この章で学ぶこと

「数学と人間の活動(整数)」は数学Aの最終章であり、前の章「図形の性質」までの図形という対象から離れ、\(1,2,3,\ldots\) という最も身近な数の対象――整数そのものの構造を掘り下げる章である。まず1章で素因数分解という「整数を素数の積に分解する見方」を身につけ、2章ではそれを使って最大公約数・最小公倍数を求め、素因数分解が難しい大きな数にはユークリッドの互除法という機械的な計算手段があることを学ぶ。3章では、整数解しか許さない方程式(不定方程式)を、2章で学んだ「互いに素」という考え方を土台にして解けるようにし、4章ではふだんの10進法を一般化したn進法という、位取りそのものの仕組みを学ぶ。1章の素因数分解が2章のgcd・lcmの計算根拠になり、2章の互除法・互いに素の性質が3章の不定方程式の解法をそのまま支える、というように、この章の4ページは前のページの結果を次のページがそのまま使う一直線の構成になっている。ここで身につける「具体例で確かめてから一般の式に進む」「なぜ場合分けや存在条件が必要かを論理で説明する」という姿勢は、公式を覚えるだけでは終わらない数学的な考え方の土台として、この先どの分野を学ぶときにも生きてくる。

学習の順路

下から順番に読み進めよう。1で身につけた素因数分解が、2以降すべてのページの土台になる。

  1. 1. 約数と倍数・素因数分解 ― 倍数の判定法、素因数分解の手順、約数の個数・総和の公式、平方数になる条件を学ぶ。
  2. 2. 最大公約数・最小公倍数・互除法 ― 素因数分解からのgcd・lcmの求め方、ユークリッドの互除法の原理と証明、互いに素の性質を学ぶ。
  3. 3. 不定方程式 ― \(ax+by=0\)型の整数解、特殊解の見つけ方(目で探す・互除法を逆にたどる)、一般解の公式、文章題への応用を学ぶ。
  4. 4. n進法 ― n進法の位取りの仕組み、10進法との相互変換、n進法の小数、桁数の条件を学ぶ。

要点整理 倍数・素因数分解・約数の公式

「わり算せずに一瞬で判定したい」なら倍数の判定法、「約数の個数・総和・平方数かどうかまで知りたい」なら素因数分解、と使い分けよう。

倍数の判定法
・\(2\)の倍数→一の位が偶数  ・\(5\)の倍数→一の位が\(0\)か\(5\)
・\(4\)の倍数→下2桁が\(4\)の倍数  ・\(8\)の倍数→下3桁が\(8\)の倍数
・\(3\)の倍数→各位の和が\(3\)の倍数  ・\(9\)の倍数→各位の和が\(9\)の倍数
素因数分解 \(N=p^a\times q^b\times\cdots\) からわかること
約数の個数:\((a+1)(b+1)\cdots\)
約数の総和:\((1+p+\cdots+p^a)(1+q+\cdots+q^b)\cdots\)
平方数の条件:すべての素因数の指数が偶数
倍数判定法を使う場面
ある1つの数が特定の数(2,3,4,5,8,9)の倍数かどうかを、わり算せずすばやく判定したいとき。
素因数分解を使う場面
約数の個数・総和、平方数かどうかなど、その数の「構造」まで知りたいとき。

要点整理 最大公約数・最小公倍数・ユークリッドの互除法

数が小さいうちは素因数分解、数が大きく分解が大変なときは互除法。この使い分けが2章の核心だった。

重なる部分(共通部分)が「公約数」の集合。その中でいちばん大きいものが最大公約数。

素因数分解から 共通する素因数を指数の小さい方だけ取って掛けると最大公約数、現れるすべての素因数を指数の大きい方だけ取って掛けると最小公倍数。

常に成り立つ関係 \(a\times b = \gcd(a,b)\times\operatorname{lcm}(a,b)\) (片方が分かればもう片方も求まる)
手順1 \(a\) を \(b\) で割り、商 \(q\)・余り \(r\) を求める(\(a=bq+r\))
↓
手順2 \(\gcd(a,b)=\gcd(b,r)\) の性質を使い、組を \((b,r)\) に置き換える
↓
手順3 これを繰り返し、余りが \(0\) になったときの「割る数」が最大公約数
互いに素(\(\gcd=1\))の性質 連続する2つの整数は必ず互いに素/互いに素なら最小公倍数は積そのもの(\(\operatorname{lcm}(a,b)=a\times b\))。この2つの性質が、次の不定方程式の解法を支えている。

