STEP 1

定規とコンパスでかく「基本の作図」

「作図」とは、目盛のない定規とコンパスだけを使って正確な図形をかくこと。長さを測ったり分度器で角度を測ったりするのは反則。使ってよい操作は「2点を通る直線(半直線)を引く」「コンパスで円(弧)をかく」の2つだけ。この制限の中でも、垂直二等分線・角の二等分線・垂線はきちんとかくことができる。

1. 垂直二等分線の作図

線分ABのちょうど真ん中を通り、ABに垂直な直線をかく。

手順1 点Aを中心として、線分ABの半分より長い半径の円をかく。同じ半径のまま、点Bを中心とする円もかく。
↓
手順2 2つの円が交わる2点をP、Qとする。
↓
手順3 直線PQを引く。これが線分ABの垂直二等分線。
直線PQ上のどの点も、Aからの距離とBからの距離が等しい(P、Qはどちらも半径が等しい円の交点だから)。「2点から等距離にある点の集まり=垂直二等分線」という性質が、この作図の裏側にある考え方。

2. 角の二等分線の作図

角の大きさをちょうど半分にする直線をかく。

手順1 角の頂点Oを中心として適当な半径の円をかき、角の2辺との交点をD、Eとする。
↓
手順2 D、Eのそれぞれを中心として、同じ半径(DEの半分より長い半径)の円をかく。
↓
手順3 2つの円の交点のうち頂点Oでない方をFとし、半直線OFを引く。これが角の二等分線。

3. 垂線の作図(直線外の点から)

直線外の点Pから、その直線に垂直な直線(垂線)を引く。

手順1 点Pを中心として、直線と2点で交わるように円をかく。交点をA、Bとする。
↓
手順2 A、Bのそれぞれを中心として、同じ半径(直線をはさんでPの反対側にも交点ができる半径)の円をかく。
↓
手順3 2つの円の交点のうちPでない方をQとし、直線PQを引く。これが求める垂線。
気づき 実はこの垂線の作図も、「2点から等距離にある点を2つ見つけて結ぶ」という垂直二等分線と同じ考え方を使っている。A、Bから見て等距離にある点はPQ上に並ぶ、というのが共通の原理。
STEP 2

作図の応用(発展・紹介レベル)

中学までの作図は「二等分線」が中心だったが、平行線と相似の考え方を使うと、実は長さの積や商にあたる長さそのものも作図できる。ここでは考え方だけ紹介する(入試で頻出のテーマではないので、細かい計算練習はしない)。

長さの積の作図(考え方)
点Oから2本の半直線を引く。片方に長さ1の点と長さaの点をとり、もう片方に長さbの点をとる。「長さ1の点」と「長さbの点」を結んだ線分に平行な線を「長さaの点」から引くと、それがもう片方の半直線と交わる点までの長さがちょうど \(ab\) になる(三角形の相似・平行線と線分の比の関係を使っている)。同じように平行線の引き方を変えれば、商 \(\dfrac{a}{b}\) にあたる長さも作図できる。
STEP 3

空間の中の直線と平面

平面が決まる条件

空間の中で1つの平面をただ1つに決めるには、次の4つの条件のどれかを満たせばよい。

1. 一直線上にない3点
一直線上にない3点を通る平面は、ただ1つに決まる。
2. 1直線とその上にない1点
直線と、その直線上にない1点を通る平面は、ただ1つに決まる。
3. 交わる2直線
1点で交わる2直線を含む平面は、ただ1つに決まる。
4. 平行な2直線
互いに平行な2直線を含む平面は、ただ1つに決まる。
注意
3点が一直線上にあると、その3点を通る平面は無数にある(決まらない)。「一直線上にない」がポイント。

2平面の位置関係

空間の中の2つの平面の位置関係は、次の2通りしかない。

平行
2平面が共有点を持たない。
交わる
2平面がただ1本の直線(交線)を共有する。
2平面が交わるとき、共有部分は必ず1本の直線(交線)になる(点や曲線が共有部分になることはない)。2平面が垂直に交わる場合も「交わる」の特別な場合。

