

空間内に、互いに平行な2本の直線がある。この2直線を含む平面はいくつあるか。

平面の個数 個
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「互いに平行な2直線」は、平面が決まる条件の1つ。この条件を満たす平面は、ただ1つに決まる。 1個
15
外接円の半径

3辺が\(10,\ 24,\ 26\)の直角三角形の外接円の半径\(R\)を求めよ。

R=
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直角三角形の外心は斜辺の中点。斜辺は\(26\)なので \(R=\dfrac{26}{2}=13\)
発展(16〜25)
16
重心+チェバの融合

三角形ABCの辺BCの中点をD、辺AB上の点をF(\(AF:FB=3:1\))とする。3直線AD, BE, CFが1点で交わるように辺CA上に点Eをとるとき、\(CE:EA\)を求めよ。

\(CE:EA = 1 :\)
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Dが中点なので\(BD:DC=1:1\)。チェバの定理より \(\dfrac{1}{1}\times\dfrac{CE}{EA}\times\dfrac{3}{1}=1\) \(3\times\dfrac{CE}{EA}=1\) \(\dfrac{CE}{EA}=\dfrac{1}{3}\) \(CE:EA=1:3\)
17
方べき・2次方程式(2弦)

円の内部の点Pを通る2本の弦があり、一方は\(PA=x,\ PB=x+3\)、他方は\(PC=6,\ PD=9\)である。方べきの定理を用いて\(x\)の値を求めよ(\(x\)は正の実数とする)。

\(x=\)
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方べきの定理より \(PA\times PB = PC\times PD\) \(x(x+3) = 6\times9\) \(x^2+3x = 54\) \(x^2+3x-54=0\) \((x-6)(x+9)=0\) \(x=6,\ -9\) \(x\)は正の実数なので\(x=-9\)は不適。 \(x=6\)
18
方べき・2次方程式(接線と割線)

円Oの外部の点Pから接線PT(Tは接点)と割線を引く。割線は円とA(近い方), B(遠い方)で交わり、\(AB=5,\ PT=6\)である。\(PA(=x)\)の値を求めよ(\(x\)は正の実数とする)。

\(x=\)
解説を見る
\(PB = PA+AB = x+5\)。方べきの定理より \(PT^2 = PA\times PB\) \(6^2 = x(x+5)\) \(36 = x^2+5x\) \(x^2+5x-36=0\) \((x-4)(x+9)=0\) \(x=4,\ -9\) \(x\)は正の実数なので\(x=-9\)は不適。 \(x=4\)
19
オイラーの多面体定理

正二十面体は頂点の数\(V=12\)、辺の数\(E=30\)である。オイラーの多面体定理を用いて、面の数\(F\)を求めよ。

\(F=\)
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\(V-E+F=2\) より \(12-30+F=2\) \(-18+F=2\) \(F=20\)
20
外角の二等分線(外分)

三角形ABCで\(AB=14,\ AC=21,\ BC=25\)。∠Aの外角の二等分線が、辺BCの延長と交わる点をEとする(Eは辺BCの外側、B側の延長上にある)。BE, CEの長さを求めよ。

BE=  CE=
解説を見る
外角の二等分線でも比の形は同じ:\(BE:CE = AB:AC = 14:21 = 2:3\)(ただし外分)。 Eは線分BCの外側(B側の延長上)にあるので、\(CE = CB + BE\)の関係が成り立つ。 比\(2:3\)より\(CE = \dfrac{3}{2}BE\)。これを\(CE = CB+BE = 25+BE\)に代入すると \(\dfrac{3}{2}BE = 25+BE\) \(\dfrac{1}{2}BE = 25\) \(BE=50\) \(CE=25+50=75\) \(BE=50,\ CE=75\)(確認:比も\(50:75=2:3\)で一致)
21
接弦定理+内接四角形の総合

円に内接する四角形ABCDで対角線ACを引く。点Aにおける接線と辺ABのなす角(弧ABをはさむ側の角)が\(35^\circ\)、\(\angle BCD=95^\circ\)のとき、\(\angle ACD\)の大きさを求めよ。

∠ACD= 度
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接弦定理より、点Aでの接線と辺ABのなす角は、反対側の弧(C, Dを含む側)に対する円周角に等しい。Cはその弧の上にあるので \(\angle ACB = 35^\circ\)(接線と弦ABのなす角に等しい) 対角線ACは\(\angle BCD\)を\(\angle ACB\)と\(\angle ACD\)に分けるので \(\angle ACD = \angle BCD - \angle ACB = 95^\circ - 35^\circ = 60^\circ\) ∠ACD = \(60^\circ\)
22
角の二等分線の比+チェバの融合

