この章で学ぶこと

複素数と方程式の章では、第1章「式と証明」で学んだ整式の展開・因数分解・割り算の技術を土台にして、数の世界を実数から複素数へ広げ、方程式の解を最後まで扱いきれるようにする。前半(1〜2)では、2乗すると\(-1\)になる新しい数\(i\)を導入して複素数の四則計算を身につけ、2次方程式の解と係数の関係を虚数解の場合まで含めて確認する。後半(3〜4)では、整式の割り算を実際に計算しなくても代入だけで済ませられる剰余の定理・因数定理を武器に、3次以上の高次方程式を解けるようにしていく。次章「図形と方程式」では座標平面上の図形を扱うため複素数はいったん脇に置くことになるが、ここで身につけた「解の存在範囲を複素数まで広げて考える」という視点は、数IIIや数Cで複素数平面や方程式の応用を学ぶときにそのまま生きてくる。

学習の順路

下から順番に読み進めよう。1〜2で「複素数の基本計算」と「2次方程式の解と係数の関係」を固め、3〜4で「整式の割り算の定理」を武器に高次方程式を解けるようにする、という流れになっている。

  1. 1. 複素数の計算 ― 虚数単位\(i\)、実部・虚部・相等、四則計算、\(i\)のn乗の周期性、負の数の平方根の扱い方を学ぶ。
  2. 2. 解と係数の関係 ― 判別式と虚数解、2次方程式の解と係数の関係、対称式の値の求め方、和と積から方程式を逆に作る方法を学ぶ。
  3. 3. 剰余の定理・因数定理 ― 整式を1次式・2次式で割った余りを代入だけで求める方法と、組立除法の使い方を学ぶ。
  4. 4. 高次方程式 ― 因数定理を使って3次以上の方程式を解く手順、虚数解と共役解の性質、1の3乗根\(\omega\)の使い方を学ぶ。

要点整理 複素数の計算ルール

複素数の計算はすべて「\(i\)を文字だと思って計算し、最後に\(i^2=-1\)を代入する」という1つのルールから出発する。割り算だけは共役複素数という道具が必要になる点に注意しよう。

複素数の基本 \(z=a+bi\)(\(a,\ b\)は実数)のとき、\(a\)は実部・\(b\)は虚部。
相等:\(a+bi=c+di \iff a=c\ \text{かつ}\ b=d\)(実部どうし・虚部どうしが一致)
四則のコツ 加法・減法・乗法:文字式と同じように計算し、最後に\(i^2=-1\)で整理する。
除法:分母の共役複素数を分母・分子の両方にかけて分母を実数化する(\(z\bar z=a^2+b^2\)は常に実数)。
罠に注意 根号の中が両方とも負のときは \(\sqrt{a}\sqrt{b}=\sqrt{ab}\) を直接使ってはいけない。先にそれぞれ \(\sqrt{-A}=\sqrt{A}\,i\)(\(A>0\))の形に直してから掛け算・割り算をすること。この公式が使えるのは、\(a,\ b\)の少なくとも一方が\(0\)以上のときだけ。

要点整理 解と係数の関係と対称式

2次方程式の解と係数の関係は、判別式\(D\)の符号にかかわらず(実数解でも虚数解でも)成り立つのがポイント。3次方程式にもまったく同じ発想がそのまま拡張できる。

2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\)(\(a\ne0\))の解を\(\alpha,\ \beta\)とすると \[\alpha+\beta=-\dfrac{b}{a}\qquad\alpha\beta=\dfrac{c}{a}\]
2乗の和
\(\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta\)
3乗の和
\(\alpha^3+\beta^3=(\alpha+\beta)^3-3\alpha\beta(\alpha+\beta)\)
3次方程式への拡張 \(ax^3+bx^2+cx+d=0\)(\(a\ne0\))の解を\(\alpha,\ \beta,\ \gamma\)とすると \[\alpha+\beta+\gamma=-\dfrac{b}{a}\qquad\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=\dfrac{c}{a}\qquad\alpha\beta\gamma=-\dfrac{d}{a}\] \((x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma)=0\)を展開して係数を比較すれば、2次のときとまったく同じ発想で導ける。
逆向きの使い方 和が\(p\)、積が\(q\)である2数を解とする2次方程式は \(x^2-px+q=0\)。「方程式→和・積」だけでなく「和・積→方程式」の向きにも使えることを忘れずに。

