この章で学ぶこと
図形と方程式は、数A「図形の性質」で扱った点・直線・円のさまざまな性質を、座標という数の情報に置きかえて、計算だけで扱えるようにする章である。ここで中心となる「2点間の距離の公式」は三平方の定理そのものであり、円の一般形を標準形に直す計算は、数I「2次関数」で身につけた平方完成をそのまま再利用する。前章「複素数と方程式」で鍛えた、式を正確に展開・整理する力もそのまま土台になる。この章で学ぶ「動く点を\(\mathrm{P}(x,\ y)\)とおいて、条件をそのまま式にする」という軌跡の考え方は、後の数C「平面上の曲線」で楕円や双曲線を同じ枠組みで扱うときの出発点になる。次章「三角関数」では、この章で学ぶ円の方程式のうち半径1の円(単位円)が主役になり、座標平面上の円という同じ図形が、角度と結びついた新しい関数を定義する舞台に生まれ変わっていく。
学習の順路
下から順番に読み進めよう。1で「点」の扱い方(距離・内分外分・重心・対称点)を固め、2で「直線」を式で表す技術に進み、3で「円」を標準形・接線・位置関係まで仕上げ、4で「軌跡と領域」として、1〜3で学んだ道具をすべて使いこなす、という流れになっている。
- 1. 点と座標・内分外分 ― 2点間の距離、内分点・外分点・重心・対称点の座標を、公式1本ずつ順番に身につける。
- 2. 直線の方程式 ― 傾きと1点、または2点から直線の式を作り、平行・垂直の判定、点と直線の距離を学ぶ。
- 3. 円の方程式 ― 標準形・一般形、円と直線の位置関係、接線の公式、2円の位置関係を学ぶ。
- 4. 軌跡と領域 ― \(\mathrm{P}(x,\ y)\)とおいて条件を式にする軌跡の考え方、不等式が表す領域、領域内の最大値・最小値を学ぶ。
要点整理 点と直線の公式
この章の計算はすべて「2点間の距離」から始まる。まずこの1本を軸に、内分・外分・重心・対称点、そして直線の式までを一直線につなげておこう。
いつ使うか:座標だけで長さ・半径・等距離条件を扱いたいとき。図をかいて三平方の定理を毎回確かめる代わりに、この1本で済ませられる。
\(\left(\dfrac{nx_1+mx_2}{m+n},\ \dfrac{ny_1+my_2}{m+n}\right)\)
線分の内側の点。\(m=n\)なら中点。
\(\left(\dfrac{-nx_1+mx_2}{m-n},\ \dfrac{-ny_1+my_2}{m-n}\right)\)
内分点の公式の\(n\)を\(-n\)にするだけ。
\(\left(\dfrac{x_1+x_2+x_3}{3},\ \dfrac{y_1+y_2+y_3}{3}\right)\)
3頂点の座標をそれぞれ平均するだけ。
点\(\mathrm{C}\)に関して対称な点\(\mathrm{B}\)は\(\mathrm{B}=2\mathrm{C}-\mathrm{A}\)(\(\mathrm{C}\)が線分ABの中点になる、という考え方を逆に使う)
要点整理 円の公式
円は「中心からの距離が一定」という条件を式にしただけの図形。円と直線・円と円の関係も、結局は「距離」と「半径」の大小比較に帰着する。
一般形 \(x^2+y^2+lx+my+n=0\) → \(x,\ y\)をそれぞれ平方完成すれば標準形に戻せる(数I「2次関数」と同じ操作)。
2点で交わる
(共有点2個)
接する
(共有点1個)
共有点なし
(0個)
ここでの\(d\)は、円の中心と直線の距離(前ページの点と直線の距離の公式をそのまま使う)。「直線を円の式に代入して2次方程式の判別式を見る」方法でも同じ結論になるが、距離で比べる方が計算が軽い。
中心が原点\((x^2+y^2=r^2)\):\(x_1x+y_1y=r^2\)
中心が\((a,\ b)\):\((x_1-a)(x-a)+(y_1-b)(y-b)=r^2\)
円周上にない点や、傾きだけわかる直線が接線になる条件を求めたいときは、この公式は使えない。「未知数を1つおいた直線」を用意し、中心からの距離=半径という式を立てて解く。
\(d>r_1+r_2\) 離れている → 共通接線4本
\(d=r_1+r_2\) 外接 → 共通接線3本
\(|r_1-r_2|<d<r_1+r_2\) 2点で交わる → 共通接線2本
\(d=|r_1-r_2|\)(\(r_1\ne r_2\)) 内接 → 共通接線1本
\(d<|r_1-r_2|\) 一方が内部 → 共通接線0本
要点整理 軌跡と領域の考え方
軌跡も領域も、やり方はいつも同じ:動く点を\(\mathrm{P}(x,\ y)\)とおいて、与えられた条件をそのまま\(x,\ y\)の式に翻訳する。この1つの手順が、内分点・重心のような個別の公式を知らない条件にもそのまま通用する。
直線\(y=ax+b\):\(y>ax+b\)は直線の上側、\(y<ax+b\)は下側。
円\((x-a)^2+(y-b)^2=r^2\):\(<r^2\)は円の内部、\(>r^2\)は外部。
どちら側か迷ったら、境界線上にない点(原点が便利)を代入して確かめる。連立不等式の領域は、それぞれの領域の共通部分。
この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。
2点 \(\mathrm{A}(1,\ 5)\)、\(\mathrm{B}(4,\ 1)\) の距離を求めよ。
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2点 \(\mathrm{A}(2,\ 3)\)、\(\mathrm{B}(8,\ 15)\) を \(1:2\) に内分する点\(\mathrm{P}\)の座標を求めよ。
