この章で学ぶこと

積分法は、数IIIの学習の中で「極限」「微分法」に続く最後の柱であり、微分法で学んだ内容と表裏一体の関係にある。前章「微分法」では、\(f'(x)\)の符号からグラフの増減や接線を読み取るという“計算から図形を読み取る”流れを学んだが、この章の積分法はいわば逆向きで、面積や体積という具体的な図形の量を、細かく分けて足し合わせるという発想から式(定積分)へと組み立てていく。前半(1〜2)では数IIで身につけた積分の考え方を、\(e^x\)・\(\ln x\)・三角関数といった数IIIで新しく登場した関数にまで広げ、置換積分・部分積分という2つの計算技術を鍛える。後半(3)では、その計算力を使って面積・体積・曲線の長さという3つの図形量を実際に求めていく。ここで身につけた「細かく分けてたし合わせる」という考え方は、物理における速度と道のりの関係や、より進んだ解析学の基礎にもそのままつながっていく。

学習の順路

下から順番に読み進めよう。1で「積分の計算技術(公式・置換・部分積分・式の変形)」を固め、2で「定積分ならではの技(対称性・区分求積法)」を身につけ、3でその計算力を使って面積・体積・曲線の長さという実際の図形量を求める、という流れになっている。

  1. 1. 不定積分(置換・部分積分) ― 数IIIで新しく増えた6つの基本公式を押さえたうえで、置換積分・部分積分という2大テクニックを学ぶ。部分分数分解・半角公式・奇数乗の分解・積和公式など、公式がそのまま使えない形の変形も扱う。
  2. 2. 定積分とその計算 ― 定積分ならではの置換積分(区間もいっしょに置き換える)・部分積分、偶関数・奇関数の対称性、定積分で表された関数、区分求積法(和の極限を積分に直す)を学ぶ。
  3. 3. 面積・体積・曲線の長さ ― 積分の代表的な応用として、曲線に囲まれた面積、回転体の体積(円板を積み重ねる発想)、曲線の長さ(三平方の定理を積み重ねる発想)を学ぶ。3つとも「細かく分けてたし合わせる」という共通の発想で貫かれている。

要点整理 積分公式一覧といつ使うか

この章で新しく増えたのは、\(x^{\alpha}\)型の一般化(分数・負の指数まで)と、\(e^x\)・三角関数の積分公式。丸暗記するより、「与えられた式がどの形に当てはまるか」を見分ける練習の方が大事だ。

\(\displaystyle \int x^{\alpha}\,dx = \dfrac{x^{\alpha+1}}{\alpha+1} + C\) (\(\alpha \ne -1\))
\(\displaystyle \int \dfrac{1}{x}\,dx = \ln|x| + C\) (\(\alpha=-1\)のときだけこの形)
\(\displaystyle \int e^x\,dx = e^x + C\)
\(\displaystyle \int \sin x\,dx = -\cos x + C\)
\(\displaystyle \int \cos x\,dx = \sin x + C\)
\(\displaystyle \int \dfrac{1}{\cos^2 x}\,dx = \tan x + C\)
公式がそのまま使えない形は、まず変形
分数関数(分母が2次式に因数分解できる)→ 部分分数分解してから\(\ln\)の公式
\(\sin^2 x\)・\(\cos^2 x\) → 半角公式で角度を\(2x\)の1乗に直す
奇数乗の三角関数(\(\sin^3 x\)など)→ 1つだけ残して\(\sin^2 x=1-\cos^2 x\)で置換に持ち込む
\(\sin(mx)\cos(nx)\)型 → 積和公式で和の形に直す
\(\tan^2 x\) → \(\dfrac{1}{\cos^2 x}-1\)に変形
分数関数の仮分数形(分子の次数≧分母の次数)→ 先に割り算して「整式+真分数」に直す

要点整理 置換積分・部分積分の使い分け

この2つは積分計算の主力コンビ。どちらを使うかは、式の形を見た瞬間に判断できるようになりたい。

\(\displaystyle \int f(g(x))\,g'(x)\,dx = \int f(u)\,du\) (\(u=g(x)\)とおく)
\(\displaystyle \int f(x)g'(x)\,dx = f(x)g(x) - \int f'(x)g(x)\,dx\)
置換積分を使う場面
\(f(g(x))\,g'(x)\)の形(外側の関数の中に別の関数があり、そのすぐ後ろに中身の微分がかけてある)を見つけたとき。中身を\(u\)とおいて文字を置き換える。
部分積分を使う場面
種類の異なる2つの関数の積で、そのままでは積分できない形(\(x\)の累乗と\(e^x\)・\(\sin x\)・\(\cos x\)・\(\ln x\)の組み合わせなど)。微分すると簡単になる方を\(f(x)\)に選ぶ。
定積分になると増える注意点 置換積分では積分区間もいっしょに\(u\)の値へ置き換えれば、最後まで\(x\)に戻す必要はない。部分積分では\([f(x)g(x)]\)の部分にも必ず端点を代入して数値にすること(不定積分の\(+C\)の感覚のまま\(x\)の式で残してしまうミスが多い)。

