この章で学ぶこと
数C第2章「平面上の曲線と複素数平面」は、これまで座標平面の中だけで考えてきた図形の世界を、放物線・楕円・双曲線という多様な曲線と、複素数という新しい「数」の世界にまで広げる章である。第1章「ベクトル」で身につけた座標や図形の扱い方は、この章で学ぶ媒介変数表示や極座標という新しい表し方の土台になっている。また数学IIの第2章「複素数と方程式」で導入された虚数は、この章で複素数平面という図形的な舞台を得て、掛け算が「回転と拡大」という目に見える操作として理解できるようになる。前半(1〜2節)で曲線そのものの性質と表し方を学び、後半(3〜4節)で複素数を図形として扱う視点を身につけ、最後にその両方を組み合わせたド・モアブルの定理とn乗根という美しい構造にたどりつく。ここで身につけた「式の性質を図形的に読み取る」という姿勢は、数学IIIで曲線の接線や面積を計算する場面にもそのまま生きてくる。
学習の順路
下から順番に読み進めよう。1で曲線そのものの定義を、2で曲線の表し方を増やし、3〜4で複素数を図形として扱う技術を仕上げる、という流れになっている。
- 1. 2次曲線(放物線・楕円・双曲線) ― 焦点を使って放物線・楕円・双曲線を統一的に定義し、直線との共有点・接線の公式まで学ぶ。
- 2. 媒介変数表示・極座標 ― 曲線を \(t\) や \(\theta\) という別の変数で表す方法と、原点からの距離・角度で位置を表す極座標を学ぶ。
- 3. 複素数平面 ― 複素数を座標平面上の点として扱い、絶対値・極形式・積と商の図形的な意味を学ぶ。
- 4. ド・モアブルの定理 ― 複素数の累乗を極形式で一気に計算する方法と、1のn乗根が正多角形の頂点になることを学ぶ。
要点整理 2次曲線の3つの顔(放物線・楕円・双曲線)
「焦点までの距離」という同じキーワードで、3つの曲線がどう違うかを対比しておくと、公式を丸暗記せずに済む。
焦点までの距離=準線までの距離
\(y^2=4px\)
焦点 \((p,0)\)、準線 \(x=-p\)
2焦点までの距離の和が一定(\(=2a\))
\(\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1\)
\(c^2=a^2-b^2\)
2焦点までの距離の差の絶対値が一定(\(=2a\))
\(\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1\)
\(c^2=a^2+b^2\)
要点整理 媒介変数表示・極座標の変換
曲線の表し方が増えるほど、たがいの行き来(変換)を素早くできることがそのまま得点力になる。
媒介変数の消去 \(t=\) の形にできるならそのまま代入する。\(\cos\theta,\ \sin\theta\) の形が出てきたら \(\cos^2\theta+\sin^2\theta=1\) を使う(双曲線の媒介変数表示なら \(\dfrac{1}{\cos^2\theta}-\tan^2\theta=1\) を使う)。
要点整理 複素数平面の基本
複素数を「座標平面上の点」として扱えるようになったことが、この単元最大の転換点。絶対値は距離、極形式は「原点からの距離と角度」という意味を、常に図とセットで思い出そう。
極形式 \(z=r(\cos\theta+i\sin\theta)\)(\(r=|z|,\ \theta=\arg z\))。直交形式との行き来は \(a=r\cos\theta,\ b=r\sin\theta\)。
共役複素数 \(\bar{z}=a-bi\) は実軸に関して対称。\(z\bar{z}=|z|^2\)。
内分点 \(z_1,\ z_2\) を \(m:n\) に内分する点は \(z=\dfrac{nz_1+mz_2}{m+n}\)。
\(\dfrac{z}{w}\) が実数 ⟺ 虚部が0、純虚数 ⟺ 実部が0かつ虚部が0でない(分母の共役をかけて実数化してから判定する)。
要点整理 ド・モアブルの定理とn乗根
「累乗の計算」と「方程式を解く」は、実は同じ定理の表と裏。極形式に直しさえすれば、どちらも同じ機械的な手順で処理できる。
この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」、根号は「√3」または「sqrt3」、円周率は「π」または「pi」で入力できる。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。
\(y^2=12x\) の焦点の座標と準線の方程式を求めよ。
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\(\dfrac{x^2}{100}+\dfrac{y^2}{36}=1\) の焦点の座標と長軸の長さを求めよ。
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\(\dfrac{x^2}{4}-\dfrac{y^2}{12}=1\) の焦点の座標と漸近線の傾き(正の方)を求めよ。
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\(x = 3t-1,\ y = t^2+2\) について、\(t=2\) のときの \((x,y)\) を求めよ。
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\(x = 2t-3,\ y = 4t+1\) から \(t\) を消去すると \(y = ax+b\) の形になる。\(a,\ b\) を求めよ。
