この章で学ぶこと

「式と証明」は数IIの最初の章であり、数Iの第1章「数と式」で学んだ展開・因数分解の技術を、2次から3次へと一段階引き上げるところから始まる。整式の割り算という新しい道具を身につけたあと、その道具を使って「どんな\(x\)を代入しても常に成り立つ式(恒等式)」の未知の係数を求める方法へと進み、最後は等式・不等式そのものを筋道立てて証明する技術にたどり着く。ここで身につける「差をとって0になることを示す」という証明の型と、整式の割り算の等式\(A=BQ+R\)は、次の第2章「複素数と方程式」で学ぶ剰余の定理・因数定理の土台にそのまま使われる。また、式を正確に展開・整理する力は、数IIの後半で学ぶ微分法・積分法の計算処理にも欠かせない基礎体力になる。

学習の順路

下から順番に読み進めよう。1で3次式の公式と二項定理という「新しい道具」を手に入れ、2でその道具を使う場面(整式の割り算・分数式)を広げ、3・4でそれらを土台にした「恒等式」「証明」という、より論理的な考え方へ進む、という流れになっている。

  1. 1. 3次式の展開・因数分解と二項定理 ― 3次の乗法公式・因数分解公式、そして二項定理と一般項の使い方を学ぶ。
  2. 2. 整式の割り算・分数式 ― 整式の割り算の等式\(A=BQ+R\)と、分数式の約分・乗除・通分を学ぶ。
  3. 3. 恒等式 ― 係数比較法・数値代入法という2つの手段で、恒等式の未知の係数を求める。
  4. 4. 等式・不等式の証明 ― 差をとる証明の基本方針と、相加平均・相乗平均の関係を使った最小値の求め方を学ぶ。

要点整理 3次式の公式と二項定理

この章の最初に出てきた公式は、どれも「何を求められているか」で使い分ける。丸暗記するのではなく、問題文のどの言葉が公式を呼び出しているかを意識しよう。

3次の乗法公式(展開)
\((a+b)^3 = a^3+3a^2b+3ab^2+b^3\)
\((a-b)^3 = a^3-3a^2b+3ab^2-b^3\)
3次式の因数分解
\(a^3+b^3 = (a+b)(a^2-ab+b^2)\)
\(a^3-b^3 = (a-b)(a^2+ab+b^2)\)
「展開せよ」と言われたら
3次の乗法公式を使う。\((a-b)^3\)のときだけ符号が「+-+-」と交互になる(\((a+b)^3\)は全項が+)。真ん中2項の係数はどちらも3。
「因数分解せよ」と言われたら
\(a^3\pm b^3\)の公式を使う。かっこの中の符号は展開の公式と逆になる点に注意。
「特定の項の係数だけ求めよ」と言われたら
二項定理の一般項 \(T_{r+1}={}_n\mathrm{C}_r a^{n-r}b^r\) を使う。全部展開しなくてよい。
一般項の使い方(3手順) 手順1:\(a,b,n\)を式に合わせて一般項に代入する 手順2:求めたい項の\(x\)の指数と、一般項の\(x\)の指数を等式でつないで\(r\)を決める 手順3:決まった\(r\)を代入し、数値部分(係数)だけを計算する。文字が3つ以上ある場合(多項定理)は、\(a^pb^qc^r\)(\(p+q+r=n\))の項の係数が\(\dfrac{n!}{p!\,q!\,r!}\)になる。

要点整理 整式の割り算と分数式

整式の割り算の等式は、この章の後半(恒等式・証明)でも繰り返し道具として使われる、いちばんの基本装備。分数式の計算は、数の分数とまったく同じ規則で進めればよい。

割り算の等式 \[A = BQ + R\] ただし\(R=0\)であるか、そうでなければ余り\(R\)の次数は割る式\(B\)の次数より必ず低い。
「割り切れるか」を聞かれたら
実際に割り算をして出てきた余りの式を\(0\)とおき、未知の定数の値を決める。
「商・余りから元の式を求めよ」と言われたら
\(A=BQ+R\)にそのまま代入して展開するだけでよい。
「分数式を計算せよ」と言われたら
まず分子・分母を因数分解する。約分はそこから共通因数を消し、加減は最小公分母で通分する。

