この範囲の全体像

数Iは「数と式」「集合と命題」「2次関数」「図形と計量(三角比)」「データの分析」の5章からなるが、これらは独立した5つの単元というより、2種類の"道具"が形を変えながら全体を貫いている。

1つ目の道具は式を変形する技術である。第1章「数と式」で身につけた展開・因数分解は、第3章「2次関数」の平方完成にそのまま使われ、頂点・最大最小・方程式・不等式のすべての出発点になる。同じ「2乗の形にまとめる」という操作は、第5章「データの分析」の分散の公式\(V=\overline{x^2}-(\bar x)^2\)の成り立ちにも姿を変えて現れるし、第4章「図形と計量」で三角比の相互関係\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\)を使って値を求める計算も、根号の計算や式の整理という同じ土台の上に立っている。

2つ目の道具は論理の道具である。第2章「集合と命題」で学ぶ必要条件・十分条件、対偶、背理法は、それ自体が入試で問われるだけでなく、他の章の"なぜそれでよいのか"を支える根拠になっている。2次方程式の判別式\(D\)の符号で場合分けする根拠は「実数解をもつ\(\iff D\ge0\)」という必要十分条件そのものであるし、第5章の仮説検定は「仮説が正しいと仮定すると、めったに起こらないことが起きた→だから仮説を疑う」という、背理法とよく似た論理の型で判断を下している。

さらに、第3章「2次関数」で身につけた「グラフで考える」という視点は、第4章の三角比の面積の最大値を求める問題(2辺の和が一定のとき面積を2次関数として最大化する)にそのままつながり、第5章の散布図・ヒストグラム・箱ひげ図もまた、数値の集まりを1枚の図として捉えるという同じ姿勢の延長線上にある。逆に第4章と第5章は、どちらも「複数の値をひとつの指標にまとめる」という共通点をもつ――三角比の面積公式がふたつの辺と角をひとつの面積の値にまとめるように、代表値や分散はたくさんのデータをひとつの数値にまとめている。バラバラに見える5章が、実はこの2種類の道具の組み合わせでできていることを意識しながら、総仕上げに取り組もう。

章まとめへのリンク一覧

まず各章のまとめページで、章ごとの要点とまとめテストを確認しておこう。このページはその先の総仕上げにあたる。

第1章 数と式 まとめ ― 展開・因数分解・根号の計算・1次不等式・絶対値。すべての計算の土台になる章。
↓
第2章 集合と命題 まとめ ― 集合の要素の個数、必要条件・十分条件、対偶・背理法などの論理の道具。
↓
第3章 2次関数 まとめ ― 平方完成を出発点に、グラフ・最大最小・方程式・不等式・関数の決定までが1本の線でつながる章。
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第4章 図形と計量(三角比) まとめ ― 直角三角形の辺の比から鈍角への拡張を経て、正弦定理・余弦定理・面積公式まで。
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第5章 データの分析 まとめ ― 代表値・分散・標準偏差でデータを要約し、相関係数・仮説検定の考え方で判断する。

要点の総整理 最大値・最小値を求める場面のつながり

数Iの範囲で「最大値・最小値を求めよ」と言われたとき、実際に使う手段はほぼ1つに集約される:式を2次式の形に整理し、平方完成する。これは2次関数の章の中だけの技術ではなく、条件が絡んだ量を最大化・最小化したいときに繰り返し登場する。

典型例:2辺の和が一定の三角形の面積を最大化する 2辺の長さの和が一定値\(k\)、その間の角\(\theta\)が一定のとき、一方の辺を\(x\)とおくと面積は\(S=\dfrac{1}{2}x(k-x)\sin\theta\)という\(x\)の2次式になる。あとは2次関数の章と同じ手順(\(x^2\)の項をくくり出して平方完成)で最大値が求まる。三角比の面積公式\(S=\dfrac{1}{2}ab\sin C\)は「角度の情報」を、2次関数の平方完成は「量が2つに分かれる条件」を担当し、両方が揃って初めて解ける問題になっている。
見分け方 問題文に「和が一定」「周の長さが一定」のように2つの量の和が固定される条件が出てきたら、片方を\(x\)、もう片方を\((\text{一定値}-x)\)とおいて2次式に持ち込めないかをまず疑う。これは面積の問題に限らず、周の長さが一定の長方形の面積(2次関数の章で既出)など、数Iのいたるところで顔を出すパターンである。

要点の総整理 論理の道具(対偶・必要十分条件・背理法)はどこで使われているか

「集合と命題」の章で学ぶ道具は、その章の中だけで使うものではない。他の章で「なぜその場合分けでよいのか」「なぜその判定でよいのか」を支える根拠として、姿を変えて何度も登場している。

2次方程式の判別式
「実数解をもつ\(\iff D\ge0\)」は必要十分条件の一例。\(D\)の符号を調べる作業は、この条件の真偽を確認しているにすぎない。
2次不等式の解と集合の包含
不等式\(f(x)\le0\)の解集合を\(A\)、別の条件の範囲を\(B\)とすると、「\(x\in A\Rightarrow x\in B\)」は\(A\subset B\)と同じ意味になる。
データの分析の仮説検定
「仮説を仮定→そのもとでは今回の結果はめったに起きないはずと分かる→仮説を疑って棄却する」という手順は、背理法の「否定を仮定→矛盾を導く→仮定を退ける」という論理の型とよく似ている(ただし仮説検定は「確率的にめったに起きない」ことを根拠にする点で、数学的な矛盾を必ず導く背理法とは厳密さが異なることも覚えておこう)。
共通する姿勢 「本当にそれだけで言えるのか」を、反例や矛盾を探すことで確かめる――この姿勢そのものが、対偶・背理法・必要十分条件の判定・仮説検定のすべてに共通している。

要点の総整理 図・グラフから量を読み取る技術の一覧

数Iでは章によって全く違う種類の図が登場するが、どれも「数値の集まりや関係を、目で見て判断できる形に変える」という同じ役割を果たしている。テスト前にこの一覧で頭を整理しておこう。

2次関数のグラフ
1つの式\(y=ax^2+bx+c\)がもつ性質(頂点・軸・x軸との交点)を、放物線という1枚の図にまとめる。
三角比の図形(三角形・座標)
辺の長さと角の大きさという2種類の情報を、1つの図の上に同時に表す。
集合と命題:ベン図 集合の包含関係や共通部分・和集合を、円の重なりという図で直接見せる(要素の個数の公式や必要十分条件の判定に使う)。