要点整理 定積分ならではの技(対称性・区分求積法)

定積分は、不定積分の計算をそのまま最後まで行わなくても、グラフの対称性や和の言い換えだけで答えが求まることがある。計算量を減らす3つの武器を押さえておこう。

偶関数(\(f(-x)=f(x)\)) \(\displaystyle\int_{-a}^{a} f(x)\,dx = 2\int_0^a f(x)\,dx\)
奇関数(\(f(-x)=-f(x)\)) \(\displaystyle\int_{-a}^{a} f(x)\,dx = 0\)
King property \(\displaystyle \int_0^a f(x)\,dx = \int_0^a f(a-x)\,dx\) (積分区間の左右をひっくり返しても値は変わらない)
区分求積法 \(\displaystyle \lim_{n\to\infty}\dfrac1n\sum_{k=1}^{n} f\!\left(\dfrac{k}{n}\right) = \int_0^1 f(x)\,dx\)
区分求積法のコツ 和を\(\dfrac1n\displaystyle\sum f\!\left(\dfrac kn\right)\)の形に整理できるかがすべて。\(n\)が2箇所以上にバラバラに残っていたら、まず\(n\)でくくれないか式変形を試そう。

要点整理 面積・体積・曲線の長さの使い分け

この章の後半で学ぶ3つの応用は、公式の形こそ違うが、発想はすべて同じ。積分区間を細かく割って、1つ分の断片(帯・円板・線分)の量を求め、それを積分でたし合わせている。

面積
\(\displaystyle S=\int_a^b\{f(x)-g(x)\}\,dx\)
上の関数−下の関数を積分
体積(\(x\)軸回転)
\(\displaystyle V=\pi\int_a^b y^2\,dx\)
断面の円の面積を積分
曲線の長さ
\(\displaystyle L=\int_a^b\sqrt{1+(y')^2}\,dx\)
三平方の定理を積分
補足 回転の軸が\(y\)軸のときは、曲線を\(x=g(y)\)の形に直してから同じ考え方で\(\displaystyle V=\pi\int_c^d\{g(y)\}^2\,dy\)を使う。パラメータ表示の曲線でも\(dx=x'(t)\,dt\)と考えれば同じ式に乗る。式を丸暗記するより、「細かく分けてたし合わせる」というイメージを持っておくと、初めて見る設定の問題にも対応しやすい。
まとめテスト(標準)

この章全体を横断する総合演習、全25問。目標時間は30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜15)
1
不定積分の基本公式(総合)

\(\displaystyle \int \left(6x^2 - \dfrac{1}{x} + 3e^x\right) dx\) を求めよ(\(C\)は省略してよい)。\(x^3\)の係数、\(\ln|x|\)の係数、\(e^x\)の係数をそれぞれ求めよ。

\(x^3\)の係数  \(\ln|x|\)の係数  \(e^x\)の係数
解説を見る
各項を公式にあてはめる。 \(\displaystyle\int 6x^2\,dx=2x^3\)、\(\displaystyle\int\left(-\dfrac1x\right)dx=-\ln|x|\)、\(\displaystyle\int 3e^x\,dx=3e^x\) \(2x^3-\ln|x|+3e^x\)(\(x^3\)の係数\(2\)、\(\ln|x|\)の係数\(-1\)、\(e^x\)の係数\(3\))
2
1/xとsinxの公式(総合)

\(\displaystyle \int \left(\dfrac{5}{x} - 2\sin x\right) dx\) を求めよ(\(C\)は省略してよい)。\(\ln|x|\)の係数、\(\cos x\)の係数をそれぞれ求めよ。

\(\ln|x|\)の係数  \(\cos x\)の係数
解説を見る
\(\displaystyle\int\dfrac5x\,dx=5\ln|x|\)、\(\displaystyle\int(-2\sin x)\,dx=-2\times(-\cos x)=2\cos x\) \(5\ln|x|+2\cos x\)(\(\ln|x|\)の係数\(5\)、\(\cos x\)の係数\(2\))
3
置換積分(べき乗型・定積分)

