STEP 1

0乗・負の整数乗ってなに?

中学までは \(2^3 = 2\times2\times2\) のように「正の整数乗」しか習っていない。ここからは指数を 0負の整数 にまで広げる。ルールは1つ、「指数が1減ると、値はもとの数で割る」という規則性をそのまま延長するだけだ。

\(2^3, 2^2, 2^1, 2^0, 2^{-1}, 2^{-2}\) の値を並べてみよう。指数が1減るたびに2で割っている。

\[ 8,\ \ 4,\ \ 2,\ \ 1,\ \ \dfrac{1}{2},\ \ \dfrac{1}{4} \]

だから \(2^0 = 1\)、\(2^{-1} = \dfrac{1}{2}\)、\(2^{-2} = \dfrac{1}{4}\) と決めるのが自然だ。

0乗・負の整数乗の定義(\(a \neq 0\)、\(n\) は正の整数)
\(a^0 = 1\)
\(a^{-n} = \dfrac{1}{a^n}\)

例題1 次の値を求めよ。 (1) \(4^0\) (2) \(2^{-4}\)

解答を見る
(1) \(0\) 乗はどんな数(0以外)でも \(1\)。 \(4^0 = 1\) (2) \(2^{-4} = \dfrac{1}{2^4} = \dfrac{1}{16}\) \(2^{-4} = \dfrac{1}{16}\)
STEP 2

累乗根(るいじょうこん)

「2乗すると9になる数」は \(\pm3\)。同じように「\(n\) 乗すると \(a\) になる数」を \(a\) の n乗根という。とくに \(n\) が奇数か偶数かで様子が変わるので、そこがポイントだ。

n乗根の考え方(\(a > 0\)、\(n\) は2以上の整数)
・\(n\) が偶数のとき \(n\) 乗して \(a\) になる正の数を \(\sqrt[n]{a}\) と書く(負の解 \(-\sqrt[n]{a}\) も存在するが、記号 \(\sqrt[n]{\ \ }\) は正の方だけを指す)。
・\(n\) が奇数のとき \(n\) 乗して \(a\) になる実数はただ1つ。\(a < 0\) でも \(\sqrt[n]{a}\) が定義できる(負の数の奇数乗根は負の数)。
累乗根の計算規則(\(a > 0,\ b > 0\))
\(\sqrt[n]{a}\times\sqrt[n]{b} = \sqrt[n]{ab}\)  \(\dfrac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}} = \sqrt[n]{\dfrac{a}{b}}\)  \((\sqrt[n]{a})^m = \sqrt[n]{a^m}\)  \(\sqrt[m]{\sqrt[n]{a}} = \sqrt[mn]{a}\)

例題2 次の値を求めよ。 (1) \(\sqrt[3]{-8}\) (2) \(\sqrt[4]{81}\)

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(1) 3乗根は奇数乗根なので負の数もOK。\((-2)^3 = -8\) より \(\sqrt[3]{-8} = -2\) (2) 4乗根は偶数乗根なので正の数を答える。\(3^4 = 81\) より \(\sqrt[4]{81} = 3\)
STEP 3

有理数の指数

ここまでで整数の指数はすべて意味が決まった。最後に「分数の指数」を定義すれば、指数はどんな有理数でも計算できるようになる。定義のしかたは「累乗根とつながるように決める」だけだ。(このページの範囲では底 \(a\) は \(a > 0\) とする。)

有理数の指数の定義(\(a > 0\)、\(m,n\) は整数、\(n \geqq 2\))
\(a^{\frac{1}{n}} = \sqrt[n]{a}\)
\(a^{\frac{m}{n}} = (\sqrt[n]{a})^m = \sqrt[n]{a^m}\)

例題3 次の値を求めよ。 (1) \(27^{\frac{2}{3}}\) (2) \(16^{-\frac{3}{4}}\)

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(1) \(27^{\frac{2}{3}} = (\sqrt[3]{27})^2 = 3^2 = 9\) \(27^{\frac{2}{3}} = 9\) (2) まず正の指数で計算してから逆数にする。 \(16^{\frac{3}{4}} = (\sqrt[4]{16})^3 = 2^3 = 8\) \(16^{-\frac{3}{4}} = \dfrac{1}{16^{\frac{3}{4}}} = \dfrac{1}{8}\) \(16^{-\frac{3}{4}} = \dfrac{1}{8}\)
STEP 4