要点整理 恒等式の解き方

未知の係数を求める方法は2つある。どちらを使っても最後にたどり着く答えは同じだが、式の形によって「速い方」が変わる。

係数比較法
両辺を展開して整理し、同じ次数の項の係数どうしを比べる。展開した形どうしを比べるだけでよいとき・因数が見えていないときに向く。
数値代入法
都合のよい\(x\)の値(因数が0になる値)を代入して連立方程式を作る。式の中に\((x-\bigcirc)\)の因数がはっきり見えているとき・分数式で分母を払った直後に向く。
数値代入法の注意(逆確認) 数値代入で求めた値は、代入した特定の\(x\)だけで成り立つことが確認できたにすぎない。未知数の個数ぶん代入したら、もう1つ別の\(x\)の値を代入して、本当にすべての\(x\)で成り立つか必ず確かめること。分数式の恒等式は、両辺に分母をかけて分数を払ってから、整式の恒等式として同じ方法で解けばよい。

要点整理 証明の書き方(等式・不等式・相加相乗)

証明問題は「何を証明するか」で最初の一手が決まる。パターンを覚えるのではなく、次の判断の流れをそのまま使おう。

手順1 証明するのは「等式」か「不等式」かを確認する
↓
等式の証明
左辺-右辺を計算し\(0\)になることを示す。条件式があれば、それで1つの文字を消去してから比べる。
不等式の証明
大きい方-小さい方を計算し、平方完成などで\(0\)以上になることを示す。
相加相乗が使える形
「正の数の和」の最小値を問われたら\(a+b\ge2\sqrt{ab}\)(\(a,b>0\))が使えないか疑う。
↓
手順2 不等式・相加相乗を使った場合は、等号が成り立つ条件を必ず書き添える
注意 相加相乗平均の関係は\(a>0,\ b>0\)(両方正)でなければ使えない。負の数が混じっている式にそのまま当てはめるのはよくある間違い。使う前に必ず符号を確認しよう。
まとめテスト(標準)

この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜15)
1
3次公式(差の乗法公式)

\((x-3)^3\) を展開せよ。

\(x^2\)の係数  \(x\)の係数  定数項
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公式2 \((a-b)^3=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3\) を \(a=x,\ b=3\) で使う。 \(x^3-3\times x^2\times3+3\times x\times3^2-3^3 = x^3-9x^2+27x-27\) \((x-3)^3 = x^3-9x^2+27x-27\)
2
3次式の因数分解(差)

\(x^3-64\) を \((x-A)(x^2+Bx+C)\) の形に因数分解したとき、\(A,\ B,\ C\) の値を求めよ。

\(A=\)  \(B=\)  \(C=\)
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\(64=4^3\) なので、公式 \(a^3-b^3=(a-b)(a^2+ab+b^2)\) を \(a=x,\ b=4\) で使う。 \(x^3-4^3 = (x-4)(x^2+4x+4^2) = (x-4)(x^2+4x+16)\) \(A=4,\ B=4,\ C=16\)
3
二項定理・一般項

\((x+2)^5\) の展開における \(x^2\) の項の係数を求めよ。

係数
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一般項は \({}_5\mathrm{C}_r x^{5-r}2^r\)。\(x^2\) は \(5-r=2\) より \(r=3\)。 係数は \({}_5\mathrm{C}_3\times2^3 = 10\times8 = 80\)。 係数は \(80\)
4
整式の割り算

\(x^3 - 3x^2 + 5x - 2\) を \(x - 2\) で割ったときの商を \(ax^2+bx+c\)、余りを \(R\) とするとき、\(a,\,b,\,c,\,R\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)  \(c=\)  \(R=\)
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筆算で計算する。 \(x^3\div x=x^2\)、\(x^2(x-2)=x^3-2x^2\)、引いて\(-x^2\)、\(5x\)をおろして\(-x^2+5x\)。 \(-x^2\div x=-x\)、\(-x(x-2)=-x^2+2x\)、引いて\(3x\)、\(-2\)をおろして\(3x-2\)。 \(3x\div x=3\)、\(3(x-2)=3x-6\)、引いて\(4\)。次数が0(定数)になったので終了。 検算:\((x-2)(x^2-x+3)+4 = x^3-x^2+3x-2x^2+2x-6+4 = x^3-3x^2+5x-2\)。もとの式と一致する。 商 \(x^2-x+3\)(\(a=1,b=-1,c=3\))、余り \(R=4\)
5
分数式の約分

\(\dfrac{x^2-4}{x^2+x-2}\) を約分すると \(\dfrac{ax+b}{cx+d}\) の形になる。\(a,\,b,\,c,\,d\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)  \(c=\)  \(d=\)
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分子:\(x^2-4=(x-2)(x+2)\) 分母:\(x^2+x-2=(x+2)(x-1)\) 共通因数 \((x+2)\) を消すと \(\dfrac{x^2-4}{x^2+x-2} = \dfrac{x-2}{x-1}\)(\(a=1,b=-2,c=1,d=-1\))
6
分数式の乗法

