この章で学ぶこと

微分法は、数IIで学んだ多項式関数の微分を土台に、その適用範囲を一気に広げる章である。前章「関数の極限」で身につけた極限の計算、とくに \(\displaystyle\lim_{x\to0}\frac{\sin x}{x}=1\) という公式が、ここで三角関数の導関数を導く鍵になる。前半(1〜2)では積・商・合成関数の微分公式を整え、その公式を三角関数・対数関数・指数関数へと拡張し、対数微分法や陰関数・媒介変数表示といった新しい微分のテクニックを身につける。後半(3〜4)では、求めた導関数を使って接線・法線、増減表、極値、凹凸、グラフの概形を調べ、さらに方程式の解の個数・不等式の証明・速度と加速度・近似式といった実際の応用へとつなげていく。ここで身につけた微分の技術は、次章「積分法」で微分の逆演算として全面的に使われることになる。

学習の順路

下から順番に読み進めよう。1〜2で「微分の公式」を数IIIの関数すべてに使えるように整え、3で「接線・増減・グラフ」に発展させ、4で「実際の応用」へとつなげる、という流れになっている。

  1. 1. 微分の計算(積・商・合成) ― 積の微分・商の微分・合成関数の微分(チェーンルール)の3公式と、\(x^n\)の微分公式が負の指数・分数の指数にも拡張できることを学ぶ。
  2. 2. いろいろな関数の導関数 ― 三角関数・対数関数・指数関数の導関数、対数微分法、高次導関数、陰関数・媒介変数表示の微分を学ぶ。
  3. 3. 接線・増減・グラフ ― 接線・法線の方程式、\(f'(x)\)の符号による増減と極値の判定、\(f''(x)\)の符号による凹凸と変曲点の判定、漸近線を含むグラフの概形の描き方を学ぶ。
  4. 4. 微分の応用(速度・近似・不等式) ― 方程式の実数解の個数をグラフの交点として捉える方法、不等式の証明、速度・加速度、接線を使った1次近似の計算を学ぶ。

要点整理 微分の公式一覧

この章で新しく増える公式は多いが、テストで実際に使うのは「どの公式を使う形の式か」を見抜くところが8割。まずは公式そのものを一覧で押さえておこう。

積・商・合成の微分公式
\[ (fg)' = f'g+fg', \qquad \left(\frac{f}{g}\right)' = \frac{f'g-fg'}{g^2}, \qquad \frac{dy}{dx}=\frac{dy}{du}\cdot\frac{du}{dx}\ (y=f(u),\ u=g(x)) \]
\(x^n\)の微分公式(\(n\)は実数全体でOK)
\[ (x^n)' = nx^{n-1} \] 負の指数・分数の指数も同じ形で使える。根号や分数式は先に指数の形に書きかえてから微分するのがコツ(\(\sqrt{x}=x^{\frac12}\)、\(\dfrac1{x^2}=x^{-2}\) など)。
三角関数・対数関数・指数関数の導関数
\[ (\sin x)'=\cos x,\quad (\cos x)'=-\sin x,\quad (\tan x)'=\frac{1}{\cos^2x} \] \[ (\ln x)'=\frac1x\ (x>0), \qquad (a^x)'=a^x\ln a,\quad \text{特に}\ (e^x)'=e^x \]
対数微分法を使う場面
積・商・累乗が何個も絡んで複雑な式、または \(y=f(x)^{g(x)}\) のように指数の位置に変数がある式。両辺の対数をとると積が和に、商が差に、累乗が係数に変わって計算が楽になる。
通常の公式で足りる場面
因数が2〜3個程度、指数の位置に変数がない式。積・商・合成の公式を直接あてはめる方が速い。
注意 対数微分法で \(\ln y\) を微分するとき、答えは \(\dfrac1y\) ではなく\(\dfrac{y'}{y}\)(\(y\)が\(x\)の関数なのでチェーンルールがつく)。ここを忘れると計算全体が崩れる。