データの分析:箱ひげ図・ヒストグラム・散布図 箱ひげ図は分布の中心と散らばりを、ヒストグラムは度数の分布の形を、散布図は2つの数量の関係を、それぞれ1枚の図で見せる。
読み取りの共通ルール どの図も、目盛や座標から値を読み取るときは「目盛線上か、目盛の半分の位置」までしか正確には読めない。細かい値が必要なときは図だけに頼らず、必ず問題文中の数値や式から計算して求める。

要点の総整理 不等式・絶対値・場合分けの共通パターン

「数と式」の1次不等式・絶対値と、「2次関数」の2次不等式は、扱う式の次数が違うだけで、解き方の骨組みは同じ。テスト前は、この骨組みをもう一度確認しておこう。

1次不等式(数と式)
移項して整理するだけ。負の数で割るときだけ不等号の向きが反転する。
2次不等式(2次関数)
まず\(=0\)とおいて因数分解し、交点を求める。あとはグラフの上下(外側型/内側型)で解の範囲が決まる。
絶対値の不等式(数と式)
\(|x-a|\)を「点\(a\)からの距離」と読み、\(|x-a|<b\)なら\(a-b<x<a+b\)という範囲に直接読み替える。
場合分けが必要になる典型パターン (1)不等式の両辺に負の数をかける・割るとき、(2)絶対値の中身の符号が変わる境界をまたぐとき、(3)2次関数の軸や区間が文字を含んで動くとき。共通しているのは「境界(符号が変わる点・軸の位置)を先に特定し、その前後で別々に扱う」という手順であり、これができれば数Iの場合分け問題の大半に対応できる。
まとめテスト(標準)

数I全5章を横断する総合演習、全40問。目標時間は60分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」、根号は「√3」でも「sqrt3」でもOK。
証明問題は入力欄なし。自分で書いてから「解答例を見る」で確認しよう。わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜20)
1
数と式:展開

\((x+7)(x-5)\) を展開せよ。

\(x^2\)の係数  \(x\)の係数  定数項
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4つの積を作る:\(x\times x=x^2\)、\(x\times(-5)=-5x\)、\(7\times x=7x\)、\(7\times(-5)=-35\) \(x\)の項をまとめる:\(-5x+7x=2x\) \((x+7)(x-5)=x^2+2x-35\)
2
数と式:因数分解

\(x^2+2x-15\) を因数分解せよ(ア≦イで入力)。

(x+ア)(x+イ) 
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和が\(2\)、積が\(-15\)になる2数を探す。\(5+(-3)=2\)、\(5\times(-3)=-15\)なので\(5\)と\(-3\)。 \(x^2+2x-15=(x-3)(x+5)\)
3
数と式:根号の計算

\(\sqrt{48}-\sqrt{27}\) を計算せよ。

答え
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それぞれ簡約する。 \(\sqrt{48}=\sqrt{16\times3}=4\sqrt3\) \(\sqrt{27}=\sqrt{9\times3}=3\sqrt3\) 根号の中身がそろったので引き算できる。\(4\sqrt3-3\sqrt3=\sqrt3\) \(\sqrt{48}-\sqrt{27}=\sqrt3\)
4
数と式:絶対値方程式

\(|x+4|=6\) を解け。

\(x=\)
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\(|x+4|=6\)は「点\(-4\)から距離\(6\)の点」を求める式。 \(x+4=6\)より\(x=2\)、または\(x+4=-6\)より\(x=-10\)。 \(x=2,\ -10\)
5
集合と命題:要素の個数

\(n(A)=15,\ n(B)=10,\ n(A\cap B)=4\) のとき、\(n(A\cup B)\) を求めよ。

\(n(A\cup B)=\)
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\(n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B)=15+10-4=21\) \(n(A\cup B)=21\)
6
集合と命題:部分集合の個数

要素が5個の集合の部分集合は何個あるか求めよ。

答え 個
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要素1個ごとに「入れる・入れない」の2通りがあるので、部分集合の個数は\(2^5=32\)個(空集合と自分自身も1個と数える)。 32個
7
集合と命題:必要条件・十分条件

条件\(p\):「\(x=3\)」、条件\(q\):「\(x^2=9\)」とする。\(p\)は\(q\)であるための何条件か答えよ。

答え
解説を見る
\(p\Rightarrow q\):\(x=3\)ならば\(x^2=9\)は成り立つ(真)。 \(q\Rightarrow p\):\(x^2=9\)ならば\(x=3\)とは限らない(\(x=-3\)という反例がある)ので偽。 \(p\Rightarrow q\)だけが真なので、\(p\)は\(q\)であるための十分条件(必要条件ではない)。 十分条件
8
集合と命題:条件の否定(ド・モルガンの法則)

条件「\(x\ge2\)かつ\(y\le5\)」の否定を求めよ。否定は「\(x<\text{ア}\) または \(y>\text{イ}\)」の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
ド・モルガンの法則より、「\(p\)かつ\(q\)」の否定は「\(p\)でない、または\(q\)でない」。 \(x\ge2\)の否定は\(x<2\)、\(y\le5\)の否定は\(y>5\)。 \(x<2\) または \(y>5\)
9
2次関数:平方完成

\(y=x^2-8x+10\) を平方完成し、頂点の座標を求めよ。

頂点のx座標  頂点のy座標
解説を見る
\(x\)の係数\(-8\)の半分は\(-4\)、2乗すると\(16\)。 \(y=x^2-8x+16-16+10=(x-4)^2-6\) 頂点\((4,\ -6)\)
10
2次関数:2次方程式

\(x^2-5x+6=0\) を解け。

\(x=\)
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積が\(6\)、和が\(-5\)になる2数は\(-2\)と\(-3\)。 \((x-2)(x-3)=0\) \(x=2,\ 3\)
11
2次関数:2次不等式

\(x^2-9<0\) を解け。

\(\text{ア}<x<\text{イ}\):ア=  イ=
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\(x^2-9=(x-3)(x+3)\)。交点は\(x=-3,\ 3\)。\(y<0\)なので内側型。 \(-3<x<3\)
12
2次関数:最大値・最小値(区間指定なし)