\(\dfrac{x+1}{x-3} \times \dfrac{x-3}{x+4}\) を計算すると \(\dfrac{ax+b}{cx+d}\) の形になる。\(a,\,b,\,c,\,d\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)  \(c=\)  \(d=\)
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分母の \(x-3\) と分子の \(x-3\) が共通なので、そのまま消える。 \(\dfrac{x+1}{x-3} \times \dfrac{x-3}{x+4} = \dfrac{x+1}{x+4}\)(\(a=1,b=1,c=1,d=4\))
7
分数式の通分・加法

\(\dfrac{1}{x+2} + \dfrac{3}{x-2}\) を計算すると \(\dfrac{ax+b}{x^2+cx+d}\) の形になる。\(a,\,b,\,c,\,d\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)  \(c=\)  \(d=\)
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最小公分母は \((x+2)(x-2)=x^2-4\)。 \(\dfrac{(x-2)+3(x+2)}{(x+2)(x-2)} = \dfrac{x-2+3x+6}{x^2-4} = \dfrac{4x+4}{x^2-4}\) \(\dfrac{1}{x+2} + \dfrac{3}{x-2} = \dfrac{4x+4}{x^2-4}\)(\(a=4,b=4,c=0,d=-4\))
8
恒等式・係数比較法

\(x^2+ax+b = (x-3)(x+7)\) が恒等式となるとき、\(a,\ b\) の値を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
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\((x-3)(x+7) = x^2+7x-3x-21 = x^2+4x-21\) 係数比較より \(a=4,\ b=-21\)。 \(a=4,\ b=-21\)
9
恒等式・数値代入法

\(a(x+2)+b(x-1) = 5x+4\) が恒等式となるとき、\(a,\ b\) の値を数値代入法で求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
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\(x=1\) を代入:\(a(3)+b(0)=9\) より \(3a=9\)、\(a=3\) \(x=-2\) を代入:\(a(0)+b(-3)=-6\) より \(-3b=-6\)、\(b=2\) 確認:\(3(x+2)+2(x-1) = 3x+6+2x-2 = 5x+4\) となり右辺と一致。 \(a=3,\ b=2\)
10
相加相乗平均・基本形

\(a>0\) のとき、\(a+\dfrac{36}{a}\) の最小値を求めよ。

最小値  そのとき \(a=\)
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\(a>0\) より \(\dfrac{36}{a}>0\) なので、相加平均・相乗平均の関係が使える。 \(a+\dfrac{36}{a} \ge 2\sqrt{a\cdot\dfrac{36}{a}} = 2\sqrt{36} = 12\) 等号は \(a=\dfrac{36}{a}\) のとき。両辺に\(a\)をかけて\(a^2=36\)、\(a>0\)より\(a=6\)。 \(a=6\) のとき最小値 \(12\)
11
不等式の証明・平方完成

すべての実数 \(x\) について \(x^2+9 \ge 6x\) であることを証明せよ。

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差をとる。 \((x^2+9)-6x = x^2-6x+9 = (x-3)^2 \ge 0\) よって \(x^2+9 \ge 6x\)。等号は \(x-3=0\)、つまり \(x=3\) のとき。 \(x^2+9 \ge 6x\)(等号は \(x=3\) のとき)
12
二項定理・一般項(両方に係数)

\((3x-2)^5\) の展開における \(x^3\) の項の係数を求めよ。

係数
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一般項は \({}_5\mathrm{C}_r (3x)^{5-r}(-2)^r = {}_5\mathrm{C}_r\,3^{5-r}(-2)^r\,x^{5-r}\)。\(x^3\) は \(5-r=3\) より \(r=2\)。 係数は \({}_5\mathrm{C}_2\times3^3\times(-2)^2 = 10\times27\times4 = 1080\)。 係数は \(1080\)
13
割り算の等式の逆算

整式 \(A\) を \(x + 3\) で割ると商が \(x^2 - 2x + 4\)、余りが \(-5\) であるという。\(A = x^3 + ax^2 + bx + c\) とするとき、\(a,\,b,\,c\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)  \(c=\)
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\(A = (x+3)(x^2-2x+4) + (-5)\) \((x+3)(x^2-2x+4) = x^3-2x^2+4x+3x^2-6x+12 = x^3+x^2-2x+12\) \(A = x^3+x^2-2x+12-5 = x^3+x^2-2x+7\) \(A = x^3 + x^2 - 2x + 7\)(\(a=1,b=-2,c=7\))
14
分数式の恒等式