要点整理 接線・増減・極値・凹凸

この章のいちばんの土台は「\(f'(x)\)の符号=グラフの向き」という対応。増減表・極値・凹凸・変曲点まで、すべて同じ考え方でつながっている。

接線・法線の方程式 曲線 \(y=f(x)\) 上の点 \((a,\ f(a))\) における \[ \text{接線:}\ y=f'(a)(x-a)+f(a), \qquad \text{法線:}\ y=-\frac{1}{f'(a)}(x-a)+f(a)\ (f'(a)\neq0) \]
手順1 \(f'(x)=0\) となる\(x\)(候補点)を求める
↓
手順2 候補点の前後で\(f'(x)\)の符号を調べ、増減表にまとめる
↓
手順3 符号が\(+\to-\)なら極大、\(-\to+\)なら極小と確定する
注意(頻出のワナ) \(f'(a)=0\)は極値の必要条件にすぎず、十分ではない。\(x=a\)の前後で符号が実際に変わることまで確認して、初めて極値と言える(例:\(f(x)=x^3\)は\(f'(0)=0\)だが極値ではない)。
凹凸・変曲点の判定 \(f''(x)>0\to\)下に凸、\(f''(x)<0\to\)上に凸。\(f''(x)=0\)の前後で凹凸が実際に入れ替わる点だけが変曲点。

要点整理 方程式・不等式・応用(速度・近似)

求めた導関数は、そのままでは終わらない。方程式の解の個数、不等式の証明、動く点の速さ、複雑な数の近似値まで、微分は「調べる道具」として様々な場面で使われる。

方程式の解の個数 \(f(x)=k\) の実数解の個数 = \(y=f(x)\)のグラフと横線\(y=k\)の交点の個数。3次関数なら、極大値・極小値と\(k\)の大小関係で交点の数(1個・2個・3個)が決まる。
手順1 \(g(x)=A-B\) とおく(示したい不等式を\(A\ge B\)や\(A>B\)の形にする)
↓
手順2 \(g'(x)\)から増減表をつくり、\(g(x)\)の最小値を求める
↓
手順3 最小値が\(0\)以上(または0より大きい)ことを確認する。等号なしの不等式なら、等号が成り立つ点が証明したい範囲から除かれていることまで言い切る
速度・加速度と近似式
位置 \(x=f(t)\) のとき 速度 \(v=f'(t)\)、加速度 \(a=f''(t)\)(平面上の運動の速さは \(\sqrt{(dx/dt)^2+(dy/dt)^2}\))

\(x\) が \(a\) に近いとき \(f(x)\fallingdotseq f(a)+f'(a)(x-a)\)。とくに \((1+x)^n\fallingdotseq1+nx\)(\(x\)が0に近いとき)はよく使う。
まとめテスト(標準)

この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜15)
1
積の微分・基本

\(y = x^2(2x-1)\) を微分したとき、\(y'\) の \(x^2\) の係数と \(x\) の係数を求めよ。

\(x^2\)の係数  \(x\)の係数
解説を見る
\(f(x)=x^2,\ f'(x)=2x\)、\(g(x)=2x-1,\ g'(x)=2\) とおく。 \[ y' = 2x(2x-1)+x^2\cdot2 = 4x^2-2x+2x^2 \] \(y' = 6x^2-2x\)
2
積の微分・特定点での値

\(y = (x+2)(x^2-3)\) を微分し、\(y'(1)\) の値を求めよ。

\(y'(1)=\)
解説を見る
\(f(x)=x+2,\ f'(x)=1\)、\(g(x)=x^2-3,\ g'(x)=2x\) とおく。 \[ y' = 1\cdot(x^2-3)+(x+2)\cdot2x = x^2-3+2x^2+4x = 3x^2+4x-3 \] \(x=1\) を代入すると \(y'(1)=3+4-3\)。 \(y'(1) = 4\)
3
商の微分・基本

\(y = \dfrac{2x+1}{x-3}\) を微分し、\(y'(1)\) の値を求めよ。

\(y'(1)=\)
解説を見る
\(f(x)=2x+1,\ f'(x)=2\)、\(g(x)=x-3,\ g'(x)=1\) とおく。 \[ y' = \frac{2(x-3)-(2x+1)\cdot1}{(x-3)^2} = \frac{2x-6-2x-1}{(x-3)^2} = \frac{-7}{(x-3)^2} \] \(x=1\) を代入すると分母は \((1-3)^2=4\)。 \(y'(1) = -\dfrac{7}{4}\)
4
商の微分・特定点での値

