STEP 1

軌跡の求め方

「ある条件を満たしながら動く点Pは、どんな図形を描くか」——これが軌跡の問題。解き方はいつも同じ、たったひとつのコツで解ける:動く点を P(x, y) とおいて、条件をそのまま x, y の式に翻訳する。あとは式を整理するだけ。

軌跡を求める3手順
手順1 動く点を \(P(x,\ y)\) とおく
手順2 与えられた条件を、そのまま \(x,\ y\) の式に書き換える
手順3 式を整理して軌跡の方程式を求める。さらに、除外される点がないか(座標が定義できない場合など)を確認する

例題1 2定点 \(A(-1,\ 3)\)、\(B(5,\ -1)\) から等距離にある点Pの軌跡を求めよ。

解答を見る
動く点を \(P(x,\ y)\) とおく。条件は \(PA = PB\)。両辺とも2乗しても大小関係は変わらないので、\(PA^2 = PB^2\) として計算するとルートが消えて扱いやすい。 \(PA^2 = (x+1)^2+(y-3)^2\)、\(PB^2 = (x-5)^2+(y+1)^2\) \((x+1)^2+(y-3)^2 = (x-5)^2+(y+1)^2\) 左辺 \(= x^2+2x+1+y^2-6y+9\)、右辺 \(= x^2-10x+25+y^2+2y+1\) 左辺 \(-\) 右辺 \(= 12x-8y-16=0\) 整理して \(3x-2y-4=0\)、すなわち \(y = \dfrac{3}{2}x-2\) 軌跡は直線 \(y=\dfrac{3}{2}x-2\)(線分ABの垂直二等分線)

この結果は図形的にも確認できる:2定点から等距離にある点の集合は、中学で習った「線分の垂直二等分線」そのもの。実際、\(A,\ B\) の中点は \((2,\ 1)\)、直線ABの傾きは \(\dfrac{-1-3}{5-(-1)}=-\dfrac{2}{3}\) だから、垂直二等分線の傾きはその逆数の符号違いで \(\dfrac{3}{2}\)。求めた式とぴったり一致する。P(x,y)とおいて計算する方法は、図形の性質をすでに知っている場合でも、複雑な条件(比が1:1でないときなど)にそのまま通用するのが強みだ。

比が1:1でないとき——アポロニウスの円

2定点からの距離が「等しい」のではなく「比が一定」の場合、軌跡は直線ではなくになる。これをアポロニウスの円と呼ぶ。手順はまったく同じ、P(x,y)とおいて式にするだけ。

例題2 2定点 \(A(0,\ 0)\)、\(B(6,\ 0)\) に対し、\(PA:PB=2:1\) を満たす点Pの軌跡を求めよ。

解答を見る
\(P(x,\ y)\) とおく。条件 \(PA:PB=2:1\) は \(PA=2PB\) と同じ。両辺を2乗して \(PA^2=4PB^2\)。 \(PA^2=x^2+y^2\)、\(PB^2=(x-6)^2+y^2\) \(x^2+y^2 = 4\left[(x-6)^2+y^2\right]\) 右辺を展開:\(4(x^2-12x+36+y^2)=4x^2-48x+144+4y^2\) 移項して整理:\(x^2+y^2-4x^2+48x-144-4y^2=0\) → \(-3x^2+48x-3y^2-144=0\) 両辺を \(-3\) で割る:\(x^2-16x+y^2+48=0\) \(x\) について平方完成:\(x^2-16x=(x-8)^2-64\) なので \((x-8)^2-64+y^2+48=0\) → \((x-8)^2+y^2=16\) 軌跡は中心 \((8,\ 0)\)、半径 \(4\) の円(アポロニウスの円)
注意 比が \(1:1\) のときだけ軌跡は直線(垂直二等分線)になり、比が \(1:1\) でないときは必ずになる。「2定点+距離の条件」が出てきたら、まず比が1:1かどうかを確認しよう。
STEP 2

不等式の表す領域

直線や円の方程式を「\(=\)」から「\(>\)」「\(<\)」に変えると、座標平面はその図形を境界線として2つの領域に分かれる。どちら側が不等式を満たすかは、境界線上にない点を1つ代入して確かめるのがいちばん確実。