\(\displaystyle \int_0^1 6x(x^2+2)^2\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
\(u=x^2+2\)とおくと\(du=2x\,dx\)、すなわち\(6x\,dx=3\,du\)。\(x:0\to1\)のとき\(u:2\to3\)。 \(\displaystyle \int_0^1 6x(x^2+2)^2\,dx = \int_2^3 3u^2\,du = \Bigl[u^3\Bigr]_2^3 = 27-8=19\) \(19\)
4
置換積分(根号型・定積分)

\(\displaystyle \int_0^4 x\sqrt{x^2+9}\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
\(u=x^2+9\)とおくと\(du=2x\,dx\)、すなわち\(x\,dx=\dfrac12du\)。\(x:0\to4\)のとき\(u:9\to25\)。 \(\displaystyle \int_0^4 x\sqrt{x^2+9}\,dx = \int_9^{25}\dfrac12u^{1/2}\,du = \dfrac12\cdot\dfrac23\Bigl[u^{3/2}\Bigr]_9^{25} = \dfrac13(125-27)=\dfrac{98}{3}\) \(\dfrac{98}{3}\)
5
部分積分(x・e^x型・定積分)

\(\displaystyle \int_0^1 3xe^x\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
\(f(x)=x,\ g'(x)=e^x\)と選ぶと\(\displaystyle\int xe^x\,dx=(x-1)e^x+C\)なので \(\displaystyle \int_0^1 3xe^x\,dx = \Bigl[3(x-1)e^x\Bigr]_0^1 = 3(0\cdot e)-3(-1\cdot1) = 0-(-3)=3\) \(3\)
6
部分積分(ln x型・係数つき・定積分)

\(\displaystyle \int_1^{e^2} 2\ln x\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
\(f(x)=\ln x,\ g'(x)=1\)と選ぶと\(\displaystyle\int\ln x\,dx=x\ln x-x+C\)なので \(\displaystyle \int_1^{e^2} 2\ln x\,dx = \Bigl[2(x\ln x-x)\Bigr]_1^{e^2} = 2\bigl\{(2e^2-e^2)-(0-1)\bigr\} = 2(e^2+1)=2e^2+2\) \(2e^2+2\)
7
半角公式(定積分)

\(\displaystyle \int_0^{\pi} \cos^2 x\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
半角公式\(\cos^2x=\dfrac{1+\cos2x}{2}\)を使う。 \(\displaystyle \int_0^{\pi}\cos^2x\,dx = \left[\dfrac{x}{2}+\dfrac{\sin2x}{4}\right]_0^{\pi} = \left(\dfrac{\pi}{2}+0\right)-0 = \dfrac{\pi}{2}\) \(\dfrac{\pi}{2}\)
8
曲線の長さ(直線での確認)

直線 \(y=3x-2\)(\(0\le x\le2\))の長さ \(L\) を、曲線の長さの公式を使って求めよ。

\(L=\)
解説を見る
\(y'=3\)より\(1+(y')^2=1+9=10\)。 \(\displaystyle L=\int_0^2\sqrt{10}\,dx = 2\sqrt{10}\) (2点\((0,-2)\)、\((2,4)\)間の距離\(\sqrt{2^2+6^2}=\sqrt{40}=2\sqrt{10}\)と一致し、公式が正しいことを確認できる。) \(L=2\sqrt{10}\)
9
部分分数分解

\(\displaystyle \int \dfrac{1}{x^2-9}\,dx = \dfrac{1}{\text{ア}}\ln\left|\dfrac{x-3}{x+3}\right|+C\) のアを求めよ。

ア=
解説を見る
\(\dfrac{1}{x^2-9}=\dfrac{1}{(x-3)(x+3)}=\dfrac16\left(\dfrac{1}{x-3}-\dfrac{1}{x+3}\right)\)と分解できるので \(\displaystyle \int \dfrac{1}{x^2-9}\,dx = \dfrac16\ln|x-3|-\dfrac16\ln|x+3|+C = \dfrac16\ln\left|\dfrac{x-3}{x+3}\right|+C\) ア \(=6\)
10
仮分数形の割り算

\(\displaystyle \int \dfrac{x^2}{x+1}\,dx = \dfrac{x^2}{2} + \text{ア}\,x + \ln|x+1|+C\) のアを求めよ。

ア=
解説を見る
\(x^2=(x+1)(x-1)+1\)より\(\dfrac{x^2}{x+1}=x-1+\dfrac{1}{x+1}\)。 \(\displaystyle \int \dfrac{x^2}{x+1}\,dx = \int\left(x-1+\dfrac{1}{x+1}\right)dx = \dfrac{x^2}{2}-x+\ln|x+1|+C\) ア \(=-1\)
11
奇関数の性質