三角形ABCで、∠Aの二等分線が辺BCと交わる点をDとする。\(AB=9,\ AC=15\)とする。辺CA上の点E(\(CE:EA=2:1\))、辺AB上の点Fがあり、3直線AD, BE, CFが1点で交わっているとき、\(AF:FB\)を求めよ。

\(AF:FB = 5 :\)
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まず角の二等分線と比の定理より\(BD:DC=AB:AC=9:15=3:5\)。 次にチェバの定理を用いる。 \(\dfrac{3}{5}\times\dfrac{2}{1}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{6}{5}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{AF}{FB}=\dfrac{5}{6}\) \(AF:FB=5:6\)
23
立方体の切断

1辺の長さが\(4\)の立方体がある。1つの頂点に集まる3本の辺の先(つまりその頂点に隣り合う3つの頂点)を通る平面で、立方体の角を切り落とす。切り口にできる三角形の1辺の長さを求めよ。

1辺の長さ
解説を見る
切り落とす頂点をOとし、Oに隣り合う3つの頂点をP, Q, Rとする。OP, OQ, ORはすべて立方体の辺なので長さ\(4\)、かつ互いに垂直。 三角形OPQは直角三角形(\(\angle POQ=90^\circ\))なので、三平方の定理より \(PQ = \sqrt{OP^2+OQ^2} = \sqrt{4^2+4^2} = \sqrt{32} = 4\sqrt{2}\) QR, RPも同様の理由で同じ長さになるので、切り口PQRは正三角形。 切り口の正三角形の1辺の長さは\(4\sqrt{2}\)
24
内心と角度(∠BIC=90°+A/2)

三角形ABCの内心をIとする。\(\angle BIC=142^\circ\)のとき、\(\angle A\)の大きさを求めよ。

∠A= 度
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内心の性質より\(\angle BIC = 90^\circ + \dfrac{A}{2}\)が成り立つ。 \(142^\circ = 90^\circ + \dfrac{A}{2}\) \(\dfrac{A}{2} = 52^\circ\) ∠A = \(104^\circ\)
25
方べき・比+2次方程式(総仕上げ)

円の外部の点Pから接線PTを引き、Tを接点とする。また、Pを通る割線が円とA, B(Aが近い方)で交わり、\(PA:AB=2:3\)である。\(PT=10\)のとき、\(PA\)の長さを求めよ(\(PA=x\)とおき、\(x\)は正の実数とする)。

PA=
解説を見る
\(PA:AB=2:3\)なので\(AB=\dfrac{3}{2}x\)、\(PB=PA+AB=x+\dfrac{3}{2}x=\dfrac{5}{2}x\)。 方べきの定理より \(PT^2 = PA\times PB\) \(10^2 = x\times\dfrac{5}{2}x\) \(100=\dfrac{5}{2}x^2\) \(x^2=40\) \(x=\sqrt{40}=2\sqrt{10}\)(\(x\)は正の実数なので\(-2\sqrt{10}\)は不適) PA = \(2\sqrt{10}\)
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

「角の二等分線と比の定理」「チェバの定理」「メネラウスの定理」は、どれも三角形の辺を分ける点の比を扱っているが、それぞれ何が同じで何が違うのかを、図の中に出てくる「線の本数」や「関係する点の個数」に着目して説明せよ。

模範解答を見る
3つの定理はいずれも、三角形の辺(またはその延長)を分ける点の比を扱っている、という点で共通している。しかし、図の中に出てくる「線」の姿がそれぞれ異なる。 角の二等分線と比の定理は、頂点から対辺へ引かれた1本の線分(角の二等分線)だけを扱う、いちばん単純な場合である。この線分1本と対辺の交点の位置が、隣り合う2辺の比\(AB:AC\)だけで決まる、というシンプルな関係を述べている。 チェバの定理は、3つの頂点それぞれから対辺へ引かれた3本の線分が、三角形の内部の1つの点に集まっている場面を扱う。3本の線が「集まる」という条件のもとで、辺の分点の比の積が\(1\)になる、という関係である。 メネラウスの定理は、線分の本数としては見かけ上チェバと同じ式になるが、状況がまったく違う。図の中にあるのは3本の線分ではなく、三角形の3辺(の延長を含む)を切り抜けていく1本の直線だけである。この1本の直線が3辺と交わる3つの点について、比の積を計算すると同じく\(1\)になる。 このように、角の二等分線と比の定理は「線1本・比1つ」の基本形であり、チェバの定理とメネラウスの定理はどちらも「3つの分点の比の積が1になる」という同じ式の形をしているが、その式が成り立つ理由となる図形の状況(3本の線が1点に集まっているか、1本の直線が3辺を横切っているか)がまったく異なる。だからこそ、図を見たときにどちらの状況なのかをまず見極めることが、2つの定理を使い分けるうえで欠かせない。 角の二等分線と比の定理は線1本を扱う基本形。チェバの定理とメネラウスの定理は式の形こそ同じだが、前者は3本の線が1点に集まる場面、後者は1本の直線が3辺を横切る場面を表しており、図の状況が根本的に異なる。
記2

