この章で学ぶこと
「数学と人間の活動(整数)」は数学Aの最終章であり、前の章「図形の性質」までの図形という対象から離れ、\(1,2,3,\ldots\) という最も身近な数の対象――整数そのものの構造を掘り下げる章である。まず1章で素因数分解という「整数を素数の積に分解する見方」を身につけ、2章ではそれを使って最大公約数・最小公倍数を求め、素因数分解が難しい大きな数にはユークリッドの互除法という機械的な計算手段があることを学ぶ。3章では、整数解しか許さない方程式(不定方程式)を、2章で学んだ「互いに素」という考え方を土台にして解けるようにし、4章ではふだんの10進法を一般化したn進法という、位取りそのものの仕組みを学ぶ。1章の素因数分解が2章のgcd・lcmの計算根拠になり、2章の互除法・互いに素の性質が3章の不定方程式の解法をそのまま支える、というように、この章の4ページは前のページの結果を次のページがそのまま使う一直線の構成になっている。ここで身につける「具体例で確かめてから一般の式に進む」「なぜ場合分けや存在条件が必要かを論理で説明する」という姿勢は、公式を覚えるだけでは終わらない数学的な考え方の土台として、この先どの分野を学ぶときにも生きてくる。
学習の順路
下から順番に読み進めよう。1で身につけた素因数分解が、2以降すべてのページの土台になる。
- 1. 約数と倍数・素因数分解 ― 倍数の判定法、素因数分解の手順、約数の個数・総和の公式、平方数になる条件を学ぶ。
- 2. 最大公約数・最小公倍数・互除法 ― 素因数分解からのgcd・lcmの求め方、ユークリッドの互除法の原理と証明、互いに素の性質を学ぶ。
- 3. 不定方程式 ― \(ax+by=0\)型の整数解、特殊解の見つけ方(目で探す・互除法を逆にたどる)、一般解の公式、文章題への応用を学ぶ。
- 4. n進法 ― n進法の位取りの仕組み、10進法との相互変換、n進法の小数、桁数の条件を学ぶ。
要点整理 倍数・素因数分解・約数の公式
「わり算せずに一瞬で判定したい」なら倍数の判定法、「約数の個数・総和・平方数かどうかまで知りたい」なら素因数分解、と使い分けよう。
・\(2\)の倍数→一の位が偶数 ・\(5\)の倍数→一の位が\(0\)か\(5\)
・\(4\)の倍数→下2桁が\(4\)の倍数 ・\(8\)の倍数→下3桁が\(8\)の倍数
・\(3\)の倍数→各位の和が\(3\)の倍数 ・\(9\)の倍数→各位の和が\(9\)の倍数
約数の個数:\((a+1)(b+1)\cdots\)
約数の総和:\((1+p+\cdots+p^a)(1+q+\cdots+q^b)\cdots\)
平方数の条件:すべての素因数の指数が偶数
ある1つの数が特定の数(2,3,4,5,8,9)の倍数かどうかを、わり算せずすばやく判定したいとき。
約数の個数・総和、平方数かどうかなど、その数の「構造」まで知りたいとき。
要点整理 最大公約数・最小公倍数・ユークリッドの互除法
数が小さいうちは素因数分解、数が大きく分解が大変なときは互除法。この使い分けが2章の核心だった。
重なる部分(共通部分)が「公約数」の集合。その中でいちばん大きいものが最大公約数。
常に成り立つ関係 \(a\times b = \gcd(a,b)\times\operatorname{lcm}(a,b)\) (片方が分かればもう片方も求まる)
要点整理 不定方程式 \(ax+by=c\) の解き方の流れ
「まず1組見つけて、そこからすべてを表す」という2段構えが不定方程式の考え方。\(a,b\) が互いに素であることが前提になる。
\(x=0,1,2,\ldots\) と順に代入して \(y\) が整数になるものを目で探す
ユークリッドの互除法を最後から逆にたどって \(1\)(または \(c\))の作り方を組み立てる
要点整理 n進法の変換公式
10進法とn進法の間の行き来は、どちらも「位の重み(\(n\)の累乗)」を仲立ちにして考える。
n進法→10進法 各桁の数字にその位の重み(\(n^0,n^1,n^2,\ldots\))をかけて、すべて足す。
桁数の条件 自然数 \(N\) をn進法で表したときちょうど \(k\) 桁になるのは \(n^{k-1} \le N \le n^k-1\) のとき。
この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「3/5」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。
\(2916\) は \(2,\ 3,\ 4,\ 8,\ 9\) のうちどの数の倍数か。あてはまるものをすべて、小さい順にコンマ区切りで答えよ。
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\(588 = 2^{\text{ア}} \times 3^{\text{イ}} \times 7^{\text{ウ}}\) となるように、ア・イ・ウに当てはまる指数を求めよ。
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\(196\) の正の約数の個数を求めよ。
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\(100\) の正の約数の総和を求めよ。
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\(50\) に何をかければ平方数になるか、最小の自然数を求めよ。
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\(48\) と \(180\) の最大公約数・最小公倍数を求めよ。
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\(24\) と \(b\) の最大公約数は \(8\)、最小公倍数は \(96\) であるという。\(b\) を求めよ。
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\(133\) と \(56\) の最大公約数を互除法で求めよ。
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\(\gcd\) の考え方を使って、分数 \(\dfrac{84}{126}\) を既約分数にせよ。
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\(5x+8y=0\) を満たす整数 \(x,y\) を、\(x=\)ア\(\,k,\ y=\)イ\(\,k\)(\(k\) は整数)の形で表せ。ただし、アは正の数とする。
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\(4x+3y=1\) について、\(0 \le x_0 < 3\) の範囲にある特殊解 \((x_0,y_0)\) を求めよ。
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\(3x+7y=2\) の特殊解の1つは \(x_0=3,\ y_0=-1\) である(\(3\cdot3+7\cdot(-1)=2\) を確認せよ)。整数解全体を \(x=3+\)ア\(k,\ y=-1-\)イ\(k\)(\(k\) は整数)の形で表すとき、ア、イを求めよ。
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\(110101_{(2)}\) を\(10\)進法で表せ。