\(y=2x^2-4x+5\) の最小値を求めよ。

最小値  そのとき \(x=\)
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\(y=2(x^2-2x)+5=2\big((x-1)^2-1\big)+5=2(x-1)^2-2+5=2(x-1)^2+3\) 下に凸なので頂点で最小。 \(x=1\)のとき最小値\(3\)
13
図形と計量:三角比の定義

直角三角形で、隣辺\(5\)・対辺\(12\)・斜辺\(13\)のとき、\(\sin\theta,\ \cos\theta,\ \tan\theta\) を求めよ。

\(\sin\theta=\)  \(\cos\theta=\)  \(\tan\theta=\)
解説を見る
\(\theta\)から見て、隣辺5・対辺12・斜辺13。定義にそのまま当てはめる。 \(\sin\theta=\dfrac{12}{13}\)、\(\cos\theta=\dfrac{5}{13}\)、\(\tan\theta=\dfrac{12}{5}\) \(\sin\theta=\dfrac{12}{13},\ \cos\theta=\dfrac{5}{13},\ \tan\theta=\dfrac{12}{5}\)
14
図形と計量:三角比の相互関係

\(\theta\)は鋭角で\(\sin\theta=\dfrac{3}{5}\)のとき、\(\cos\theta,\ \tan\theta\) を求めよ。

\(\cos\theta=\)  \(\tan\theta=\)
解説を見る
\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\)より\(\cos^2\theta=1-\dfrac{9}{25}=\dfrac{16}{25}\)。\(\theta\)は鋭角なので\(\cos\theta>0\)、よって\(\cos\theta=\dfrac{4}{5}\)。 \(\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta}=\dfrac{3/5}{4/5}=\dfrac{3}{4}\) \(\cos\theta=\dfrac{4}{5},\ \tan\theta=\dfrac{3}{4}\)
15
図形と計量:正弦定理

三角形ABCの外接円の半径が\(R=5\)、辺\(a=6\)のとき、\(\sin A\) の値を求めよ。

\(\sin A=\)
解説を見る
正弦定理\(\dfrac{a}{\sin A}=2R\)より\(\sin A=\dfrac{a}{2R}=\dfrac{6}{10}=\dfrac{3}{5}\) \(\sin A=\dfrac{3}{5}\)
16
図形と計量:面積公式

\(a=6,\ b=8,\ C=30^\circ\) の三角形の面積\(S\)を求めよ。

\(S=\)
解説を見る
\(S=\dfrac{1}{2}ab\sin C=\dfrac{1}{2}\times6\times8\times\sin30^\circ=\dfrac{1}{2}\times6\times8\times\dfrac{1}{2}=12\) \(S=12\)
17
データの分析:代表値

データ\(4,\ 7,\ 7,\ 9,\ 13\)の平均値と中央値を求めよ。

平均値  中央値
解説を見る
平均値:\((4+7+7+9+13)\div5=40\div5=8\) 中央値:すでに小さい順に並んでいるので、真ん中(3番目)の値\(7\)。 平均値\(8\)、中央値\(7\)
18
データの分析:四分位数

データ\(2,\ 3,\ 5,\ 7,\ 8,\ 10,\ 12,\ 15\)(すでに小さい順)の第1四分位数\(Q_1\)と第3四分位数\(Q_3\)を求めよ。

\(Q_1=\)  \(Q_3=\)
解説を見る
データ数8は偶数なので、そのまま半分に分ける。 下組:\(2,\ 3,\ 5,\ 7\) → 中央値(\(Q_1\))は\((3+5)\div2=4\) 上組:\(8,\ 10,\ 12,\ 15\) → 中央値(\(Q_3\))は\((10+12)\div2=11\) \(Q_1=4,\ Q_3=11\)
19
データの分析:分散

データ\(1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5\)の分散\(V\)を求めよ。

\(V=\)
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平均は\((1+2+3+4+5)\div5=3\)。 偏差は\(-2,-1,0,1,2\)、偏差の2乗は\(4,1,0,1,4\)、その和は\(10\)。 \(V=10\div5=2\) \(V=2\)
20
データの分析:分散・標準偏差の変換規則

平均\(50\)、分散\(16\)のデータについて、全員の値を3倍したときの新しい平均・分散・標準偏差を求めよ。

平均  分散  標準偏差
解説を見る
全員を\(b\)倍すると、平均も\(b\)倍、分散は\(b^2\)倍、標準偏差は\(|b|\)倍になる。\(b=3\)なので 平均:\(50\times3=150\) 分散:\(16\times3^2=16\times9=144\) 標準偏差:\(\sqrt{144}=12\)(もとの標準偏差\(\sqrt{16}=4\)を3倍しても同じ) 平均\(150\)、分散\(144\)、標準偏差\(12\)
標準(21〜34)
21
数と式:有理化

\(\dfrac{1}{3-\sqrt7}\) を有理化せよ。

(√+)/
解説を見る
分母・分子に共役\(3+\sqrt7\)をかける。 \(\dfrac{1}{3-\sqrt7}=\dfrac{3+\sqrt7}{(3-\sqrt7)(3+\sqrt7)}=\dfrac{3+\sqrt7}{9-7}=\dfrac{3+\sqrt7}{2}\) \(\dfrac{1}{3-\sqrt7}=\dfrac{\sqrt7+3}{2}\)
22
数と式:絶対値不等式

\(|x-3|\ge5\) を解け。解は \(x\le\text{ア}\) または \(x\ge\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
\(|x-3|\ge5\)は「点3からの距離が5以上」の範囲。 \(x-3\ge5\)より\(x\ge8\)、または\(x-3\le-5\)より\(x\le-2\)。 \(x\le-2\) または \(x\ge8\)
23
集合と命題:対偶を用いた証明

整数\(n\)について、「\(n^2\)が偶数ならば\(n\)は偶数である」ことを、対偶を利用して証明せよ。

解答例を見る
この命題の対偶は「\(n\)が奇数ならば\(n^2\)は奇数である」。もとの命題と対偶は真偽が必ず一致するので、対偶を証明すればよい。 \(n\)が奇数のとき、ある整数\(k\)を用いて\(n=2k+1\)とおける。 \(n^2=(2k+1)^2=4k^2+4k+1=2(2k^2+2k)+1\) \(2k^2+2k\)は整数だから、\(n^2\)は「2×整数+1」の形、すなわち奇数である。 したがって対偶「\(n\)が奇数ならば\(n^2\)は奇数である」は真であり、対偶が真であればもとの命題も真である。 対偶「\(n\)が奇数ならば\(n^2\)は奇数」を示すことで、もとの命題「\(n^2\)が偶数ならば\(n\)は偶数」が証明された。
24
集合と命題:ド・モルガンの法則と要素の個数