指数法則の総まとめ

整数のときに習った指数法則は、\(a > 0\) の場合、指数が0・負の数・分数になってもそのまま全部成り立つ。だから複雑な式も「法則をあてはめて指数の足し算・引き算・掛け算に直すだけ」で計算できる。

法則1 \(a^m \times a^n = a^{m+n}\)(指数どうしの掛け算は指数の足し算)
法則2 \(a^m \div a^n = a^{m-n}\)(指数どうしの割り算は指数の引き算)
法則3 \((a^m)^n = a^{mn}\)(累乗の累乗は指数の掛け算)
法則4 \((ab)^n = a^n b^n\)(積の累乗はそれぞれを累乗してから掛ける)
法則5 \(a^0 = 1\)、\(a^{-n} = \dfrac{1}{a^n}\)(0乗・負の指数は既習のとおり)
注意 これらの法則は \(m,n\) が分数でも整数でも使える便利な道具だが、底が \(a > 0\) であることが前提。負の数を分数乗すると値が実数として定まらない場合がある(例えば \((-8)^{\frac{1}{2}}\) は実数の範囲では計算できない)ので、この単元では底は正の数として扱う。
練習問題(全18問)

答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「1/8」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜7)
1
0乗

\(7^0\) の値を求めよ。

答え
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0以外のどんな数でも、0乗は1になる。 \(7^0 = 1\)
2
負の整数乗

\(2^{-3}\) の値を求めよ。

答え
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\(2^{-3} = \dfrac{1}{2^3} = \dfrac{1}{8}\) \(2^{-3} = \dfrac{1}{8}\)
3
分数の負の整数乗

\(\left(\dfrac{1}{2}\right)^{-3}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
負の指数は逆数にしてから正の指数で計算する。 \(\left(\dfrac{1}{2}\right)^{-3} = 2^3 = 8\) \(\left(\dfrac{1}{2}\right)^{-3} = 8\)
4
累乗根(奇数)

\(\sqrt[3]{27}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
3乗して27になる数を探す。\(3^3 = 27\) より \(\sqrt[3]{27} = 3\)
5
累乗根(偶数)

\(\sqrt[4]{16}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
4乗して16になる正の数を探す。\(2^4 = 16\) より \(\sqrt[4]{16} = 2\)
6
有理数指数(1/n形)

\(8^{\frac{1}{3}}\) の値を求めよ。

答え
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\(8^{\frac{1}{3}} = \sqrt[3]{8}\)。3乗して8になる数は2。 \(8^{\frac{1}{3}} = 2\)
7
有理数指数(1/2形)

\(16^{\frac{1}{2}}\) の値を求めよ。

答え
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\(16^{\frac{1}{2}} = \sqrt{16} = 4\) \(16^{\frac{1}{2}} = 4\)
標準(8〜14)
8
m/n形(m≠1)

\(9^{\frac{3}{2}}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
\(9^{\frac{3}{2}} = (\sqrt{9})^3 = 3^3 = 27\) \(9^{\frac{3}{2}} = 27\)
9
負の有理数指数

\(8^{-\frac{2}{3}}\) の値を求めよ。

答え
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まず正の指数で計算:\(8^{\frac{2}{3}} = (\sqrt[3]{8})^2 = 2^2 = 4\) 負の指数なので逆数にする:\(8^{-\frac{2}{3}} = \dfrac{1}{4}\) \(8^{-\frac{2}{3}} = \dfrac{1}{4}\)
10

\(32^{\frac{3}{5}}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
\(32 = 2^5\) なので \(\sqrt[5]{32} = 2\)。 \(32^{\frac{3}{5}} = (\sqrt[5]{32})^3 = 2^3 = 8\) \(32^{\frac{3}{5}} = 8\)
11

\(\left(\dfrac{1}{4}\right)^{-\frac{1}{2}}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
負の指数なので逆数にしてから計算する。 \(\left(\dfrac{1}{4}\right)^{-\frac{1}{2}} = 4^{\frac{1}{2}} = \sqrt{4} = 2\) \(\left(\dfrac{1}{4}\right)^{-\frac{1}{2}} = 2\)
12
法則1(掛け算→指数の足し算)