要点整理 不定方程式 \(ax+by=c\) の解き方の流れ

「まず1組見つけて、そこからすべてを表す」という2段構えが不定方程式の考え方。\(a,b\) が互いに素であることが前提になる。

手順1 特殊解 \((x_0,y_0)\) を1組見つける
↓
係数が小さいとき
\(x=0,1,2,\ldots\) と順に代入して \(y\) が整数になるものを目で探す
係数が大きいとき
ユークリッドの互除法を最後から逆にたどって \(1\)(または \(c\))の作り方を組み立てる
↓
手順2 一般解 \(x=x_0+bk,\ y=y_0-ak\)(\(k\) は整数)にあてはめる
↓
手順3 文章題なら「個数は1以上」などの条件を \(k\) についての不等式に書きかえ、範囲を絞り込む
存在条件 \(ax+by=c\) が整数解をもつのは、\(\gcd(a,b)\) が \(c\) を割り切るときに限る。\(a,b\) が互いに素ならこの条件は自動的に満たされる。

要点整理 n進法の変換公式

10進法とn進法の間の行き来は、どちらも「位の重み(\(n\)の累乗)」を仲立ちにして考える。

10進法→n進法 \(n\) で割り続け、商が\(0\)になるまで繰り返す。出てきた余りを最後から最初へ(下から上へ)並べる。

n進法→10進法 各桁の数字にその位の重み(\(n^0,n^1,n^2,\ldots\))をかけて、すべて足す。

桁数の条件 自然数 \(N\) をn進法で表したときちょうど \(k\) 桁になるのは \(n^{k-1} \le N \le n^k-1\) のとき。
まとめテスト(標準)

この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「3/5」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜15)
1
倍数の判定法

\(2916\) は \(2,\ 3,\ 4,\ 8,\ 9\) のうちどの数の倍数か。あてはまるものをすべて、小さい順にコンマ区切りで答えよ。

倍数
解説を見る
各位の和 \(2+9+1+6=18\)、\(18\) は \(9\) の倍数なので \(9\)の倍数(よって\(3\)の倍数でもある)。 一の位は \(6\)(偶数)→ \(2\)の倍数。下2桁\(16=4\times4\)→\(4\)の倍数。下3桁\(916\)は\(8\)で割ると\(114.5\)で割り切れず→\(8\)の倍数ではない。 \(2916\)は\(2,\ 3,\ 4,\ 9\)の倍数(\(8\)の倍数ではない)
2
素因数分解(指数を求める)

\(588 = 2^{\text{ア}} \times 3^{\text{イ}} \times 7^{\text{ウ}}\) となるように、ア・イ・ウに当てはまる指数を求めよ。

ア  イ  ウ
解説を見る
\(588\div2=294\)、\(294\div2=147\)(ここで\(2\)割り終了、\(147\)は奇数) \(147\div3=49\)(\(49\)は\(3\)で割れないのでここで\(3\)割り終了) \(49=7\times7\) \(588 = 2^2 \times 3^1 \times 7^2\)(ア\(=2\)、イ\(=1\)、ウ\(=2\))
3
約数の個数

\(196\) の正の約数の個数を求めよ。

個数
解説を見る
\(196 = 2^2 \times 7^2\) 約数の個数は \((2+1)(2+1) = 3\times3 = 9\) 約数の個数は \(9\)個
4
約数の総和

\(100\) の正の約数の総和を求めよ。

総和
解説を見る
\(100 = 2^2 \times 5^2\) 約数の総和は \((1+2+4)(1+5+25) = 7\times31 = 217\) 約数の総和は \(217\)
5
平方数にする最小の数

\(50\) に何をかければ平方数になるか、最小の自然数を求めよ。

最小の数
解説を見る
\(50 = 2 \times 5^2\)。\(5\)の指数は偶数だが、\(2\)の指数\(1\)は奇数。 \(2\)をもう1個かければ \(2^2\times5^2=(2\times5)^2=10^2=100\) になる。 最小の数は \(2\)(\(50\times2=100=10^2\))
6
素因数分解からgcd・lcm

