ド・モアブルの定理
複素数の積は「絶対値の積・偏角の和」になるのだった。同じ数を何回もかけると、偏角がどんどん足し合わされていく。これを式にまとめたのがド・モアブルの定理。
絶対値1の複素数 \(\cos\theta+i\sin\theta\) を\(n\)回かけ合わせると、絶対値は \(1^n=1\) のまま、偏角だけが \(n\) 倍される、という意味。まずは \(n=2,\ 3\) の場合で確かめてみよう。
確認1 \(n=2\) のとき、\((\cos\theta+i\sin\theta)^2 = \cos2\theta+i\sin2\theta\) となることを確かめよ。
解答を見る
確認2 \(n=3\) のとき、\((\cos\theta+i\sin\theta)^3 = \cos3\theta+i\sin3\theta\) となることを確かめよ。
解答を見る
累乗の計算
\(z=a+bi\) の形のままでは10乗・20乗の計算はつらい。そこで \(z\) を極形式 \(r(\cos\theta+i\sin\theta)\) に直してからド・モアブルの定理を使うと、\(z^n = r^n(\cos n\theta+i\sin n\theta)\) の形で一気に計算できる。
手順2 ド・モアブルの定理で \(z^n = r^n(\cos n\theta+i\sin n\theta)\) を計算する
手順3 \(n\theta\) の角度を \(0\) 以上 \(360°\)(\(2\pi\))未満に直して、\(\cos,\ \sin\) の値を求める
例題1 \((1+i)^{10}\) を計算せよ。
解答を見る
例題2 \((\sqrt3+i)^6\) を計算せよ。
解答を見る
1のn乗根
方程式 \(z^n=1\) の解を「1の\(n\)乗根」と呼ぶ。\(n\) 個の解はすべて絶対値1(単位円上)にあり、偏角がきれいに等間隔に並ぶ。実は正n角形の頂点になっている。
\(z=\cos\theta+i\sin\theta\)(\(r=1\))とおける理由:もし \(z^n=1\) で \(r\ne1\) なら \(r^n=1\) を満たす正の実数 \(r\) は \(r=1\) しかないので、\(z\) は必ず絶対値1になる。あとはド・モアブルの定理より
\[ z^n = \cos n\theta + i\sin n\theta = 1 = \cos0+i\sin0 \]これより \(n\theta = 2k\pi\)(\(k\) は整数)、つまり \(\theta=\dfrac{2k\pi}{n}\)。\(k=0,1,2,\dots,n-1\) の \(n\) 個で偏角が \(0°〜360°\) をちょうど1周し、それ以降は同じ解の繰り返しになる。
例題 方程式 \(z^3=1\) を解け。
解答を見る
方程式 \(z^n=\alpha\) の解き方
1のn乗根と同じ考え方は、右辺が \(1\) 以外の複素数 \(\alpha\) でもそのまま使える。\(\alpha\) を極形式に直してから、絶対値と偏角を別々に処理すればよい。
例題 方程式 \(z^4=-16\) を解け。
解答を見る
答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「1/2」、根号は「√3/2」または「sqrt3/2」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。
\(\left(\cos\dfrac{\pi}{6}+i\sin\dfrac{\pi}{6}\right)^2\) の値を求めよ。
解説を見る
\(\left(\cos\dfrac{\pi}{4}+i\sin\dfrac{\pi}{4}\right)^2\) の値を求めよ。
解説を見る
\(\left(\cos\dfrac{\pi}{6}+i\sin\dfrac{\pi}{6}\right)^4\) の値を求めよ。
解説を見る
\(\left(\cos\dfrac{\pi}{4}+i\sin\dfrac{\pi}{4}\right)^4\) の値を求めよ。
解説を見る
\(\left(\cos\dfrac{\pi}{2}+i\sin\dfrac{\pi}{2}\right)^3\) の値を求めよ。
解説を見る
\(\left(\cos\dfrac{\pi}{3}+i\sin\dfrac{\pi}{3}\right)^6\) の値を求めよ。
解説を見る
\((1+i)^2\) を計算せよ。
解説を見る
\((1-i)^4\) を計算せよ。
解説を見る
\((-1+i)^6\) を計算せよ。
解説を見る
\((\sqrt3+i)^6\) を計算せよ。
解説を見る
\((\sqrt3-i)^3\) を計算せよ。
解説を見る
\((2+2i)^3\) を計算せよ。
解説を見る
方程式 \(z^5=1\) の解のうち、偏角が正で最小のものの偏角 \(\theta\)(\(0\le\theta<2\pi\))を求めよ。(\(\pi\) を用いて分数の形で入力)
解説を見る
方程式 \(z^6=1\) の解は全部で何個あるか。また、そのうち実数である解は何個あるか。
解説を見る
方程式 \(z^4=-1\) の解のうち、偏角が正で最小のものの偏角 \(\theta\)(\(0\le\theta<2\pi\))を求めよ。(\(\pi\) を用いて分数の形で入力)
解説を見る
方程式 \(z^3=8i\) の解のうち、偏角が最大となるものの偏角 \(\theta\)(\(0\le\theta<2\pi\))を求めよ。(\(\pi\) を用いて分数の形で入力)
解説を見る
ここから先はPDF限定の腕試し。ド・モアブルの定理の応用に挑戦しよう。
絶対値1の複素数 \(z\) が \(z+\dfrac1z=2\cos\dfrac{\pi}{5}\) を満たすとき、\(z^5+\dfrac1{z^5}\) の値を求めよ。
解説を見る
1の5乗根を偏角の小さい順に \(z_0=1,\ z_1,\ z_2,\ z_3,\ z_4\) とする。\(z_0+z_1+z_2+z_3+z_4\) の値を求めよ。
解説を見る
1の6乗根をすべてかけ合わせた積、およびすべて足し合わせた和を求めよ。
解説を見る
1の6乗根を頂点とする正六角形(半径1の円に内接)の面積を求めよ。
解説を見る
方程式 \(z^4=-8+8\sqrt3\,i\) の解のうち、偏角が正で最小のものを極形式 \(z=r(\cos\theta+i\sin\theta)\) の形で求めよ。\(r\) と \(\theta\) をそれぞれ答えよ。