全体集合\(U\)を1以上30以下の自然数とする。\(A\)を2の倍数の集合、\(B\)を5の倍数の集合とするとき、\(\overline{A}\cap\overline{B}\)(どちらの倍数でもない数の集合)の要素の個数を求めよ。

\(n(\overline{A}\cap\overline{B})=\)
解説を見る
ド・モルガンの法則より\(\overline{A}\cap\overline{B}=\overline{A\cup B}\)。まず\(n(A\cup B)\)を求める。 \(n(A)=15\)(2の倍数、\(30\div2\))、\(n(B)=6\)(5の倍数、\(30\div5\))、\(n(A\cap B)=3\)(10の倍数、\(30\div10\)) \(n(A\cup B)=15+6-3=18\) \(n(\overline{A\cup B})=n(U)-n(A\cup B)=30-18=12\) 12個
25
2次関数:軸が動く最小値

\(y=x^2-2ax+3\)(\(0\le x\le4\))について、\(a=6\)のときの最小値を求めよ。

最小値  そのとき \(x=\)
解説を見る
\(y=(x-a)^2+3-a^2\)、軸は\(x=a\)。\(a=6\)のとき軸\(x=6\)は区間\([0,4]\)より右側 → 区間内はずっと減少。 最小は右端\(x=4\)。\(y=4^2-2\times6\times4+3=16-48+3=-29\)。 \(x=4\)のとき最小値\(-29\)
26
2次関数:2次不等式の文章題

物体を投げ上げたときの\(t\)秒後の高さが\(h=-5t^2+30t\)(m)で表される。高さが\(40\)m以上になる時間\(t\)の範囲を求めよ。

\(\text{ア}\le t\le\text{イ}\):ア=  イ=
解説を見る
条件は\(h\ge40\)なので \(-5t^2+30t\ge40\) \(-5t^2+30t-40\ge0\) 両辺を\(-5\)で割ると(不等号が反転) \(t^2-6t+8\le0\) \((t-2)(t-4)\le0\) \(2\le t\le4\)
27
図形と計量:余弦定理と鈍角の判定

三角形の3辺の長さが\(7,\ 8,\ 13\)のとき、最大辺\(13\)の対角\(\theta\)の余弦の値を求め、この三角形が鋭角三角形・直角三角形・鈍角三角形のどれになるか答えよ。

\(\cos\theta=\)  種類
解説を見る
余弦定理より\(\cos\theta=\dfrac{7^2+8^2-13^2}{2\times7\times8}=\dfrac{49+64-169}{112}=\dfrac{-56}{112}=-\dfrac12\) \(\cos\theta<0\)なので\(\theta\)は鈍角。最大辺の対角が鈍角であることから、この三角形は鈍角三角形である。 \(\cos\theta=-\dfrac12\)、鈍角三角形
28
図形と計量:余弦定理と面積公式

三角形ABCで\(a=5,\ b=8,\ C=60^\circ\)のとき、辺\(c\)の長さと面積\(S\)を求めよ。

\(c=\)  \(S=\)
解説を見る
余弦定理:\(c^2=a^2+b^2-2ab\cos C=25+64-2\times5\times8\times\dfrac12=89-40=49\)、よって\(c=7\)。 面積公式:\(S=\dfrac12ab\sin C=\dfrac12\times5\times8\times\sin60^\circ=20\times\dfrac{\sqrt3}{2}=10\sqrt3\) \(c=7,\ S=10\sqrt3\)
29
データの分析:分散(近道公式)

データ\(5,\ 6,\ 7,\ 9,\ 13\)の分散\(V\)と標準偏差\(s\)を、近道公式\(V=\overline{x^2}-(\bar x)^2\)を用いて求めよ。

\(V=\)  \(s=\)
解説を見る
平均:\((5+6+7+9+13)\div5=40\div5=8\) 2乗の平均:\((25+36+49+81+169)\div5=360\div5=72\) \(V=\overline{x^2}-(\bar x)^2=72-8^2=72-64=8\) \(s=\sqrt V=\sqrt8=2\sqrt2\) \(V=8,\ s=2\sqrt2\)
30
データの分析:相関係数の性質

相関係数\(r\)について、次の(1)〜(4)のうち正しいものをすべて選べ。
(1) \(-1\le r\le1\)が必ず成り立つ
(2) \(r=0\)ならば\(x\)と\(y\)の間に関係は全くない
(3) 外れ値が1つ混ざるだけで\(r\)の値が大きく変わることがある
(4) 相関があれば必ず因果関係がある

正しいものの番号(小さい順にコンマ区切り)
解説を見る
(1) 相関係数の定義から必ず成り立つ。正しい。 (2) \(r=0\)は「直線的な関係が見られない」という意味であり、曲線的な関係が全くないとは言えない。誤り。 (3) 相関係数は外れ値の影響を受けやすい。正しい。 (4) 相関があっても、それだけでは因果関係があるとは言えない(第三の要因が原因である場合もある)。誤り。 正しいのは(1)と(3)
31
図形と計量×2次関数:面積の最大化

2辺の長さの和が\(10\)、その間の角が\(60^\circ\)の三角形がある。一方の辺の長さを\(x\)(\(0<x<10\))として、面積\(S\)が最大になる\(x\)の値と、そのときの最大値を求めよ。

\(x=\)  最大値 \(S=\)
解説を見る
もう一方の辺は\(10-x\)。面積公式より \(S=\dfrac12x(10-x)\sin60^\circ=\dfrac{\sqrt3}{4}(10x-x^2)\) \(x^2\)の項に注目して平方完成する。\(10x-x^2=-(x^2-10x)=-\big((x-5)^2-25\big)=-(x-5)^2+25\) \(S=\dfrac{\sqrt3}{4}\big(-(x-5)^2+25\big)=-\dfrac{\sqrt3}{4}(x-5)^2+\dfrac{25\sqrt3}{4}\) 上に凸なので、\(x=5\)(区間\(0<x<10\)の中にある)で最大値\(\dfrac{25\sqrt3}{4}\)。 \(x=5\)のとき最大値\(S=\dfrac{25\sqrt3}{4}\)
32
数と式×図形と計量:展開公式と三角比の相互関係