要点整理 剰余の定理・因数定理・組立除法

整式の割り算は、実際に筆算しなくても「代入するだけ」でかなりのことがわかる。この考え方が高次方程式を解く手段そのものになる。

剰余の定理 整式\(P(x)\)を\(x-a\)で割った余りは\(P(a)\)に等しい。
因数定理 \(P(a)=0 \iff x-a\)は\(P(x)\)の因数である(\(P(x)\)は\(x-a\)で割り切れる)。
2次式で割った余り 割る式の次数より余りの次数は低くなければならないので、2次式で割った余りは高々1次式\(ax+b\)になる。\(P(x)=D(x)Q(x)+ax+b\)とおき、\(D(x)=0\)の解を代入して\(a,\ b\)についての連立方程式を作るのが定石。
手順1 \(P(x)\)の係数を次数の高い順に並べる(抜けている次数は\(0\)で補う)
↓
手順2 最初の係数をそのまま下段に降ろす
↓
手順3 下段の数に\(a\)を掛けた値を次の係数に足す。これを右端まで繰り返す(組立除法)
↓
手順4 下段の最後の数が余り、それ以外が商の係数(1次数低い整式)

要点整理 高次方程式の解き方・共役解・\(\omega\)の性質

3次以上の方程式には、2次方程式のような公式は存在しない。だからこそ「因数定理でまず1つ解を見つける」ことが、高次方程式を解く唯一と言ってよい突破口になる。

手順1 定数項の約数(最高次の係数が1でなければ、その約数分の1も候補に加える)の中から\(P(a)=0\)となる\(a\)を探す
↓
手順2 組立除法で\(x-a\)をくくり出し、1次数低い整式にする
↓
手順3 残りが2次式なら解の公式で仕上げる。3次式以上ならもう一度手順1に戻る
実数係数方程式と共役解 整式\(P(x)\)の係数がすべて実数のとき、\(P(x)=0\)が\(a+bi\)(\(b\neq0\))を解にもてば、その共役複素数\(a-bi\)も必ず解になる。虚数解は共役なペアで登場する。
\(\omega\)の性質 \(\omega\)を\(x^3=1\)の虚数解の1つとすると \[\omega^2+\omega+1=0\qquad\omega^3=1\] 大きな指数の\(\omega^n\)は、\(n\)を\(3\)で割った余りまで落として計算する(\(i^n\)の周期性とまったく同じ発想)。
まとめテスト(標準)

この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」、根号は「2√3」または「2sqrt3」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜15)
1
複素数の減法

\((4-3i)-(1-5i)\) を計算し、\(a+bi\) の形で表せ。

a+biの形で a=  b=
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実部どうし・虚部どうしをそれぞれ計算する。 実部:\(4-1=3\)、虚部:\(-3-(-5)=2\) \(3+2i\)
2
複素数の乗法

\((3+i)(2-3i)\) を計算し、\(a+bi\) の形で表せ。

a+biの形で a=  b=
解説を見る
分配法則で展開し、\(i^2=-1\)で整理する。 \((3+i)(2-3i) = 6-9i+2i-3i^2 = 6-7i+3 = 9-7i\) \(9-7i\)
3
複素数の除法

\(\dfrac{5+i}{2-i}\) を計算し、\(a+bi\) の形で表せ。

a+biの形で a=  b=
解説を見る
分母\(2-i\)の共役\(2+i\)を分母・分子にかける。 分子:\((5+i)(2+i) = 10+5i+2i+i^2 = 10+7i-1 = 9+7i\) 分母:\((2-i)(2+i) = 2^2+1^2 = 5\) \(\dfrac{9+7i}{5} = \dfrac{9}{5}+\dfrac{7}{5}i\) \(\dfrac{9}{5}+\dfrac{7}{5}i\)
4
iの累乗

\(i^{34}\) を \(a+bi\) の形で表せ。

a+biの形で a=  b=
解説を見る
\(34 \div 4 = 8\) 余り \(2\) → \(i^{34} = i^2 = -1\) \(-1+0i\)
5
根号の中が両方負の罠

\(\sqrt{-7}\times\sqrt{-28}\) を計算せよ。

値
解説を見る
根号の中が両方とも負なので、先にそれぞれ\(a+bi\)の形に直す。 \(\sqrt{-7}=\sqrt7\,i,\ \ \sqrt{-28}=\sqrt{28}\,i\) \(\sqrt{-7}\times\sqrt{-28} = \sqrt7\,i\times\sqrt{28}\,i = \sqrt{7\times28}\,i^2 = \sqrt{196}\times(-1) = 14\times(-1) = -14\) \(-14\)
6
複素数の相等