平面図形では「平行」か「交わる」の2通りしかなかった2直線の関係が、空間では新しくねじれの位置が加わって3通りになる。ここからはこの新顔を押さえよう。

2直線の位置関係

平行
同じ平面上にあり、交わらない。
交わる
同じ平面上にあり、1点で交わる。
ねじれの位置
そもそも同じ平面上にない(平行でも交わってもいない)。

たとえば立方体ABCD-EFGH(前面ABCD、後面EFGH、AE・BF・CG・DHが奥行きの辺)で辺ABを見ると、辺DCは平行、辺ADや辺BFは頂点を共有して交わる、そして後面の辺FGや辺HEは、ABとは平行でも交わってもいない——これがねじれの位置。「同じ平面上に置けるかどうか」で3つを見分けるのがコツ。

直線と平面の位置関係

含まれる
直線が平面の中にすっぽり入っている。
交わる
直線と平面がただ1点で交わる。
平行
直線と平面が共有点を持たない。

直線と平面の垂直、三垂線の定理(紹介)

直線 \(l\) が平面 \(\alpha\) に垂直であるとは、\(l\) が \(\alpha\) と点Oで交わり、しかもOを通る \(\alpha\) 上のすべての直線と垂直になっていること。実際に確かめるときは、Oを通る \(\alpha\) 上の交わる2直線とだけ垂直であることを確認すれば十分(残り全部とも自動的に垂直になる)。

三垂線の定理 点Pが平面 \(\alpha\) の外にあり、\(\alpha\) 上の点Oで \(PO \perp \alpha\)(Oは垂線の足)であるとする。\(\alpha\) 上の直線 \(l\) 上の点Aについて、次は同値。 \[ PA \perp l \iff OA \perp l \] つまり、平面の中の垂直(OA⊥l)だけ確かめれば、立体の中の垂直(PA⊥l)が言える、という便利な定理。証明の考え方は、\(l\) が \(OA\) にも \(PO\) にも垂直なら、\(l\) は平面POAそのものに垂直になり、平面POA上のどの直線(PAも含む)とも垂直になる、というもの。空間図形の証明問題で威力を発揮する。
STEP 4

多面体とオイラーの多面体定理

立体図形の頂点の数(V)・辺の数(E)・面の数(F)の間には、どんな凸多面体でも成り立つ美しい関係式がある。

オイラーの多面体定理 \[ V - E + F = 2 \] (頂点の数)-(辺の数)+(面の数)=2

例題 立方体で確かめる。立方体の頂点の数V、辺の数E、面の数Fをそれぞれ求め、\(V-E+F\) を計算せよ。

解答を見る
立方体は頂点8個(\(V=8\))、辺12本(\(E=12\))、面6個(\(F=6\))。 \(V-E+F = 8-12+6 = 2\) 確かに \(V-E+F=2\) が成り立つ

正多面体は5種類しかない

すべての面が合同な正多角形で、どの頂点にも同じ数の面が集まる凸多面体を正多面体という。正多面体は次の5種類しかないことが知られている。

名前 面の形 面の数F 頂点の数V 辺の数E 1頂点に集まる面の数
正四面体 正三角形 4 4 6 3
正六面体(立方体) 正方形 6 8 12 3
正八面体 正三角形 8 6 12 4
正十二面体 正五角形 12 20 30 3
正二十面体 正三角形 20 12 30 5
なぜ5種類しかないのか 正多面体になるには、1つの頂点に集まる面の内角の和が \(360°\) 未満でなければならない(\(360°\) 以上だと平らに開いてしまい、立体の頂点ができない)。正三角形(\(60°\))は3枚・4枚・5枚まで(\(180°,240°,300°\))OKだが6枚だと\(360°\)になり不可。正方形(\(90°\))は3枚(\(270°\))までOKだが4枚だと\(360°\)で不可。正五角形(\(108°\))は3枚(\(324°\))までOK。正六角形以上は3枚集めるだけでもう\(360°\)以上になるので使えない。この条件を満たす組み合わせを数え尽くすと、ちょうど5通りしかない。
練習問題(全17問)