\(2^{\frac{1}{3}} \times 2^{\frac{2}{3}}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
底が同じなので指数を足す。 \(2^{\frac{1}{3}} \times 2^{\frac{2}{3}} = 2^{\frac{1}{3}+\frac{2}{3}} = 2^1 = 2\) \(2^{\frac{1}{3}} \times 2^{\frac{2}{3}} = 2\)
13
法則3(累乗の累乗)

\(\left(3^{\frac{2}{3}}\right)^3\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
累乗の累乗は指数を掛ける。 \(\left(3^{\frac{2}{3}}\right)^3 = 3^{\frac{2}{3}\times3} = 3^2 = 9\) \(\left(3^{\frac{2}{3}}\right)^3 = 9\)
14
負の数の奇数乗根

\(\sqrt[5]{-32}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
5乗根は奇数乗根なので、負の数にもただ1つの実数の根がある。 \((-2)^5 = -32\) より \(\sqrt[5]{-32} = -2\)
挑戦(15〜18)
15
法則2(割り算→指数の引き算)と負の指数

\(2^{\frac{5}{6}} \div 2^{-\frac{1}{6}}\) の値を求めよ。

答え
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割り算は指数の引き算。マイナスを引くのでプラスになる点に注意。 \(2^{\frac{5}{6}} \div 2^{-\frac{1}{6}} = 2^{\frac{5}{6}-\left(-\frac{1}{6}\right)} = 2^{\frac{5}{6}+\frac{1}{6}} = 2^1 = 2\) \(2^{\frac{5}{6}} \div 2^{-\frac{1}{6}} = 2\)
16
複数の累乗根が混ざる式

\(27^{\frac{2}{3}} \div 9^{\frac{1}{2}}\) の値を求めよ。

答え
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それぞれ先に計算する。 \(27^{\frac{2}{3}} = (\sqrt[3]{27})^2 = 3^2 = 9\) \(9^{\frac{1}{2}} = \sqrt{9} = 3\) よって \(27^{\frac{2}{3}} \div 9^{\frac{1}{2}} = 9 \div 3 = 3\) \(27^{\frac{2}{3}} \div 9^{\frac{1}{2}} = 3\)
17
底が異なる式の掛け算

\(8^{\frac{2}{3}} \times 4^{-\frac{1}{2}}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
それぞれ先に計算する。 \(8^{\frac{2}{3}} = (\sqrt[3]{8})^2 = 2^2 = 4\) \(4^{-\frac{1}{2}} = \dfrac{1}{\sqrt{4}} = \dfrac{1}{2}\) よって \(8^{\frac{2}{3}} \times 4^{-\frac{1}{2}} = 4 \times \dfrac{1}{2} = 2\) \(8^{\frac{2}{3}} \times 4^{-\frac{1}{2}} = 2\)
18
分数の負の有理数指数の累乗

\(\left\{\left(\dfrac{1}{16}\right)^{-\frac{1}{4}}\right\}^2\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
まず中の負の指数を処理する。 \(\left(\dfrac{1}{16}\right)^{-\frac{1}{4}} = 16^{\frac{1}{4}} = \sqrt[4]{16} = 2\) 外側の2乗をかける。 \(\left\{\left(\dfrac{1}{16}\right)^{-\frac{1}{4}}\right\}^2 = 2^2 = 4\) \(\left\{\left(\dfrac{1}{16}\right)^{-\frac{1}{4}}\right\}^2 = 4\)
応用問題(プリント限定)

ここから先はPDF限定の腕試し。対称式・大小比較・指数方程式など、入試の基礎レベルに挑戦しよう。

応1
対称式(2乗の利用)