\(y = \dfrac{x^2}{x-1}\) を微分し、\(y'(2)\) の値を求めよ。

\(y'(2)=\)
解説を見る
\(f(x)=x^2,\ f'(x)=2x\)、\(g(x)=x-1,\ g'(x)=1\) とおく。 \[ y' = \frac{2x(x-1)-x^2\cdot1}{(x-1)^2} = \frac{2x^2-2x-x^2}{(x-1)^2} = \frac{x^2-2x}{(x-1)^2} \] \(x=2\) を代入すると分子は \(4-4=0\)。 \(y'(2) = 0\)
5
合成関数・基本

\(y = (3x-1)^3\) を微分すると \(y' = A(3x-1)^2\) の形になる。\(A\) の値と \(y'(1)\) の値を求めよ。

\(A=\)  \(y'(1)=\)
解説を見る
\(u=3x-1\) とおくと \(y=u^3\)。 \[ \frac{dy}{du}=3u^2,\qquad \frac{du}{dx}=3 \] \[ y' = 3u^2\cdot3 = 9u^2 = 9(3x-1)^2 \] \(x=1\) を代入すると \(u=2\) なので \(y'(1)=9\cdot2^2\)。 \(A=9\)、\(y'(1) = 36\)
6
合成関数・特定点での値

\(y = (x^2+2)^2\) を微分し、\(y'(1)\) の値を求めよ。

\(y'(1)=\)
解説を見る
\(u=x^2+2\) とおくと \(y=u^2\)。 \[ \frac{dy}{du}=2u,\qquad \frac{du}{dx}=2x \] \[ y' = 2u\cdot2x = 4x(x^2+2) \] \(x=1\) を代入すると \(y'(1)=4\cdot1\cdot3\)。 \(y'(1) = 12\)
7
sinxの微分係数

\(y=\sin x\) の \(x=\dfrac{\pi}{6}\) における微分係数を求めよ。

\(y'\!\left(\dfrac{\pi}{6}\right)=\)
解説を見る
\(y'=\cos x\) なので \(x=\dfrac{\pi}{6}\) を代入する。 \(y'\!\left(\dfrac{\pi}{6}\right) = \cos\dfrac{\pi}{6} = \dfrac{\sqrt3}{2}\)
8
cosxの微分係数

\(y=\cos x\) の \(x=\dfrac{\pi}{3}\) における微分係数を求めよ。

\(y'\!\left(\dfrac{\pi}{3}\right)=\)
解説を見る
\(y'=-\sin x\) なので \(x=\dfrac{\pi}{3}\) を代入する。 \(y'\!\left(\dfrac{\pi}{3}\right) = -\sin\dfrac{\pi}{3} = -\dfrac{\sqrt3}{2}\)
9
lnxの微分係数

\(y=\ln x\) の \(x=5\) における微分係数を求めよ。

\(y'(5)=\)
解説を見る
\(y'=\dfrac1x\) なので \(x=5\) を代入する。 \(y'(5) = \dfrac15\)
10
e^xの微分係数

\(y=e^x\) の \(x=3\) における微分係数を求めよ。

\(y'(3)=\)
解説を見る
\(y'=e^x\)(微分しても形が変わらない)なので、そのまま \(x=3\) を代入する。 \(y'(3) = e^3\)
11
接線・べき関数

曲線 \(y=x^3-2x\) 上の点 \((1,\ -1)\) における接線の傾きと\(y\)切片を求めよ。

傾き  \(y\)切片
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\(f'(x)=3x^2-2\) より \(f'(1)=3-2=1\)。接線は \(y=1\cdot(x-1)+(-1)=x-2\)。 傾き \(1\)、\(y\)切片 \(-2\)
12
接線・指数関数