数値・用語を入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。作図手順や証明は「解説を見る」で答え合わせをしよう。

基本(1〜7)
1
作図手順(垂直二等分線)

線分ABの垂直二等分線を、定規とコンパスだけで作図する手順を説明せよ。

解説を見る
手順1 点Aを中心として、線分ABの半分より長い半径の円をかく。同じ半径のまま、点Bを中心とする円もかく。 手順2 2つの円が交わる2点をP、Qとする。 手順3 直線PQを引く。 直線PQが線分ABの垂直二等分線になる(PQ上のどの点もA、Bから等距離だから)
2
作図手順(角の二等分線)

角AOBの二等分線を、定規とコンパスだけで作図する手順を説明せよ。

解説を見る
手順1 頂点Oを中心として適当な半径の円をかき、辺OA、辺OBとの交点をD、Eとする。 手順2 D、Eのそれぞれを中心として、同じ半径(DEの半分より長い半径)の円をかく。 手順3 2つの円の交点のうち頂点Oでない方をFとし、半直線OFを引く。 半直線OFが角AOBの二等分線になる
3
作図手順(垂線)

直線 \(l\) の外にある点Pから、\(l\) への垂線を、定規とコンパスだけで作図する手順を説明せよ。

解説を見る
手順1 点Pを中心として、直線 \(l\) と2点で交わるように円をかく。交点をA、Bとする。 手順2 A、Bのそれぞれを中心として、同じ半径(直線をはさんでPの反対側にも交点ができる半径)の円をかく。 手順3 2つの円の交点のうちPでない方をQとし、直線PQを引く。 直線PQが点Pから直線lへの垂線になる
4
オイラーの多面体定理

正八面体は頂点の数 \(V=6\)、面の数 \(F=8\) である。オイラーの多面体定理を使って、辺の数 \(E\) を求めよ。

\(E=\)
解説を見る
\(V-E+F=2\) より \(6-E+8=2\) \(14-E=2\) \(E=12\)
5
オイラーの多面体定理

正十二面体は頂点の数 \(V=20\)、面の数 \(F=12\) である。オイラーの多面体定理を使って、辺の数 \(E\) を求めよ。

\(E=\)
解説を見る
\(V-E+F=2\) より \(20-E+12=2\) \(32-E=2\) \(E=30\)
6
正多面体の性質

面の形が正五角形である正多面体の名前を答えよ。

名前
解説を見る
正多面体は5種類(正四面体・正六面体・正八面体・正十二面体・正二十面体)。面の形が正五角形なのはそのうち1つだけ。 正十二面体
7
内分点外分点の作図

線分ABが与えられている。定規とコンパスだけを用い、平行線と三角形の相似を利用して、ABを3:2に内分する点Pと、ABを3:2に外分する点Q(Bの外側にとる)を、それぞれ作図する手順を述べよ。

解説を見る
内分点Pの作図:Aを端点とし、線分ABとは異なる向きに半直線を引く。この半直線上にコンパスで等しい長さを繰り返しとり、A₁,A₂,A₃,A₄,A₅(AA₁=A₁A₂=A₂A₃=A₃A₄=A₄A₅)の5個の点をとる(3+2=5等分)。A₅とBを直線で結び、A₃を通りA₅Bに平行な直線を引いてABとの交点をPとする。三角形AA₅Bにおいて、辺AA₅上の点A₃を通り辺A₅Bに平行な直線は、他の辺ABを同じ比に分けるので(平行線と線分の比の性質)、AP:PB=AA₃:A₃A₅=3:2となり、Pが求める内分点である。 外分点Qの作図:内分点の作図と同じ半直線上のA₁とA₃を使う。A₁とBを直線で結び、A₃を通りA₁Bに平行な直線を引いて、直線ABの延長との交点をQとする(A₃はA₁よりAから遠いのでQはBの外側に現れる)。A₃Q∥A₁Bかつ角Aが共通だから三角形AA₁Bと三角形AA₃Qは相似で、AQ:AB=AA₃:AA₁=3:1となる。よってQB=AQ-AB=3AB-AB=2ABだから、AQ:QB=3:2となり、Qが求める外分点である。 内分点P: AP:PB=3:2(AB上)/ 外分点Q: AQ:QB=3:2(Bの外側)
標準(8〜15)
8