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\(150\) を\(4\)進法で表せ。
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\(10\)進法の整数\(N\)を\(3\)進法で表すと、ちょうど\(5\)桁になるという。\(N\)の範囲を求めよ。
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正の約数の個数がちょうど \(10\) 個であるような自然数のうち、最小のものを求めよ。
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\(50\) の正の約数の総和を求めよ。また、その中で奇数である約数だけの総和を求めよ。
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\(1517\) と \(943\) の最大公約数を互除法で求めよ。
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2つの自然数 \(a, b\)(\(a \lt b\))の最大公約数が \(9\)、最小公倍数が \(270\) であり、\(a+b=99\) であるという。\(a\)、\(b\) を求めよ。
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1本70円のえんぴつと1本50円の消しゴムを、あわせて何個か買って代金の合計をちょうど1000円にしたい。買い方は何通りあるか。ただし、どちらも1個以上買うものとする。
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\(10\)進法の整数\(N\)を\(3\)進法で表すとちょうど\(4\)桁になり、\(5\)進法で表すとちょうど\(3\)桁になるという。このような\(N\)の最小値・最大値と、あてはまる\(N\)の個数を求めよ。
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\(0\)でない1桁の整数\(a,\ b\)(\(a \ne b\))について、\(9\)進法で\(ab_{(9)}\)と表される数の桁を入れ替えて\(7\)進法で\(ba_{(7)}\)と表すと、同じ値になるという。\(a,\ b\)を求めよ。
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連続する4つの整数の積は、必ず \(4!=24\) の倍数になることが知られている。この事実を使って、\(15\times16\times17\times18\) を \(24\) で割った商を求めよ。
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2つの自然数 \(a, b\)(\(a \lt b\))の最大公約数は \(12\)、積 \(a\times b\) は \(2880\) であり、\(a+b=108\) であるという。\(a\)、\(b\) を求めよ。
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\(36\) と \(84\) の最大公約数を \(g\) とする。\(g\) の値を求めよ。また、\(g\) を \(2\) 進法で表すと何桁になるか、桁数の条件の公式を使って求めよ。
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答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。
最大公約数を求める方法として、素因数分解を使う方法とユークリッドの互除法を使う方法の、2通りを学んだ。それぞれの方法が得意な場面・苦手な場面に触れながら、この2通りを学ぶ理由を説明せよ。
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不定方程式 \(ax+by=c\) の整数解を求める手順の中で、「\(a\)と\(b\)が互いに素かどうか」という最大公約数の考え方が、どこで、なぜ必要になるかを説明せよ。
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先生「ホットドッグの個数を\(x\)個、ジュースの個数を\(y\)個としよう。まず代金の式を立ててごらん。」
花子「はい、\(130x+90y=2000\)ですね。」
先生「その式の両辺を同じ数で割って、係数を小さくしてから考えると計算しやすいよ。」
\(130x+90y=2000\) の両辺を\(10\)で割ると \(13x+9y=\boxed{\text{アイウ}}\) となる。この式について、\(0 \le x_0 \lt 9\) の範囲で特殊解 \((x_0,y_0)\) を求めると \(x_0=\boxed{\text{エ}}\)、\(y_0=\boxed{\text{オカ}}\) である。
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(1)の結果を用いると、一般解は \(x=x_0+\boxed{\text{キ}}k,\ y=y_0-\boxed{\text{クケ}}k\)(\(k\) は整数)と表される。ホットドッグ・ジュースともに1個以上仕入れるとき、買い方は全部で \(\boxed{\text{コ}}\) 通りある。
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花子「実際には、ホットドッグの方がジュースより多く売れそうだから、ホットドッグの個数がジュースの個数より多くなる組み合わせにしよう。」
(2)で求めた買い方のうち、条件に合う組み合わせは、ホットドッグ \(\boxed{\text{サシ}}\) 個、ジュース \(\boxed{\text{ス}}\) 個である。
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\(200\) を\(3\)進法で表すと \(\boxed{\text{アイウエオ}}_{(3)}\) となる。また、この数は\(3\)進法で表すとちょうど \(\boxed{\text{カ}}\) 桁である。
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(1)で分かったとおり、200冊は3進法でちょうど5桁の数だった。この図書室には、別の書庫にある150冊の本も合わせて整理することになった。200冊と150冊を、共通の冊数ずつ過不足なく分けたい。1セットあたりの冊数をできるだけ多くすると \(\boxed{\text{キク}}\) 冊になり、そのとき合計 \(\boxed{\text{ケ}}\) セットできる。
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(2)で求めた1セットあたりの冊数を\(2\)進法で表すと、ちょうど \(\boxed{\text{コ}}\) 桁になる。桁数の条件の公式を使って求めよ。また、これは(1)で求めた「200を3進法で表したときの桁数」より \(\boxed{\text{サ}}\) 桁多い。