実数 \(x,\ y\) が \((3x-2)+(y+4)i = 7-i\) を満たすとき、\(x,\ y\) の値を求めよ。

x=  y=
解説を見る
相等より実部どうし・虚部どうしがそれぞれ等しい。 実部:\(3x-2=7\) → \(3x=9\) → \(x=3\) 虚部:\(y+4=-1\) → \(y=-5\) \(x=3,\ y=-5\)
7
判別式と虚数解

\(x^2-6x+13=0\) を解け。(コンマ区切りで入力)

x=
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\(D=(-6)^2-4\cdot1\cdot13=36-52=-16\)。\(D<0\)なので虚数解。 \(x=\dfrac{6\pm\sqrt{-16}}{2}=\dfrac{6\pm4i}{2}\) \(x=3+2i,\ 3-2i\)
8
解と係数の関係(基本)

\(2x^2+3x-4=0\) の2つの解を \(\alpha,\ \beta\) とするとき、\(\alpha+\beta\)、\(\alpha\beta\) を求めよ。

\(\alpha+\beta=\)  \(\alpha\beta=\)
解説を見る
\(a=2,\ b=3,\ c=-4\)より \(\alpha+\beta=-\dfrac{3}{2}\)、\(\alpha\beta=\dfrac{-4}{2}=-2\) \(\alpha+\beta=-\dfrac{3}{2}\)、\(\alpha\beta=-2\)
9
対称式(2乗の和)

\(\alpha+\beta=-2\)、\(\alpha\beta=-5\) のとき、\(\alpha^2+\beta^2\) の値を求めよ。

\(\alpha^2+\beta^2=\)
解説を見る
\(\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta=(-2)^2-2\times(-5)=4+10=14\) \(\alpha^2+\beta^2=14\)
10
和と積から方程式を作る

和が \(-3\)、積が \(-10\) である2数を解とする2次方程式を、\(x^2+ax+b=0\) の形で求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
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\(x^2-px+q=0\)に\(p=-3,\ q=-10\)を代入すると \(x^2-(-3)x+(-10)=0\) すなわち \(x^2+3x-10=0\) \(a=3,\ b=-10\)
11
剰余の定理

\(P(x) = x^3+2x^2-x+4\) を \(x-1\) で割った余りを求めよ。

余り
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剰余の定理より、余りは\(P(1)\)。 \(P(1) = 1+2-1+4 = 6\) 余りは\(6\)
12
因数定理の確認

\(P(x) = x^3+x^2-10x+8\) が \(x-1\) を因数にもつかどうかを、\(P(1)\) の値を計算して確かめよ。

\(P(1)=\)
解説を見る
\(P(1) = 1+1-10+8 = 0\) \(P(1)=0\)なので、因数定理より\(x-1\)は\(P(x)\)の因数である
13
組立除法

\(P(x) = x^3-2x^2-5x+6\) を組立除法を用いて \(x-1\) で割り、商と余りを求めよ。(商は \(x^2+cx+d\) の形で表せ)

商のxの係数 c=  商の定数項 d=  余り=
解説を見る
\(a=1\)、係数は\(1,\ -2,\ -5,\ 6\)。 最初の\(1\)をそのまま降ろす。\(1\times1=1\)を次の係数\(-2\)に足して\(-1\)。\(-1\times1=-1\)を次の係数\(-5\)に足して\(-6\)。\(-6\times1=-6\)を最後の係数\(6\)に足して\(0\)。 下段の\(1,\ -1,\ -6\)が商の係数(\(x^2-x-6\))、最後の\(0\)が余り。 商は\(x^2-x-6\)、余りは\(0\)
14
高次方程式(モニック・整数解)

\(x^3+2x^2-x-2=0\) を解け。(小さい順にコンマ区切りで入力)

解 x=
解説を見る
定数項\(-2\)の約数\(\pm1,\pm2\)を調べる。\(P(1)=1+2-1-2=0\) より\(x=1\)が解。 組立除法で\(x-1\)で割ると商は\(x^2+3x+2=(x+1)(x+2)\)。 \(x=-2,\ -1,\ 1\)
15
高次方程式(虚数解を含む)

