最大公約数・最小公倍数 ― 素因数分解から求める
2つ以上の整数に共通な約数のうち、いちばん大きいものを最大公約数(\(\gcd\))という。共通な倍数のうち、いちばん小さいものを最小公倍数(\(\operatorname{lcm}\))という。素因数分解を使うと、この2つを機械的に求められる。
重なる部分(共通部分)が「公約数」の集合。その中でいちばん大きいものが最大公約数。
例えば \(60\) と \(84\) の最大公約数・最小公倍数を求めてみよう。まず素因数分解する。
最大公約数:共通する素因数を、指数が小さい方だけ取ってかける。
\(\gcd(60,84) = 2^2 \times 3 = 12\)
最小公倍数:現れるすべての素因数を、指数が大きい方だけ取ってかける(一方にしかない素因数も忘れずに含める)。
\(\operatorname{lcm}(60,84) = 2^2 \times 3 \times 5 \times 7 = 420\)
例題1 \(96\) と \(60\) の最大公約数・最小公倍数を求めよ。
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ここで、2つの整数 \(a, b\) について、次の関係がいつでも成り立つ。
例題2 \(a\) と \(b\) の最大公約数が \(7\)、積 \(a\times b\) が \(1260\) であるとき、最小公倍数を求めよ。
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ユークリッドの互除法 ― 原理を証明する
桁数が大きい数どうしでは、素因数分解でGCDを求めるのは大変になる。もっと機械的で、どんな整数にも通用する方法が「ユークリッドの互除法」だ。
証明 \(d = \gcd(a,b)\) とする。\(d\) は \(a\) と \(b\) をともに割り切る。\(r = a - bq\) であり、\(bq\) は \(b\) の倍数(つまり \(d\) の倍数)だから、\(d\) の倍数どうしの差である \(r\) も \(d\) で割り切れる。よって \(d\) は \(b\) と \(r\) の公約数の1つである。
逆に \(e = \gcd(b,r)\) とする。\(e\) は \(b\) と \(r\) をともに割り切る。\(a = bq + r\) は「\(e\) の倍数」と「\(e\) の倍数」の和なので、\(e\) は \(a\) も割り切る。よって \(e\) は \(a\) と \(b\) の公約数の1つである。
したがって「\(a,b\) の公約数の集合」と「\(b,r\) の公約数の集合」はまったく同じ集合になる。同じ集合の中の最大値どうしは等しいから、\(\gcd(a,b) = \gcd(b,r)\) が成り立つ。
例題 \(84\) と \(36\) の最大公約数を互除法で求めよ。
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例題 \(272\) と \(119\) の最大公約数を互除法で求めよ。
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互除法で計算練習 ― 大きい数にこそ威力を発揮
桁数が大きくなると素因数分解は骨が折れるが、互除法なら「割って余りを出す」という同じ手順をただ繰り返すだけでよい。実際にやってみよう。
例題 \(2310\) と \(1785\) の最大公約数を互除法で求めよ。
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互除法の手順まとめ:大きい方を小さい方で割り、余りを出す → 「割る数」と「余り」の組で同じことを繰り返す → 余りが \(0\) になったときの割る数が最大公約数。どちらが大きくてもよい(もし \(a \lt b\) なら先に入れ替えて割ればよい)。
互いに素 ― 最大公約数が1になるとき
2つの整数の最大公約数が \(1\) であるとき、その2数は互いに素であるという。整数の性質を調べるうえで、とても大切な考え方。
\(n\) と \(n+1\) の最大公約数は、\(n\) がどんな自然数でも \(1\) である。
証明:\(d\) を \(n\) と \(n+1\) の公約数とする。\(d\) は差 \((n+1)-n=1\) も割り切る。\(1\) を割り切る自然数は \(1\) しかないので \(d=1\)。よって \(n\) と \(n+1\) の公約数は \(1\) しかなく、\(\gcd(n,n+1)=1\)。
連続する2つの整数の約数の集合は、\(1\) 以外に共通部分を持たない→互いに素。
\(a\) と \(b\) が互いに素であるとき、分数 \(\dfrac{a}{b}\) はこれ以上約分できない(既約分数)。逆に、約分できる分数は分子と分母が互いに素でない(共通な約数を持つ)ということ。
\(a\times b = \gcd(a,b)\times\operatorname{lcm}(a,b)\) で \(\gcd(a,b)=1\) のときは \(\operatorname{lcm}(a,b) = a\times b\) となる。共通な素因数が1つもないので、最小公倍数は単純に2数をかけ合わせたものになる。
例題1 \(50\) と \(51\) は互いに素であることを確かめよ。
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例題2 分数 \(\dfrac{108}{144}\) は既約分数か。既約分数でなければ約分せよ。
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解き方の流れ(まとめ)
答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。
\(18\) と \(24\) の最大公約数・最小公倍数を求めよ。
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\(36\) と \(84\) の最大公約数・最小公倍数を求めよ。
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\(45\) と \(150\) の最大公約数・最小公倍数を求めよ。