この章は、三角形の性質(1ページ)から始まり、比の定理(2ページ)、円の性質(3ページ)、そして作図・空間図形(4ページ)へと話題が進んでいく。一見バラバラに見えるこの4つのテーマに共通する、図形の性質を調べるときの基本的な考え方を、具体例を1つ挙げながら説明せよ。

模範解答を見る
この章で扱う4つのテーマは、題材こそ三角形・比の定理・円・空間図形とさまざまだが、共通しているのは「図形の中にある不変の関係を、すでにわかっている性質を根拠として積み重ねながら導き出す」という考え方である。答えを直接測るのではなく、定義や既に証明された性質から出発して、論理的に次の性質を導く、という姿勢が一貫している。 たとえば1ページの「直角三角形の外心は斜辺の中点になる」という性質は、外心の定義(3頂点までの距離が等しい点)だけから、座標を使って3頂点までの距離を実際に計算し、それが等しくなることを確かめることで導かれた。天下り的に「そういうものだ」と覚えるのではなく、定義に立ち返って根拠を示す、という手順を踏んでいる。 同じ考え方は3ページの接弦定理や方べきの定理にも表れている。接線と弦がつくる角がなぜ反対側の円周角に等しくなるのか、方べきの定理の3つの型がなぜ同じ式で表せるのかは、いずれも円周角の定理や相似という、すでに学んだ性質を土台にして組み立てられている。4ページの作図でも、垂直二等分線・角の二等分線・垂線という一見別々に見える3つの作図が、実は「2点から等距離にある点を2つ見つけて結ぶ」という同じ原理から生まれていることが紹介されている。 つまり、この章を通して身につけるべき力は、個々の公式を覚えることそのものではなく、「なぜそう言えるのか」を、より基本的な性質にさかのぼって説明できるようになることである。この論証の感覚は、数学Iの正弦定理・余弦定理や、次の章「整数の性質」で整数の性質を絞り込んでいく考え方にも共通して生きてくる。 この章に共通するのは、答えを直接測るのではなく、定義やすでに証明された性質を根拠として論理的に次の性質を導く、という考え方である。直角三角形の外心が斜辺の中点になることを外心の定義から座標計算で確かめた例が、その典型である。
共通テスト形式チャレンジ(大問1)

目標時間 8分/配点 20点

花子さんの住む町の公園には円形の池がある。花子さんと太郎さんは、池の外側の点Pから2本のまっすぐな道を引いて、円の性質を使って池に関係する長さを求めようとしている。

先生「1本目の道はPから池に入る点をA、出る点をBとし、\(PA=8\)m、\(AB=10\)mとする。2本目の道はPから入る点をC、出る点をDとし、\(PC=9\)mとする。」
花子「方べきの定理を使えば、道の長さから池の中の距離もわかりそうですね。」
(1)

まず\(PB\)の長さを求めよ。\(PB = PA+AB = \boxed{\text{ア}}\boxed{\text{イ}}\)mである。次に方べきの定理\(PA\times PB=PC\times PD\)を用いて、\(PD\)の長さを求めよ。\(PD = \boxed{\text{ウ}}\boxed{\text{エ}}\)mである。

アイ ウエ
解説を見る
\(PB = PA+AB = 8+10 = 18\)(m) 方べきの定理\(PA\times PB=PC\times PD\)より \(8\times18 = 9\times PD\) \(144 = 9\,PD\) \(PD = 16\)(m) \(PB=18\)m、\(PD=16\)m
(2)

