OVERVIEW

この章で学ぶこと

「数と式」は数学Iの最初の章であり、これから先のすべての数学で使う計算力の土台をつくる章だ。式の展開・因数分解は、後で学ぶ2次関数や2次方程式の章で式を整理したり、グラフが\(x\)軸と交わる点を求めたりするときに何度も使う基本操作になる。実数・根号の計算は、無理数を含む値を近似せずに正確に扱う技術で、後の章で座標や長さを扱うときに欠かせない。1次不等式・絶対値は、大小関係や「距離」という考え方を式で正確に表す練習であり、次の章「集合と命題」で条件や証明を扱うときの土台にもなる。この章の5つのテーマは一見ばらばらに見えるが、どれも「式を正確に変形し、数の性質を根拠をもって説明する」という数学I全体を貫く姿勢を鍛えるものだ。

MAP

学習の順路

基本的には上から順に進めるのがおすすめ。特に1と2は「展開の逆が因数分解」という関係で直結しているので、この順番を崩さないほうがよい。3〜5はそれぞれ独立して読めるが、4→5は「向き」と「距離」という似た注意点を扱うので続けて学ぶと理解が深まる。

1. 式の展開 分配法則と4つの乗法公式で、かっこのついた式をばらばらの項の和になおす。すべての基本。

2. 因数分解 展開の逆操作。共通因数・公式・たすき掛け・置き換えを使い分けて、式を積の形に戻す。

3. 実数・根号の計算 有理数と無理数を区別し、根号の簡約・有理化・整数部分と小数部分の考え方を身につける。

4. 1次不等式 不等号の向きに注意しながら、1次式の大小関係を解く。連立不等式は共通範囲を読み取る。

5. 絶対値 絶対値を「原点や点\(a\)からの距離」としてとらえ、方程式・不等式・場合分けに応用する。
POINT 1

要点整理 1:展開と因数分解は「表と裏」

展開は式を「ばらす」操作、因数分解は式を「まとめる」操作。同じ公式を逆向きに使っているだけなので、次の4つは展開・因数分解の両方でワンセットに覚えておくと効率がよい。

公式1 \((a+b)^2 = a^2+2ab+b^2\) ⇔ \(a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\)
公式2 \((a-b)^2 = a^2-2ab+b^2\) ⇔ \(a^2-2ab+b^2=(a-b)^2\)
公式3 \((a+b)(a-b) = a^2-b^2\) ⇔ \(a^2-b^2=(a+b)(a-b)\)(真ん中の項が消えて平方の差になる)
公式4 \((x+a)(x+b) = x^2+(a+b)x+ab\) ⇔ \(x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)
いつ使うか
・展開は、式の形を整理して次の計算(方程式や不等式を解く、値を代入する)につなげたいときに使う。\(x\)の係数が1でない\((ax+b)(cx+d)\)は4つの積をすべて書き出せば必ず展開できる。
・因数分解は、式が0になる\(x\)を知りたいとき、約分したいとき、数値計算や式の値を工夫して求めたいときに使う。手順は「共通因数でくくる」→「公式1〜4に当てはまるか」→「たすき掛け(\(x^2\)の係数が1でないとき)」→「それでも無理なら置き換えや次数の低い文字で整理」の順に試すのが確実。
POINT 2

要点整理 2:根号の計算は「2つのルールと有理化」

根号の計算に必要なルールはたったの2つ。あとはこの2つの組み合わせで、簡約・四則演算・有理化のすべてが説明できる。

ルール1(積・商) \(a \ge 0,\ b \ge 0\) のとき \(\sqrt{a}\times\sqrt{b} = \sqrt{ab}\)、\(\ \sqrt{a}\div\sqrt{b} = \sqrt{\dfrac{a}{b}}\)(\(b>0\))
ルール2(2乗を外す) \(\sqrt{a^2} = |a|\)(\(a\)がマイナスでも根号を外すと必ずプラスになる)
いつ有理化するか 分母に根号が残っていると、大きさを比較したり他の分数と足し算したりしづらい。だから「これ以上計算を進める前」に有理化しておくのが基本。分母が根号1つだけなら同じ根号を、分母が2項(根号+数)なら共役(符号だけ変えた式)を分母・分子にかける――これは公式3\((x+y)(x-y)=x^2-y^2\)を利用して、根号どうしの交差項を打ち消し合わせて消す操作になっている。
手順1 近い2つの整数の2乗ではさみ、\(n^2 < (\text{中身}) < (n+1)^2\) の形をつくる
↓
手順2 各辺の根号をとって \(n < \sqrt{\ } < n+1\) にし、整数部分を \(n\) と確定する
↓
手順3 小数部分=もとの数−整数部分。四捨五入せず式のまま答える
POINT 3