直線の上下

直線 \(y=ax+b\) に対して、\(y > ax+b\) は直線より上側(\(y\) 座標が同じ \(x\) での直線上の値より大きい側)、\(y < ax+b\) は下側を表す。不等号に等号がつかない(\(>,\ <\))ときは境界線自身を含まない、等号つき(\(\ge,\ \le\))のときは境界線を含む

円の内外

円 \((x-a)^2+(y-b)^2=r^2\) に対して、\((x-a)^2+(y-b)^2 < r^2\) は円の内部、\((x-a)^2+(y-b)^2 > r^2\) は円の外部を表す。判定は「中心からの距離が半径より小さいか大きいか」そのもの。

領域判定のコツ 不等式が表す領域がどちら側か迷ったら、境界線上にない適当な点(原点 \((0,0)\) が計算しやすくて便利。ただし境界線が原点を通るときは別の点を使う)を代入し、不等式が成り立つかどうかを確認する。成り立てば、その点を含む側が答えの領域。
STEP 3

連立不等式の領域

不等式が2つ以上組み合わさった連立不等式の表す領域は、それぞれの不等式が表す領域の共通部分(重なる部分)。1つずつ領域を図示して、全部が重なっているところを探せばよい。

例題 連立不等式 \(y > x-1\)、\(y < -x+5\) の表す領域を図示せよ。

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\(y > x-1\) は直線 \(y=x-1\) の上側。\(y < -x+5\) は直線 \(y=-x+5\) の上側ではなく下側。 2直線の交点は \(x-1=-x+5\) より \(2x=6,\ x=3\)、\(y=2\)。交点は \((3,\ 2)\)。 それぞれの領域を重ねると、2直線に挟まれた帯状の部分(交点 \((3,2)\) を頂点とする、上に開いた三角形のような領域)が連立不等式の解。 2つの直線に挟まれた、薄緑が重なる部分(境界線はどちらも含まない)
共通部分の探し方 不等式ごとに薄く塗って重ねる(実際に手で解くときは、それぞれの領域に斜線を引いて、斜線が重なった部分だけ残す)。境界線が「含む/含まない」の扱いを混同しないよう、\(\ge,\ \le\) は実線、\(>,\ <\) は破線で描き分けるのが教科書流の書き方。
STEP 4

領域における最大値・最小値

「連立不等式の表す領域内で、\(x+y\) の最大値・最小値を求めよ」——このタイプの問題は、\(x+y=k\) とおいて、\(k\) の値を変えながら直線 \(y=-x+k\) を平行移動させるとイメージすると解ける。切片 \(k\) が最大・最小になるのは、直線が領域の頂点を通過するとき。

例題 連立不等式 \(x \ge 0\)、\(y \ge 0\)、\(x+2y \le 8\)、\(3x+y \le 9\) の表す領域において、\(x+y\) の最大値と最小値を求めよ。

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まず領域の頂点をすべて求める。座標軸との交点と、2直線の交点を調べる。 \(x+2y=8\) と \(y=0\) の交点:\((8,\ 0)\)……ただしこれは \(3x+y\le9\) を満たすか要確認:\(3\times8+0=24>9\) なのでこの点は領域の頂点ではない。 \(3x+y=9\) と \(y=0\) の交点:\((3,\ 0)\)。\(x+2y=3\le8\) を満たすのでOK。 \(x+2y=8\) と \(3x+y=9\) の交点:\(y=9-3x\) を代入して \(x+2(9-3x)=8\) → \(x+18-6x=8\) → \(-5x=-10\) → \(x=2,\ y=3\)。交点 \((2,\ 3)\)。 \(x+2y=8\) と \(x=0\) の交点:\((0,\ 4)\)。\(3\times0+4=4\le9\) を満たすのでOK。 以上より領域は4つの頂点 \((0,0),\ (3,0),\ (2,3),\ (0,4)\) を持つ四角形。各頂点で \(x+y\) の値を計算する。 \((0,0)\to0\) \((3,0)\to3\) \((2,3)\to5\) \((0,4)\to4\) 直線 \(x+y=k\) を右上に動かしていくと、領域内で最後に触れる頂点が \((2,3)\)(\(k=5\))、最初に触れる(=原点を含む最小の \(k\))のが \((0,0)\)(\(k=0\))。 \(x=2,\ y=3\) のとき最大値 \(5\)、\(x=0,\ y=0\) のとき最小値 \(0\)
手順1 連立不等式が表す領域を図示し、頂点の座標をすべて求める(2直線の交点を連立方程式で計算)
手順2 目的の式(\(x+y\) など)に、それぞれの頂点の座標を代入して値を計算する
手順3 計算した値のうち、最大のものが最大値、最小のものが最小値(直線を動かして最後に触れる頂点=最大/最小)
注意 この「頂点を全部調べる」方法が使えるのは、目的の式が \(x,\ y\) について1次式(\(ax+by\) の形)のときだけ。領域が円などの曲線で囲まれている場合は、頂点ではなく直線と曲線が接する点(接点)で最大・最小になることがある——この応用は挑戦問題で扱う。
練習問題(全15問)