\(\displaystyle \int_{-3}^{3} (5x^3-2x)\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
\(f(x)=5x^3-2x\)は\(f(-x)=-5x^3+2x=-f(x)\)より奇関数。区間が原点対称なので、計算するまでもなく積分は\(0\)。 \(0\)
12
区分求積法

\(\displaystyle \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}\dfrac{3k^2}{n^3}\) を求めよ。

値
解説を見る
和の形を「\(\dfrac1n\times\)(\(k/n\)だけの式)」に整理する。 \(\displaystyle \sum_{k=1}^{n}\dfrac{3k^2}{n^3} = \dfrac1n\sum_{k=1}^{n}3\left(\dfrac{k}{n}\right)^2\) これは\(f(x)=3x^2\)として\(\dfrac1n\displaystyle\sum_{k=1}^n f\!\left(\dfrac kn\right)\)の形になっているので、極限は\(\displaystyle\int_0^1 3x^2\,dx=\Bigl[x^3\Bigr]_0^1=1\)に一致する。 \(1\)
13
絶対値つきの定積分

\(\displaystyle \int_0^2 |x-1|\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
\(x=1\)で符号が変わるので区間を分割する。\(0\le x\le1\)では\(|x-1|=1-x\)、\(1\le x\le2\)では\(|x-1|=x-1\)。 \(\displaystyle \int_0^1(1-x)\,dx=\Bigl[x-\dfrac{x^2}{2}\Bigr]_0^1=\dfrac12\) \(\displaystyle \int_1^2(x-1)\,dx=\Bigl[\dfrac{x^2}{2}-x\Bigr]_1^2=0-\left(-\dfrac12\right)=\dfrac12\) 合計は\(\dfrac12+\dfrac12=1\) \(1\)
14
曲線とx軸の間の面積

曲線 \(y=e^x\) と \(x\) 軸、\(y\) 軸、および直線 \(x=2\) で囲まれた部分の面積 \(S\)(\(0\le x\le2\))を求めよ。

\(S=\)
解説を見る
\(e^x\ge0\)なので、そのまま積分すればよい。 \(\displaystyle S=\int_0^2 e^x\,dx=\Bigl[e^x\Bigr]_0^2=e^2-1\) \(S=e^2-1\)
15
回転体の体積(円錐型の確認)

直線 \(y=2x\)(\(0\le x\le3\))を \(x\) 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積は \(V=\text{ア}\,\pi\) と表せる。アを求めよ。

ア=
解説を見る
\(\displaystyle V=\pi\int_0^3(2x)^2\,dx=\pi\int_0^3 4x^2\,dx=\pi\Bigl[\dfrac{4x^3}{3}\Bigr]_0^3=\pi\times4\times9=36\pi\) ア \(=36\)
発展(16〜25)
16
部分積分を2回使う(定積分)

\(\displaystyle \int_0^{\pi} x^2\sin x\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
\(f(x)=x^2,\ g'(x)=\sin x\)と選んで部分積分する。 \(\displaystyle \int x^2\sin x\,dx = -x^2\cos x+\int 2x\cos x\,dx\) \(\displaystyle \int 2x\cos x\,dx = 2x\sin x-\int 2\sin x\,dx = 2x\sin x+2\cos x\) 合わせると\(\displaystyle\int x^2\sin x\,dx = -x^2\cos x+2x\sin x+2\cos x+C\) これに端点を代入する。 \(x=\pi\):\(-\pi^2(-1)+2\pi\cdot0+2(-1)=\pi^2-2\) \(x=0\):\(-0+0+2\cdot1=2\) \(\displaystyle \int_0^{\pi} x^2\sin x\,dx = (\pi^2-2)-2=\pi^2-4\)
17
仮分数形+置換の複合

\(\displaystyle \int \dfrac{x^3}{x^2+1}\,dx = \dfrac{x^2}{2} - \dfrac{1}{\text{ア}}\ln(x^2+1)+C\) のアを求めよ。

ア=
解説を見る
まず仮分数の割り算をする。\(x^3=x(x^2+1)-x\)より\(\dfrac{x^3}{x^2+1}=x-\dfrac{x}{x^2+1}\)。 右側の\(\displaystyle\int\dfrac{x}{x^2+1}\,dx\)は\(u=x^2+1\)(\(du=2x\,dx\))と置換すると\(\dfrac12\ln(x^2+1)\)になる(\(x^2+1>0\)なので絶対値は不要)。 \(\displaystyle \int \dfrac{x^3}{x^2+1}\,dx = \int\left(x-\dfrac{x}{x^2+1}\right)dx = \dfrac{x^2}{2}-\dfrac12\ln(x^2+1)+C\) ア \(=2\)
18
2曲線の間を回転(外側²−内側²)