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\(63\) と \(90\) の最大公約数・最小公倍数を求めよ。
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\(112\) と \(84\) の最大公約数・最小公倍数を求めよ。
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\(72\) と \(90\) の最大公約数は \(18\) である。このとき、最小公倍数を求めよ。
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\(36\) と \(48\) の最小公倍数は \(144\) である。このとき、最大公約数を求めよ。
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\(84\) を \(36\) で割ると商 \(2\)、余り \(r_1\)。次に \(36\) を \(r_1\) で割ると割り切れた(余り \(0\))。\(84\) と \(36\) の最大公約数を互除法で求めよ。
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\(154\) を \(98\) で割ると商 \(1\)、余り \(r_1\)。次に \(98\) を \(r_1\) で割ると商 \(1\)、余り \(r_2\)。次に \(r_1\) を \(r_2\) で割ると商 \(1\)、余り \(14\)。最後に \(r_2\) を \(14\) で割ると割り切れた。\(154\) と \(98\) の最大公約数を求めよ。
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\(1271\) を \(779\) で割ると商 \(1\)、余り \(r_1\)。以下同様に割り算を繰り返していくと、最終的に割り切れる。\(1271\) と \(779\) の最大公約数を求めよ。
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\(\gcd\) の考え方を使って、分数 \(\dfrac{126}{210}\) を既約分数にせよ。
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2つのランプ A, B がある。A は \(20\) 秒おきに、B は \(30\) 秒おきに点滅する。いま同時に点滅したとすると、次に同時に点滅するのは何秒後か。
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\(24\)、\(36\)、\(60\) の最大公約数・最小公倍数を求めよ。
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たて \(168\)cm、よこ \(120\)cm の長方形の床に、すき間なく同じ大きさの正方形のタイルを敷き詰めたい。タイルをできるだけ大きくするには、一辺を何cmにすればよいか。また、そのときタイルは何枚必要か。
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長方形の池のまわりの遊歩道(たて \(84\)m、よこ \(126\)m)に沿って木を植える。四すみには必ず木を植え、残りも等間隔になるようにしたい。間隔をできるだけ広くとるには何mおきにすればよいか。また、木は全部で何本必要か。
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えんぴつ \(72\)本とノート \(108\)冊を、余りが出ないように、できるだけ多くの子どもに同じ数ずつ配りたい。何人に配れるか。また、そのとき1人あたりのえんぴつとノートはそれぞれ何本・何冊か。
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互除法を使って \(2415\) と \(1035\) の最大公約数を求め、分数 \(\dfrac{2415}{1035}\) を既約分数にせよ。
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\(n\) を自然数とするとき、\(n\) と \(n+1\) の最大公約数を、互除法の考え方(\(\gcd(a,b)=\gcd(b,r)\))を使って求めよ。
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ここから先はPDF限定の腕試し。最大公約数・最小公倍数の考え方を、もう一段深く使ってみよう。
2つの自然数 \(a, b\)(\(a \lt b\))の最大公約数が \(6\)、最小公倍数が \(180\) であり、\(a+b=102\) であるという。\(a\)、\(b\) を求めよ。
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\(2024\) と \(2025\) の最大公約数を、素因数分解ではなく「連続する整数は互いに素である」という性質を使って求めよ。またその理由も説明せよ。
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自然数 \(n\) について、\(\dfrac{n+11}{n+2}\) が整数となるような \(n\) をすべて求めよ。(コンマ区切りで入力)
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長さ \(150\)cm、\(210\)cm、\(270\)cm の3本のロープを、余りが出ないようにすべて同じ長さに切り分けたい。1本の長さをできるだけ長くするには何cmにすればよいか。また、ロープは全部で何本できるか。
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2つの自然数 \(a, b\) の最大公約数は \(15\)、積 \(a\times b\) は \(6750\) であるという。\(a\) と \(b\) の最小公倍数を求めよ。また、\(a \lt b\) として \(a, b\) の組をすべて求めよ。