\(\dfrac{9}{x(x+3)} = \dfrac{a}{x}+\dfrac{b}{x+3}\) が成り立つとき、\(a,\ b\) の値を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
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両辺に \(x(x+3)\) をかけて分母を払う。 \(9 = a(x+3)+bx\) これは整式の恒等式なので、\(x=0,\ -3\) を代入してよい。 \(x=0\) を代入:\(9 = 3a\) より \(a=3\) \(x=-3\) を代入:\(9 = -3b\) より \(b=-3\) 確認:\(a(x+3)+bx = 3(x+3)-3x = 9\) で左辺の分子と一致。 \(a=3,\ b=-3\)
15
等式の証明・恒等式の利用

\(a+b=1\) のとき、\(a^3+b^3 = 1-3ab\) であることを証明せよ。

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恒等式 \((a+b)^3=a^3+3ab(a+b)+b^3\) を変形すると \(a^3+b^3=(a+b)^3-3ab(a+b)\)。 条件 \(a+b=1\) を代入する。 \(a^3+b^3=1^3-3ab\times1=1-3ab\) よって \(a+b=1\) のとき \(a^3+b^3 = 1-3ab\) が成り立つ。
発展(16〜25)
16
多項定理

\((a+b+c)^5\) の展開における \(a^2b^2c\) の項の係数を求めよ。

係数
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多項定理より、\(a^pb^qc^r\)(\(p+q+r=n\))の項の係数は \(\dfrac{n!}{p!\,q!\,r!}\)。 \(a^2b^2c\) は \(p=2,\ q=2,\ r=1\)。\(p+q+r=2+2+1=5=n\) で条件を満たす。 係数は \(\dfrac{5!}{2!\,2!\,1!} = \dfrac{120}{2\times2\times1} = \dfrac{120}{4} = 30\)。 \(a^2b^2c\) の項の係数は \(30\)
17
割り算+恒等式の融合(連立)

整式 \(x^3+ax^2+bx-6\) が \(x-1\) で割り切れ、かつ \(x+2\) で割ると余りが \(-12\) であるとき、定数 \(a,\ b\) の値を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
\(f(x)=x^3+ax^2+bx-6\) とおく。 「\(x-1\)で割り切れる」は、\(x=1\)を代入した割り算の等式の余りが\(0\)ということ。実際に\(x^3+ax^2+bx-6\)を\(x-1\)で割ると、余りは\(1+a+b-6\)になる(筆算で確かめられる)。 \(1+a+b-6=0\) より \(a+b=5\) …(1) 「\(x+2\)で割ると余りが\(-12\)」も同様に、\(x^3+ax^2+bx-6\)を\(x+2\)で割った余りを計算すると\(-8+4a-2b-6\)になる。 \(-8+4a-2b-6=-12\) より \(4a-2b=2\)、両辺を2で割って \(2a-b=1\) …(2) (1)+(2):\((a+b)+(2a-b)=5+1\) より \(3a=6\)、\(a=2\)。(1)に代入して \(b=3\)。 検算:\(f(x)=x^3+2x^2+3x-6\)を実際に\(x-1\)で割ると、商\(x^2+3x+6\)・余り\(0\)になる。\((x-1)(x^2+3x+6)=x^3+3x^2+6x-x^2-3x-6=x^3+2x^2+3x-6\)ともとの式と一致し、割り切れることが確かめられた。同様に\(x+2\)で割ると、商\(x^2+3\)・余り\(-12\)になる。\((x+2)(x^2+3)+(-12)=x^3+2x^2+3x+6-12=x^3+2x^2+3x-6\)で、これももとの式と一致する。 \(a=2,\ b=3\)
18
分数式の乗除の複合

\(\dfrac{x^2-1}{x^2-5x+6} \div \dfrac{x+1}{x-2}\) を計算すると \(\dfrac{ax+b}{x+c}\) の形になる。\(a,\,b,\,c\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)  \(c=\)
解説を見る
割る式をひっくり返して掛け算に直す。 \(\dfrac{x^2-1}{x^2-5x+6} \times \dfrac{x-2}{x+1} = \dfrac{(x-1)(x+1)}{(x-2)(x-3)} \times \dfrac{x-2}{x+1}\) \((x+1)\)と\((x-2)\)が約分できて \(\dfrac{x^2-1}{x^2-5x+6} \div \dfrac{x+1}{x-2} = \dfrac{x-1}{x-3}\)(\(a=1,b=-1,c=-3\))
19
割り算の等式の活用(余りの決定)