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2点 \(\mathrm{A}(1,\ 1)\)、\(\mathrm{B}(4,\ 7)\) を \(2:1\) に外分する点\(\mathrm{Q}\)の座標を求めよ。
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3点 \(\mathrm{A}(1,\ 5)\)、\(\mathrm{B}(4,\ -1)\)、\(\mathrm{C}(7,\ 2)\) を頂点とする三角形の重心\(\mathrm{G}\)の座標を求めよ。
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傾き \(-2\)、点 \((3,\ 1)\) を通る直線の方程式を \(y=ax+b\) の形で求めよ。
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2点 \((1,\ 2)\)、\((4,\ 11)\) を通る直線の方程式を \(y=ax+b\) の形で求めよ。
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直線 \(y=-2x+4\) に垂直で、点 \((4,\ 3)\) を通る直線の方程式を \(y=ax+b\) の形で求めよ。
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点 \((1,\ -2)\) と直線 \(3x-4y+2=0\) の距離を求めよ。
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円 \((x+2)^2+(y-5)^2=49\) の中心の座標と半径を求めよ。
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円 \(x^2+y^2-2x+6y+1=0\) の中心の座標と半径を求めよ。
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円 \(x^2+y^2=8\) と直線 \(x-y-4=0\) の共有点の個数を求めよ。
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円 \(x^2+y^2=20\) 上の点 \((2,\ 4)\) における接線の方程式を \(y=ax+b\) の形で求めよ。
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2定点 \(\mathrm{A}(2,\ 5)\)、\(\mathrm{B}(6,\ -1)\) から等距離にある点\(\mathrm{P}\)の軌跡を、直線 \(y=ax+b\) の形で求めよ。
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2定点 \(\mathrm{A}(0,\ 0)\)、\(\mathrm{B}(8,\ 0)\) に対し、\(\mathrm{PA}:\mathrm{PB}=1:3\) を満たす点\(\mathrm{P}\)の軌跡を求めよ。中心の座標と半径を答えよ。
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不等式 \((x+1)^2+(y-2)^2 \le 16\) の表す領域に、点 \((3,\ 5)\) は含まれるか。含まれるなら「○」、含まれないなら「×」を入力せよ。
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点 \(\mathrm{A}(3,\ -2)\) を、点\(\mathrm{B}\)に関して対称移動した点が \(\mathrm{C}(9,\ 4)\) であるとき、点\(\mathrm{B}\)の座標を求めよ。
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2直線 \(l_1:\ x+y-4=0\)、\(l_2:\ x-y-2=0\) の交点と、点 \((0,\ 0)\) を通る直線の方程式を \(y=ax+b\) の形で求めよ。
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点 \((0,\ 10)\) から円 \(x^2+y^2=25\) に引いた2本の接線の傾きを求めよ(コンマ区切りで両方入力)。
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円 \(x^2+y^2=16\)(中心 \((0,0)\)、半径 \(4\))と円 \((x-3)^2+(y-4)^2=1\)(中心 \((3,4)\)、半径 \(1\))について、中心間の距離\(d\)と、共通接線の本数を求めよ。
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2定点 \(\mathrm{A}(0,\ 0)\)、\(\mathrm{B}(10,\ 0)\) に対し、\(\mathrm{PA}^2-\mathrm{PB}^2=40\) を満たす点\(\mathrm{P}\)の軌跡を求めよ。直線 \(x=\) いくつになるか答えよ。
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連立不等式 \(x \ge 0\)、\(y \ge 0\)、\(x+3y \le 12\)、\(3x+y \le 12\) の表す領域において、\(x+y\) の最大値と最小値を求めよ。