正四面体の面の数を答えよ。

面の数
解説を見る
正四面体は正三角形4枚でできている立体。 4
9

正二十面体の1つの頂点に集まる面の数を答えよ。

面の数
解説を見る
正二十面体は正三角形20枚でできており、1つの頂点には5枚の正三角形が集まる(\(5\times60°=300°<360°\))。 5
10

立方体ABCD-EFGH(前面ABCD、後面EFGH、AE・BF・CG・DHが奥行きの辺)において、辺ABとねじれの位置にある辺は何本あるか。

本数
解説を見る
辺ABを除く11本のうち、平行な辺はDC・EF・HG(3本)、頂点を共有して交わる辺はAD・AE・BC・BF(4本)。 残りは \(11-3-4=4\) 本、つまりFG・HE・CG・DHの4本がねじれの位置。 4本
11

同じ立方体ABCD-EFGHにおいて、辺ABと平行な辺(辺AB自身は除く)は何本あるか。

本数
解説を見る
立方体の辺は3方向に4本ずつのグループに分かれる。ABと同じ向き(横方向)の辺は、DC・EF・HGの3本。 3本
12

同じ立方体ABCD-EFGHにおいて、辺ABと交わる(頂点を共有する)辺は何本あるか。

本数
解説を見る
頂点Aから出る辺はAB以外にAD・AEの2本。頂点Bから出る辺はAB以外にBC・BFの2本。あわせて \(2+2=4\) 本。 (確認:平行3本+交わる4本+ねじれ4本=11本=辺AB以外の全部) 4本
13

空間内の2直線が、同じ平面上になく、平行でも交わってもいないとき、この位置関係を何というか。

名称
解説を見る
平面図形の2直線は「平行」か「交わる」の2通りしかないが、空間ではこの2通りに当てはまらない位置関係が存在する。 ねじれの位置
14
直線と平面の垂直の証明

正四面体ABCD(4つの面がすべて合同な正三角形である四面体)において、辺BCの中点をMとする。「平面上の交わる2直線に垂直な直線は、その平面に垂直である」という性質を用いて、直線BCが平面AMDに垂直であることを証明せよ。まず、証明の鍵になる性質を確認するために、次の空欄を埋めよ。

△ABCで辺ABとACの長さが等しいことから、△ABCは何という三角形か
解説を見る
正四面体の4つの面はすべて合同な正三角形だから、△ABCと△DBCはいずれも正三角形であり、特にAB=AC、DB=DCが成り立つ二等辺三角形でもある。 二等辺三角形の頂角の頂点から底辺の中点に引いた線分は、底辺の垂直二等分線と一致する。△ABCはAB=ACの二等辺三角形でMがBCの中点だから、AM⊥BCである。同様に△DBCはDB=DCの二等辺三角形でMがBCの中点だから、DM⊥BCである。 AMとDMは平面AMD上にあり、点Mで交わる2直線である(A≠Dだから同じ直線ではない)。BCはこの交わる2直線AM、DMの両方に垂直だから、「平面上の交わる2直線に垂直な直線は、その平面に垂直である」という性質より、直線BCは平面AMDに垂直である。 証明終(BC⊥平面AMD)
15
外心の作図(垂直二等分線の応用・外接円の半径)

座標平面上に3点A(0, 0)、B(6, 0)、C(0, 8)を頂点とする三角形ABCがある。辺ABの垂直二等分線と辺ACの垂直二等分線を作図し、その交点を外心Oとする。外心Oと頂点Aとの距離(三角形ABCの外接円の半径)を求めよ。