\(48\) と \(180\) の最大公約数・最小公倍数を求めよ。

最大公約数  最小公倍数
解説を見る
\(48 = 2^4\times3\)  \(180 = 2^2\times3^2\times5\) \(\gcd = 2^2\times3 = 12\)  \(\operatorname{lcm} = 2^4\times3^2\times5 = 720\) 最大公約数 \(12\)、最小公倍数 \(720\)
7
\(a\times b=\gcd\times\operatorname{lcm}\) の関係を利用

\(24\) と \(b\) の最大公約数は \(8\)、最小公倍数は \(96\) であるという。\(b\) を求めよ。

\(b=\)
解説を見る
\(24\times b = \gcd(24,b)\times\operatorname{lcm}(24,b) = 8\times96 = 768\) \(b = 768\div24 = 32\) (検算:\(24=2^3\times3\)、\(32=2^5\) より \(\gcd=2^3=8\)、\(\operatorname{lcm}=2^5\times3=96\)。どちらも一致。) \(b=32\)
8
互除法

\(133\) と \(56\) の最大公約数を互除法で求めよ。

最大公約数
解説を見る
\(133 = 56\times2+21\) \(56 = 21\times2+14\) \(21 = 14\times1+7\) \(14 = 7\times2+0\) → 余りが \(0\) になった。 最大公約数は \(7\)
9
既約分数にする

\(\gcd\) の考え方を使って、分数 \(\dfrac{84}{126}\) を既約分数にせよ。

既約分数
解説を見る
\(84 = 2^2\times3\times7\)、\(126 = 2\times3^2\times7\) より \(\gcd(84,126) = 2\times3\times7 = 42\)。 分子・分母を \(42\) で割ると \(\dfrac{84\div42}{126\div42} = \dfrac{2}{3}\) \(\dfrac{2}{3}\)
10
\(ax+by=0\)型

\(5x+8y=0\) を満たす整数 \(x,y\) を、\(x=\)ア\(\,k,\ y=\)イ\(\,k\)(\(k\) は整数)の形で表せ。ただし、アは正の数とする。

ア  イ
解説を見る
\(5\) と \(8\) は互いに素。公式 \(x=bk,\ y=-ak\) より \(a=5,b=8\) を代入する。 ア\(=8\)、イ\(=-5\)
11
特殊解を目で探す

\(4x+3y=1\) について、\(0 \le x_0 < 3\) の範囲にある特殊解 \((x_0,y_0)\) を求めよ。

\(x_0=\)  \(y_0=\)
解説を見る
\(x=0\):\(3y=1\) 整数にならない。\(x=1\):\(4+3y=1 \to 3y=-3 \to y=-1\) 整数になった。 \(x_0=1,\ y_0=-1\)
12
特殊解から一般解へ

\(3x+7y=2\) の特殊解の1つは \(x_0=3,\ y_0=-1\) である(\(3\cdot3+7\cdot(-1)=2\) を確認せよ)。整数解全体を \(x=3+\)ア\(k,\ y=-1-\)イ\(k\)(\(k\) は整数)の形で表すとき、ア、イを求めよ。

ア  イ
解説を見る
公式 \(x=x_0+bk,\ y=y_0-ak\) で \(a=3,b=7\) を代入する。 ア\(=7\)、イ\(=3\)
13
2進法→10進法

\(110101_{(2)}\) を\(10\)進法で表せ。

答え
解説を見る
位の重みは左から \(32,16,8,4,2,1\)。 \(110101_{(2)} = 1\times32+1\times16+0\times8+1\times4+0\times2+1\times1 = 32+16+4+1\) \(53\)
14
10進法→4進法

\(150\) を\(4\)進法で表せ。

答え
解説を見る
\(150=4\times37+2\) \(37=4\times9+1\) \(9=4\times2+1\) \(2=4\times0+2\) 余りを下から上へ読むと \(2,1,1,2\)。 \(2112\)
15
桁数条件(範囲を求める)