要点整理 3:不等式と絶対値は「向き」と「距離」

1次不等式で最後まで意識すべきなのは「向き」、絶対値で最後まで意識すべきなのは「距離」。この2つのキーワードを軸に整理すると、場合分けの多いこの2テーマもすっきり見通せる。

不等式の性質(最重要) たし算・ひき算、正の数をかける・割るときは向きはそのまま。両辺に負の数をかけたり割ったりするときだけ、不等号の向きが逆転する。この1点を毎回確認する習慣が最大の得点源になる。
連立不等式:向かい合う型
\(x>\)◯ と \(x<\)△(◯\(<\)△)
→ ◯\(<x<\)△(有限の範囲)
連立不等式:同じ向き型
\(x>\)◯ と \(x>\)△
→ 条件がきびしい方だけが残る
連立不等式:離れる型
\(x>\)◯ と \(x<\)△(◯\(\ge\)△)
→ 重なる場所がなく解なし
絶対値の基本3パターン(\(a>0\))
\(|x|=a\) → \(x=a\) または \(x=-a\)
\(|x|<a\) → \(-a<x<a\)
\(|x|>a\) → \(x<-a\) または \(a<x\)
右辺に\(x\)を含む型
中身の符号が変わる境界で場合分けし、各場合で絶対値を外して解く。求めた解が、その場合の前提条件を満たすかを必ず確認してから答えを採用する。
CHECK

要点整理 4:テスト前のチェックリスト

問題を見た瞬間に「どの手順から試すか」が浮かぶように、5テーマそれぞれの思考の入り口をリストにしておく。

展開 公式1〜4のどれかに当てはまるか確認する。当てはまらなければ、共通部分を文字\(t\)で置き換えるか、4つ以上の積を地道に書き出す
↓
因数分解 共通因数でくくる → 公式1〜4(完全平方・平方の差・和と積)に当てはまるか → たすき掛け(\(x^2\)の係数が1でないとき)→ それでも無理なら置き換えや次数の低い文字で整理、の順に試す
↓
根号 中身を(平方数)×(残り)に分解して簡約 → 分母に根号があれば有理化 → 整数部分は近い2つの整数の2乗ではさんで求める
↓
不等式 文字の項を左辺・数だけの項を右辺に移項 → 係数で両辺を割る(負の数のときだけ向きを反転)→ 連立は数直線で共通範囲を読み取る
↓
絶対値 中身が0になる境界を見つけて場合分け → 符号にしたがって絶対値を外して解く → 前提条件を満たすかを必ず確認する
減点されやすいミス \((a+b)^2\)の真ん中の項(2倍の積)を忘れる/たすき掛けで「たて」だけ確認して「ななめ」を確認し忘れる/\(\sqrt{a}+\sqrt{b}\)をそのまま\(\sqrt{a+b}\)としてしまう/不等式で負の数をかけたのに向きを変え忘れる/絶対値の場合分けで前提条件の確認を省略する。この5つはどれも「最後の一手間」を飛ばしたときに起こる。
まとめテスト(標準)

この章5テーマの総合演習・全25問。目標時間30分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。不等式の範囲は「x<4」「x>=2」のように <= や >= を使って入力しよう。有理化の結果を4つの欄に分ける問題は \(\dfrac{ア\sqrt{イ}+ウ}{エ}\) の形で、整数だけの答えは√の欄に1、+の欄に0のように入れよう。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜15)
1
1. 式の展開