\(x^3-2x^2+4x-8=0\) を解け。実数解のみ入力せよ(虚数解は解説で確認)。

実数解 x=
解説を見る
定数項\(-8\)の約数を調べる。\(P(2)=8-8+8-8=0\) より\(x=2\)が解。 組立除法で\(x-2\)で割ると商は\(x^2+4\)。\(x^2+4=0\)より\(x^2=-4\)、よって\(x=\pm2i\) \(x=2,\ \pm2i\)(実数解は\(2\)のみ、残り2つは虚数解)
発展(16〜25)
16
除法と相等の融合

複素数 \(z=a+bi\)(\(a,\ b\)は実数)が \((2+i)z=4+7i\) を満たすとき、\(a,\ b\) の値を求めよ。

a=  b=
解説を見る
\(z=\dfrac{4+7i}{2+i}\)。分母の共役\(2-i\)を分母・分子にかける。 分子:\((4+7i)(2-i) = 8-4i+14i-7i^2 = 8+10i+7 = 15+10i\) 分母:\((2+i)(2-i) = 2^2+1^2 = 5\) \(z=\dfrac{15+10i}{5}=3+2i\) \(a=3,\ b=2\)
17
共役な虚数解と解と係数の関係の融合

\(x^2-2x+10=0\) の2つの解を \(\alpha,\ \beta\)(互いに共役な複素数)とする。\(\alpha+\beta\)、\(\alpha\beta\)、\(\alpha^2+\beta^2\) の値を求めよ。

\(\alpha+\beta=\)  \(\alpha\beta=\)  \(\alpha^2+\beta^2=\)
解説を見る
\(D=(-2)^2-4\cdot1\cdot10=4-40=-36<0\)なので\(\alpha,\ \beta\)は互いに共役な虚数解。実数解でなくても解と係数の関係は使える。 \(a=1,\ b=-2,\ c=10\)より\(\alpha+\beta=2\)、\(\alpha\beta=10\) \(\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta=2^2-2\times10=4-20=-16\) (\(\beta=\bar\alpha\)なので\(\alpha\beta=\alpha\bar\alpha=|\alpha|^2=10\)になっていることにも注目しておこう) \(\alpha+\beta=2\)、\(\alpha\beta=10\)、\(\alpha^2+\beta^2=-16\)
18
2次式で割った余り

整式 \(P(x)\) を \(x-2\) で割ると余りが \(5\)、\(x+3\) で割ると余りが \(-15\) となる。\(P(x)\) を \((x-2)(x+3)\) で割った余りを \(ax+b\) の形で求めよ。

a=  b=
解説を見る
割る式\((x-2)(x+3)\)は2次式なので余りは高々1次式。商を\(Q(x)\)とすると \[P(x)=(x-2)(x+3)Q(x)+ax+b\] \(x=2\)を代入:\((x-2)\)の部分が\(0\)になり\(P(2)=2a+b\)。よって\(2a+b=5\)。 \(x=-3\)を代入:\(P(-3)=-3a+b\)。よって\(-3a+b=-15\)。 連立方程式\(2a+b=5,\ -3a+b=-15\)を解く。上の式から下の式を引くと\(5a=20\)より\(a=4\)。\(2a+b=5\)に代入して\(b=5-8=-3\)。 余りは\(4x-3\)(\(a=4,\ b=-3\))
19
因数定理×3次方程式の解と係数の関係

3次方程式 \(x^3+ax^2-14x+b=0\) が \(x=1\) と \(x=-2\) を解にもつとき、定数 \(a,\ b\) の値と、残りの解を求めよ。

a=  b=  残りの解 x=
解説を見る
\(x=1\)を代入:\(1+a-14+b=0\) より \(a+b=13\ \cdots(1)\) \(x=-2\)を代入:\(-8+4a+28+b=0\) より \(4a+b=-20\ \cdots(2)\) (2)−(1):\(3a=-33\) より \(a=-11\)。(1)に代入して\(b=13-(-11)=24\)。 方程式は\(x^3-11x^2-14x+24=0\)。3次方程式の解と係数の関係より、3つの解の和は\(-\dfrac{-11}{1}=11\)。 既に分かっている解の和は\(1+(-2)=-1\)なので、残りの解は\(11-(-1)=12\)。 検算:\(12^3-11\cdot12^2-14\cdot12+24=1728-1584-168+24=0\) ○ \(a=-11,\ b=24\)、残りの解\(x=12\)
20
共役解×3次方程式の解と係数の関係