\(10\)進法の整数\(N\)を\(3\)進法で表すと、ちょうど\(5\)桁になるという。\(N\)の範囲を求めよ。

最小値  最大値
解説を見る
\(k=5\)、\(n=3\)として \(n^{k-1} \le N \le n^k-1\) に代入する。 \(3^4 \le N \le 3^5-1\) \(81 \le N \le 242\)
発展(16〜25)
16
約数の個数からNを逆算

正の約数の個数がちょうど \(10\) 個であるような自然数のうち、最小のものを求めよ。

最小の自然数
解説を見る
約数の個数の公式から、\(10=(a+1)(b+1)\cdots\) となる分解を考える。 \(10=2\times5\) と分解すると、指数の組は \((a,b)=(4,1)\) または \((1,4)\)。 Nを最小にするには、指数が大きいほうを小さい素数に割り当てる:\(2^4\times3^1=16\times3=48\)(逆に\(2^1\times3^4=2\times81=162\)より小さい)。 \(10=10\times1\)(1個の素因数だけ)なら \(2^{9}=512\) となり、はるかに大きい。 最小の自然数は \(48\)(\(48=2^4\times3\)、約数の個数\((4+1)(1+1)=10\))
17
総和の公式を偶奇に分けて使う

\(50\) の正の約数の総和を求めよ。また、その中で奇数である約数だけの総和を求めよ。

総和  奇数の約数の総和
解説を見る
\(50 = 2\times5^2\) 約数の総和は \((1+2)(1+5+25) = 3\times31 = 93\) 奇数の約数だけを集めるということは、「\(2\)を1個も使わない」約数だけを集めるということ。これは\(2\)側の項を\(1\)(=\(2^0\))だけに固定した場合にあたるので、\((1)(1+5+25)=31\)。 総和は \(93\)、奇数の約数だけの総和は \(31\)(実際の奇数の約数は\(1,5,25\))
18
互除法:桁数が大きい数どうし

\(1517\) と \(943\) の最大公約数を互除法で求めよ。

最大公約数
解説を見る
\(1517 = 943\times1+574\) \(943 = 574\times1+369\) \(574 = 369\times1+205\) \(369 = 205\times1+164\) \(205 = 164\times1+41\) \(164 = 41\times4+0\) → 余りが \(0\) になった。 (検算:\(1517=41\times37\)、\(943=41\times23\)。素因数分解で見つけるのは大変だが、互除法なら機械的に求まる。) 最大公約数は \(41\)
19
最大公約数・最小公倍数から2数を復元

2つの自然数 \(a, b\)(\(a \lt b\))の最大公約数が \(9\)、最小公倍数が \(270\) であり、\(a+b=99\) であるという。\(a\)、\(b\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
\(\gcd(a,b)=9\) より \(a=9p\)、\(b=9q\)(\(p,q\) は互いに素、\(p \lt q\))とおける。 \(\operatorname{lcm}(a,b)=9pq=270\) より \(pq=30\)。 \(pq=30\) かつ \(\gcd(p,q)=1\) となる組(\(p \lt q\))は \((1,30)\)、\((2,15)\)、\((3,10)\)、\((5,6)\) の4通り。 それぞれ \(p+q\) は \(31,\ 17,\ 13,\ 11\)。条件 \(a+b=9(p+q)=99\) より \(p+q=11\) を満たすのは \((5,6)\) だけ。 これより \(a=9\times5=45,\ b=9\times6=54\)。 (検算:\(45=3^2\times5\)、\(54=2\times3^3\) より \(\gcd=3^2=9\)、\(\operatorname{lcm}=2\times3^3\times5=270\)。どちらも条件と一致。) \(a=45,\ b=54\)
20
不定方程式:文章題

1本70円のえんぴつと1本50円の消しゴムを、あわせて何個か買って代金の合計をちょうど1000円にしたい。買い方は何通りあるか。ただし、どちらも1個以上買うものとする。

通り数
解説を見る
えんぴつ \(x\) 本、消しゴム \(y\) 個とすると \(70x+50y=1000\)。両辺を \(10\) で割って \(7x+5y=100\)。 \(x=0\):\(5y=100 \to y=20\)。これが特殊解 \((x_0,y_0)=(0,20)\)。 一般解は \(x=0+5k=5k,\ y=20-7k\)(\(k\) は整数)。 \(x\ge1\):\(5k\ge1 \to k\ge1\) \(y\ge1\):\(20-7k\ge1 \to k\le\dfrac{19}{7}=2.71\ldots \to k\le2\) よって \(k=1,2\) の2通り。それぞれ \((x,y)=(5,13),(10,6)\)。 買い方は2通り:(えんぴつ5本・消しゴム13個)、(10本・6個)
21
2つの桁数条件を同時に満たす範囲