\((x+6)(x-4)\) を展開せよ。

\(x^2\)の係数  \(x\)の係数  定数項
解説を見る
4つの積を作る:\(x\times x=x^2\)、\(x\times(-4)=-4x\)、\(6\times x=6x\)、\(6\times(-4)=-24\) \(x\)の項をまとめる:\(-4x+6x=2x\) \((x+6)(x-4)=x^2+2x-24\)
2
1. 式の展開(公式2)

\((3x-2)^2\) を展開せよ。

\(x^2\)の係数  \(x\)の係数  定数項
解説を見る
公式2 \((a-b)^2=a^2-2ab+b^2\) を \(a=3x,\ b=2\) で使う。 \((3x)^2-2\times3x\times2+2^2 = 9x^2-12x+4\) \((3x-2)^2=9x^2-12x+4\)
3
1. 式の展開(公式3)

\((2x+5)(2x-5)\) を展開せよ。

\(x^2\)の係数  \(x\)の係数  定数項
解説を見る
公式3 \((a+b)(a-b)=a^2-b^2\) を \(a=2x,\ b=5\) で使う。 \((2x)^2-5^2 = 4x^2-25\)(\(x\)の項は消える) \((2x+5)(2x-5)=4x^2-25\)
4
2. 因数分解(和と積)

\(x^2-3x-18\) を因数分解せよ(ア≦イで入力)。

(x+)(x+) 
解説を見る
和が \(-3\)、積が \(-18\) になる2数を探す。\((-6)+3=-3\)、\((-6)\times3=-18\) なので \(-6\) と \(3\)。 \(x^2-3x-18=(x-6)(x+3)\)
5
2. 因数分解(たすき掛け)

\(3x^2+11x-4\) を \((アx+イ)(ウx+エ)\) の形に因数分解せよ(ア≦ウ、ア=ウのときはイ≦エで入力)。

(x+)(x+) 
解説を見る
\(a=3,c=-4\)。左を \(x+4\)、右を \(3x-1\) として確認する。 たて:\(1\times3=3=a\)、\(4\times(-1)=-4=c\)。 ななめの和:\(1\times(-1)+3\times4=-1+12=11=b\) で一致。 \(3x^2+11x-4=(x+4)(3x-1)\)
6
3. 根号の簡約

\(\sqrt{98}\) を簡約せよ。

答え
解説を見る
\(98\) を(平方数)×(残り)の形に分解する。\(98=49\times2\)(\(49=7^2\))。 \(\sqrt{98}=\sqrt{49\times2}=\sqrt{49}\times\sqrt{2}=7\sqrt{2}\) \(\sqrt{98}=7\sqrt{2}\)
7
3. 根号どうしの足し算

\(\sqrt{27}+\sqrt{12}\) を計算せよ。

答え
解説を見る
それぞれ簡約する。 \(\sqrt{27}=\sqrt{9\times3}=3\sqrt{3}\) \(\sqrt{12}=\sqrt{4\times3}=2\sqrt{3}\) 根号の中身がそろったので足し算できる。 \(3\sqrt{3}+2\sqrt{3}=5\sqrt{3}\) \(\sqrt{27}+\sqrt{12}=5\sqrt{3}\)
8
3. 有理化(1項・約分あり)

\(\dfrac{6}{\sqrt{6}}\) を有理化せよ。

(√+)/
解説を見る
分母・分子に \(\sqrt{6}\) をかける。 \(\dfrac{6}{\sqrt{6}} = \dfrac{6\sqrt{6}}{\sqrt{6}\times\sqrt{6}} = \dfrac{6\sqrt{6}}{6}\) 約分すると、 \(\dfrac{6}{\sqrt{6}} = \sqrt{6}\)
9
4. 1次不等式(基本)

\(5x-3<2x+9\) を解け。

\(x\)の範囲 
解説を見る
\(2x\) と \(-3\) を移項すると \(5x-2x<9+3\)、つまり \(3x<12\)。両辺を3(正の数)で割る。 \(x<4\)
10
4. 1次不等式(負の数で割る)

\(-4x+7\le-1\) を解け。

\(x\)の範囲 
解説を見る
\(7\) を移項すると \(-4x\le-1-7\)、つまり \(-4x\le-8\)。両辺を \(-4\)(負の数)で割るので向きが逆になる。 \(x\ge2\)
11
5. 絶対値方程式