答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。○×で答える問題は全角のまま入力してよい。記述問題は「解説を見る」で自分の答え合わせをしよう。

基本(1〜6)
1
円の定義そのもの

点 \(A(2,\ 0)\) から距離が \(3\) である点Pの軌跡を求めよ。中心の座標と半径を答えよ。

中心 \((\) , \()\) 半径
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「定点からの距離が一定」は円の定義そのもの。中心は \(A(2,0)\)、半径は \(3\)。 中心 \((2,\ 0)\)、半径 \(3\) の円
2
垂直二等分線(軸に平行)

2定点 \(A(-3,\ 0)\)、\(B(5,\ 0)\) から等距離にある点Pの軌跡は、直線 \(x=\) いくつか。

\(x=\)
解説を見る
\(P(x,y)\) とおき \(PA^2=PB^2\):\((x+3)^2+y^2=(x-5)^2+y^2\) 展開して \(x^2+6x+9=x^2-10x+25\) → \(16x=16\) → \(x=1\)。 (\(A,\ B\) がともに \(x\) 軸上にあるので、答えは2点の中点の \(x\) 座標 \(\dfrac{-3+5}{2}=1\) と一致する。) 軌跡は直線 \(x=1\)
3
垂直二等分線(軸に平行)

2定点 \(A(0,\ -2)\)、\(B(0,\ 4)\) から等距離にある点Pの軌跡は、直線 \(y=\) いくつか。

\(y=\)
解説を見る
\(P(x,y)\) とおき \(PA^2=PB^2\):\(x^2+(y+2)^2=x^2+(y-4)^2\) 展開して \(y^2+4y+4=y^2-8y+16\) → \(12y=12\) → \(y=1\)。 軌跡は直線 \(y=1\)
4
直線の上下判定

不等式 \(y > 2x-1\) の表す領域に、点 \(P(0,\ 3)\) は含まれるか。含まれるなら「○」、含まれないなら「×」を入力せよ。

解説を見る
\(x=0\) を直線の式に代入すると \(2\times0-1=-1\)。点Pの \(y\) 座標は \(3\) で、\(3>-1\) は成り立つ。 ○(含まれる)
5
円の内部判定・境界に注意

不等式 \((x-1)^2+(y-2)^2 < 9\) の表す領域に、点 \(Q(4,\ 2)\) は含まれるか。含まれるなら「○」、含まれないなら「×」を入力せよ。

解説を見る
\((4-1)^2+(2-2)^2=9+0=9\)。不等式は \(<9\)(等号なし)なので、ちょうど \(9\) になる点は境界線上にあり、領域には含まれない。 ×(含まれない・円周上の点だから)
6
アポロニウスの円