\(2^x + 2^{-x} = 3\) のとき、\(4^x + 4^{-x}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
\(4^x = (2^x)^2\)、\(4^{-x} = (2^{-x})^2\) なので、\(2^x+2^{-x}\) を2乗した式とつながる。 \((2^x + 2^{-x})^2 = 4^x + 2\cdot2^x\cdot2^{-x} + 4^{-x} = 4^x + 4^{-x} + 2\) (\(2^x\cdot2^{-x} = 2^0 = 1\) を使った) 条件より \((2^x+2^{-x})^2 = 3^2 = 9\) だから \(9 = 4^x + 4^{-x} + 2\) \(4^x + 4^{-x} = 9 - 2 = 7\) \(4^x + 4^{-x} = 7\)
応2
対称式(3乗の利用・応1の続き)

\(2^x + 2^{-x} = 3\) のとき、\(8^x + 8^{-x}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
\(a = 2^x,\ b = 2^{-x}\) とおくと \(a+b=3\)、\(ab = 2^x\cdot2^{-x} = 2^0 = 1\)。 \(8^x + 8^{-x} = a^3 + b^3\) なので、3乗の対称式の公式 \(a^3+b^3=(a+b)^3-3ab(a+b)\) を使う。 \(a^3+b^3 = 3^3 - 3\times1\times3 = 27 - 9 = 18\) \(8^x + 8^{-x} = 18\)
応3
大小比較(底をそろえる)

\(2^{\frac{1}{2}}\)、\(4^{\frac{1}{3}}\)、\(8^{\frac{1}{4}}\) をすべて底が2の指数の形に直すと、指数はそれぞれいくつか。3つの数値を求めよ。

\(2^{\frac{1}{2}}\) の指数  \(4^{\frac{1}{3}}\) の指数  \(8^{\frac{1}{4}}\) の指数
解説を見る
3つとも底を2にそろえて比較する。\(4=2^2\)、\(8=2^3\) を使う。 \(2^{\frac{1}{2}}\) の指数はそのまま \(\dfrac{1}{2}\)。 \(4^{\frac{1}{3}} = (2^2)^{\frac{1}{3}} = 2^{\frac{2}{3}}\) より指数は \(\dfrac{2}{3}\)。 \(8^{\frac{1}{4}} = (2^3)^{\frac{1}{4}} = 2^{\frac{3}{4}}\) より指数は \(\dfrac{3}{4}\)。 底 \(2 > 1\) の指数関数は指数が大きいほど値も大きいので、指数の大小をそのまま比べればよい。 \(\dfrac{1}{2} = 0.5,\ \dfrac{2}{3}\approx0.67,\ \dfrac{3}{4}=0.75\) より \(\dfrac{1}{2} < \dfrac{2}{3} < \dfrac{3}{4}\)。 指数は \(\dfrac{1}{2},\ \dfrac{2}{3},\ \dfrac{3}{4}\)。よって \(2^{\frac{1}{2}} < 4^{\frac{1}{3}} < 8^{\frac{1}{4}}\)
応4
指数方程式(底をそろえて指数を比較)

\(3^{2x+1} = 27^{x-1}\) を満たす \(x\) の値を求めよ。

\(x=\)
解説を見る
右辺を底3にそろえる。\(27 = 3^3\) より \(27^{x-1} = (3^3)^{x-1} = 3^{3(x-1)} = 3^{3x-3}\) 底が同じ3で等しいので、指数どうしが等しい。 \(2x+1 = 3x-3\) \(1+3 = 3x-2x\) \(x = 4\) (検算:左辺の指数は \(2\times4+1=9\)、右辺の指数は \(3\times4-3=9\) で一致) \(x = 4\)
応5
複数の法則を組み合わせた計算

\(\left(27^{\frac{2}{3}} - 8^{-\frac{1}{3}}\right)\times4^{\frac{1}{2}}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
かっこの中を先に計算する。 \(27^{\frac{2}{3}} = (\sqrt[3]{27})^2 = 3^2 = 9\) \(8^{-\frac{1}{3}} = \dfrac{1}{\sqrt[3]{8}} = \dfrac{1}{2}\) かっこの中:\(9 - \dfrac{1}{2} = \dfrac{17}{2}\) 外の掛け算:\(4^{\frac{1}{2}} = \sqrt{4} = 2\) \(\dfrac{17}{2}\times2 = 17\) \(\left(27^{\frac{2}{3}} - 8^{-\frac{1}{3}}\right)\times4^{\frac{1}{2}} = 17\)