\(10\)進法の整数\(N\)を\(3\)進法で表すとちょうど\(4\)桁になり、\(5\)進法で表すとちょうど\(3\)桁になるという。このような\(N\)の最小値・最大値と、あてはまる\(N\)の個数を求めよ。

最小値  最大値  個数
解説を見る
それぞれの条件を桁数の公式 \(n^{k-1} \le N \le n^k-1\) にあてはめる。 \(3\)進法で\(4\)桁:\(3^3 \le N \le 3^4-1\) すなわち \(27 \le N \le 80\) \(5\)進法で\(3\)桁:\(5^2 \le N \le 5^3-1\) すなわち \(25 \le N \le 124\) 両方を同時に満たすのは、2つの範囲の共通部分。下限は大きい方の\(27\)、上限は小さい方の\(80\)を取るので \(27 \le N \le 80\) この範囲に含まれる整数の個数は \(80-27+1=54\)個。 最小値\(27\)、最大値\(80\)、個数\(54\)個
22
n進法の方程式(桁を入れ替える)

\(0\)でない1桁の整数\(a,\ b\)(\(a \ne b\))について、\(9\)進法で\(ab_{(9)}\)と表される数の桁を入れ替えて\(7\)進法で\(ba_{(7)}\)と表すと、同じ値になるという。\(a,\ b\)を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
桁の範囲をまず確認する。\(ab_{(9)}\)の最上位の桁\(a\)は\(9\)進法の数字なので\(1 \le a \le 8\)、末尾の桁\(b\)は\(0 \le b \le 8\)。 \(ba_{(7)}\)の最上位の桁\(b\)は\(7\)進法の数字として\(1 \le b \le 6\)、末尾の桁\(a\)は\(0 \le a \le 6\)。 両方の条件をあわせると \(1 \le a \le 6\)、\(1 \le b \le 6\)。 値を比較する式を作る。\(ab_{(9)} = 9a+b\)、\(ba_{(7)} = 7b+a\)。これらが等しいので \(9a+b = 7b+a\) \(8a = 6b\) \(4a = 3b\) \(b\)が整数になるには\(a\)が\(3\)の倍数でなければならない。\(1 \le a \le 6\)の\(3\)の倍数は\(a=3\)と\(a=6\)。 \(a=3\)のとき \(b = \dfrac{4\times3}{3} = 4\)(範囲\(1\)〜\(6\)を満たす、OK) \(a=6\)のとき \(b = \dfrac{4\times6}{3} = 8\)(範囲\(1\)〜\(6\)を超えるので不適) よって\(a=3,\ b=4\)のみが条件を満たす。 (検算:\(ab_{(9)}=34_{(9)}=3\times9+4=31\)、\(ba_{(7)}=43_{(7)}=4\times7+3=31\)。一致する。) \(a=3,\ b=4\)
23
連続する整数の積の性質(数値)

連続する4つの整数の積は、必ず \(4!=24\) の倍数になることが知られている。この事実を使って、\(15\times16\times17\times18\) を \(24\) で割った商を求めよ。

商
解説を見る
\(15,16,17,18\)は連続する4つの整数なので、その積は\(24\)の倍数になることが保証されている(割り切れずに余りが出ることはない)。 実際に積を計算すると \(15\times16=240\)、\(240\times17=4080\)、\(4080\times18=73440\)。 これを\(24\)で割ると \(73440\div24=3060\)。 商は\(3060\)(\(15\times16\times17\times18=73440=24\times3060\))
24
最大公約数と積から2数の組を求める