3次方程式 \(x^3+ax^2+bx+20=0\)(\(a,\ b\)は実数の定数)の解の1つが \(2+i\) であり、他の解の1つが実数であるとき、実数解と \(a,\ b\) の値を求めよ。

実数解 x=  a=  b=
解説を見る
係数がすべて実数なので、共役複素数\(2-i\)も解。実数解を\(r\)とすると、3つの解は\(2+i,\ 2-i,\ r\)。 3次方程式の解と係数の関係を使う。 積:\((2+i)(2-i)\cdot r=-\dfrac{20}{1}=-20\)。\((2+i)(2-i)=2^2+1^2=5\)なので\(5r=-20\)、\(r=-4\)。 和:\((2+i)+(2-i)+r=4+r=4-4=0=-a\) より \(a=0\)。 積の和:\((2+i)(2-i)+(2+i)r+(2-i)r=5+r\{(2+i)+(2-i)\}=5+r\times4=5+(-4)\times4=5-16=-11=b\)。 検算:\(x=-4\)を\(x^3-11x+20=0\)に代入すると\(-64+44+20=0\) ○ 実数解\(x=-4\)、\(a=0,\ b=-11\)
21
ωの性質×2次式で割った余り

整式 \(P(x)\) を \(x^2+x+1\) で割った余りが \(2x+3\) であるという。\(\omega=\dfrac{-1+\sqrt3\,i}{2}\)(\(x^3=1\) の虚数解の1つ)とするとき、\(P(\omega)\) の値を \(a+bi\) の形で表せ。

a+biの形で a=  b=
解説を見る
商を\(Q(x)\)とすると\(P(x)=(x^2+x+1)Q(x)+2x+3\)。 \(\omega\)は\(x^3=1\)の虚数解なので\(\omega^2+\omega+1=0\)、つまり\(\omega\)は\(x^2+x+1=0\)の解。よって\(x=\omega\)を代入すると右辺第1項が\(0\)になる。 \(P(\omega)=2\omega+3\) \(\omega=\dfrac{-1+\sqrt3\,i}{2}\)なので\(2\omega=-1+\sqrt3\,i\)。 \(P(\omega)=(-1+\sqrt3\,i)+3=2+\sqrt3\,i\) \(P(\omega)=2+\sqrt3\,i\)
22
文章題×高次方程式

1辺の長さが\(12\)cmの正方形の厚紙がある。四隅から1辺\(x\)cmの正方形を切り取り、残りを折り曲げてふたのない直方体の容器を作る(\(0<x<6\))。容器の容積が\(128\)cm³になるときの\(x\)の値を求めよ。

x=
解説を見る
底面の1辺は\(12-2x\)、高さは\(x\)なので、容積\(V\)は \(V=x(12-2x)^2=x(144-48x+4x^2)=4x^3-48x^2+144x\) \(V=128\)とおくと \(4x^3-48x^2+144x=128\) 両辺を4で割ると\(x^3-12x^2+36x-32=0\) 定数項\(-32\)の約数を調べる。\(x=2\)を代入:\(8-48+72-32=0\)。よって\(x=2\)が解。 組立除法で\(x-2\)で割ると商は\(x^2-10x+16=(x-2)(x-8)\)。 まとめると\(x^3-12x^2+36x-32=(x-2)^2(x-8)\)。よって\(x=2\)(重解)または\(x=8\)。 条件\(0<x<6\)を満たすのは\(x=2\)のみ(\(x=8\)は範囲外なので不適)。 検算:\(x=2\)のとき\(V=2\times(12-4)^2=2\times64=128\) ○ \(x=2\)
23
因数定理×虚数解×共役複素数の積

\(x^3-4x^2+9x-10=0\) を解け。実数解と、2つの虚数解の積の値を求めよ。

実数解 x=  虚数解の積
解説を見る
定数項\(-10\)の約数を調べる。\(P(2)=8-16+18-10=0\) より\(x=2\)が解。 組立除法で\(x-2\)で割ると商は\(x^2-2x+5\)。 \(D=(-2)^2-4\cdot1\cdot5=4-20=-16<0\)なので虚数解。解の公式より \(x=\dfrac{2\pm\sqrt{-16}}{2}=\dfrac{2\pm4i}{2}=1\pm2i\) 2つの虚数解\(1+2i,\ 1-2i\)は互いに共役なので、積は\(x^2-2x+5=0\)の解と係数の関係よりそのまま定数項\(5\)(\(c/a\))に一致する。 検算:\((1+2i)(1-2i)=1^2+2^2=1+4=5\) ○ 実数解\(x=2\)、虚数解は\(1\pm2i\)、その積は\(5\)
24
複素数のn乗の周期性(iの一般化)