\(0^\circ\le\theta\le180^\circ\)で\(\sin\theta+\cos\theta=\dfrac12\)のとき、\(\sin\theta\cos\theta\)の値を求めよ。

\(\sin\theta\cos\theta=\)
解説を見る
与式の両辺を2乗する。展開公式\((a+b)^2=a^2+2ab+b^2\)を使うと \((\sin\theta+\cos\theta)^2=\sin^2\theta+2\sin\theta\cos\theta+\cos^2\theta\) 相互関係\(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\)を使って整理すると \(\left(\dfrac12\right)^2=1+2\sin\theta\cos\theta\) \(\dfrac14=1+2\sin\theta\cos\theta\) \(2\sin\theta\cos\theta=\dfrac14-1=-\dfrac34\) \(\sin\theta\cos\theta=-\dfrac38\)
33
2次関数×集合と命題:判別式と必要十分条件

2次方程式\(x^2+ax+1=0\)が実数解を持たないための必要十分条件を、定数\(a\)の範囲で求めよ。

\(\text{ア}<a<\text{イ}\):ア=  イ=
解説を見る
「実数解を持たない\(\iff D<0\)」は必要十分条件そのもの。判別式は \(D=a^2-4\) \(D<0\)より\(a^2<4\)、よって\(-2<a<2\) \(-2<a<2\)
34
数と式×データの分析:絶対値不等式と外れ値の目安

あるデータの平均は\(50\)、標準偏差は\(4\)である。「平均から標準偏差の2倍以上離れた値」を外れ値の目安とするとき、その範囲を絶対値を用いた不等式で表し、解け。

\(x\le\text{ア}\) または \(x\ge\text{イ}\):ア=  イ=
解説を見る
標準偏差の2倍は\(2\times4=8\)。「平均からの距離が8以上」なので \(|x-50|\ge8\) 型(\(|x-a|\ge b\) → \(x\le a-b\)または\(x\ge a+b\))にあてはめると \(x\le50-8=42\) または \(x\ge50+8=58\) \(x\le42\) または \(x\ge58\)
発展(35〜40)
35
図形と計量:正弦定理と余弦定理の組み合わせ

三角形ABCにおいて\(BC=a=6\)、\(\angle A=60^\circ\)とする。まず外接円の半径\(R\)を求めよ。次に、\(AB=c,\ AC=b\)とし\(b+c=8\)のとき、この三角形の面積\(S\)を求めよ。

\(R=\)  \(S=\)
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正弦定理\(\dfrac{a}{\sin A}=2R\)より \(2R=\dfrac{6}{\sin60^\circ}=\dfrac{6}{\frac{\sqrt3}{2}}=\dfrac{12}{\sqrt3}=4\sqrt3\)、よって\(R=2\sqrt3\) 次に面積\(S\)を求めるには\(bc\)の値が必要だが、\(b+c=8\)だけでは\(b,c\)は1通りに決まらない。そこで\(a=6\)という情報を、余弦定理を使って\(bc\)を特定するために使う。 余弦定理より\(a^2=b^2+c^2-2bc\cos A\)。ここで\(b^2+c^2=(b+c)^2-2bc\)と書き換えると \(a^2=(b+c)^2-2bc-2bc\cos A=(b+c)^2-2bc(1+\cos A)\) \(\cos60^\circ=\dfrac12\)なので\(1+\cos A=\dfrac32\)。\(a=6,\ b+c=8\)を代入すると \(36=64-2bc\times\dfrac32=64-3bc\) \(3bc=64-36=28\)、よって\(bc=\dfrac{28}{3}\) (このとき\(b,c\)は\(t^2-8t+\dfrac{28}{3}=0\)の2解で、実際に\(b=4+\sqrt{\frac{20}{3}},\ c=4-\sqrt{\frac{20}{3}}\)(またはその逆)という実数の三角形になることが確かめられる。) 面積公式より \(S=\dfrac12bc\sin A=\dfrac12\times\dfrac{28}{3}\times\dfrac{\sqrt3}{2}=\dfrac{28\sqrt3}{12}=\dfrac{7\sqrt3}{3}\) \(R=2\sqrt3\)、\(S=\dfrac{7\sqrt3}{3}\)
36
数と式×データの分析:分散の変換規則の証明

\(n\)個のデータ\(x_1,\ x_2,\ \ldots,\ x_n\)の分散を\(V\)とする。定数\(c,\ d\)を用いて新しいデータ\(y_1,\ y_2,\ \ldots,\ y_n\)を\(y_i=cx_i+d\)(\(i=1,\ldots,n\))で作るとき、\(y\)の分散が\(c^2V\)になることを、分散の定義式\(V=\dfrac1n\{(x_1-\bar x)^2+(x_2-\bar x)^2+\cdots+(x_n-\bar x)^2\}\)を用いて証明せよ。

解答例を見る
まず\(y\)の平均\(\bar y\)を求める。 \(\bar y=\dfrac1n(y_1+y_2+\cdots+y_n)=\dfrac1n\{(cx_1+d)+(cx_2+d)+\cdots+(cx_n+d)\}=c\cdot\dfrac1n(x_1+x_2+\cdots+x_n)+d=c\bar x+d\) 次に、各データと平均との差(偏差)を計算する。 \(y_i-\bar y=(cx_i+d)-(c\bar x+d)=c(x_i-\bar x)\) これは、\(y\)の偏差がもとの\(x\)の偏差のちょうど\(c\)倍になっていることを示している。両辺を2乗すると \((y_i-\bar y)^2=c^2(x_i-\bar x)^2\) これを\(i=1\)から\(n\)まで、つまりすべてのデータについて足し合わせ、\(n\)で割ると\(y\)の分散\(V_y\)になる。 \(V_y=\dfrac1n\{(y_1-\bar y)^2+(y_2-\bar y)^2+\cdots+(y_n-\bar y)^2\}=\dfrac1n\{c^2(x_1-\bar x)^2+c^2(x_2-\bar x)^2+\cdots+c^2(x_n-\bar x)^2\}\) \(=c^2\cdot\dfrac1n\{(x_1-\bar x)^2+(x_2-\bar x)^2+\cdots+(x_n-\bar x)^2\}=c^2V\) (最後の変形で、\(c^2\)はどの項にも共通な定数なので、和全体の外にくくり出せることを使った。) \(y_i=cx_i+d\)のとき、\(y_i-\bar y=c(x_i-\bar x)\)となることから、\(y\)の分散は\(c^2V\)になる。
37
図形と計量×数と式:余弦定理と因数分解