2つの自然数 \(a, b\)(\(a \lt b\))の最大公約数は \(12\)、積 \(a\times b\) は \(2880\) であり、\(a+b=108\) であるという。\(a\)、\(b\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
\(a\times b = \gcd(a,b)\times\operatorname{lcm}(a,b)\) より \(\operatorname{lcm}(a,b) = \dfrac{2880}{12} = 240\)。 \(a=12p\)、\(b=12q\)(\(p,q\) は互いに素、\(p \lt q\))とおくと \(pq = \dfrac{\operatorname{lcm}}{\gcd} = \dfrac{240}{12} = 20\)。 \(pq=20\) かつ互いに素な組(\(p \lt q\))は \((1,20)\)、\((4,5)\) の2通り(\((2,10)\)は\(\gcd(2,10)=2\)なので互いに素でなく不適)。 \(12\)倍すると \((a,b)=(12,240)\)、\((48,60)\)。それぞれの和は \(252\)、\(108\)。 条件 \(a+b=108\) を満たすのは \((48,60)\)。 (検算:\(48=2^4\times3\)、\(60=2^2\times3\times5\) より \(\gcd=2^2\times3=12\)、積\(=48\times60=2880\)。どちらも条件と一致。) \(a=48,\ b=60\)
25
最大公約数+n進法の融合(章の総仕上げ)

\(36\) と \(84\) の最大公約数を \(g\) とする。\(g\) の値を求めよ。また、\(g\) を \(2\) 進法で表すと何桁になるか、桁数の条件の公式を使って求めよ。

\(g=\)  桁数
解説を見る
\(36 = 2^2\times3^2\)  \(84 = 2^2\times3\times7\) \(g=\gcd(36,84) = 2^2\times3 = 12\) 次に、\(g=12\) が \(2\) 進法で何桁になるかを、素因数分解ではなく桁数の条件の公式 \(n^{k-1} \le N \le n^k-1\)(\(n=2\))で調べる。 \(2^3=8 \le 12 \le 15=2^4-1\) なので \(k=4\)。 (検算:\(12=8+4=1100_{(2)}\)。実際に4桁になっている。) \(g=12\)、\(2\)進法で表すと\(4\)桁
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

最大公約数を求める方法として、素因数分解を使う方法とユークリッドの互除法を使う方法の、2通りを学んだ。それぞれの方法が得意な場面・苦手な場面に触れながら、この2通りを学ぶ理由を説明せよ。

模範解答を見る
素因数分解を使う方法は、\(N=p^a\times q^b\times\cdots\)のように数を素数の積に分解し、共通する素因数を指数の小さい方だけ取り出すことで最大公約数を求める方法である。この方法の利点は、最大公約数だけでなく最小公倍数も同時に求められる点、また約数の個数・総和・平方数かどうかといった数の構造そのものを知ることができる点にある。ただし、数が大きくなると、素因数分解そのものに時間がかかる(小さい素数から順に割って試す必要があり、素数が大きいと見つけにくい)という弱点がある。 一方、ユークリッドの互除法は、「大きい方を小さい方で割った余りに置き換えても最大公約数は変わらない」という性質(\(\gcd(a,b)=\gcd(b,r)\))を使い、割り算を繰り返すだけで最大公約数を求める方法である。この方法の利点は、素因数分解が難しい大きな数どうしでも、機械的な割り算の繰り返しだけで確実に最大公約数が求まる点にある。ただし、互除法は最大公約数しか求められず、最小公倍数が欲しい場合は別途 \(a\times b=\gcd(a,b)\times\operatorname{lcm}(a,b)\) の関係を使う必要があるという弱点がある。 つまり、数が小さく素因数分解がすぐできる場合や、最小公倍数・約数の個数など数の構造まで知りたい場合は素因数分解の方法を、数が大きく素因数分解に手間がかかる場合はユークリッドの互除法を、というように、数の大きさと知りたい情報に応じて2つの方法を使い分けることが大切である。 数が小さく構造まで知りたいときは素因数分解、数が大きく最大公約数だけを確実に求めたいときはユークリッドの互除法、というように使い分けるために2通りを学ぶ。
記2

不定方程式 \(ax+by=c\) の整数解を求める手順の中で、「\(a\)と\(b\)が互いに素かどうか」という最大公約数の考え方が、どこで、なぜ必要になるかを説明せよ。