\(|x-5|=3\) を解け。

\(x=\)
解説を見る
\(|x-5|=3\) は「点5から距離3の点」を求める式。 \(x-5=3\) より \(x=8\)、または \(x-5=-3\) より \(x=2\)。 \(x=8,\ 2\)
12
5. 絶対値不等式

\(|x+2|<6\) を解け。解は \(\text{ア}<x<\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
\(|x+2|<6\) より \(-6<x+2<6\)。各辺から \(2\) を引くと \(-6-2<x<6-2\)。 \(-8<x<4\)
13
3. 整数部分・小数部分

\(\sqrt{13}\) の整数部分を \(a\)、小数部分を \(b\) とする。\(a\) と \(b\) を求めよ。(\(b\) は式のまま入力)

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
近い整数の2乗と根号の中身を比べる。\(3^2=9,\ 4^2=16\) で \(9<13<16\) だから \(3<\sqrt{13}<4\)。 よって整数部分は \(3\)。小数部分は「\(\sqrt{13}\) から整数部分を引いた残り」なので、小数部分 \(=\sqrt{13}-3\)。 整数部分は \(3\)、小数部分は \(\sqrt{13}-3\)
14
4. 連立不等式

次の連立不等式を解け。\(\begin{cases}x-2>1\\ 3x+1\le16\end{cases}\)  解は \(\text{ア}<x\le\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
1つ目の式:\(x-2>1\) より \(x>3\) 2つ目の式:\(3x+1\le16\) より \(3x\le15\)、\(x\le5\) 両方を同時に満たすのは \(3\) より大きく \(5\) 以下の範囲。 \(3<x\le5\)
15
2. 因数分解(共通因数+公式3)

\(2x^2-8\) を \(2(x+ア)(x+イ)\) の形に因数分解せよ(ア≦イで入力)。

2(x+)(x+) 
解説を見る
まず共通因数 \(2\) でくくる:\(2x^2-8=2(x^2-4)\)。 かっこの中 \(x^2-4=x^2-2^2\) は公式3(平方の差)の形なので \((x-2)(x+2)\)。 \(2x^2-8=2(x-2)(x+2)\)
発展(16〜25)
16
展開×因数分解:式の値

\(x=13,\ y=10\) のとき、\(x^2-y^2+3x-3y\) の値を、因数分解を利用して求めよ。

答え
解説を見る
そのまま代入して計算してもよいが、先に因数分解すると計算が楽になる。 前半2項は平方の差:\(x^2-y^2=(x+y)(x-y)\)。後半2項は共通因数 \((x-y)\) を持つ:\(3x-3y=3(x-y)\)。 \(x^2-y^2+3x-3y = (x+y)(x-y)+3(x-y) = (x-y)\{(x+y)+3\} = (x-y)(x+y+3)\) ここで \(x-y=13-10=3\)、\(x+y=13+10=23\) を代入する。 \((x-y)(x+y+3) = 3\times(23+3) = 3\times26 = 78\) (確かめ:直接代入すると \(169-100+39-30=69+9=78\) で一致する。) \(x^2-y^2+3x-3y = 78\)
17
根号×不等式:整数の範囲

\(x<\sqrt{50}\) を満たす最大の整数 \(x\) を求めよ。

答え
解説を見る
\(\sqrt{50}\) をはさむ2つの整数を、近い整数の2乗と根号の中身を比べて探す。 \(7^2=49,\ 8^2=64\) で \(49<50<64\) だから \(7<\sqrt{50}<8\)。 つまり \(\sqrt{50}\) はおよそ \(7.07\) で、\(x<\sqrt{50}\) を満たす整数のうち最大のものは \(7\)(\(7<7.07\cdots\) は成り立つが、\(8<7.07\cdots\) は成り立たない)。 最大の整数は \(7\)
18
根号×絶対値:中身の符号判定