曲線 \(y=x\) と \(y=x^3\) で囲まれた部分(\(0\le x\le1\))を \(x\) 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積は \(V=\dfrac{\text{ア}}{21}\pi\) と表せる。アを求めよ。

ア=
解説を見る
\(0\le x\le1\)では\(x\ge x^3\)なので、外側の半径が\(x\)、内側の半径が\(x^3\)。 \(\displaystyle V=\pi\int_0^1\left[x^2-(x^3)^2\right]dx=\pi\int_0^1(x^2-x^6)\,dx=\pi\left(\dfrac13-\dfrac17\right)=\pi\times\dfrac{7-3}{21}=\dfrac{4}{21}\pi\) ア \(=4\)
19
y軸回転の体積

曲線 \(y=x^2\)(\(x\ge0\))と \(y\) 軸、直線 \(y=3\) で囲まれた部分を、\(y\) 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積は \(V=\dfrac{\text{ア}}{2}\pi\) と表せる。アを求めよ。

ア=
解説を見る
\(y=x^2\)(\(x\ge0\))を\(x\)について解くと\(x^2=y\)。 \(\displaystyle V=\pi\int_0^3 x^2\,dy=\pi\int_0^3 y\,dy=\pi\Bigl[\dfrac{y^2}{2}\Bigr]_0^3=\dfrac{9}{2}\pi\) ア \(=9\)
20
曲線の長さ(1+(y')²が平方の形になる工夫)

曲線 \(y=\dfrac{x^4}{8}+\dfrac{1}{4x^2}\)(\(1\le x\le2\))の長さ \(L\) を求めよ。

\(L=\)
解説を見る
\(y'=\dfrac{x^3}{2}-\dfrac{1}{2x^3}\) \((y')^2=\dfrac{x^6}{4}-\dfrac12+\dfrac{1}{4x^6}\)、よって\(1+(y')^2=\dfrac{x^6}{4}+\dfrac12+\dfrac{1}{4x^6}=\left(\dfrac{x^3}{2}+\dfrac{1}{2x^3}\right)^2\) \(x>0\)なので\(\sqrt{1+(y')^2}=\dfrac{x^3}{2}+\dfrac{1}{2x^3}\) \(\displaystyle L=\int_1^2\left(\dfrac{x^3}{2}+\dfrac{1}{2x^3}\right)dx=\Bigl[\dfrac{x^4}{8}-\dfrac{1}{4x^2}\Bigr]_1^2\) \(x=2\)を代入:\(\dfrac{16}{8}-\dfrac{1}{16}=2-\dfrac{1}{16}=\dfrac{31}{16}\) \(x=1\)を代入:\(\dfrac18-\dfrac14=-\dfrac18=-\dfrac{2}{16}\) \(L=\dfrac{31}{16}-\left(-\dfrac{2}{16}\right)=\dfrac{33}{16}\) \(L=\dfrac{33}{16}\)
21
接線を求めてから面積へ

曲線 \(y=e^x\) の \(x=1\) における接線を求めよ。また、この接線と曲線 \(y=e^x\)、\(y\) 軸で囲まれた部分の面積 \(S\)(\(0\le x\le1\))を求めよ。

接線の式 \(y=\) \(x\)  \(S=\)
解説を見る
\(y'=e^x\)より、\(x=1\)での傾きは\(e^1=e\)。接点は\((1,\ e)\)なので接線は \(y-e=e(x-1)\) すなわち\(y=ex\)(原点を通る直線になる) \(e^x\)は下に凸(つねに接線より上)なので、\(0\le x\le1\)で\(e^x\ge ex\)。 \(\displaystyle S=\int_0^1(e^x-ex)\,dx=\Bigl[e^x-\dfrac{ex^2}{2}\Bigr]_0^1=\left(e-\dfrac{e}{2}\right)-(1-0)=\dfrac{e}{2}-1\) 接線は\(y=ex\)、面積\(S=\dfrac{e}{2}-1\)
22
区分求積法(三角関数)

\(\displaystyle \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{n}\dfrac1n\sin\dfrac{k\pi}{2n}\) を求めよ。