模範解答を見る
\(ax+by=c\)が整数解をもつのは、\(a\)と\(b\)の最大公約数が\(c\)を割り切るときに限る、という存在条件がある。もし\(a\)と\(b\)の最大公約数\(d\)が\(1\)より大きく、\(d\)が\(c\)を割り切らない場合、左辺\(ax+by\)は必ず\(d\)の倍数になるが、右辺\(c\)は\(d\)の倍数でないため、方程式を満たす整数\(x,y\)はそもそも存在しない。よって、不定方程式を解き始める前に、まず\(a\)と\(b\)が互いに素かどうか(あるいは、最大公約数が\(c\)を割り切るかどうか)を確認することが、手順のいちばん最初に必要になる。 さらに、\(a\)と\(b\)が互いに素であるという事実そのものが、\(ax+by=0\)の整数解が\(x=bk,\ y=-ak\)とすべて表される、という結果の前提条件にもなっている。この結果を導く論法では、「\(a\)と\(b\)が互いに素であるとき、\(by\)が\(a\)の倍数になるためには、\(b\)自身ではなく\(y\)が\(a\)の倍数でなければならない」という考え方を使っており、これは\(a\)と\(b\)に共通の素因数がまったくない(互いに素である)からこそ成り立つ論法である。もし\(a\)と\(b\)が互いに素でなければ、この論法は成り立たず、\(x=bk,\ y=-ak\)という表し方も一般には正しい一般解を与えない。 このように、互いに素という最大公約数の考え方は、そもそも解が存在するかどうかを判定する場面と、一般解の公式\(x=x_0+bk,\ y=y_0-ak\)が正しく使える前提条件を保証する場面の、2箇所で不可欠な役割を果たしている。 互いに素かどうかは、解の存在条件(最大公約数が\(c\)を割り切るか)の判定と、一般解の公式が成り立つための前提条件の保証という、2つの場面で必要になる。
共通テスト形式チャレンジ(大問1)

目標時間 8分/配点 20点

花子さんの高校では、文化祭の模擬店でホットドッグ(1個130円)とジュース(1個90円)を仕入れることになった。仕入れにちょうど2000円を使い切りたい。花子さんは先生と一緒に、仕入れの個数の組み合わせを考えている。

先生「ホットドッグの個数を\(x\)個、ジュースの個数を\(y\)個としよう。まず代金の式を立ててごらん。」
花子「はい、\(130x+90y=2000\)ですね。」
先生「その式の両辺を同じ数で割って、係数を小さくしてから考えると計算しやすいよ。」
(1)

\(130x+90y=2000\) の両辺を\(10\)で割ると \(13x+9y=\boxed{\text{アイウ}}\) となる。この式について、\(0 \le x_0 \lt 9\) の範囲で特殊解 \((x_0,y_0)\) を求めると \(x_0=\boxed{\text{エ}}\)、\(y_0=\boxed{\text{オカ}}\) である。

アイウ エ オカ
解説を見る
\(130x+90y=2000\) の両辺を\(10\)で割ると \(13x+9y=200\)。 \(0 \le x_0 \lt 9\) の範囲で \(x=0,1,2,\ldots,8\) を順に代入して \(y\) が整数になるものを探す。 \(x=5\):\(13\times5+9y=200 \to 65+9y=200 \to 9y=135 \to y=15\)。整数になった(他の\(x=0,1,2,3,4,6,7,8\)ではいずれも\(y\)が整数にならない)。 \(13x+9y=200\)、特殊解 \(x_0=5,\ y_0=15\)
(2)

(1)の結果を用いると、一般解は \(x=x_0+\boxed{\text{キ}}k,\ y=y_0-\boxed{\text{クケ}}k\)(\(k\) は整数)と表される。ホットドッグ・ジュースともに1個以上仕入れるとき、買い方は全部で \(\boxed{\text{コ}}\) 通りある。

キ クケ コ
解説を見る
公式 \(x=x_0+bk,\ y=y_0-ak\)(\(a=13,b=9\))にあてはめると \(x=5+9k,\ \ y=15-13k\)(\(k\) は整数) ホットドッグ・ジュースともに1個以上仕入れる条件より \(x\ge1\):\(5+9k\ge1 \to k\ge-\dfrac{4}{9}\)、\(k\)は整数なので\(k\ge0\) \(y\ge1\):\(15-13k\ge1 \to 13k\le14 \to k\le\dfrac{14}{13}=1.07\ldots\)、\(k\)は整数なので\(k\le1\) よって \(k=0,1\) の2通り。それぞれ \((x,y)=(5,15),(14,2)\)。 一般解 \(x=5+9k,\ y=15-13k\)、買い方は\(2\)通り
(3)