\(|\sqrt{3}-2|\) を簡単にせよ(根号を含まない数と根号を含む項の差の形にすること)。

答え
解説を見る
絶対値を外すには、まず中身 \(\sqrt{3}-2\) の符号を確認する必要がある。 \(\sqrt{3}\) は \(1<\sqrt{3}<2\)(\(1^2=1,\ 2^2=4\) で \(1<3<4\) だから)を満たすので、\(\sqrt{3}<2\)。 したがって中身 \(\sqrt{3}-2\) は負の数。絶対値の定義より、中身が負のときは符号を反転させて外す。 \(|\sqrt{3}-2| = -(\sqrt{3}-2) = 2-\sqrt{3}\)
19
不等式×絶対値:場合分け

\(|2x-3|\le x+3\) を解け。解は \(\text{ア}\le x\le\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
絶対値の中身 \(2x-3\) が \(0\) になるのは \(x=\dfrac{3}{2}\)。ここを境に場合分けする。 (i) \(x\ge\dfrac{3}{2}\) のとき(中身 \(2x-3\ge0\) なので、そのまま外せる) \(2x-3\le x+3\) \(x\le6\) 前提条件 \(x\ge\dfrac{3}{2}\) とあわせると \(\dfrac{3}{2}\le x\le6\)。 (ii) \(x<\dfrac{3}{2}\) のとき(中身 \(2x-3<0\) なので、符号を反転して外す) \(-(2x-3)\le x+3\) \(-2x+3\le x+3\) \(-3x\le0\) \(x\ge0\) 前提条件 \(x<\dfrac{3}{2}\) とあわせると \(0\le x<\dfrac{3}{2}\)。 (i)と(ii)の範囲をあわせる(どちらか一方でも成り立てばよい)と、\(0\le x<\dfrac{3}{2}\) と \(\dfrac{3}{2}\le x\le6\) はちょうど \(x=\dfrac{3}{2}\) でつながるので、まとめて \(0\le x\le6\)。 \(0\le x\le6\)
20
根号×不等式:有理化してから範囲を評価

\(\dfrac{1}{\sqrt{5}-1}\) を有理化し、その値より小さい最大の整数を求めよ。

有理化した値  より小さい最大の整数
解説を見る
分母の共役 \(\sqrt{5}+1\) を分母・分子にかける。 \(\dfrac{1}{\sqrt{5}-1} = \dfrac{\sqrt{5}+1}{(\sqrt{5}-1)(\sqrt{5}+1)} = \dfrac{\sqrt{5}+1}{5-1} = \dfrac{\sqrt{5}+1}{4}\) 次に、この値がどの整数とどの整数の間にあるかを調べる。\(2^2=4,\ 3^2=9\) で \(4<5<9\) だから \(2<\sqrt{5}<3\)。 各辺に \(1\) を足すと \(3<\sqrt{5}+1<4\)、各辺を \(4\) で割ると \(\dfrac{3}{4}<\dfrac{\sqrt{5}+1}{4}<1\)。 つまりこの値は \(0.75\) より大きく \(1\) より小さい。整数ではないので、これより小さい最大の整数は \(0\)。 \(\dfrac{1}{\sqrt{5}-1}=\dfrac{\sqrt{5}+1}{4}\)、これより小さい最大の整数は \(0\)
21
展開×根号:公式の利用

\((\sqrt{3}+\sqrt{2})^2-(\sqrt{3}-\sqrt{2})^2\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
公式1・2で \(a=\sqrt{3},\ b=\sqrt{2}\) として展開すると \((\sqrt{3}+\sqrt{2})^2 = 3+2\sqrt{6}+2 = 5+2\sqrt{6}\) \((\sqrt{3}-\sqrt{2})^2 = 3-2\sqrt{6}+2 = 5-2\sqrt{6}\) 引き算すると、根号を含まない部分どうしが打ち消し合う。 \((5+2\sqrt{6})-(5-2\sqrt{6}) = 4\sqrt{6}\) (\((a+b)^2-(a-b)^2=4ab\) という公式1・2の差の形を使えば、\(4\times\sqrt{3}\times\sqrt{2}=4\sqrt{6}\) と一気に求めることもできる。) \((\sqrt{3}+\sqrt{2})^2-(\sqrt{3}-\sqrt{2})^2 = 4\sqrt{6}\)
22
因数分解×整数の性質