三角形の3辺の長さが\(x,\ x+1,\ x+2\)(\(x>0\))であり、この三角形が鈍角三角形であるとき、\(x\)の値の範囲を求めよ。

\(\text{ア}<x<\text{イ}\):ア=  イ=
解説を見る
最大辺は\(x+2\)なので、その対角を\(\theta\)とすると、鈍角三角形\(\iff\cos\theta<0\)。余弦定理より \(\cos\theta=\dfrac{x^2+(x+1)^2-(x+2)^2}{2x(x+1)}\) \(x>0\)より分母\(2x(x+1)>0\)なので、符号は分子だけで決まる。分子を因数分解する。 \(x^2+(x+1)^2-(x+2)^2=x^2+(x^2+2x+1)-(x^2+4x+4)=x^2-2x-3=(x-3)(x+1)\) \(x>0\)より\(x+1>0\)なので、\((x-3)(x+1)<0\iff x-3<0\iff x<3\)。 さらに、三角形が成立するための条件(最も短い2辺の和が最大辺より大きい)も確認する必要がある。 \(x+(x+1)>x+2\) より \(x>1\) (他の2つの組み合わせは\(x>0\)であれば自動的に成り立つ) 以上をあわせると\(1<x<3\)。 \(1<x<3\)
38
集合と命題×2次関数:包含関係と2次不等式

命題「\(x^2-4x+3\le0\)ならば\(x^2-(a+1)x+a\le0\)」がつねに真となるように、定数\(a\)の値の範囲を求めよ。

\(a\ge\)
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まず仮定の不等式を解く。\(x^2-4x+3=(x-1)(x-3)\le0\)より\(1\le x\le3\)。この解集合を\(P=[1,3]\)とする。 次に結論の不等式を因数分解する。\(x^2-(a+1)x+a=(x-1)(x-a)\)(展開して確認:\(x^2-(a+1)x+a\)と一致する)。 命題が真であるためには、\(P=[1,3]\)のすべての\(x\)が\((x-1)(x-a)\le0\)を満たす必要がある。すなわち\(P\subset Q\)(\(Q\)は結論の不等式の解集合)。 \(a\ge1\)のとき\(Q=[1,a]\)なので、\([1,3]\subset[1,a]\)となるには\(a\ge3\)が必要。 \(a<1\)のとき\(Q=[a,1]\)となり、上端が\(1\)より右に広がらないため\(x=3\)を含めることができず、条件を満たせない。 以上より\(a\ge3\)。 \(a\ge3\)
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データの分析×集合と命題:標準偏差と必要十分条件

2つのデータ群A、Bの分散をそれぞれ\(V_A,\ V_B\)、標準偏差をそれぞれ\(s_A,\ s_B\)とする。「\(s_A<s_B\)」が成り立つことは、「\(V_A<V_B\)」が成り立つための何条件か答えよ。

答え
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標準偏差は分散の正の平方根、つまり\(s_A=\sqrt{V_A},\ s_B=\sqrt{V_B}\)(\(V_A,\ V_B\ge0\))である。 \(0\)以上の2つの数では、大きい数の方が平方根も大きい(\(0\le p<q\)ならば\(\sqrt p<\sqrt q\))という性質があるので、\(V_A<V_B\)ならば必ず\(\sqrt{V_A}<\sqrt{V_B}\)、すなわち\(s_A<s_B\)が成り立つ(\(V_A<V_B\Rightarrow s_A<s_B\))。 逆に\(s_A<s_B\)、すなわち\(\sqrt{V_A}<\sqrt{V_B}\)ならば、両辺を2乗しても不等号の向きは変わらない(両辺とも0以上だから)ので\(V_A<V_B\)が成り立つ(\(s_A<s_B\Rightarrow V_A<V_B\))。 両方向の矢印が真なので、必要十分条件である。 必要十分条件
40
数と式×2次関数×集合と命題:絶対値と因数分解と命題の真偽

命題「実数\(x\)について、\(x^2-5x+6=0\)ならば\(|x-2|\cdot|x-3|=0\)である」の真偽をアで答えよ。また、この命題の逆の真偽をイで答えよ(「真」または「偽」で入力)。

ア=  イ=
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\(x^2-5x+6=(x-2)(x-3)\)と因数分解できるので、\(x^2-5x+6=0\)ならば\((x-2)(x-3)=0\)である。 ここで絶対値の性質\(|a|\cdot|b|=|ab|\)を使うと、\(|x-2|\cdot|x-3|=|(x-2)(x-3)|=|x^2-5x+6|\)。仮定より\(x^2-5x+6=0\)なので\(|x^2-5x+6|=0\)。したがって元の命題は真(ア=真)。 逆「\(|x-2|\cdot|x-3|=0\)ならば\(x^2-5x+6=0\)である」を調べる。\(|x-2|\cdot|x-3|=0\)ならば\(x=2\)または\(x=3\)。 \(x=2\)のとき:\(2^2-5\times2+6=4-10+6=0\)(成り立つ) \(x=3\)のとき:\(3^2-5\times3+6=9-15+6=0\)(成り立つ) どちらの場合も\(x^2-5x+6=0\)が成り立つので、逆も真(イ=真)。 (\((x-2)(x-3)=0\)と\(|x-2||x-3|=0\)は、絶対値の積がもとの積の絶対値に等しいという性質から、実は同じ意味の式になっている。) 元の命題は真、逆も真(どちらも真=必要十分条件になっている)
共通テスト形式チャレンジ

大問1 目標時間 12分/配点 20点

太郎さんと花子さんは、文化祭の模擬店で使う三角形の看板を作ることにした。2辺の長さの和を8m、その間の角を\(60^\circ\)に固定して、面積が最大になるように2辺の長さを決めたい。

先生「まず面積を1つの文字の式で表してみよう。」
太郎「一方の辺の長さを\(x\)mとおくと、もう一方は\((8-x)\)mになりますね。」
(1)

面積を\(S\)(m\(^2\))とすると、\(S=\dfrac12x(8-x)\sin60^\circ\)である。これを整理すると \[ S=\dfrac{\sqrt3}{4}(-x^2+\boxed{\text{ア}}x) \] となる。さらに平方完成すると \[ S=-\dfrac{\sqrt3}{4}(x-\boxed{\text{イ}})^2+\boxed{\text{ウ}}\sqrt3 \] となる。ア、イ、ウの値を求めよ。