\(z=1+i\) について、\(z^4\) の値を求めよ。また、それを利用して \(z^{12}\) の値を求めよ。

\(z^4=\)  \(z^{12}=\)
解説を見る
\(z^2=(1+i)^2=1+2i+i^2=2i\) \(z^4=(z^2)^2=(2i)^2=4i^2=-4\)(実数になる) \(z^4=-4\)が実数なので、\(z^{12}=(z^4)^3\)として次数を落とせる。 \(z^{12}=(z^4)^3=(-4)^3=-64\) \(z^4=-4\)、\(z^{12}=-64\)
25
章の総仕上げ:4次方程式×共役解×2次式の割り算

4次方程式 \(x^4-2x^3+6x^2-2x+5=0\) の解の1つが \(i\) であるとき、\(i\)の共役複素数も解であることを利用して、残りの2つの解を求めよ。(コンマ区切りで入力)

残りの解 x=
解説を見る
係数がすべて実数なので、\(i\)の共役複素数\(-i\)も解。この2つを解にもつ2次式は \((x-i)(x+i)=x^2-i^2=x^2+1\) もとの4次式をこの2次式で割る。 \(x^4-2x^3+6x^2-2x+5 \div (x^2+1)\) \(x^4\)を\(x^2\)で割ると商の最初の項は\(x^2\)。\(x^2(x^2+1)=x^4+x^2\)を引くと\(-2x^3+5x^2-2x+5\)。 \(-2x^3\)を\(x^2\)で割ると商の次の項は\(-2x\)。\(-2x(x^2+1)=-2x^3-2x\)を引くと\(5x^2+5\)。 \(5x^2\)を\(x^2\)で割ると商の最後の項は\(5\)。\(5(x^2+1)=5x^2+5\)を引くと\(0\)。 商は\(x^2-2x+5\)、余りは\(0\)(割り切れる)。よってもとの方程式は \((x^2+1)(x^2-2x+5)=0\) \(x^2-2x+5=0\)を解の公式で解く。\(D=(-2)^2-4\cdot1\cdot5=4-20=-16\)。 \(x=\dfrac{2\pm\sqrt{-16}}{2}=\dfrac{2\pm4i}{2}=1\pm2i\) すべての解は\(x=i,\ -i,\ 1+2i,\ 1-2i\)の4つ(虚数解が\(i,-i\)と\(1+2i,1-2i\)の2組の共役ペアになっている)。 残りの解は\(x=1+2i,\ 1-2i\)(すべての解は\(x=\pm i,\ 1\pm2i\))
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

複素数を導入することで、実数の範囲では「解なし」としか言えなかった2次方程式が、必ず解をもつようになる。このことを、判別式\(D\)の3つの場合分けに触れながら説明せよ。

模範解答を見る
2次方程式\(ax^2+bx+c=0\)(\(a\neq0\))の解は、解の公式より\(x=\dfrac{-b\pm\sqrt{D}}{2a}\)(\(D=b^2-4ac\))と表せる。実数の範囲だけで考えると、根号の中の\(D\)の符号によって解の状況がまったく変わってしまう。 \(D>0\)のときは\(\sqrt D\)がそのまま実数として計算でき、異なる2つの実数解が得られる。\(D=0\)のときは根号の中が\(0\)になるので、ただ1つの実数解(重解)になる。ここまでは実数の範囲で完結する。 問題は\(D<0\)のときである。実数の範囲では負の数の平方根は定義されていないので、「\(\sqrt D\)が存在しない」=「実数解がない」と結論するしかなかった。 ここで複素数、特に\(i^2=-1\)を満たす虚数単位\(i\)を導入すると状況が一変する。\(D<0\)のときも、\(\sqrt{-A}=\sqrt{A}\,i\)(\(A>0\))という約束により\(\sqrt{D}=\sqrt{|D|}\,i\)と表せるので、解の公式\(x=\dfrac{-b\pm\sqrt{D}}{2a}\)がそのままの形で意味をもつようになる。つまり、\(D\)がどんな符号であっても、解の公式に代入するという同じ手順で必ず解が求まる。 このように、複素数を数の範囲として認めることで、判別式の符号で場合分けをしていた「解けるか解けないか」という問題が、「解の形が実数か虚数か」という違いに変わる。2次方程式は、複素数の範囲まで広げて考えれば、係数がどのような実数であっても必ず2つの解(重解のときは1つを2重に数える)をもつ、と言い切れるようになるのである。 複素数(特に\(\sqrt{-a}=\sqrt{a}\,i\)の約束)を導入すると、判別式\(D<0\)のときも解の公式がそのまま使えるようになり、2次方程式は係数の値にかかわらず必ず解をもつと言えるようになる。
記2