外接円の半径
解説を見る
辺ABの垂直二等分線は、Aからの距離とBからの距離が等しい点の集まりである。A(0, 0)、B(6, 0)より辺ABの中点は(3, 0)で、辺ABはx軸に沿っているから、垂直二等分線はこの中点を通りx軸に垂直な直線 \(x=3\) になる。 同様に辺ACの垂直二等分線は、Aからの距離とCからの距離が等しい点の集まりである。A(0, 0)、C(0, 8)より辺ACの中点は(0, 4)で、辺ACはy軸に沿っているから、垂直二等分線はこの中点を通りy軸に垂直な直線 \(y=4\) になる。 2直線 \(x=3\) と \(y=4\) の交点は \(O(3,\ 4)\)。Oは辺ABの垂直二等分線上の点だから \(OA=OB\)、辺ACの垂直二等分線上の点だから \(OA=OC\)。合わせると \(OA=OB=OC\) となり、Oは3頂点A、B、Cから等距離にある点、つまり三角形ABCの外心である(3本目の垂直二等分線、辺BCの垂直二等分線を作図しても同じ点Oを通ることで確かめられる)。 外接円の半径はOAの長さに等しい。三平方の定理より \(OA=\sqrt{(3-0)^2+(4-0)^2}=\sqrt{9+16}=\sqrt{25}=5\) 5
挑戦(16〜20)
16
正多面体が5種類しかない理由

正三角形(1つの内角は \(60°\))を1つの頂点に最大何枚まで集めると、正多面体を作ることができるか。

最大 枚
解説を見る
1つの頂点に集まる面の内角の和は \(360°\) 未満でなければならない。 \(60°\times3=180°\)、\(60°\times4=240°\)、\(60°\times5=300°\)(いずれも\(360°\)未満でOK)、\(60°\times6=360°\)(平らになってしまい不可)。 5枚(このとき正二十面体になる)
17
記述

正方形の面を持つ正多面体が正六面体(立方体)しかないのはなぜか。1つの頂点に集まる面の内角の和という観点から説明せよ。

解説を見る
正方形の1つの内角は \(90°\)。正多面体になるには、1つの頂点に集まる面の内角の和が \(360°\) 未満でなければならない。 \(90°\times3=270°\)(\(360°\)未満なのでOK)、\(90°\times4=360°\)(ちょうど平らになってしまい、立体の頂点ができないので不可)。 5枚以上はさらに和が大きくなるのでもっと不可。 正方形は1つの頂点に3枚しか集められず、その組み合わせでできる正多面体は正六面体(立方体)だけだから
18
記述・三垂線の定理

三角錐PABCにおいて、頂点Pから底面ABCに垂線を下ろし、その足をOとする(\(PO \perp\) 平面ABC)。次に、Oから辺BCを含む直線に垂線を下ろし、その足をHとする(\(OH \perp BC\))。このとき \(PH \perp BC\) となることを、三垂線の定理を用いて説明せよ。

解説を見る
\(PO \perp\) 平面ABCなので、平面ABCに含まれる辺BCについても \(PO \perp BC\) が成り立つ。 また仮定より \(OH \perp BC\)。 辺BCは、平面POH上の2直線PO、OHの両方に垂直なので、辺BCは平面POHそのものに垂直である。 平面POH上のどの直線とも垂直になるはずなので、平面POH上にある直線PHとも垂直になる。 よって \(PH \perp BC\)(三垂線の定理そのものの証明の考え方と同じ)
19
平面が決まる条件

空間内に、直線 \(l\) と、\(l\) 上にない点Pがある。直線\(l\)と点Pを通る平面はいくつあるか。

平面の個数 個
解説を見る
「1つの直線と、その直線上にない1点」は、平面が決まる条件の1つ。 この条件を満たす平面は、ただ1つに決まる。 1個
20
2平面の位置関係

平行でない2つの平面 \(\alpha,\ \beta\) が交わるとき、その共有部分(交わりの部分)はどんな図形になるか。

共有部分
解説を見る
空間内の2つの平面の位置関係は「平行」か「交わる」の2通りしかない。 平行でなければ交わり、そのとき共有部分は点や曲線ではなく、必ず1本の直線(交線)になる。 直線(交線)
応用問題(プリント限定)