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極座標 \((r,\theta)=\left(6,\ \dfrac{\pi}{3}\right)\) を直交座標に変換せよ。
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直交座標 \((x,y)=(-3,\ 3\sqrt3)\) を極座標 \((r,\theta)\)(\(0 \le \theta < 2\pi\))に変換せよ。
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極方程式 \(r=6\cos\theta\) は円 \((x-a)^2+y^2=b^2\) を表す。\(a\)(中心の\(x\)座標)と \(b\)(半径)を求めよ。
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\(z = 5+12i\) のとき、\(|z|\) を求めよ。
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\(z = -8+6i\) のとき、\(|z|\) を求めよ。
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\(z = -\sqrt3+i\) の偏角 \(\theta\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。
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\(z = 6(\cos150° + i\sin150°)\) を直交形式 \(z=a+bi\) で表すとき、\(a\) と \(b\) を求めよ。
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\(\left(\cos\dfrac{\pi}{4}+i\sin\dfrac{\pi}{4}\right)^3\) の値を求めよ。
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\(\left(\cos\dfrac{\pi}{2}+i\sin\dfrac{\pi}{2}\right)^4\) の値を求めよ。
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\((1-i)^2\) を計算せよ。
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焦点が \((0,\ 5)\)、\((0,\ -5)\) で、長軸の長さが \(26\) である楕円について、標準形 \(\dfrac{x^2}{b^2}+\dfrac{y^2}{a^2}=1\)(焦点が\(y\)軸上)の \(a,\ b\) の値を求めよ。
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\(x=\dfrac{5}{\cos\theta},\ y=3\tan\theta\) から \(\theta\) を消去すると \(\dfrac{x^2}{a}-\dfrac{y^2}{b}=1\) の形になる。\(a,\ b\) を求めよ。
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双曲線 \(\dfrac{x^2}{9}-\dfrac{y^2}{4}=1\) と直線 \(y=2x+1\) の共有点の個数を求めよ。
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2次曲線の方程式 \(x^2+9y^2-4x+18y+4=0\) を平方完成して標準形に直し、中心の座標と \(a^2,\ b^2\) の値を求めよ。
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極方程式 \(r\cos\left(\theta-\dfrac{\pi}{3}\right)=4\) が表す直線の方程式は \(x+\sqrt3y=c\) の形になる。\(c\) を求めよ。
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極方程式 \(r=8\sin\theta-6\cos\theta\) はどんな図形を表すか。中心の座標と半径を求めよ。
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\(z_1 = 2-2i,\ z_2 = -\sqrt3+i\) のとき、\(|z_1z_2|\) と \(\arg(z_1z_2)\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。(それぞれの絶対値・偏角を先に求めてから計算するとよい)
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\(z=2+ti\)(\(t\)は実数の定数)、\(w=3-i\) のとき、\(\dfrac{z}{w}\) が純虚数となるような \(t\) の値を求めよ。