整式 \(P(x)\) を \((x-1)(x-2)\) で割ると余りが \(3x-1\) であるという。\(P(x)\) を \(x-1\) で割った余りと、\(x-2\) で割った余りをそれぞれ求めよ。

\(x-1\)で割った余り  \(x-2\)で割った余り
解説を見る
割り算の等式より \(P(x) = (x-1)(x-2)Q(x) + 3x-1\)(\(Q(x)\)は商)。 \(x-1\)で割った余りを知りたいので、余りの部分\(3x-1\)を「\((x-1)\times○+□\)」の形に書き直す。 \(3x-1 = 3(x-1)+2\) これを代入すると \(P(x) = (x-1)(x-2)Q(x) + 3(x-1)+2 = (x-1)\{(x-2)Q(x)+3\}+2\) これは\(P(x)\)を\(x-1\)で割った商が\((x-2)Q(x)+3\)、余りが\(2\)であることを表す割り算の等式そのものである。 同様に\(x-2\)で割った余りを知りたいので、\(3x-1\)を「\((x-2)\times○+□\)」の形に書き直す。 \(3x-1 = 3(x-2)+5\) これを代入すると \(P(x) = (x-1)(x-2)Q(x) + 3(x-2)+5 = (x-2)\{(x-1)Q(x)+3\}+5\) これが\(P(x)\)を\(x-2\)で割った余りが\(5\)であることを表している。 \(x-1\)で割った余りは\(2\)、\(x-2\)で割った余りは\(5\)
20
相加相乗平均・置き換え型

\(x>1\) のとき、\(x+\dfrac{49}{x-1}\) の最小値を求めよ。

最小値  そのとき \(x=\)
解説を見る
\(x-1\) のかたまりが分母にあるので、\(t=x-1\) とおく(\(x>1\) より \(t>0\))。\(x=t+1\) なので \(x+\dfrac{49}{x-1} = (t+1)+\dfrac{49}{t} = \left(t+\dfrac{49}{t}\right)+1\) \(t>0\) なので相加平均・相乗平均の関係より \(t+\dfrac{49}{t} \ge 2\sqrt{t\cdot\dfrac{49}{t}} = 2\sqrt{49} = 14\) 等号は \(t=\dfrac{49}{t}\) より \(t^2=49,\ t>0\) から \(t=7\)。このとき \(x=t+1=8\)。 よって \(x+\dfrac{49}{x-1} \ge 14+1=15\)。 \(x=8\) のとき最小値 \(15\)
21
不等式の証明・2つの平方の和

実数 \(a,\ b\) について \(a^2+2b^2 \ge 2ab\) であることを証明せよ。

解説を見る
差をとる。 \((a^2+2b^2)-2ab = a^2-2ab+2b^2\) \(a\)についての平方の形を作るために、\(a^2-2ab+b^2\)(これは\((a-b)^2\))と、残りの\(b^2\)に分けて考える。 \(a^2-2ab+2b^2 = (a^2-2ab+b^2)+b^2 = (a-b)^2+b^2\) 2つの平方の和なので \((a-b)^2+b^2 \ge 0\)。よって \(a^2+2b^2-2ab \ge 0\)、すなわち \(a^2+2b^2 \ge 2ab\)。 等号は \(a-b=0\) かつ \(b=0\)、つまり \(a=b=0\) のとき。 \(a^2+2b^2 \ge 2ab\)(等号は \(a=b=0\) のとき)
22
相加相乗平均・条件式の利用

\(a>0,\ b>0\) で \(a+b=4\) のとき、\(\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}\) の最小値を求めよ。

最小値  そのとき \(a=b=\)
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左辺を通分する。 \(\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b} = \dfrac{a+b}{ab} = \dfrac{4}{ab}\)(条件 \(a+b=4\) を使った) そこで \(ab\) のとりうる最大値を調べる。\(a>0,\ b>0\) なので相加平均・相乗平均の関係より \(a+b \ge 2\sqrt{ab}\)、条件 \(a+b=4\) を代入して \(4 \ge 2\sqrt{ab}\)、よって \(\sqrt{ab} \le 2\)。 両辺とも0以上なので2乗しても不等号の向きは変わらず \(ab \le 4\)(等号は\(a=b\)のとき)。 \(ab>0\) かつ \(ab \le 4\) なので、逆数をとると不等号の向きが反転して \(\dfrac{4}{ab} \ge 1\)。 等号は \(ab=4\) かつ \(a+b=4\) のとき、すなわち \(a=b=2\) のとき。 \(a=b=2\) のとき最小値 \(1\)
23
対称式の恒等式