花子「実際には、ホットドッグの方がジュースより多く売れそうだから、ホットドッグの個数がジュースの個数より多くなる組み合わせにしよう。」

(2)で求めた買い方のうち、条件に合う組み合わせは、ホットドッグ \(\boxed{\text{サシ}}\) 個、ジュース \(\boxed{\text{ス}}\) 個である。

サシ ス
解説を見る
(2)で求めた2通りの組み合わせを比べる。 \(k=0\):\((x,y)=(5,15)\) → ホットドッグ\(5\)個 \(\lt\) ジュース\(15\)個なので条件に合わない。 \(k=1\):\((x,y)=(14,2)\) → ホットドッグ\(14\)個 \(\gt\) ジュース\(2\)個なので条件に合う。 ホットドッグ\(14\)個、ジュース\(2\)個
共通テスト形式チャレンジ(大問2)

目標時間 8分/配点 20点

ある高校の図書室では、蔵書のジャンルごとの整理番号を3進法で表すことにした。まず、新しく入荷した本の通し番号(10進法で200)を3進法に直す作業から始めることになった。
(1)

\(200\) を\(3\)進法で表すと \(\boxed{\text{アイウエオ}}_{(3)}\) となる。また、この数は\(3\)進法で表すとちょうど \(\boxed{\text{カ}}\) 桁である。

アイウエオ カ
解説を見る
\(200\)を\(3\)で割り続けて余りを並べる。 \(200 = 3\times66+2\) \(66 = 3\times22+0\) \(22 = 3\times7+1\) \(7 = 3\times2+1\) \(2 = 3\times0+2\) 商が\(0\)になったので終了。余りを下から上へ読むと \(2,1,1,0,2\)。 (検算:\(21102_{(3)} = 2\times81+1\times27+1\times9+0\times3+2\times1 = 162+27+9+0+2 = 200\)。一致する。桁数は先頭が\(3^4\)の位なので\(5\)桁。) \(200 = 21102_{(3)}\)、\(5\)桁
(2)

(1)で分かったとおり、200冊は3進法でちょうど5桁の数だった。この図書室には、別の書庫にある150冊の本も合わせて整理することになった。200冊と150冊を、共通の冊数ずつ過不足なく分けたい。1セットあたりの冊数をできるだけ多くすると \(\boxed{\text{キク}}\) 冊になり、そのとき合計 \(\boxed{\text{ケ}}\) セットできる。

キク ケ
解説を見る
余りなく同じ冊数ずつ分けられる冊数は、\(200\)と\(150\)の公約数でなければならない。できるだけ多くしたいので最大公約数を使う。 \(200 = 2^3\times5^2\)、\(150 = 2\times3\times5^2\) より \(\gcd(200,150) = 2\times5^2 = 50\) \(50\)冊ずつに分けると、セット数は \(200\div50 + 150\div50 = 4+3 = 7\)セット。 1セットあたり\(50\)冊、合計\(7\)セット
(3)

(2)で求めた1セットあたりの冊数を\(2\)進法で表すと、ちょうど \(\boxed{\text{コ}}\) 桁になる。桁数の条件の公式を使って求めよ。また、これは(1)で求めた「200を3進法で表したときの桁数」より \(\boxed{\text{サ}}\) 桁多い。

コ サ
解説を見る
(2)より1セットあたりの冊数は\(50\)冊。これが\(2\)進法で何桁になるかを、桁数の条件の公式 \(n^{k-1} \le N \le n^k-1\)(\(n=2\))で調べる。 \(2^5=32 \le 50 \le 63=2^6-1\) なので \(k=6\)。 (検算:\(50=32+16+2=110010_{(2)}\)。実際に\(6\)桁になっている。) (1)で求めた200を3進法で表したときの桁数は\(5\)桁だったので、\(6-5=1\) より\(1\)桁多い。 \(2\)進法で表すと\(6\)桁((1)の3進法5桁より\(1\)桁多い)