曲線 \(y=e^x\) 上の点 \((2,\ e^2)\) における接線の傾きと\(y\)切片を求めよ。

傾き  \(y\)切片
解説を見る
\(f'(x)=e^x\) より \(f'(2)=e^2\)。接線は \[ y = e^2(x-2)+e^2 = e^2x-2e^2+e^2 \] 傾き \(e^2\)、\(y\)切片 \(-e^2\)
13
極値・3次関数

\(y = 2x^3-3x^2-12x\) の極値を求めよ。

極大値 (\(x=\) ) 極小値 (\(x=\) )
解説を見る
\(f'(x)=6x^2-6x-12=6(x-2)(x+1)\)。\(f'(x)=0\)より\(x=-1,\ 2\)。 \(x<-1\)で増加、\(-1<x<2\)で減少、\(x>2\)で増加。 \(f(-1)=-2-3+12=7\)、\(f(2)=16-12-24=-20\)。 \(x=-1\)で極大値\(7\)、\(x=2\)で極小値\(-20\)
14
変曲点・基本

\(y = x^3-3x^2+5\) の変曲点の座標を求めよ。

変曲点 \((\) \(,\) \()\)
解説を見る
\(f'(x)=3x^2-6x\)、\(f''(x)=6x-6=6(x-1)\)。\(f''(x)=0\) より \(x=1\)。 \(x<1\)で上に凸、\(x>1\)で下に凸なので符号が変わり、確かに変曲点。 \(f(1)=1-3+5=3\)。 変曲点 \((1,\ 3)\)
15
区間内の最大最小

\(y = x^3-3x\)(\(0 \le x \le 3\))の最大値・最小値を求めよ。

最大値 (\(x=\) ) 最小値 (\(x=\) )
解説を見る
\(f'(x)=3x^2-3=3(x-1)(x+1)\)。区間\([0,3]\)内の候補点は\(x=1\)(\(x=-1\)は範囲外)。 \(f(0)=0\) \(f(1)=1-3=-2\)(極小) \(f(3)=27-9=18\) 3つの値\(0,\ -2,\ 18\)を比べると、最大は\(18\)、最小は\(-2\)。 \(x=3\)で最大値\(18\)、\(x=1\)で最小値\(-2\)
発展(16〜25)
16
商の微分+合成関数

\(y = \dfrac{1}{(x^2-1)^2}\) を微分し、\(y'(2)\) の値を求めよ。

\(y'(2)=\)
解説を見る
\(y=(x^2-1)^{-2}\) と書きかえてチェーンルールを使う。\(u=x^2-1\) とおくと \[ y' = -2u^{-3}\cdot2x = -\frac{4x}{(x^2-1)^3} \] \(x=2\) を代入すると \(u=3\) なので \(y'(2)=-\dfrac{8}{3^3}\)。 \(y'(2) = -\dfrac{8}{27}\)
17
対数微分法

\(y = (x+1)^2(x-3)^3\) を対数微分法で微分し、\(y'(2)\) の値を求めよ。

\(y'(2)=\)
解説を見る
\(x=2\) では \(x-3=-1<0\) となり \(y\) 自体が負の値をとりうるので、両辺の絶対値の対数をとる(この後の計算は\(\ln y\)のときと同じ形で進めてよい)。 \[ \ln|y| = 2\ln|x+1|+3\ln|x-3| \] 両辺を \(x\) で微分する。 \[ \frac{y'}{y} = \frac{2}{x+1}+\frac{3}{x-3} \] まず \(x=2\) での \(y\) の値を求める。 \[ y(2) = (2+1)^2(2-3)^3 = 9\times(-1) = -9 \] 次に \(x=2\) での \(\dfrac{y'}{y}\) の値を求める。 \[ \frac{y'}{y}\bigg|_{x=2} = \frac{2}{3}+\frac{3}{-1} = \frac{2}{3}-3 = -\frac{7}{3} \] \(y'=y\times\dfrac{y'}{y}\) より \[ y'(2) = (-9)\times\left(-\frac{7}{3}\right) = 21 \] \(y'(2) = 21\)
18
陰関数の微分