\(x+y=5,\ x^2+y^2=13\) のとき、恒等式を利用して \(xy\) の値と \(x^3+y^3\) の値を求めよ。

\(xy=\)  \(x^3+y^3=\)
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恒等式 \((x+y)^2=x^2+2xy+y^2\) を変形すると \(2xy=(x+y)^2-(x^2+y^2)\)。 \(2xy=5^2-13=25-13=12\) より \(xy=6\) 恒等式 \(x^3+y^3=(x+y)^3-3xy(x+y)\) より \(x^3+y^3=5^3-3\times6\times5=125-90=35\) \(xy=6,\ x^3+y^3=35\)
24
3次式の因数分解・数値計算

\(998^3-1\) を、3次式の因数分解の公式を使って(電卓を使わず)計算せよ。

値
解説を見る
\(998^3-1^3\) の形なので、公式 \(a^3-b^3=(a-b)(a^2+ab+b^2)\) を \(a=998,\ b=1\) で使う。 \(a-b = 998-1 = 997\) \(a^2+ab+b^2 = 998^2+998\times1+1^2\) \(998^2 = (1000-2)^2 = 1000000-4000+4 = 996004\)(公式の応用)なので \(a^2+ab+b^2 = 996004+998+1 = 997003\) したがって \(998^3-1 = 997\times997003\)。 \(997\times997003 = 997003\times(1000-3) = 997003000-2991009 = 994011991\) \(998^3-1 = 994{,}011{,}991\)
25
3変数の不等式・章の総仕上げ

実数 \(a,\ b,\ c\) が \(a+b+c=3\) を満たすとき、\(a^2+b^2+c^2\) の最小値を求めよ。

最小値  そのとき \(a=b=c=\)
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\(3(a^2+b^2+c^2)-(a+b+c)^2\) を計算してみる。 \(3(a^2+b^2+c^2)-(a+b+c)^2 = 3a^2+3b^2+3c^2-(a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca)\) \(= 2a^2+2b^2+2c^2-2ab-2bc-2ca\) \(= (a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2\) 3つの平方の和なので \((a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2 \ge 0\)。よって \(3(a^2+b^2+c^2)-(a+b+c)^2 \ge 0\) 条件 \(a+b+c=3\) を代入すると \(3(a^2+b^2+c^2)-9 \ge 0\)、すなわち \(a^2+b^2+c^2 \ge 3\)。 等号は \(a-b=0,\ b-c=0,\ c-a=0\) が同時に成り立つとき、つまり \(a=b=c\) のとき。これと \(a+b+c=3\) を合わせると \(a=b=c=1\)。 実際に \(a=b=c=1\) を代入すると \(a^2+b^2+c^2=1+1+1=3\) となり、最小値が実現できることも確認できる。 \(a=b=c=1\) のとき最小値 \(3\)
共通テスト形式チャレンジ

大問1 目標時間 8分/配点 20点

太郎さんは文化祭の展示用に、1辺の長さが\(x\)cmの立方体の模型を作った。これをもとに、すべての辺を\(a\)cmずつ伸ばした、少し大きい立方体を作ろうとしている。体積がどれだけ増えるかを、太郎さんと先生が話し合っている。

先生「もとの立方体の体積は\(x^3\)cm³だね。すべての辺を\(a\)cmずつ伸ばすと、新しい立方体の1辺の長さはどう表せる?」
太郎「はい。\((x+a)\)cmです。」
先生「じゃあ、3次の乗法公式を使って、新しい体積\(V\)を\(x\)と\(a\)の式で表してみよう。」
(1)

新しい立方体の体積\(V\)を、3次の乗法公式を用いて\(x\)と\(a\)の整式で表すと \[ V = x^3+\boxed{\text{ア}}x^2a+\boxed{\text{イ}}xa^2+a^3 \] となる。ア、イに入る数を求めよ。

ア イ
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新しい立方体の1辺は\((x+a)\)cmなので、体積は\((x+a)^3\)。 公式 \((a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3\) を、この場合は文字を\(x,\ a\)に合わせて使う。 \((x+a)^3 = x^3+3x^2a+3xa^2+a^3\) \(V = x^3+3x^2a+3xa^2+a^3\)
(2)

先生「\(x=10\)、\(a=2\)のときで、体積がどれだけ増えたか計算してみよう。」

(1)の結果を利用すると、\(x=10\)cm、\(a=2\)cmのときの体積の増加量(\(V-x^3\))は \(\boxed{\text{ウエオ}}\)cm³ である。