\(n\) を整数とする。連続する3つの整数 \(n-1,\ n,\ n+1\) のうち、最も大きい数と最も小さい数の積は、真ん中の数 \(n\) の2乗より、どれだけ小さいか。因数分解を利用して答えよ。

\(n\) の2乗より 小さい
解説を見る
最も大きい数と最も小さい数の積は \((n+1)(n-1)\)。これは公式3(平方の差)の形なので \((n+1)(n-1) = n^2-1\) つまり、この積は \(n\) の2乗からちょうど \(1\) を引いた数になっている。これは\(n\)がどんな整数でも成り立つ(因数分解した式が \(n^2-1\) という決まった形になるため)。 最大と最小の積 \((n+1)(n-1)=n^2-1\) は、真ん中の数の2乗より \(1\) だけ小さい
23
絶対値:距離としての意味+整数解の個数

数直線上で点Pの座標が \(-2\)、点Qの座標が \(x\) である。PQ間の距離が\(5\)未満となる\(x\)の範囲を、絶対値を用いた不等式で表して解け。また、その範囲に含まれる整数\(x\)の個数を求めよ。

\(\text{ア}<x<\text{イ}\):ア=  イ=  整数の個数 個
解説を見る
PQ間の距離は、点\(-2\)から点\(x\)までの距離なので \(|x-(-2)|=|x+2|\) と表せる。これが\(5\)未満なので \(|x+2|<5\) 型(\(|x-a|<b\) → \(a-b<x<a+b\))にあてはめると \(-2-5<x<-2+5\) \(-7<x<3\) この範囲に含まれる整数は \(-6,-5,-4,-3,-2,-1,0,1,2\) の9個。 \(-7<x<3\)、整数の個数は9個
24
根号×因数分解:2項の有理化

\(\dfrac{\sqrt{7}+\sqrt{5}}{\sqrt{7}-\sqrt{5}}\) を有理化せよ。

答え
解説を見る
分母の共役 \(\sqrt{7}+\sqrt{5}\) を分母・分子にかける(分子・分母が同じ形になる)。 \(\dfrac{\sqrt{7}+\sqrt{5}}{\sqrt{7}-\sqrt{5}} = \dfrac{(\sqrt{7}+\sqrt{5})^2}{(\sqrt{7}-\sqrt{5})(\sqrt{7}+\sqrt{5})}\) 分母は公式3の形:\((\sqrt{7})^2-(\sqrt{5})^2 = 7-5 = 2\) 分子は公式1の形:\((\sqrt{7}+\sqrt{5})^2 = 7+2\sqrt{35}+5 = 12+2\sqrt{35}\) \(\dfrac{12+2\sqrt{35}}{2}\) を約分すると、 \(\dfrac{\sqrt{7}+\sqrt{5}}{\sqrt{7}-\sqrt{5}} = 6+\sqrt{35}\)
25
絶対値:文章題(ずれの範囲)

ある商品の表示重量は \(500\)g である。実際の重さ\(x\)gと表示重量とのずれの絶対値が\(3\)g以内であることが保証されているとき、\(x\)の満たす範囲を絶対値を用いた不等式で表して解け。

\(\text{ア}\le x\le\text{イ}\):ア=  イ=
解説を見る
実際の重さ\(x\)と表示重量\(500\)とのずれは \(|x-500|\) と表せる。これが\(3\)以内なので \(|x-500|\le3\) 型(\(|x-a|\le b\) → \(a-b\le x\le a+b\))にあてはめると \(500-3\le x\le500+3\) \(497\le x\le503\)
共通テスト形式チャレンジ 1

目標時間 8分/配点 20点

太郎さんと花子さんは、1辺の長さ \(x\) m の正方形の花壇のまわりに、幅\(2\)mの通路を作る計画について話している。通路を含めた土地全体は、1辺 \((x+4)\) m の正方形になる。

花子「通路の面積だけを取り出すには、どう計算すればいいのかな。」
太郎「土地全体の面積から、花壇の面積を引けばいいんじゃないかな。」
(1)

通路の面積を \(S\)(\(\text{m}^2\))とする。\(S\) を \(x\) について整理し、さらに共通因数でくくった形にもせよ。

\(S = (x+4)^2-x^2 = \boxed{\text{ア}}x+\boxed{\text{イウ}} = \boxed{\text{エ}}(x+\boxed{\text{オ}})\)