\(x^2+xy+y^2=13\) について、点 \((3,\ 1)\) における \(\dfrac{dy}{dx}\) の値を求めよ。

\(y'=\)
解説を見る
両辺を \(x\) で微分する。\(x^2\) の微分は \(2x\)。\(xy\) の微分は積の微分公式で \(y+xy'\)。\(y^2\) の微分はチェーンルールで \(2y\cdot y'\)。右辺13の微分は0。 \[ 2x+(y+xy')+2y\cdot y' = 0 \] \(y'\) を含む項をくくり出す。 \[ 2x+y+y'(x+2y) = 0 \] \[ y' = -\frac{2x+y}{x+2y} \] 点 \((3,1)\) を代入すると、分子は \(6+1=7\)、分母は \(3+2=5\)。 \(y' = -\dfrac{7}{5}\)
19
媒介変数表示の微分

\(x=t^3,\ y=t^2\) について、\(t=2\) における \(\dfrac{dy}{dx}\) の値を求めよ。

\(\dfrac{dy}{dx}=\)
解説を見る
それぞれ \(t\) で微分すると \(\dfrac{dx}{dt}=3t^2,\ \dfrac{dy}{dt}=2t\)。 \[ \frac{dy}{dx} = \frac{\dfrac{dy}{dt}}{\dfrac{dx}{dt}} = \frac{2t}{3t^2} = \frac{2}{3t} \] \(t=2\) を代入すると \(\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{2}{6}\)。 \(\dfrac{dy}{dx} = \dfrac13\)
20
高次導関数

\(y=e^{3x}\) の第3次導関数 \(y'''\) を求め、\(y'''(0)\) の値を求めよ。

\(y'''(0)=\)
解説を見る
1回微分するたびに係数3がかかっていく。 \[ y'=3e^{3x},\qquad y''=9e^{3x},\qquad y'''=27e^{3x} \] \(x=0\) を代入すると \(e^0=1\) なので \(y'''(0)=27\times1\)。 \(y'''(0) = 27\)
21
解の個数(増減表から求める)

\(f(x)=2x^3-3x^2-12x+5\) について、方程式 \(f(x)=0\) の異なる実数解の個数を求めよ。

解の個数 個
解説を見る
\(f'(x)=6x^2-6x-12=6(x-2)(x+1)\)。\(f'(x)=0\) より \(x=-1,\ 2\)。 増減表より \(x<-1\) で増加、\(-1<x<2\) で減少、\(x>2\) で増加。 \(f(-1)=-2-3+12+5=12\)(極大値)、\(f(2)=16-12-24+5=-15\)(極小値)。 \(k=0\) は極小値\(-15\)と極大値\(12\)の間(\(-15<0<12\))にあるので、横線\(y=0\)は山→谷→また上昇の3か所で交わる。 異なる実数解は3個
22
不等式証明(最小値を利用)

\(x>0\) のとき \(\sqrt{1+x} < 1+\dfrac{x}{2}\) が成り立つことを証明せよ。

解答を見る
\(g(x) = 1+\dfrac{x}{2}-\sqrt{1+x}\)(\(x\ge0\))とおく。\(x>0\)で\(g(x)>0\)を示せばよい。 \[ g'(x) = \frac12-\frac{1}{2\sqrt{1+x}} = \frac{\sqrt{1+x}-1}{2\sqrt{1+x}} \] \(x>0\) のとき \(\sqrt{1+x}>1\) なので、分子・分母がともに正となり \(g'(x)>0\)。よって \(g(x)\) は \(x>0\) の範囲で単調に増加する。 \[ g(0) = 1+0-\sqrt1 = 1-1 = 0 \] \(g(x)\)は\(x=0\)から単調に増加するので、\(x>0\)のとき\(g(x)>g(0)=0\)。 \(x>0\) のとき \(\sqrt{1+x} < 1+\dfrac{x}{2}\)(証明終わり)
23
速度・加速度の総合

直線上を運動する点の位置が \(x(t)=t^3-9t^2+24t\)(\(t\ge0\))で表されるとき、速度が0になる時刻をすべて求めよ。時刻が2つあるときはコンマ区切りで入力せよ。また、\(t=3\) における加速度を求めよ。