2定点 \(A(0,\ 0)\)、\(B(9,\ 0)\) に対し、\(PA:PB=1:2\) を満たす点Pの軌跡を求めよ。中心の座標と半径を答えよ。

中心 \((\) , \()\) 半径
解説を見る
\(P(x,y)\) とおく。\(PA:PB=1:2\) より \(PB=2PA\)、両辺2乗して \(PB^2=4PA^2\)。 \((x-9)^2+y^2=4(x^2+y^2)\) 展開して整理:\(x^2-18x+81+y^2=4x^2+4y^2\) → \(-3x^2-18x+81-3y^2=0\) \(-3\) で割って \(x^2+6x-27+y^2=0\)、平方完成して \((x+3)^2-9-27+y^2=0\) → \((x+3)^2+y^2=36\) 中心 \((-3,\ 0)\)、半径 \(6\) の円
標準(7〜12)
7
連立不等式の判定

連立不等式 \(y \le -x+5\)、\(y \ge x-1\)、\(x \ge 0\) の表す領域に、点 \((2,\ 2)\) は含まれるか。含まれるなら「○」、含まれないなら「×」を入力せよ。

解説を見る
\(y\le-x+5\):\(2\le-2+5=3\) → 成り立つ。 \(y\ge x-1\):\(2\ge2-1=1\) → 成り立つ。 \(x\ge0\):\(2\ge0\) → 成り立つ。すべて成り立つ。 ○(3つの不等式すべてを満たす)
8
円の外部判定

不等式 \((x-3)^2+(y+1)^2 > 25\) の表す領域(円の外部)に、点 \(R(9,\ 2)\) は含まれるか。含まれるなら「○」、含まれないなら「×」を入力せよ。

解説を見る
\((9-3)^2+(2-(-1))^2=6^2+3^2=36+9=45\)。\(45>25\) なので不等式を満たす。 ○(円の外部に含まれる)
9
距離の2乗の和が一定の軌跡

2定点 \(A(-1,\ 0)\)、\(B(3,\ 0)\) に対し、\(PA^2+PB^2=26\) を満たす点Pの軌跡を求めよ。中心の座標と半径を答えよ。

中心 \((\) , \()\) 半径
解説を見る
\(P(x,y)\) とおく。\(PA^2=(x+1)^2+y^2\)、\(PB^2=(x-3)^2+y^2\)。 \((x+1)^2+y^2+(x-3)^2+y^2=26\) 展開:\(x^2+2x+1+x^2-6x+9+2y^2=26\) → \(2x^2-4x+10+2y^2=26\) 両辺を2で割って \(x^2-2x+5+y^2=13\) → \(x^2-2x+y^2=8\) 平方完成:\((x-1)^2-1+y^2=8\) → \((x-1)^2+y^2=9\) 中心 \((1,\ 0)\)、半径 \(3\) の円
10
領域内の最大値・最小値

連立不等式 \(x \ge 0\)、\(y \ge 0\)、\(x+2y \le 10\)、\(2x+y \le 8\) の表す領域において、\(x+y\) の最大値と最小値を求めよ。

最大値  最小値
解説を見る
頂点を求める。\(x+2y=10\) と \(y=0\):\((10,0)\)。\(2\times10+0=20>8\) なので不適(頂点でない)。 \(2x+y=8\) と \(y=0\):\((4,0)\)。\(4+0=4\le10\) を満たすのでOK。 \(x+2y=10\) と \(2x+y=8\) の交点:\(y=8-2x\) を代入して \(x+2(8-2x)=10\) → \(x+16-4x=10\) → \(-3x=-6\) → \(x=2,\ y=4\)。交点 \((2,4)\)。 \(x+2y=10\) と \(x=0\):\((0,5)\)。\(2\times0+5=5\le8\) を満たすのでOK。 頂点は \((0,0),\ (4,0),\ (2,4),\ (0,5)\)。\(x+y\) の値:\(0,\ 4,\ 6,\ 5\)。 最大値 \(6\)(\(x=2,\ y=4\))、最小値 \(0\)(\(x=0,\ y=0\))
11
記述式:パラメータ消去型の軌跡

点 \(A(4,\ 0)\) を通り、傾き \(m\) の直線がある(\(m\) はすべての実数値を取り得る)。この直線と \(y\) 軸との交点を \(Q\) とする。\(m\) の値が変化するとき、線分AQの中点Pの軌跡を求めよ。