ア イウ エ オ
解説を見る
土地全体(1辺 \(x+4\))の面積から、花壇(1辺\(x\))の面積を引く。 \(S = (x+4)^2-x^2\) まず展開する。公式1 \((a+b)^2=a^2+2ab+b^2\) を \(a=x,\ b=4\) で使うと \((x+4)^2 = x^2+8x+16\) これから \(x^2\) を引くと、\(x^2\) どうしが打ち消し合う。 \(S = (x^2+8x+16)-x^2 = 8x+16\) 共通因数 \(8\) でくくると、 \(S = 8x+16 = 8(x+2)\) \(S=8x+16=8(x+2)\)
(2)

太郎「通路の面積を\(80\text{m}^2\)以下にしたいな。」花子「じゃあ(1)の式を使って不等式を作ってみよう。」

(1)の結果を利用し、\(S\le80\) となる \(x\) の範囲を求めよ(\(x>0\))。解は \(\boxed{\text{カ}}<x\le\boxed{\text{キ}}\) の形になる。

カ キ
解説を見る
(1)で求めた \(S=8x+16\) を使う。 \(8x+16\le80\) \(8x\le64\) \(x\le8\) これに \(x>0\)(花壇の1辺の長さだから)という条件をあわせる。 \(0<x\le8\)
(3)

太郎「\(x\)は整数になるように区切りたいんだけど、(2)の範囲だと\(x\)は何通り考えられる?」

(2)で求めた範囲を満たす整数 \(x\) は何通りあるか求めよ。

通り
解説を見る
(2)の範囲は \(0<x\le8\)。この範囲に含まれる整数は \(1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6,\ 7,\ 8\) の8通り。 8通り
共通テスト形式チャレンジ 2

目標時間 8分/配点 20点

ある工場で製造する部品の長さの規格は\(250\)mmであり、実際の長さ\(x\)mmと規格\(250\)mmとの差の絶対値が一定の値以下であれば合格品とする。
(1)

誤差の許容範囲を\(4\)mm以下とするとき、合格品となる \(x\) の範囲を絶対値を用いた不等式で表し、それを解け。

\(|x-250|\le4\) より \(\boxed{\text{アイウ}}\le x\le\boxed{\text{エオカ}}\)

アイウ エオカ
解説を見る
\(|x-250|\le4\) は「点250から距離4以内」の範囲を表す。型(\(|x-a|\le b\) → \(a-b\le x\le a+b\))にあてはめると \(250-4\le x\le250+4\) \(246\le x\le254\)
(2)

合格品の割合を上げるため、誤差の許容範囲を\(5\)mm以下に広げることにした。新しい合格範囲を求め、その範囲の長さ(最大値\(-\)最小値)も求めよ。

\(\boxed{\text{キクケ}}\le x\le\boxed{\text{コサシ}}\)、範囲の長さは \(\boxed{\text{スセ}}\)mm

キクケ コサシ スセ
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\(|x-250|\le5\) より \(250-5\le x\le250+5\)、つまり \(245\le x\le255\)。 範囲の長さは、最大値から最小値を引けばよい。 \(255-245=10\) \(245\le x\le255\)、範囲の長さは\(10\)mm
(3)

誤差の許容範囲を \(t\)mm以下(\(t\)は正の整数)としたとき、合格範囲の長さが\(16\)mmになるようにしたい。\(t\)の値を求めよ。

\(t=\)
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許容範囲を\(t\)mm以下とすると、合格範囲は \(|x-250|\le t\) より \(250-t\le x\le250+t\)。 この範囲の長さは \((250+t)-(250-t)=2t\)。これが\(16\)になればよいので \(2t=16\) \(t=8\) \(t=8\)
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

「数と式」の章で学んだ内容は、一見すると別々の話に見えるが、実はつながっている部分がある。次の(a)(b)の2点を通して、そのつながりを説明せよ。
(a) 因数分解の公式 \(a^2-b^2=(a+b)(a-b)\) が、根号を含む分数の有理化でどのように使われるか。
(b) 絶対値 \(|x|\) が「距離」として定義されることが、不等式 \(|x|<a\) の解を求めるときにどう役立つか。