速度が0になる時刻 \(t=\)  \(t=3\)での加速度
解説を見る
\[ v(t) = x'(t) = 3t^2-18t+24 = 3(t-2)(t-4) \] \(v(t)=0\) より \(t=2,\ 4\)。 \[ a(t) = v'(t) = 6t-18 \] \(t=3\) を代入すると \(a(3)=18-18\)。 速度が0になる時刻は\(t=2,\ 4\)、\(t=3\)における加速度は\(0\)
24
近似式・負の微小量

1次近似 \((1+x)^n\fallingdotseq1+nx\) を用いて、\((0.98)^5\) の近似値を求めよ。

近似値
解説を見る
\(0.98=1+(-0.02)\) とみて、\(n=5,\ x=-0.02\) を代入する。 \[ (0.98)^5 \fallingdotseq 1+5\times(-0.02) = 1-0.1 \] \((0.98)^5 \fallingdotseq 0.9\)
25
総合問題:極値+接線(章の総仕上げ)

\(f(x)=2x^3-9x^2+12x-3\) の極値を求めよ。また、この曲線の \(x=3\) における接線の傾きと\(y\)切片を求めよ。

極大値 (\(x=\) ) 極小値 (\(x=\) )
\(x=3\)での接線:傾き  \(y\)切片
解説を見る
\(f'(x)=6x^2-18x+12=6(x^2-3x+2)=6(x-1)(x-2)\)。\(f'(x)=0\) より \(x=1,\ 2\)。 \(x<1\)で増加、\(1<x<2\)で減少、\(x>2\)で増加。 \(f(1)=2-9+12-3=2\)(極大)、\(f(2)=16-36+24-3=1\)(極小)。 次に\(x=3\)における接線を求める。 \[ f(3) = 54-81+36-3 = 6, \qquad f'(3) = 6\times2\times1 = 12 \] 接線は \(y=12(x-3)+6=12x-36+6=12x-30\)。 \(x=1\)で極大値\(2\)、\(x=2\)で極小値\(1\)。\(x=3\)における接線は \(y=12x-30\)(傾き\(12\)、\(y\)切片\(-30\))
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

この章では、積・商・合成関数の微分公式から出発して、三角関数・対数関数・指数関数の微分へと公式を広げ、最終的にはそれらを使って接線・増減・極値、方程式・不等式への応用へと発展させた。この一連の流れを、具体例を挙げながら説明せよ。

模範解答を見る
この章の学習は、大きく2つの段階に分けられる。前半では「微分そのものの計算力」を広げ、後半ではその計算結果を「グラフの性質を調べる道具」として使う。 前半(1〜2)では、まず積の微分\((fg)'=f'g+fg'\)、商の微分\(\left(\dfrac fg\right)'=\dfrac{f'g-fg'}{g^2}\)、合成関数の微分(チェーンルール)\(\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{dy}{du}\cdot\dfrac{du}{dx}\)という3つの基本公式を身につける。たとえば\(y=(x^2+1)^3\)のような式は、そのまま展開して微分すると大変だが、\(u=x^2+1\)とおいてチェーンルールを使えば\(y'=3u^2\cdot2x=6x(x^2+1)^2\)とすぐ求まる。さらにこの3公式を土台にして、三角関数\((\sin x)'=\cos x\)、対数関数\((\ln x)'=\dfrac1x\)、指数関数\((e^x)'=e^x\)へと対象を広げる。とくに対数関数の性質を使う対数微分法は、\(y=(x+1)^2(x-3)^3\)のように因数が多い式や、\(y=x^x\)のように指数に変数がある式で威力を発揮する。 後半(3〜4)では、こうして求めた導関数\(f'(x)\)を、今度は「グラフの形を読み取る道具」として使う。\(f'(a)\)は接線の傾きそのものなので、接線・法線の方程式がそのまま書ける。\(f'(x)\)の符号を調べれば増減表ができ、符号が変わる点で極大・極小が確定する。\(f''(x)\)の符号まで調べれば、凹凸と変曲点も分かり、グラフの概形が正確に描ける。そして最後に、この増減・極値の情報は「方程式\(f(x)=k\)の実数解の個数はグラフと横線の交点の個数」「不等式\(A>B\)の証明は\(g(x)=A-B\)の最小値を調べる」といった、より実際的な問題の解決に直結していく。速度・加速度(位置を微分すれば求まる)や1次近似(接線の式で複雑な値を見積もる)も、この「微分=変化を調べる道具」という考え方の延長線上にある。 前半で積・商・合成の3公式を三角・対数・指数関数へ広げて計算力を固め、後半でその導関数の符号を接線・増減・極値・凹凸を読み取る道具として使い、方程式の解の個数・不等式の証明・速度・近似といった応用へとつなげる、という一本の流れになっている。
記2