3次方程式 \(x^3+4x^2+x-6=0\) を解け。この手順が「因数定理でまず1つの解を見つけること」に大きく依存している理由にも触れながら説明せよ。

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3次方程式には、2次方程式の解の公式のような「代入するだけで必ず解が求まる」公式は存在しない(高校の範囲では扱わない)。そこで使えるのが因数定理である。\(P(a)=0\)となる\(a\)を1つでも見つけられれば、\(x-a\)という1次式を因数としてくくり出せる。3次式から1次式を取り除けば残りは2次式になり、あとは使い慣れた解の公式で仕上げられる。つまり、3次方程式を解く作業は「最初の1つの解をどう見つけるか」にすべてがかかっている。 実際に\(P(x)=x^3+4x^2+x-6=0\)で確かめる。最高次の係数が\(1\)なので、有理数解の候補は定数項\(-6\)の約数\(\pm1,\pm2,\pm3,\pm6\)にかぎられる。順に試すと \(P(1)=1+4+1-6=0\) なので\(x=1\)が解であり、因数定理より\(x-1\)は\(P(x)\)の因数である。 組立除法で係数\(1,\ 4,\ 1,\ -6\)を\(a=1\)で割る。最初の\(1\)をそのまま降ろす。\(1\times1=1\)を次の係数\(4\)に足して\(5\)。\(5\times1=5\)を次の係数\(1\)に足して\(6\)。\(6\times1=6\)を最後の係数\(-6\)に足して\(0\)(余り\(0\)で割り切れることが確認できる)。 商は\(x^2+5x+6\)なので \(x^3+4x^2+x-6=(x-1)(x^2+5x+6)\) 残りの2次式は\(x^2+5x+6=(x+2)(x+3)\)と因数分解できるので、\(x=-2,\ -3\)も解である。 この例からわかるとおり、「因数定理で1つの解を見つける」というたった1つのステップさえ突破できれば、あとは次数が1つ下がった、すでに解き方を知っている方程式(今回は2次方程式)に帰着できる。逆に言えば、この最初の1つが見つからなければ、3次方程式は手も足も出なくなってしまう。だからこそ、定数項の約数を順に試すという地道な作業が、高次方程式を解くうえで欠かせない出発点になっている。 \(x=1,\ -2,\ -3\)。3次方程式には解の公式がないため、因数定理で1つの解を見つけて次数を1つ下げ、慣れた2次方程式に帰着させることが唯一の解法の入口になっている。
共通テスト形式チャレンジ

大問1 目標時間 8分/配点 20点

花子さんと太郎さんは、2次方程式 \(x^2-6x+c=0\) の解が、定数\(c\)の値によってどう変わるかを、先生と一緒に調べている。次の会話を読んで、あとの問いに答えよ。

先生「まずは\(c=13\)のときを考えてみよう。」
(1)

\(c=13\)のとき、\(x^2-6x+13=0\)を解け。解は\(x=\boxed{\text{ア}}\pm\boxed{\text{イ}}i\)の形になる。

ア イ
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\(D=(-6)^2-4\cdot1\cdot13=36-52=-16\)。\(D<0\)なので虚数解になる。 解の公式より \(x=\dfrac{6\pm\sqrt{-16}}{2}=\dfrac{6\pm4i}{2}=3\pm2i\) \(x=3\pm2i\)
(2)

太郎「解と係数の関係を使えば、実際に解を求めなくても和と積が分かるはずだよね。」
先生「そうだね。\(c=13\)のときの解を\(\alpha,\ \beta\)として、\(\alpha+\beta\)、\(\alpha\beta\)、\(\alpha^2+\beta^2\)を求めてみよう。」

\(\alpha+\beta=\boxed{\text{ウ}}\)、\(\alpha\beta=\boxed{\text{エオ}}\)、\(\alpha^2+\beta^2=\boxed{\text{カキ}}\)である。