解説を見る
直線の式は \(y=m(x-4)\)。\(y\) 軸との交点 \(Q\) は \(x=0\) を代入して \(y=m(0-4)=-4m\)、つまり \(Q(0,\ -4m)\)。 中点Pの座標は、AとQの座標の平均: \(P\left(\dfrac{4+0}{2},\ \dfrac{0+(-4m)}{2}\right) = (2,\ -2m)\) ここで \(x\) 座標はつねに \(2\) で、\(m\) の値に関係なく変わらない。一方 \(y=-2m\) は \(m\) がすべての実数を取れるので、\(y\) もすべての実数値を取り得る。 つまり、点Pの \(x\) 座標は常に \(2\) に固定され、\(y\) 座標に制限はない——これは直線 \(x=2\) 全体が軌跡であることを意味する。 軌跡は直線 \(x=2\)(\(y\) はすべての実数)
12
記述式:点と直線の距離との関係

実数 \(x,\ y\) が \(x+y=6\) を満たすとき、\(x^2+y^2\) の最小値を求めよ。(ヒント:\(x^2+y^2\) は原点からの距離の2乗)

解説を見る
【方法1:1文字消去】\(x+y=6\) より \(y=6-x\)。代入して \(x^2+y^2=x^2+(6-x)^2=x^2+36-12x+x^2=2x^2-12x+36=2(x-3)^2+18\) \(x\) は実数全体を動けるので、下に凸の頂点がそのまま最小値。\(x=3\) のとき最小値 \(18\)(このとき \(y=3\))。 【方法2:点と直線の距離(検算)】\(x^2+y^2\) は点 \((x,y)\) と原点との距離の2乗。条件 \(x+y=6\) は直線 \(x+y-6=0\) 上を動くという意味だから、\(x^2+y^2\) の最小値は「原点から直線 \(x+y-6=0\) までの距離」の2乗に等しい。 点と直線の距離の公式より、原点から \(x+y-6=0\) までの距離は \(\dfrac{|0+0-6|}{\sqrt{1^2+1^2}}=\dfrac{6}{\sqrt2}=3\sqrt2\)。 距離の2乗は \((3\sqrt2)^2=9\times2=18\)。方法1の答えと一致する。 \(x=3,\ y=3\) のとき最小値 \(18\)
挑戦(13〜15)
13
円の領域と1次式の最大最小

実数 \(x,\ y\) が \((x-2)^2+(y-1)^2 \le 4\) を満たすとき、\(x+2y\) の最大値と最小値を求めよ。

解説を見る
\(x+2y=k\) とおくと、これは傾き \(-\dfrac12\) の直線 \(y=-\dfrac12x+\dfrac{k}{2}\) の集合。この直線が、中心 \((2,1)\)、半径 \(2\) の円の内部(境界を含む)と共有点を持つような \(k\) の範囲を考える。 直線 \(x+2y-k=0\) が円と共有点を持つのは、円の中心からこの直線までの距離が半径以下のとき。中心 \((2,1)\) から直線 \(x+2y-k=0\) までの距離は \(\dfrac{|2+2\times1-k|}{\sqrt{1^2+2^2}}=\dfrac{|4-k|}{\sqrt5}\) これが半径 \(2\) 以下:\(\dfrac{|4-k|}{\sqrt5}\le2\) → \(|4-k|\le2\sqrt5\) → \(4-2\sqrt5\le k\le4+2\sqrt5\) \(k=x+2y\) がとり得る範囲がちょうどこの区間になるので、最大値は \(k\) の上限、最小値は \(k\) の下限。 最大値 \(4+2\sqrt5\)、最小値 \(4-2\sqrt5\)
14
アポロニウスの円(一般の2点)