太郎「池にはもう1本、点Pから接するように引ける道があるはずです。」 点Pから池に引いた接線をPT(Tは接点)とする。\(PT^2 = PA\times PB = \boxed{\text{オ}}\boxed{\text{カ}}\boxed{\text{キ}}\)なので、\(PT = \boxed{\text{ク}}\boxed{\text{ケ}}\)mである。

オカキ クケ
解説を見る
方べきの定理(接線と割線の型)より \(PT^2 = PA\times PB = 8\times18 = 144\) \(PT = \sqrt{144} = 12\)(m) \(PT=12\)m
(3)

花子「接点Tのところで、道PTと池の縁に沿って引いた弦TAがつくる角を測ったら\(35^\circ\)でした。」 この角(点Pの側にある弧TAをはさむ角)を接弦定理に使うと、反対側の円周角\(\angle TXA\)(Xは弧の反対側の円周上の点)は\(\boxed{\text{コ}}\boxed{\text{サ}}\)度である。さらにこの弧TAに対する中心角は\(\boxed{\text{シ}}\boxed{\text{ス}}\)度である。

コサ シス
解説を見る
接弦定理より、接線PTと弦TAがつくる角は、反対側の弧に対する円周角に等しい。 \(\angle TXA = 35^\circ\) 円周角は中心角の半分なので、中心角はその2倍。 中心角\(=2\times35^\circ=70^\circ\) 円周角\(=35^\circ\)、中心角\(=70^\circ\)
共通テスト形式チャレンジ(大問2)

目標時間 8分/配点 20点

花子さんのクラスは、文化祭で三角形の形をした案内看板を作ることになった。看板を支える支柱の位置を、角の二等分線やチェバの定理・メネラウスの定理を使って決めることにした。

先生「看板の三角形の辺の長さは、\(AB=16,\ AC=24,\ BC=30\)とする。頂点Aから角の二等分線を引いて、辺BCと交わる点をDとしよう。」
(1)

角の二等分線と比の定理を用いて、BD, DCの長さを求めよ。\(BD=\boxed{\text{ア}}\boxed{\text{イ}}\)、\(DC=\boxed{\text{ウ}}\boxed{\text{エ}}\)である。

アイ ウエ
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\(BD:DC = AB:AC = 16:24 = 2:3\) \(BC=30\)をこの比\(2:3\)(和5)で分けると \(BD = 30\times\dfrac{2}{5} = 12\) \(DC = 30\times\dfrac{3}{5} = 18\) \(BD=12,\ DC=18\)
(2)

太郎「支柱をもう1本、辺AB上の点Fに立てて、直線AD, CFと辺CA上の点Eを結んだ直線BEが1点で交わるようにしたいです。」 先生「辺CA上の点Eを\(CE:EA=3:4\)となるようにとろう。」 チェバの定理を用いて、\(AF:FB\)を求めよ。\(AF:FB=\boxed{\text{オ}}:\boxed{\text{カ}}\)である。

オ カ
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チェバの定理より \(\dfrac{BD}{DC}\times\dfrac{CE}{EA}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{12}{18}\times\dfrac{3}{4}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{2}{3}\times\dfrac{3}{4}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{1}{2}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{AF}{FB}=2\) \(AF:FB=2:1\)
(3)

3直線AD, BE, CFの交点をPとする。三角形ABDに、直線CPF(Fは辺AB上、Pは辺AD上、Cは辺BDの延長上)についてメネラウスの定理を用いると、\(AP:PD=\boxed{\text{キ}}\boxed{\text{ク}}:\boxed{\text{ケ}}\)である。

キク ケ
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三角形ABD(頂点A, B, D)を考える。直線CF(Cは辺BDの延長上、Pは辺AD上、Fは辺AB上)はこの三角形を切る1本の直線になっている。メネラウスの定理より \[ \dfrac{AF}{FB} \times \dfrac{BC}{CD} \times \dfrac{DP}{PA} = 1 \] \(AF:FB=2:1\)より\(\dfrac{AF}{FB}=2\)。 \(BD:DC=12:18\)より\(BC=BD+DC=30\)(全体)、\(CD=18\)(部分)なので\(\dfrac{BC}{CD}=\dfrac{30}{18}=\dfrac{5}{3}\)。 \(2\times\dfrac{5}{3}\times\dfrac{DP}{PA}=1\) \(\dfrac{10}{3}\times\dfrac{DP}{PA}=1\) \(\dfrac{DP}{PA}=\dfrac{3}{10}\) \(AP:PD=10:3\)