ここから先はPDF限定の腕試し。多面体の切断・隣接面・サッカーボール型の多面体など、入試の基礎レベルに挑戦しよう。

応1
立方体の切断

1辺の長さが6の立方体がある。1つの頂点に集まる3本の辺の先(つまりその頂点に隣り合う3つの頂点)を通る平面で、立方体の角を切り落とす。切り口にできる三角形の1辺の長さを求めよ。

1辺の長さ
解説を見る
切り落とす頂点をOとし、Oに隣り合う3つの頂点をP、Q、Rとする。OP、OQ、ORはすべて立方体の辺なので長さ6、かつ互いに垂直。 三角形OPQは直角三角形(\(\angle POQ=90°\))なので、三平方の定理より \(PQ = \sqrt{OP^2+OQ^2} = \sqrt{6^2+6^2} = \sqrt{72} = 6\sqrt{2}\) QR、RPも同様の理由で同じ長さになるので、切り口PQRは正三角形。 (一般に1辺の長さがaの立方体なら、切り口の正三角形の1辺は \(a\sqrt{2}\) になる) 切り口の正三角形の1辺の長さは \(6\sqrt{2}\)
応2
サッカーボール型多面体(切頂二十面体)

正二十面体(頂点12・辺30・面20の正三角形、1つの頂点に正三角形が5枚集まる)の12個の頂点をすべて切り落とすと、サッカーボールの模様として知られる「切頂二十面体」ができる。次の問いに答えよ。 (1) 切り落とされた1つの頂点には、もとの正二十面体で正三角形が5枚集まっていた。この切り口にできる新しい面は何角形か。また、その面はいくつできるか。 (2) もとの20枚の正三角形の面は、頂点を切り落とすことで何角形に変わるか。 (3) (1)(2)から、切頂二十面体の面の総数Fを求めよ。 (4) 切頂二十面体の頂点の数はV=60、辺の数はE=90であることが知られている。オイラーの多面体定理から求めたFの値が、(3)の答えと一致することを確認せよ。

(1) 形  個数
(2) 形
(3) \(F=\)
(4) オイラーの定理から求めたF
解説を見る
(1) 1つの頂点に正三角形が5枚集まっていたので、その頂点を切り落とすと、5枚の三角形の辺に沿った切り口は正五角形になる。もとの頂点は12個あるので、正五角形の面は12個できる。 (2) もとの正三角形の3つの角がそれぞれ切り落とされるので、三角形は六角形(実は正六角形)に変わる。もとの面は20枚なので、六角形の面が20個できる。 (3) \(F = 12+20 = 32\) (4) オイラーの多面体定理 \(V-E+F=2\) より \(F = 2-V+E = 2-60+90 = 32\) これは(3)で求めた値と一致する。 切頂二十面体は正五角形12枚と正六角形20枚、合わせて32枚の面でできている(\(V=60,E=90,F=32\) で \(V-E+F=2\) も成立)
応3
隣接する面の数

正十二面体の1つの面(正五角形)に隣接する(辺を共有する)面はいくつあるか。また、正二十面体の1つの面(正三角形)に隣接する面はいくつあるか。

正十二面体  正二十面体
解説を見る
凸多面体では、1つの辺は必ずちょうど2つの面の境界になっている。つまり、1つの面に隣接する面の数は、その面の辺の数と同じになる。 正十二面体の面は正五角形(辺は5本)なので、隣接する面は5個。 正二十面体の面は正三角形(辺は3本)なので、隣接する面は3個。 正十二面体は5個、正二十面体は3個
応4
正八面体のねじれの位置

正八面体は、6個の頂点A、A'、B、B'、C、C'(AA'、BB'、CC'がそれぞれ向かい合う頂点の組)を持ち、向かい合う頂点の組以外のすべての2頂点を結ぶと12本の辺ができる。辺ABに対して、ねじれの位置にある辺は何本あるか。