\(y=x\ln x-x\)(\(x>0\))について、\(y'\) を求め、増減・極値を調べよ。さらに \(y''\) を求め、この関数のグラフの凹凸について分かることを述べよ。

模範解答を見る
まず \(y'\) を求める。\(x\ln x\) の部分は積の微分公式を使う。 \[ y' = \left(1\cdot\ln x+x\cdot\frac1x\right)-1 = \ln x+1-1 = \ln x \] よって \(y'=\ln x\)。\(y'=0\) となるのは \(\ln x=0\)、すなわち \(x=1\) のとき。 \(x>0\) の範囲で増減を調べる。\(0<x<1\) のとき \(\ln x<0\) なので \(y'<0\)(減少)、\(x>1\) のとき \(\ln x>0\) なので \(y'>0\)(増加)。したがって \(x=1\) の前後で符号が \(-\to+\) と実際に変わっており、極小値が確定する。 \[ y(1) = 1\times\ln1-1 = 1\times0-1 = -1 \] 次に \(y''\) を求める。\(y'=\ln x\) をもう一度微分すると \[ y'' = \frac1x \] \(x>0\) の範囲では \(\dfrac1x\) は常に正である。つまり \(y''>0\) がこの関数の定義域全体で成り立ち、符号がどこでも変わらない。したがってこのグラフは定義域全体(\(x>0\))でずっと下に凸であり、凹凸が入れ替わる点(変曲点)は存在しない。 \(y'=\ln x\)。\(x=1\)で極小値\(-1\)(極大値はない)。\(y''=\dfrac1x>0\)(\(x>0\))が定義域全体で成り立つので、グラフは常に下に凸で、変曲点は存在しない。
共通テスト形式チャレンジ

大問1 目標時間 8分/配点 20点

物理研究部の花子さんは、紙ロケットを打ち上げる実験をしている。打ち上げてから\(t\)秒後のロケットの地面からの高さ\(h(t)\)(m)は、\(h(t)=-t^3+15t^2\)(\(0\le t\le15\))で近似できることが分かった。花子さんは先生と一緒に、速度と加速度を調べている。

先生「まずは高さの式を時刻\(t\)で微分して、速度の式を求めてみよう。」
花子「はい。\(v(t)=h'(t)\)ですね。」
(1)

速度 \(v(t)=h'(t)\) を求めると、\(v(t)=-3t^2+\boxed{\text{アイ}}t\) となる。アイの値を求めよ。

アイ
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\(h(t)=-t^3+15t^2\) を\(t\)で微分する。 \[ v(t) = h'(t) = -3t^2+30t \] \(v(t) = -3t^2+30t\)(アイ\(=30\))
(2)

先生「加速度\(a(t)=v'(t)\)も求めて、加速度が0になる時刻を調べてみよう。それは速度が最大になる瞬間でもあるよ。」

加速度は \(a(t)=v'(t)=-6t+\boxed{\text{ウエ}}\) となる。\(a(t)=0\) となる時刻は \(t=\boxed{\text{オ}}\)(秒)であり、そのときの速度は \(v(\boxed{\text{オ}})=\boxed{\text{カキ}}\)(m/秒)である。