値
解説を見る
\(\dfrac1n\sin\dfrac{k\pi}{2n}\)は\(f(x)=\sin\dfrac{\pi x}{2}\)として\(\dfrac1n f\!\left(\dfrac kn\right)\)の形になっているので、\(n\to\infty\)の極限は\(\displaystyle\int_0^1\sin\dfrac{\pi x}{2}\,dx\)に一致する。 \(\displaystyle \int_0^1\sin\dfrac{\pi x}{2}\,dx = \left[-\dfrac{2}{\pi}\cos\dfrac{\pi x}{2}\right]_0^1 = -\dfrac{2}{\pi}\left(\cos\dfrac{\pi}{2}-\cos0\right) = -\dfrac{2}{\pi}(0-1)=\dfrac{2}{\pi}\) \(\dfrac{2}{\pi}\)
23
部分積分を2回使う((ln x)²型)

\(\displaystyle \int_1^{e} (\ln x)^2\,dx\) を求めよ。

値
解説を見る
\(f(x)=(\ln x)^2,\ g'(x)=1\)と選ぶ(\(f'(x)=2\ln x\cdot\dfrac1x,\ g(x)=x\))。 \(\displaystyle \int(\ln x)^2\,dx = x(\ln x)^2-\int 2\ln x\,dx = x(\ln x)^2-2(x\ln x-x)+C = x(\ln x)^2-2x\ln x+2x+C\) 端点を代入する。 \(x=e\):\(e\cdot1^2-2e\cdot1+2e = e-2e+2e=e\) \(x=1\):\(1\cdot0^2-2\cdot1\cdot0+2\cdot1=2\) \(\displaystyle \int_1^{e}(\ln x)^2\,dx = e-2\)
24
奇関数・偶関数の分離(計算せずに0と見抜く)

\(\displaystyle \int_{-1}^{1} \left(x^3e^{x^2}+6x^2\right) dx\) を求めよ。

値
解説を見る
和の積分は分けて計算できるので、まず2つの項の偶奇を確認する。 \(x^3e^{x^2}\):\(x^3\)は奇関数、\(e^{x^2}\)は偶関数なので、積は奇関数×偶関数=奇関数。区間\([-1,1]\)は原点対称なので、この項の積分は原始関数を求めなくても計算するまでもなく\(0\)。 \(6x^2\):偶関数なので\(\displaystyle\int_{-1}^{1}6x^2\,dx=2\int_0^1 6x^2\,dx=2\Bigl[2x^3\Bigr]_0^1=2\times2=4\) 合計すると\(\displaystyle \int_{-1}^{1}\left(x^3e^{x^2}+6x^2\right)dx = 0+4=4\) \(4\)
25
総合問題:面積を求めてから体積へ(章の総仕上げ)

曲線 \(y=\sqrt{x}\) と直線 \(y=\dfrac{x}{2}\) で囲まれた部分の面積 \(S\)(\(0\le x\le4\))を求めよ。また、この部分を \(x\) 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積は \(V=\dfrac{\text{ア}}{3}\pi\) と表せる。\(S\)とアを求めよ。

\(S=\)  ア=
解説を見る
交点を求める。\(\sqrt{x}=\dfrac{x}{2}\)の両辺を2乗すると\(x=\dfrac{x^2}{4}\)、\(4x=x^2\)、\(x(x-4)=0\)より\(x=0,\ 4\)。 \(x=1\)で確認すると\(\sqrt1=1>0.5=\dfrac12\)なので、\(0\le x\le4\)では\(\sqrt{x}\ge\dfrac{x}{2}\)。 面積は \(\displaystyle S=\int_0^4\left(\sqrt{x}-\dfrac{x}{2}\right)dx=\Bigl[\dfrac23x^{3/2}-\dfrac{x^2}{4}\Bigr]_0^4=\dfrac23\times8-\dfrac{16}{4}=\dfrac{16}{3}-4=\dfrac43\) 体積は、外側の半径が\(\sqrt x\)(曲線)、内側の半径が\(\dfrac x2\)(直線)なので \(\displaystyle V=\pi\int_0^4\left[x-\dfrac{x^2}{4}\right]dx=\pi\Bigl[\dfrac{x^2}{2}-\dfrac{x^3}{12}\Bigr]_0^4=\pi\left(8-\dfrac{64}{12}\right)=\pi\left(8-\dfrac{16}{3}\right)=\dfrac83\pi\) 面積\(S=\dfrac43\)、体積\(V=\dfrac83\pi\)(ア\(=8\))
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