ウエオ
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体積の増加量は \(V-x^3 = 3x^2a+3xa^2+a^3\)((1)の結果から\(x^3\)を除いた部分)。 \(x=10,\ a=2\) を代入する。 \(3x^2a = 3\times10^2\times2 = 3\times100\times2 = 600\) \(3xa^2 = 3\times10\times2^2 = 3\times10\times4 = 120\) \(a^3 = 2^3 = 8\) 合計すると \(600+120+8 = 728\)。 体積の増加量は \(728\)cm³
(3)

花子「反対に、すべての辺を短くしたらどうなるだろう?」 花子さんは同じ立方体から、すべての辺を\(b\)cmずつ短くした模型を作ることにした(新しい体積は\((x-b)^3\))。(1)の結果を利用すると、\(x=10\)cm、\(b=1\)cmのとき、体積の減少量(\(x^3-(x-b)^3\))は \(\boxed{\text{カキク}}\)cm³ である。

カキク
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(1)で求めた \(V = x^3+3x^2a+3xa^2+a^3\) は、\(a\)にどんな数を代入しても成り立つ関係である。そこで\(a=-b\)を代入すると、辺を\(b\)cm短くした場合の体積\((x-b)^3\)の展開がそのまま得られる。 \((x-b)^3 = x^3+3x^2(-b)+3x(-b)^2+(-b)^3 = x^3-3x^2b+3xb^2-b^3\) 体積の減少量は \(x^3-(x-b)^3 = 3x^2b-3xb^2+b^3\)。\(x=10,\ b=1\) を代入する。 \(3x^2b = 3\times100\times1 = 300\) \(3xb^2 = 3\times10\times1 = 30\) \(b^3 = 1\) \(300-30+1 = 271\)。 (検算:\(x^3=1000\)、\((x-b)^3=9^3=729\)。直接引き算しても \(1000-729=271\) で一致する。) 体積の減少量は \(271\)cm³

大問2 目標時間 8分/配点 20点

花子さんは、文化祭の受付で使う横\(a\)m・縦\(b\)mの長方形の看板を、面積が\(16\)m²になるように作ろうとしている。看板のまわりを縁取りするテープの長さ(周の長さ)をできるだけ短くしたい。花子さんと先生が、相加平均・相乗平均の関係を使ってテープの長さを最小にする方法を話し合っている。

先生「\(a>0,\ b>0\)で\(ab=16\)という条件があるね。まず\(a+b\)の最小値を考えてみよう。」
(1)

\(a>0,\ b>0\) で \(ab=16\) のとき、相加平均・相乗平均の関係を利用すると、\(a+b\) の最小値は \(\boxed{\text{ア}}\)、そのときの \(a,\ b\) の値はどちらも \(\boxed{\text{イ}}\) である。

ア イ
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\(a>0,\ b>0\) なので相加平均・相乗平均の関係が使える。 \(a+b \ge 2\sqrt{ab} = 2\sqrt{16} = 2\times4 = 8\) 等号は \(a=b\) のとき。これと \(ab=16\) を連立すると \(a^2=16\)、\(a>0\)より\(a=4\)、よって\(b=4\)。 \(a+b\) の最小値は \(8\)(\(a=b=4\) のとき)
(2)

(1)の結果を利用すると、周の長さ \(L=2(a+b)\) の最小値は \(L=\boxed{\text{ウエ}}\) である。

ウエ
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(1)より \(a+b \ge 8\)(等号は\(a=b=4\)のとき)。両辺を2倍しても不等号の向きは変わらないので \(L=2(a+b) \ge 2\times8=16\) \(L\) の最小値は \(16\)(\(a=b=4\) のとき)
(3)

先生「実は看板を置く台の大きさの都合で、縦の長さ\(b\)は\(2\)m以上\(6\)m以下に制限されているんだ。」 この制限のもとでの \(L\) の最小値を求めると \(L=\boxed{\text{オカ}}\) である。

オカ
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(1)で示した不等式 \(a+b \ge 8\) は、\(a>0,\ b>0,\ ab=16\) を満たすすべての\(a,\ b\)について成り立つ。したがって、\(b\)の範囲を\(2 \le b \le 6\)に制限しても、この不等式自体は変わらず成り立つ。 問題は、等号が成り立つ点 \(a=b=4\)(つまり\(b=4\))が、制限された範囲 \(2 \le b \le 6\) の中に入っているかどうかである。\(2 \le 4 \le 6\) なので、\(b=4\)はこの範囲の中にある。 つまり、範囲を制限しても最小値をとる点\(b=4\)は使えるままなので、最小値は変わらず\(16\)である。 \(L\) の最小値は \(16\)(\(b=4\)は制限範囲\([2,6]\)の中にあるため、制限なしのときと同じ最小値が実現できる)
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