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(a) 分母が \(\sqrt{p}+q\) のような2項のとき、そのままでは分母から根号を追い出せない。ここで分母・分子に共役 \(\sqrt{p}-q\) をかけると、分母は \((\sqrt{p}+q)(\sqrt{p}-q)\) という「和と差の積」の形になる。これはちょうど因数分解の公式 \(a^2-b^2=(a+b)(a-b)\) を右辺から左辺へ逆向きに――つまり展開の側で――使った形にあたり、\((\sqrt{p})^2-q^2=p-q^2\) という根号を含まない数になる。根号どうしの交差項が符号違いで打ち消し合うことがこの公式の本質であり、この性質を利用することで分母の根号を確実に消すことができる。因数分解のときに学んだ「真ん中の項が消えて平方の差になる」という公式3の特徴が、根号の有理化という別の場面でそのまま活きている。 (b) \(|x|\) は数直線上で原点から\(x\)までの距離を表す。したがって \(|x|<a\) という式は「原点からの距離が\(a\)未満」という意味になり、それは数直線上で原点を中心に半径\(a\)以内の範囲、つまり\(-a\)から\(a\)までの区間として直接読み取れる。もし「距離」という意味を意識せずに、\(|x|\)を「符号を無視した数」という定義だけで機械的に場合分け(\(x\ge0\)のとき\(x<a\)、\(x<0\)のとき\(-x<a\))して解いても同じ答え \(-a<x<a\) にはたどり着けるが、「距離」という図形的な意味で捉えたほうが、なぜその範囲になるのかが一目で分かり、\(|x-a|<b\)のような一般の形にも「点\(a\)からの距離が\(b\)未満」として同じ考え方をそのまま拡張できる。 このように、この章の各テーマは独立した公式の暗記ではなく、「和と差の積は2乗の差になる」「絶対値は距離である」という少数の考え方が形を変えて繰り返し登場している、という点でつながっている。 因数分解の「平方の差」の公式は根号の有理化で共役をかける根拠になっており、絶対値を「距離」として捉える見方は不等式の解の範囲をそのまま図形的に読み取る根拠になっている。どちらも、この章の少数の基本公式・基本定義が形を変えて繰り返し使われている例である。
記2

\(x=\sqrt{5}+\sqrt{3}\)、\(y=\sqrt{5}-\sqrt{3}\) のとき、\(x+y\)、\(xy\)、\(x^2+y^2\) の値をそれぞれ求めよ。求め方の方針も含めて記述せよ。

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\(x\)、\(y\)は根号を2つ含む式なので、\(x^2+y^2\)をいきなり展開して計算しようとすると根号どうしの積が何度も出てきて煩雑になる。そこで、まず\(x+y\)と\(xy\)という「基本対称式」と呼ばれる2つの値を先に計算しておき、それらを使って\(x^2+y^2\)を組み立てる、という方針で進める。 まず\(x+y\)を計算する。根号の中身が違う項どうしは足し引きできないが、この場合は\(\sqrt{3}\)の項が符号違いで打ち消し合う。 \(x+y = (\sqrt{5}+\sqrt{3})+(\sqrt{5}-\sqrt{3}) = 2\sqrt{5}\) 次に\(xy\)を計算する。これは「和と差の積」の形(公式3)になっている。 \(xy = (\sqrt{5}+\sqrt{3})(\sqrt{5}-\sqrt{3}) = (\sqrt{5})^2-(\sqrt{3})^2 = 5-3 = 2\) 最後に\(x^2+y^2\)を求める。ここで、\(x^2+y^2\)を直接展開する代わりに、公式1 \((x+y)^2=x^2+2xy+y^2\)を変形した\(x^2+y^2=(x+y)^2-2xy\)という式を使うと、すでに求めた\(x+y\)と\(xy\)の値だけから計算できる。 \(x^2+y^2 = (x+y)^2-2xy = (2\sqrt{5})^2-2\times2 = 4\times5-4 = 20-4 = 16\) \(x+y=2\sqrt{5}\)、\(xy=2\)、\(x^2+y^2=16\)