この章で学んだ面積・体積・曲線の長さの3つの公式は、見た目こそ違うが、どれも同じ発想にもとづいている。面積の場合を例にとって、その共通の発想を説明せよ。

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面積・体積・曲線の長さは、いずれも「積分区間をものすごく細かく分割し、1つ分の断片の量を求めて、それを積分でたし合わせる」という共通の発想でできている。面積を例にとってこの発想をたどってみる。 曲線\(y=f(x)\)(\(f(x)\ge0\))と\(x\)軸の間の面積を求めたいとき、区間\([a,\ b]\)を幅\(\Delta x\)の細い短冊に分割する。1本の短冊は、幅がじゅうぶん小さければほぼ長方形とみなせるので、位置\(x\)における1本の短冊の面積は「高さ×幅」=\(f(x)\,\Delta x\)で近似できる。 この細い長方形の面積を、\(a\)から\(b\)まですべてたし合わせると、区間全体の面積のおおよその値になる。分割をどこまでも細かくしていく(\(\Delta x\to0\)、本数\(\to\infty\))と、この和はある一定の値に近づいていく。この極限として面積を定義したものが、まさに定積分\(\displaystyle S=\int_a^b f(x)\,dx\)にほかならない。 体積であれば断片は円板(\(\pi\{f(x)\}^2\,dx\))、曲線の長さであれば断片は微小な線分(\(\sqrt{1+(y')^2}\,dx\))になり、たし合わせる対象が変わるだけで、「細かく分けてたし合わせる」という骨組みは面積とまったく同じである。 面積・体積・曲線の長さは、どれも積分区間を細かく分けて1つ分の断片(帯・円板・線分)の量を求め、それを極限として積分でたし合わせるという同じ発想にもとづいている。
記2

不定積分の置換積分と部分積分は、それぞれどのような形の式を見たときに使うべきか、判断の基準を説明せよ。そのうえで、\(\displaystyle \int x\sqrt{2x+1}\,dx\) を実際に置換積分で求め、答案として仕上げよ。

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置換積分は、\(f(g(x))\,g'(x)\)の形、つまり外側の関数の中に別の関数(かたまり)が入っていて、そのすぐ後ろにちょうど中身の微分がかけてある形を見つけたときに使う。中身を\(u=g(x)\)とおくと、式全体が\(u\)だけの積分に変わり、計算がラクになる。 一方、部分積分は、種類の異なる2つの関数の積で、そのままでは積分できない形(\(x\)の累乗と\(e^x\)・\(\sin x\)・\(\cos x\)・\(\ln x\)の組み合わせなど)に使う。積の微分公式を逆から使う発想であり、微分すると次数が下がる・簡単になる方を\(f(x)\)に選ぶのがコツである。 これをふまえて\(\displaystyle \int x\sqrt{2x+1}\,dx\)を求める。根号の中の\(2x+1\)をかたまりとみて\(u=2x+1\)とおく。このとき\(x=\dfrac{u-1}{2}\)、\(dx=\dfrac12\,du\)なので \(\displaystyle \int x\sqrt{2x+1}\,dx = \int \dfrac{u-1}{2}\cdot\sqrt{u}\cdot\dfrac12\,du = \dfrac14\int(u-1)u^{1/2}\,du = \dfrac14\int\left(u^{3/2}-u^{1/2}\right)du\) \(\displaystyle = \dfrac14\left(\dfrac25u^{5/2}-\dfrac23u^{3/2}\right)+C = \dfrac{1}{10}u^{5/2}-\dfrac16u^{3/2}+C\) 最後に\(u=2x+1\)を戻す。 置換積分は「かたまり+そのすぐ後ろに中身の微分」の形、部分積分は「種類の異なる関数の積」の形に使う。\(\displaystyle \int x\sqrt{2x+1}\,dx = \dfrac{1}{10}(2x+1)^{5/2}-\dfrac16(2x+1)^{3/2}+C\)
共通テスト形式チャレンジ

大問1 目標時間 8分/配点 20点

太郎さんは、自転車で走ったときの速さを記録した。出発してから\(t\)秒後の速さが\(v(t)=6-t\)(m/秒)(\(0\le t\le6\))で表されるとき、出発してから進んだ距離について、花子さんと一緒に考えている。次の会話を読んで、あとの問いに答えよ。

花子「速さ\(v(t)\)を\(t\)で積分すると、出発してから進んだ距離が分かるね。」
太郎「じゃあ、まず不定積分から求めてみよう。」
(1)

出発してから\(t\)秒後までに進んだ距離を\(x(t)=\displaystyle\int_0^t v(u)\,du\)とすると \[ x(t) = \boxed{\text{ア}}\,t-\dfrac{t^2}{\boxed{\text{イ}}} \] となる。ア、イを求めよ。