この章で学んだ「3次式の因数分解の公式」「整式の割り算の等式\(A=BQ+R\)」「恒等式の係数比較法・数値代入法」「等式・不等式の証明」は、一見バラバラな内容に見える。しかし、これらはすべて『2つの式が本当に等しい(ぴったり一致している)かどうかを確かめる』という1つの考え方でつながっている。このことを、それぞれの内容に軽く触れながら説明せよ。

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3次式の因数分解の公式(\(a^3\pm b^3=(a\pm b)(a^2\mp ab+b^2)\))は、右辺を実際に展開すると左辺と完全に一致することで初めて正しさが保証される公式である。公式を導くときも使うときも、根底にあるのは「左辺と右辺が同じ整式である」という事実そのものである。 整式の割り算の等式 \(A=BQ+R\) も同じ構造をしている。この等式は、\(A\)という整式と、\(BQ+R\)という整式が、\(x\)にどんな値を代入しても常に等しい(つまり恒等式である)ことを主張している。商\(Q\)と余り\(R\)を求める割り算の筆算は、この等式が成り立つように\(Q,R\)を決める作業にほかならない。 恒等式の係数比較法・数値代入法は、この「2つの整式が完全に一致する」という条件そのものを、具体的に計算で確かめる・利用するための手段である。係数比較法は「同じ次数の項の係数がすべて一致する」という、整式が一致するための必要十分条件を直接使う方法であり、数値代入法は「あらゆる\(x\)で値が一致する」という定義を、代表的ないくつかの\(x\)の値で確かめる方法である。 そして、等式・不等式の証明で使う「差をとる」という方針も、この考え方の延長線上にある。等式\(A=B\)の証明は、差\(A-B\)が恒等的に\(0\)になることを示す作業であり、これは「\(A\)と\(B\)が同じ整式(あるいは同じ値)である」ことを確認する作業そのものである。不等式\(A\ge B\)の証明も、差\(A-B\)が常に\(0\)以上になることを示しており、「差の符号が変わらない」という、等式の場合よりわずかに緩めた形の一致条件を確かめている。 このように、この章のすべての内容は、「2つの式(あるいは2つの値)が、ある意味で本当に一致しているかどうかを、展開・整理・比較という具体的な計算によって確かめる」という1つの考え方の、さまざまな現れ方にすぎない。 因数分解の公式・割り算の等式・恒等式の解法・証明の方針は、いずれも「2つの整式(または式の値)が本当に一致しているかを、展開・整理・比較によって確かめる」という同じ考え方の異なる現れ方である。
記2

\(a>0,\ b>0\) で \(a+b=6\) のとき、恒等式 \((a+b)^3=a^3+3ab(a+b)+b^3\) を用いて \(a^3+b^3\) を \(ab\) の式で表し、さらに相加平均・相乗平均の関係を用いて \(a^3+b^3\) の最小値を求めよ。

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恒等式 \((a+b)^3=a^3+3ab(a+b)+b^3\) を変形すると \(a^3+b^3=(a+b)^3-3ab(a+b)\)。 条件 \(a+b=6\) を代入する。 \(a^3+b^3 = 6^3-3ab\times6 = 216-18ab\) この式は\(ab\)についての1次式で、\(ab\)の係数が\(-18\)(負)なので、\(a^3+b^3\)を最小にするには\(ab\)をできるだけ大きくすればよい。 そこで\(ab\)のとりうる最大値を、相加平均・相乗平均の関係で調べる。\(a>0,\ b>0\)なので \(a+b \ge 2\sqrt{ab}\) 条件\(a+b=6\)を代入すると\(6 \ge 2\sqrt{ab}\)、よって\(\sqrt{ab}\le3\)。両辺とも0以上なので2乗して\(ab\le9\)。 等号は\(a=b\)のとき。これと\(a+b=6\)を合わせると\(a=b=3\)。 つまり\(ab\)の最大値は\(9\)(\(a=b=3\)のとき)である。\(a^3+b^3=216-18ab\)は\(ab\)が大きいほど小さくなる式だったから、\(ab=9\)のときに\(a^3+b^3\)は最小になる。 \(a^3+b^3 = 216-18\times9 = 216-162 = 54\) 検算として\(a=b=3\)を直接代入すると、\(a^3+b^3=3^3+3^3=27+27=54\)となり一致する。 \(a^3+b^3=216-18ab\)。\(a=b=3\)のとき最小値\(54\)