2定点 \(A(1,\ 2)\)、\(B(4,\ -1)\) に対し、\(PA:PB=1:2\) を満たす点Pの軌跡を求めよ。

解説を見る
\(P(x,y)\) とおく。\(PA:PB=1:2\) より \(PB=2PA\)、両辺2乗して \(PB^2=4PA^2\)。 \(PA^2=(x-1)^2+(y-2)^2\)、\(PB^2=(x-4)^2+(y+1)^2\) \((x-4)^2+(y+1)^2=4\left[(x-1)^2+(y-2)^2\right]\) 左辺を展開:\(x^2-8x+16+y^2+2y+1=x^2+y^2-8x+2y+17\) 右辺を展開:\(4(x^2-2x+1+y^2-4y+4)=4x^2+4y^2-8x-16y+20\) 左辺 \(-\) 右辺 \(=0\):\((x^2+y^2-8x+2y+17)-(4x^2+4y^2-8x-16y+20)=0\) \(-3x^2-3y^2+18y-3=0\)、\(-3\) で割って \(x^2+y^2-6y+1=0\) \(y\) について平方完成:\(x^2+(y-3)^2-9+1=0\) → \(x^2+(y-3)^2=8\) 半径は \(\sqrt8=2\sqrt2\)。 軌跡は中心 \((0,\ 3)\)、半径 \(2\sqrt2\) の円
15
軌跡上の点と定点との距離

点Pが円 \(x^2+y^2=1\) 上を動くとき、点 \(A(3,\ 4)\) とPの距離の最大値と最小値を求めよ。

解説を見る
円 \(x^2+y^2=1\) は原点 \(O\) を中心とする半径 \(1\) の円。原点とAの距離は \(OA=\sqrt{3^2+4^2}=\sqrt{9+16}=\sqrt{25}=5\) PはOを中心とする半径1の円周上を動くので、AP の距離は「OAの距離」から「半径1」だけ変動する。最大になるのは、O、円周上の点P、Aが一直線上に並び、PがAと反対側(Oから見てAと逆方向)にあるとき:\(AP=OA+1=5+1=6\)。 最小になるのは、O・P・Aが一直線上に並び、PがAに近い側にあるとき:\(AP=OA-1=5-1=4\)。 (三角形の成立条件から、\(|OA-1|\le AP\le OA+1\) が常に成り立ち、両端は一直線上に並ぶときに実現される。) 最大値 \(6\)、最小値 \(4\)
応用問題(プリント限定)

ここから先はPDF限定の腕試し。軌跡と領域を組み合わせた、入試の基礎レベルに挑戦しよう。

応1
円の領域でx+yの最大最小

実数 \(x,\ y\) が \((x-3)^2+(y-4)^2 \le 25\) を満たすとき、\(x+y\) の最大値と最小値を求めよ。

最大値  最小値
解説を見る
\(x+y=k\) とおくと、直線 \(x+y-k=0\) がこの円(中心 \((3,4)\)、半径 \(5\))と共有点を持つ \(k\) の範囲を求めればよい。 中心 \((3,4)\) から直線 \(x+y-k=0\) までの距離は \(\dfrac{|3+4-k|}{\sqrt{1^2+1^2}}=\dfrac{|7-k|}{\sqrt2}\)。 これが半径 \(5\) 以下:\(\dfrac{|7-k|}{\sqrt2}\le5\) → \(|7-k|\le5\sqrt2\) → \(7-5\sqrt2\le k\le7+5\sqrt2\) 最大値 \(7+5\sqrt2\)、最小値 \(7-5\sqrt2\)
応2
2定点からの距離の比+軌跡上の最大距離

2定点 \(A(-2,\ 0)\)、\(B(4,\ 0)\) に対し、\(PA:PB=1:2\) を満たす点Pの軌跡を求めよ。さらに、この軌跡上の点のうち、原点Oからの距離が最大となる点の座標と、そのときの距離を求めよ。

軌跡の中心 \((\) , \()\) 半径  最大となる点 \((\) , \()\) 距離
解説を見る
【軌跡】\(P(x,y)\) とおく。\(PA:PB=1:2\) より \(PB=2PA\)、両辺2乗して \(PB^2=4PA^2\)。 \((x-4)^2+y^2=4\left[(x+2)^2+y^2\right]\) 左辺展開:\(x^2-8x+16+y^2\)、右辺展開:\(4x^2+16x+16+4y^2\) 左辺 \(-\) 右辺 \(=0\):\(-3x^2-24x-3y^2=0\)、\(-3\) で割って \(x^2+8x+y^2=0\) 平方完成:\((x+4)^2-16+y^2=0\) → \((x+4)^2+y^2=16\) 軌跡は中心 \((-4,\ 0)\)、半径 \(4\) の円。 【原点からの最大距離】原点Oから円の中心 \((-4,0)\) までの距離は \(4\)。円周上の点でOから最も遠いのは、O・中心・その点が一直線上に並び、中心よりさらに遠い側にある点。中心から見てOと反対方向(\(x\) 軸負の方向)に半径分だけ進んだ点だから、 その点は \((-4-4,\ 0)=(-8,\ 0)\)。距離は \(OA_{中心}+r=4+4=8\)。 (検算:\((-8+4)^2+0^2=16\) で確かに円上の点になっている。) 軌跡は中心 \((-4,0)\)、半径 \(4\) の円。原点から最も遠い点は \((-8,\ 0)\)、そのときの距離は \(8\)
応3
領域で2次式(距離の2乗)の最大最小