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三角形の頂点 \(\mathrm{A}(0,\ 0)\)、\(\mathrm{B}(6,\ 2)\)、\(\mathrm{C}(2,\ 8)\) について、辺ABを底辺としたときの高さ\(h\)(点Cと直線ABの距離)と、三角形の面積\(S\)を求めよ。
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直線 \(y=2x+k\) が円 \((x-1)^2+(y-2)^2=5\) に接するとき、\(k\)の値を求めよ(コンマ区切りで両方入力)。
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2定点 \(\mathrm{A}(0,\ 0)\)、\(\mathrm{B}(6,\ 0)\) に対し、\(\mathrm{PA}:\mathrm{PB}=2:1\) を満たす点\(\mathrm{P}\)の軌跡を求めよ。さらに、この軌跡上の点のうち、点 \(\mathrm{C}(20,\ 0)\) からの距離が最大となる点の座標と、そのときの距離を求めよ。
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2定点 \(\mathrm{A}(0,\ 0)\)、\(\mathrm{B}(0,\ 8)\) に対し、\(\mathrm{PA}:\mathrm{PB}=1:3\) を満たす点\(\mathrm{P}\)の軌跡を求めよ。また、その軌跡と直線 \(y=x+2\) の共有点の個数を求めよ。
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答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。
点に座標を与えることで、内分点・重心・対称点のような「点の位置」の性質から、線分の垂直二等分線、円の方程式までもが、同じ「2点間の距離」という1つの考え方の上に統一的に扱えるようになる。2点 \(\mathrm{A}(1,\ 1)\)、\(\mathrm{B}(9,\ 7)\) を例にとり、(1)距離\(\mathrm{AB}\)、(2)線分ABの垂直二等分線の方程式、(3)Aを中心としBを通る円の方程式、の3つが、それぞれどのように「距離」という同じ考え方から導かれるかを説明せよ。
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2定点 \(\mathrm{A}(2,\ 3)\)、\(\mathrm{B}(8,\ 11)\) を結ぶ線分ABの垂直二等分線の方程式を求めよ。さらに、この直線が円 \((x-5)^2+(y-2)^2=20\) から切り取る弦の長さを、中心・弦の中点・弦の端点でできる直角三角形に三平方の定理を使って求めよ。
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花子「掲示板の位置Pは、AとBから等しい距離にある地点の集まり、つまり軌跡の上にあるようにしたいです。」
太郎「\(\mathrm{P}(x,\ y)\)とおいて、\(\mathrm{PA}=\mathrm{PB}\)の条件をそのまま式にしてみよう。」
\(\mathrm{PA}^2=\mathrm{PB}^2\) の関係から、この軌跡の方程式を求めると \[ y=\boxed{\text{ア}}x+\boxed{\text{イウ}} \] となる(\(\boxed{\text{ア}}\) は符号もつけて入力)。
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太郎「この掲示板の位置は、Aを中心とする半径5kmの警戒区域の境界線(円)と交わるところに立てたら目立ちそうだね。」
(1)で求めた直線と、円 \((x-1)^2+(y-4)^2=25\) の共有点の個数を求めよ。
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(2)の共有点の座標を、\(x\)座標が小さい方から順に求めよ。1つ目の点 \((\boxed{\text{オ}},\ \boxed{\text{カ}})\)、2つ目の点 \((\boxed{\text{キ}},\ \boxed{\text{ク}})\)。
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先生「材料の使用量から、\(x,\ y\)が満たす連立不等式を作ってみよう。」
花子「小麦粉とバター、それぞれの合計使用量が上限を超えないようにすればいいですね。」
材料の制約から、\(x,\ y\)が満たすべき連立不等式は、\(x\ge0\)、\(y\ge0\)に加えて \[ x+\boxed{\text{ア}}y \le \boxed{\text{イウ}}\text{(小麦粉)、}\quad \boxed{\text{エ}}x+y \le \boxed{\text{オ}}\text{(バター)} \] である。
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クッキー1個の利益は300円、マフィン1個の利益は400円である。利益の合計を\(S\)円とするとき、この領域で\(S\)を最大にする\(x,\ y\)の値と、そのときの\(S\)の値を求めよ。
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先生「実は材料費の見直しで、クッキー1個の利益が300円から200円に変わりました。マフィンの利益400円は変わりません。」
この場合の利益 \(S'\) の最大値を求めよ。