ア イ ウ
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\(S=\dfrac12x(8-x)\sin60^\circ=\dfrac12\times\dfrac{\sqrt3}{2}\times x(8-x)=\dfrac{\sqrt3}{4}(8x-x^2)=\dfrac{\sqrt3}{4}(-x^2+8x)\) よってア=\(8\)。 \(x^2\)の項に注目して平方完成する。\(-x^2+8x=-(x^2-8x)=-\big((x-4)^2-16\big)=-(x-4)^2+16\) \(S=\dfrac{\sqrt3}{4}\big(-(x-4)^2+16\big)=-\dfrac{\sqrt3}{4}(x-4)^2+4\sqrt3\) よってイ=\(4\)、ウ=\(4\)。 \(S=\dfrac{\sqrt3}{4}(-x^2+8x)=-\dfrac{\sqrt3}{4}(x-4)^2+4\sqrt3\)
(2)

花子「2辺の長さの和が8である以上、\(x\)のとりうる範囲にも注意しないといけないね。」\(x\)と\(8-x\)がともに正の実数となる\(x\)の範囲は\(\boxed{\text{エ}}<x<\boxed{\text{オ}}\)である。エ、オの値を求めよ。さらに、(1)で求めた頂点の\(x\)座標\(\boxed{\text{イ}}\)がこの範囲に含まれることを確かめると、面積の最大値は\(\boxed{\text{カ}}\sqrt3\)(m\(^2\))であるとわかる。カの値を求めよ。

エ オ カ
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辺の長さは正の実数でなければならないので、\(x>0\)かつ\(8-x>0\)(すなわち\(x<8\))。 あわせると\(0<x<8\)。よってエ=\(0\)、オ=\(8\)。 (1)で求めた頂点の\(x\)座標\(4\)(イの値)は、この範囲\(0<x<8\)にちゃんと含まれている。したがって\(x=4\)のとき、(1)で求めた最大値\(4\sqrt3\)(ウの値)がそのまま実現できる。よってカ=\(4\)。 \(0<x<8\)(頂点\(x=4\)はこの範囲に含まれるので、最大値\(4\sqrt3\)は実現できる)
(3)

花子「同じ考え方を使えば、2辺の和が10、挟角が\(90^\circ\)の三角形でも、最大の面積が求められるはずだね。」(1)を振り返ると、和が\(8\)のときは\(x=4=8\div2\)(和の半分)で面積が最大になっていた。この結果を使うと、2辺の和が10、挟角が\(90^\circ\)の場合の面積の最大値は\(\boxed{\text{キク}}/\boxed{\text{ケ}}\)(m\(^2\))の形になる。キク、ケの値を求めよ。

キク ケ
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一方の辺を\(x\)、もう一方を\((10-x)\)とすると \(S=\dfrac12x(10-x)\sin90^\circ=\dfrac12x(10-x)\)(\(\sin90^\circ=1\)なので係数に根号は出てこない) (1)と同じ形に平方完成すると\(S=\dfrac12\big(-(x-5)^2+25\big)=-\dfrac12(x-5)^2+\dfrac{25}{2}\)となり、頂点は\(x=5=10\div2\)。これは(1)で見た「和の半分で最大になる」という結果とちょうど一致している。\(x=5\)は範囲\(0<x<10\)の中にあるので、最大値がそのまま実現できる。よってキク=\(25\)、ケ=\(2\)。 最大値\(S=\dfrac{25}{2}=12.5\)(\(x=5\)のとき)

大問2 目標時間 12分/配点 20点

花子さんのクラス40人に、部活動Aと部活動Bへの参加状況をアンケートで調査した。Aに参加している生徒は18人、Bに参加している生徒は15人、AとBの両方に参加している生徒は6人だった。

先生「どちらの部活動にも参加していない生徒の中から何人か抽出して、別の調査をしてみよう。」
(1)

\(A\)に参加している生徒の集合を\(A\)、\(B\)に参加している生徒の集合を\(B\)とする。少なくとも一方に参加している人数\(n(A\cup B)=\boxed{\text{アイ}}\)人であり、どちらにも参加していない人数は\(\boxed{\text{ウエ}}\)人である。

アイ ウエ
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\(n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B)=18+15-6=27\) どちらにも参加していない人数は、全体からこれを引けばよい。 \(40-27=13\) \(n(A\cup B)=27\)人、どちらにも参加していない人は\(13\)人
(2)

どちらの部活動にも参加していない生徒の中から6人を抽出し、別の小テストを実施したところ、得点は\(69,\ 72,\ 75,\ 75,\ 78,\ 81\)であった。この6人の得点の平均値は\(\boxed{\text{オカ}}\)、分散は\(\boxed{\text{キク}}\)である。オカ、キクの値を求めよ。また、(1)で求めた\(\boxed{\text{ウエ}}\)人のうち、今回抽出された6人はおよそ\(\boxed{\text{ケ}}\)割(小数第1位を四捨五入)にあたる。ケの値を求めよ。

オカ キク ケ
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平均値:\((69+72+75+75+78+81)\div6=450\div6=75\) 偏差は\(-6,\ -3,\ 0,\ 0,\ 3,\ 6\)、偏差の2乗は\(36,\ 9,\ 0,\ 0,\ 9,\ 36\)、その和は\(90\)。 分散:\(90\div6=15\) よってオカ=\(75\)、キク=\(15\)。 また、(1)で求めた\(13\)人(ウエの値)のうち\(6\)人が抽出されたので、その割合は\(6\div13=0.4615\ldots\)。これを「割」の単位(全体を10割とする)で表すと\(4.615\ldots\)割となり、小数第1位を四捨五入すると\(5\)割。よってケ=\(5\)。 平均値\(75\)、分散\(15\)、\(13\)人のうちおよそ\(5\)割を抽出
(3)

(2)の分散\(15\)より、標準偏差は\(\sqrt{15}\)(およそ\(3.87\))である。この6人の得点のうち、平均\(75\)から最も離れている得点は、平均との差が\(\boxed{\text{コ}}\)点である。また、その差は標準偏差の2倍\(2\sqrt{15}\)(およそ\(7.75\))と比べてどうか。\(\boxed{\text{サ}}\)に当てはまるものを、次の0・1のうちから一つ選べ。
0:小さいといえる 1:小さいとはいえない