ウエ オ カキ
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(1)の \(v(t)=-3t^2+30t\) を\(t\)で微分する。 \[ a(t) = v'(t) = -6t+30 \] \(a(t)=0\) を解くと \(-6t+30=0\) より \(t=5\)。 \(t=5\) を \(v(t)\) に代入する。 \[ v(5) = -3\times25+30\times5 = -75+150 = 75 \] \(a(t)=-6t+30\)、\(a(t)=0\)となる時刻は\(t=5\)、そのときの速度は\(v(5)=75\)
(3)

花子「じゃあ、ロケットが最高点に達する時刻も調べてみます。」

\(v(t)=0\) となる時刻のうち \(t>0\) であるものを求めると \(t=\boxed{\text{クケ}}\)(秒)であり、そのときの高さは \(h(\boxed{\text{クケ}})=\boxed{\text{コサシ}}\)(m)である。

クケ コサシ
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(1)の \(v(t)=-3t^2+30t=-3t(t-10)\) より、\(v(t)=0\) となるのは \(t=0\) または \(t=10\)。\(t>0\) の方を選ぶと \(t=10\)。 \(t=10\) を \(h(t)=-t^3+15t^2\) に代入する。 \[ h(10) = -1000+15\times100 = -1000+1500 = 500 \] (\(t=0\)から\(t=10\)まで上昇し、\(t=10\)で最高点に達したあと下降に転じ、\(h(15)=-3375+3375=0\)で地面に戻る、という運動になっている。) 最高点に達する時刻は\(t=10\)、そのときの高さは\(h(10)=500\)

大問2 目標時間 8分/配点 20点

薬学に興味がある太郎さんは、体内の薬物濃度の変化について調べている。ある薬を服用したあとの血中濃度\(C(t)\)(\(\mu\)g/mL)は、服用から\(t\)時間後に \(C(t)=100e^{-0.1t}\)(\(t\ge0\))で近似できるという。太郎さんは先生と一緒に、濃度の減少の様子を微分を使って調べている。

先生「まずは\(C(t)\)を\(t\)で微分して、濃度が減少していく速さを求めてみよう。」
(1)

\(C'(t)\) を求めると \(C'(t)=\boxed{\text{アイ}}e^{-0.1t}\) となる(アイは符号もつけて入力せよ)。

アイ
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\(u=-0.1t\) とおくと \(C=100e^u\)。チェーンルールより \[ C'(t) = 100e^{-0.1t}\times(-0.1) = -10e^{-0.1t} \] \(C'(t) = -10e^{-0.1t}\)(アイ\(=-10\))
(2)

先生「(1)の結果を使うと、\(t=0\)における接線が求められるね。」

曲線 \(y=C(t)\) 上の \(t=0\) における接線の傾きは \(\boxed{\text{ウエ}}\)(符号もつけて入力せよ)、\(y\)切片は \(\boxed{\text{オカキ}}\) である。

ウエ オカキ
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(1)より \(C'(0)=-10e^0=-10\)。傾きはこの値そのもの。 \(C(0)=100e^0=100\)(服用直後の濃度)。 接線は \(y=-10(t-0)+100=-10t+100\)。 傾き\(-10\)、\(y\)切片\(100\)(ウエ\(=-10\)、オカキ\(=100\)、接線は\(y=-10t+100\))
(3)

太郎「濃度が減少していく速さが、服用直後(\(t=0\))の半分になるのは何時間後か知りたいです。」
先生「\(C'(t)\)の絶対値が\(C'(0)\)の絶対値の半分になる時刻を求めればいいね。」

\(C'(t)=\dfrac12 C'(0)\) となる時刻 \(t\) を、\(\boxed{\text{クケ}}\ln\boxed{\text{コ}}\) の形で求めよ。

クケ コ
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(2)より \(C'(0)=-10\) なので、\(\dfrac12C'(0)=-5\)。(1)の \(C'(t)=-10e^{-0.1t}\) を使って方程式を立てる。 \[ -10e^{-0.1t} = -5 \] \[ e^{-0.1t} = \frac12 \] 両辺の自然対数をとる。 \[ -0.1t = \ln\frac12 = -\ln2 \] \[ t = 10\ln2 \] \(t = 10\ln2\)(時間、クケ\(=10\)、コ\(=2\))