ア イ
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\(\displaystyle x(t)=\int_0^t(6-u)\,du=\Bigl[6u-\dfrac{u^2}{2}\Bigr]_0^t=6t-\dfrac{t^2}{2}\) \(x(t)=6t-\dfrac{t^2}{2}\)
(2)

花子「速さが\(0\)になるのはいつですか。」 \(v(t)=0\)となるのは\(t=6\)のとき(ちょうど記録の終わりの時刻)である。(1)の結果を使うと、出発してから\(6\)秒後までに進んだ距離は\(x(6)=\boxed{\text{ウエ}}\)mである。ウエを求めよ。

ウエ
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\(x(6)=6\times6-\dfrac{6^2}{2}=36-18=18\) \(x(6)=18\)
(3)

太郎「積分で求めた距離は、\(v\)\(t\)グラフと\(t\)軸で囲まれた面積とも一致するはずだね。」\(v(t)=6-t\)は直線なので、\(v\)\(t\)グラフと\(t\)軸・直線\(t=6\)で囲まれた部分は、底辺\(\boxed{\text{オ}}\)、高さ\(\boxed{\text{カ}}\)の直角三角形になる。この面積は\(\boxed{\text{キク}}\)であり、(2)の結果と一致することが確認できる。オ、カ、キクを求めよ。

オ カ キク
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\(v(t)=6-t\)は\(t=0\)で\(v=6\)、\(t=6\)で\(v=0\)となる直線なので、\(v\)\(t\)グラフと\(t\)軸・直線\(t=6\)で囲まれた図形は、底辺\(6\)(\(t=0\)から\(t=6\)まで)、高さ\(6\)(\(t=0\)での速さ)の直角三角形。 面積は\(\dfrac12\times6\times6=18\) これは(2)で積分から求めた距離\(18\)mと一致する。定積分\(\displaystyle\int_0^6v(t)\,dt\)は、\(v\)\(t\)グラフと\(t\)軸で囲まれた面積そのものだからである。 底辺\(6\)、高さ\(6\)の直角三角形、面積\(18\)((2)の結果と一致)

大問2 目標時間 8分/配点 20点

花子さんは陶芸教室で湯呑みを作るために、ろくろで回転させる断面の形を考えている。断面の半径は、底からの高さ\(x\)cm(\(1\le x\le3\))の位置で\(r(x)=x+1\)(cm)になるように設計した。この形をろくろで回転させてできる立体の体積\(V\)を、先生と一緒に2通りの方法で計算して確かめている。次の会話を読んで、あとの問いに答えよ。

先生「体積は\(V=\pi\displaystyle\int_1^3(x+1)^2\,dx\)で求められるね。まずは置換積分で計算してみよう。」
(1)

\(u=x+1\)とおいて置換積分すると、積分区間は\(u=\boxed{\text{ア}}\)から\(u=\boxed{\text{イ}}\)に変わる。ア、イを求めよ。

ア イ
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\(u=x+1\)、\(du=dx\)。\(x:1\to3\)のとき\(u:2\to4\)。 \(u=2\)から\(u=4\)
(2)

この置換を使って計算すると、体積は\(V=\dfrac{\boxed{\text{ウエ}}}{\boxed{\text{オ}}}\pi\)(cm³)となる。ウエ、オを求めよ。

ウエ オ
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\(\displaystyle V=\pi\int_2^4 u^2\,du=\pi\Bigl[\dfrac{u^3}{3}\Bigr]_2^4=\pi\times\dfrac{64-8}{3}=\dfrac{56}{3}\pi\) \(V=\dfrac{56}{3}\pi\)
(3)

先生「置換を使わずに、直接展開して積分しても確かめられるよ。」\((x+1)^2=x^2+2x+1\)を直接積分すると \[ V=\pi\left[\dfrac{x^3}{\boxed{\text{カ}}}+x^2+x\right]_1^3 \] となり、(2)と同じ値になることが確認できる。カを求めよ。

カ
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\(\displaystyle \int(x^2+2x+1)\,dx=\dfrac{x^3}{3}+x^2+x\) \(x=3\)を代入:\(9+9+3=21\) \(x=1\)を代入:\(\dfrac13+1+1=\dfrac73\) \(V=\pi\left(21-\dfrac73\right)=\pi\times\dfrac{63-7}{3}=\dfrac{56}{3}\pi\) (2)の結果\(\dfrac{56}{3}\pi\)と一致し、置換積分の計算が正しいことが確かめられる。 カ\(=3\)、\(V=\dfrac{56}{3}\pi\)((2)の結果と一致)