ウ エオ カキ
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解と係数の関係より、\(a=1,\ b=-6,\ c=13\)(この\(c\)は問題の定数と同じ値)を使って \(\alpha+\beta=-\dfrac{-6}{1}=6\) \(\alpha\beta=\dfrac{13}{1}=13\) 対称式の変形公式を使う。 \(\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta=6^2-2\times13=36-26=10\) (検算:(1)の\(\alpha=3+2i,\ \beta=3-2i\)を使うと、\(\alpha+\beta=6\)、\(\alpha\beta=(3+2i)(3-2i)=9+4=13\)で一致する。) \(\alpha+\beta=6\)、\(\alpha\beta=13\)、\(\alpha^2+\beta^2=10\)
(3)

花子「\(c\)の値を変えると、解が実数になったり虚数になったりするんだよね。実数解をもつための\(c\)の条件を求めてみよう。」

\(x^2-6x+c=0\)が実数解をもつような\(c\)の値の範囲は、\(c\le\boxed{\text{ク}}\)である。

ク
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実数解をもつ(重解も含む)\(\iff D \ge 0\) \(D=(-6)^2-4\cdot1\cdot c=36-4c\) \(36-4c \ge 0\)より\(4c \le 36\)、よって\(c \le 9\) (\(c=13\)は\(9\)より大きいので、(1)で虚数解になったこととつじつまが合う。) \(c \le 9\)

大問2 目標時間 8分/配点 20点

ある工場では、1日に \(x\) 個の製品を生産したときの利益(単位:千円)が、整式 \(P(x)=x^3-9x^2+23x-15\) で表されるという。花子さんと太郎さんは、利益がちょうど\(0\)円になる生産数について、先生と一緒に考えている。

花子「まず、\(P(1)\)を計算してみよう。」
(1)

剰余の定理を用いて、\(P(x)\)を\(x-1\)で割った余りを求めよ。余りは\(\boxed{\text{ア}}\)であり、これは\(x=1\)が方程式\(P(x)=0\)の解であることを意味している。

ア
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剰余の定理より、余りは\(P(1)\)。 \(P(1)=1-9+23-15=0\) 余りが\(0\)なので、因数定理より\(x-1\)は\(P(x)\)の因数である。 余りは\(0\)
(2)

太郎「余りが\(0\)ということは、\(x-1\)が\(P(x)\)の因数なんだね。組立除法で商を求めて、残りの解も求めよう。」

組立除法で商を求めると\(x^2+\boxed{\text{イ}}x+\boxed{\text{エオ}}\)となり、\(P(x)=0\)の解は\(x=1,\ \boxed{\text{カ}},\ \boxed{\text{キ}}\)(\(\boxed{\text{カ}}<\boxed{\text{キ}}\))である。

イ エオ カ キ
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\(a=1\)、係数は\(1,\ -9,\ 23,\ -15\)。 最初の\(1\)をそのまま降ろす。\(1\times1=1\)を次の係数\(-9\)に足して\(-8\)。\(-8\times1=-8\)を次の係数\(23\)に足して\(15\)。\(15\times1=15\)を最後の係数\(-15\)に足して\(0\)。 商は\(x^2-8x+15\)。これを因数分解すると \(x^2-8x+15=(x-3)(x-5)\) よって\(P(x)=(x-1)(x-3)(x-5)\)、解は\(x=1,\ 3,\ 5\)。 商は\(x^2-8x+15\)、解は\(x=1,\ 3,\ 5\)
(3)

花子「つまり、生産数が1個、3個、5個のときに利益がちょうど0円になるんだね。3次方程式の解と係数の関係を使うと、3つの解の和と積を、実際に解かなくても求められるはずだよ。」

解と係数の関係を用いると、3つの解の和は\(\boxed{\text{ク}}\)、積は\(\boxed{\text{ケコ}}\)である。

ク ケコ
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\(P(x)=x^3-9x^2+23x-15=0\)は\(a=1,\ b=-9,\ c=23,\ d=-15\)なので、3次方程式の解と係数の関係より 和:\(-\dfrac{b}{a}=-\dfrac{-9}{1}=9\) 積:\(-\dfrac{d}{a}=-\dfrac{-15}{1}=15\) 検算:(2)で求めた解\(1,\ 3,\ 5\)を使うと、和は\(1+3+5=9\)、積は\(1\times3\times5=15\)で一致する。解を実際に求めなくても、係数だけからこの値が得られるのが解と係数の関係の便利さである。 和は\(9\)、積は\(15\)