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方程式 \(z^6=64\) の解のうち、偏角が正で最小のものの偏角 \(\theta\)(\(0\le\theta<2\pi\))を求めよ。(\(\pi\) を用いて分数の形で入力)
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\(z=\dfrac{4}{\sqrt3+i}\) とするとき、\(z^n\) が実数になる最小の自然数 \(n\) を求めよ。
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答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。
この章では、2次曲線(放物線・楕円・双曲線)を「焦点までの距離」という条件で定義する一方、複素数平面では複素数の積を「回転と拡大」という操作として理解した。一見まったく別々に見えるこの2つの内容には、「式の性質を図形的に読み取る」という共通の姿勢が流れている。それぞれから具体例を1つずつ挙げながら、この共通する姿勢について説明せよ。
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複素数 \(z\) が、2点 \(A(3)\)、\(B(-3)\) までの距離の和 \(|z-3|+|z+3|=10\) を満たすとき、点 \(z\) が描く図形は2次曲線のどれになるか。標準形の方程式と焦点の座標を求めよ。またこの問題が、複素数の絶対値をどのように読み替えることで、第1節で学んだ曲線の定義に結びつくのかを説明せよ。
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先生「アンテナの断面を、頂点が原点、軸が\(y\)軸である放物線 \(x^2=4py\) と考えよう。」
太郎「今回作るアンテナは、底(頂点)からの深さが\(2\)cmのところで、開口部の半径が\(4\)cmになるように設計したいです。」
先生「それなら、その1点 \((4,\ 2)\) を放物線の式に代入すれば \(p\) が求まるね。」
この放物線の方程式は \(x^2=\boxed{\text{ア}}y\) の形になる。またこの放物線の焦点の座標(受信部を置くべき位置)は、頂点から距離 \(\boxed{\text{イ}}\)cm の点である。
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花子「アンテナをもう少し大きくして、開口部の半径を\(6\)cmにしたら、深さはどう変わりますか。」
(1)で求めた放物線 \(x^2=8y\) 上で、半径が\(6\)cmになる点の深さ \(y\) を求めると、\(y=\dfrac{\boxed{\text{ウ}}}{\boxed{\text{エ}}}\)cm である。
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太郎「(2)の縁の点から、受信部(焦点)までの距離も知りたいです。」
放物線の定義(焦点までの距離=準線までの距離)を用いると、その距離は \(\dfrac{\boxed{\text{オカ}}}{\boxed{\text{キ}}}\)cm である。
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先生「ゴンドラAの初期位置は、複素数 \(z_0=-10i\) で表せるね。観覧車が反時計回りに回転すると、位置を表す複素数に、回転角に応じた複素数をかければいい。」
花子「複素数の積は、回転と拡大・縮小の組み合わせでしたね。今回は半径が変わらないから、かける数の絶対値はいつも\(1\)ということですね。」
\(120°\)回転させるには \(\cos120°+i\sin120°=-\dfrac12+\dfrac{\sqrt3}{2}i\) をかければよい。これを用いて、\(120°\)回転した後のゴンドラAの位置 \(z_1=z_0(\cos120°+i\sin120°)\) を \(a+bi\) の形で求めると、実部 \(a=\boxed{\text{ア}}\sqrt{\boxed{\text{イ}}}\)、虚部 \(b=\boxed{\text{ウ}}\) である。
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太郎「ゴンドラAが1周するのに12分かかるとしたら、回転を始めてから8分後には、何度回転していますか。」
回転角は \(\boxed{\text{エオカ}}°\)である。このときのゴンドラAの位置を \(a+bi\) の形で求めると、実部 \(a=-\boxed{\text{キ}}\sqrt{\boxed{\text{ク}}}\)、虚部 \(b=\boxed{\text{ケ}}\) である(符号に注意せよ)。
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花子「ゴンドラAが再び最初の位置(中心の真下)に戻ってくるのは、最短で何分後ですか。」
ゴンドラAが最短で最初の位置に戻るのは、回転を始めてから \(\boxed{\text{コサ}}\)分後であり、そのとき \(\boxed{\text{シ}}\)回転している。