本数
解説を見る
辺は全部で12本あるので、辺AB以外は11本。 頂点A、Bのどちらかを共有する辺(交わる辺):Aから出る辺はAB以外にAB'、AC、AC'の3本。Bから出る辺はAB以外にA'B、BC、BC'の3本。あわせて6本。 平行な辺:向かい合う頂点の組を使ったA'B'が、ABとちょうど平行になる(1本)。 残りは \(11-6-1=4\) 本。これがねじれの位置にある辺の本数。 4本
応5
正四面体の対辺

正四面体ABCDにおいて、辺ABとねじれの位置にある辺をすべて答えよ。また、その本数を求めよ。

辺  本数
解説を見る
正四面体の辺は全部で6本(AB、AC、AD、BC、BD、CD)。辺AB以外の5本のうち、頂点A・Bのどちらかを共有する辺はAC、AD、BC、BDの4本(残り全部)。 共有しない辺はCDの1本だけで、これがねじれの位置にある辺。 正四面体では、向かい合う辺(対辺)の組は必ずねじれの位置にあり、しかも垂直に交わる(座標を使って調べると確かめられる、発展的な事実)。 辺CDの1本だけがねじれの位置
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

空間の中の2直線の位置関係が、平面図形にはなかった「ねじれの位置」を含めて3通りになるのはなぜか、「同じ平面上に置けるかどうか」という観点から説明せよ。

模範解答を見る
平面図形の中では、2直線はどちらも同じ1つの平面(その図をかいている紙面そのもの)の上にある。同じ平面上にある2直線は、交わらなければ必ず平行になるので、位置関係は「平行」か「交わる」の2通りしかない。 ところが、空間の中では事情が変わる。空間には平面が無数にあり、2つの直線が必ずしも同じ平面上にあるとは限らない。もし2直線がたまたま同じ平面上にあれば、そのときは平面図形のときと同様に「平行」か「交わる」のどちらかになる。 しかし、空間には、そもそもどんな1つの平面にも同時に乗せることができない2直線の組が存在する(例えば立方体で、上の面を通る辺と、それとは別方向を向く底面の辺のような関係)。この「同じ平面上に置くことができない」という第3の場合が、平面図形にはなかった新しい位置関係「ねじれの位置」である。 したがって、空間での2直線の関係は、まず「同じ平面上に置けるか」で場合分けし、置けるなら平面図形と同じ2通り(平行・交わる)、置けないならねじれの位置、という合計3通りになる。 空間では2直線が同じ平面上にあるとは限らないため、「同じ平面上に置ける(平行・交わるの2通り)」場合と「置けない(ねじれの位置)」場合を合わせて3通りになる。
記2

立方体ABCD-EFGH(前面ABCD、後面EFGH、AE・BF・CG・DHが奥行きの辺)において、辺BCとねじれの位置にある辺をすべて求めよ。平行な辺・交わる辺をそれぞれ除外する考え方を書きながら、答案として記述せよ。

模範解答を見る
辺BC以外の11本の辺のうち、まず辺BCと平行な辺を探す。前面の正方形ABCDでは辺BCの向かい側に辺ADがあり、これは辺BCと平行になる。さらに、後面は前面をそのまま奥にスライドさせた形なので、辺BC・辺ADにそれぞれ対応する後面の辺FG・辺HEも、同じ向きで平行になる。よって辺BCと平行な辺はAD・FG・HEの3本。 次に、辺BCと交わる(頂点を共有する)辺を探す。頂点Bから出る辺はBC以外にAB・BFの2本。頂点Cから出る辺はBC以外にCD・CGの2本。よって辺BCと交わる辺はAB・BF・CD・CGの4本。 平行でも交わってもいない残りの辺が、辺BCとねじれの位置にある辺である。辺BC以外の11本から、平行な3本と交わる4本を除くと \(11-3-4=4\) 残り4本を実際に数え上げると、辺EF・辺GH・辺AE・辺DHである。これらは辺BCと同じ平面上に置くことができず、平行でも交わってもいない。 辺BCとねじれの位置にある辺は、辺EF・辺GH・辺AE・辺DHの4本。