連立不等式 \(x \ge 0\)、\(y \ge 0\)、\(x+y \le 6\) の表す領域において、\(x^2+y^2\) の最大値と最小値を求めよ。

最大値  最小値
解説を見る
領域は3つの頂点 \((0,0),\ (6,0),\ (0,6)\) を持つ直角三角形(原点からの距離の2乗 \(x^2+y^2\) は原点に近いほど小さく、遠いほど大きい)。 \(x^2+y^2\) は \(x,\ y\) の1次式ではないので、STEP4のように「頂点だけ調べれば必ず答え」という保証はない。ただし \(x^2+y^2\) は原点からの距離の2乗=原点を中心とする円の半径の2乗なので、原点を中心とする円を領域の中で広げていくイメージで考える。 領域は原点 \((0,0)\) 自身を含むので、最小値は原点でとる \(0\)。 領域を含む最小の円(原点中心)は、領域内で原点から最も遠い点を半径にする円になる。三角形の頂点 \((6,0),\ (0,6)\) のうち原点から最も遠いのはどちらも距離 \(6\)(\(x^2+y^2=36\))で、辺上や内部の点はこれより原点に近い。 最大値 \(36\)(\(x=6,y=0\) または \(x=0,y=6\))、最小値 \(0\)(\(x=0,y=0\))
応4
距離の2乗の差が一定の軌跡(直線になる)

2定点 \(A(0,\ 0)\)、\(B(8,\ 0)\) に対し、\(PA^2-PB^2=32\) を満たす点Pの軌跡を求めよ。直線 \(x=\) いくつになるか答えよ。

\(x=\)
解説を見る
\(P(x,y)\) とおく。\(PA^2=x^2+y^2\)、\(PB^2=(x-8)^2+y^2\)。 \(PA^2-PB^2=x^2+y^2-\left[(x-8)^2+y^2\right]=x^2-(x^2-16x+64)=16x-64\) これが \(32\) に等しいので \(16x-64=32\) → \(16x=96\) → \(x=6\)。 (\(y\) は式に現れないので、\(y\) はすべての実数を取り得る。「距離の2乗の和が一定」なら円、「距離の2乗の差が一定」なら直線になることに注目。) 軌跡は直線 \(x=6\)
応5
四角形の領域で1次式の最大最小

連立不等式 \(x \ge 0\)、\(y \ge 0\)、\(x+y \le 5\)、\(2x+y \le 8\) の表す領域において、\(3x+4y\) の最大値と最小値を求めよ。

最大値  最小値
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頂点を求める。\(2x+y=8\) と \(y=0\):\((4,0)\)。\(4+0=4\le5\) を満たすのでOK。 \(x+y=5\) と \(2x+y=8\) の交点:2式を引くと \(x=3\)、\(y=5-3=2\)。交点 \((3,2)\)。検算:\(2\times3+2=8\) ✓ \(x+y=5\) と \(x=0\):\((0,5)\)。\(2\times0+5=5\le8\) を満たすのでOK。 頂点は \((0,0),\ (4,0),\ (3,2),\ (0,5)\)。\(3x+4y\) の値: \((0,0)\to0\) \((4,0)\to12\) \((3,2)\to9+8=17\) \((0,5)\to20\) 最大値 \(20\)(\(x=0,\ y=5\))、最小値 \(0\)(\(x=0,\ y=0\))