コ サ
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平均\(75\)から最も離れているのは\(69\)(差\(6\))と\(81\)(差\(6\))で、どちらも差は\(6\)点。よってコ=\(6\)。 標準偏差の2倍は\(2\sqrt{15}\approx7.75\)。\(6<7.75\)なので、差はこの目安より小さいといえる(サ=0)。つまりこのデータには、この基準で見る限り外れ値と呼べるほど大きくずれた値はない。 最大の差は\(6\)点。\(6<2\sqrt{15}\)なので目安より小さい(外れ値はない)

大問3 目標時間 11分/配点 20点

ある工場では、部品の性能値\(x\)が2次不等式\(x^2-6x+8\le0\)を満たすとき「合格」と判定する。

花子「先生、これって集合や条件の考え方でも整理できそうですね。」
先生「そうだね。合格の条件を、必要条件・十分条件の言葉で考えてみよう。」
(1)

不等式\(x^2-6x+8\le0\)を解け。解は\(\boxed{\text{ア}}\le x\le\boxed{\text{イ}}\)の形になる。

ア イ
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積が\(8\)、和が\(-6\)になる2数は\(-2\)と\(-4\)。 \(x^2-6x+8=(x-2)(x-4)\)。交点は\(x=2,\ 4\)。\(y\le0\)(等号つき)なので境界を含む内側型。 \(2\le x\le4\)
(2)

別の条件として「\(3\le x\le5\)」を条件\(r\)とする。「\(r\)が成り立つならば合格である」という命題の真偽は\(\boxed{\text{ウ}}\)、逆に「合格ならば\(r\)が成り立つ」という命題の真偽は\(\boxed{\text{エ}}\)である。\(\boxed{\text{ウ}}\)、\(\boxed{\text{エ}}\)に当てはまるものを、それぞれ次の0・1のうちから一つ選べ。
0:真 1:偽

ウ エ
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\(r\)の範囲は\(3\le x\le5\)、合格の範囲は(1)より\(2\le x\le4\)。 「\(r\Rightarrow\)合格」:\(x=5\)は\(r\)を満たすが、\(2\le x\le4\)には含まれない(合格ではない)。反例があるので偽(ウ=偽)。 「合格\(\Rightarrow r\)」:\(x=2\)は合格の範囲だが、\(3\le x\le5\)には含まれない(\(r\)を満たさない)。反例があるので偽(エ=偽)。 どちらの命題も偽(\(2\le x\le4\)と\(3\le x\le5\)は互いにもう一方を含んでいない)
(3)

条件を「\(2\le x\le c\)」(\(c\)は\(c\ge2\)を満たす定数)とする。これが「合格」であるための必要十分条件になるように、\(c\)の値を求めよ。\(c=\boxed{\text{オ}}\)の形で答えよ。

オ
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「\(2\le x\le c\)」が「合格(\(2\le x\le4\))」であるための必要十分条件になるということは、2つの条件が表す範囲が完全に一致するということ。 \([2,c]=[2,4]\)となるのは\(c=4\)のときだけである。よってオ=\(4\)。 \(c=4\)
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

数Iの5つの章は、一見すると別々のテーマに見えるが、共通する考え方でつながっている部分がある。次の(a)(b)の2点を通して、そのつながりを説明せよ。
(a) 2次方程式の判別式\(D\)の符号による場合分けと、「集合と命題」で学んだ必要十分条件の考え方の関係。
(b) 「データの分析」の仮説検定の考え方と、「集合と命題」で学んだ背理法の論理の型がどう対応しているか。

模範解答を見る
(a) 2次方程式\(ax^2+bx+c=0\)が実数解をもつかどうかを調べるとき、「\(D>0\)なら異なる2つの実数解、\(D=0\)ならただ1つの実数解、\(D<0\)なら実数解なし」と場合分けするが、この場合分けの根拠は、実は「実数解をもつ\(\iff D\ge0\)」という必要十分条件そのものである。判別式の符号を調べるという計算作業は、この必要十分条件の左辺(実数解をもつかどうか)を、右辺(\(D\)の符号という調べやすい条件)に置き換えて判定している、と言い換えることができる。2次不等式の解の場合分け(\(D>0,\ D=0,\ D<0\)で解の形が変わる)も、同じ必要十分条件の応用にすぎない。 (b) 仮説検定は、次のような手順で判断を下す:(1)ある仮説が正しいと仮定する。(2)その仮定のもとでは、今回観測されたような結果が起こる確率がどれくらいかを計算する。(3)その確率が、あらかじめ決めた基準(多くの場合5%)より小さければ、「仮定が正しいとしたら、こんなにめったに起きないことが起きるのはおかしい」と考え、仮説を疑って棄却する。 この手順は、背理法の「(1)結論を否定して、それが成り立つと仮定する。(2)その仮定から矛盾を導く。(3)矛盾が生じた以上、仮定が誤りだったと判断し、もとの結論を採用する」という論理の型と非常によく似ている。どちらも「ある仮定のもとで、都合の悪いこと(矛盾、あるいはめったに起こらないこと)が起きることを示し、その仮定自体を疑う」という構造をもっている。ただし、背理法は数学的に必ず矛盾を導いて仮定を完全に退けるのに対し、仮説検定は「確率的にめったに起こらない」ことを根拠にしており、100%の確実性ではなく、あくまである基準にもとづく判断である、という違いがある点には注意しておきたい。 (a) 判別式の符号による場合分けは、「実数解をもつ⇔D≥0」という必要十分条件を、調べやすい形(Dの符号)に置き換えて判定しているだけである。(b) 仮説検定の「仮定→めったに起こらないことが起きた→仮定を疑う」という手順は、背理法の「仮定→矛盾を導く→仮定を退ける」という論理の型と対応している。ただし仮説検定の根拠は確率的なものであり、数学的に必ず矛盾を導く背理法ほどの確実性はない。
記2

2次関数\(y=2(x-3)^2-4\)のグラフ上で、\(x\)座標が\(1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5\)である5つの点の\(y\)座標をすべて求めよ。さらに、この5つの\(y\)座標の平均値を、(1)5つの値をすべて計算してから平均する方法と、(2)グラフの対称性を利用して一部の計算を省く方法の、両方で求め、一致することを確かめよ。

模範解答を見る
まず5つの\(y\)座標を計算する。\(y=2(x-3)^2-4\)に\(x=1,2,3,4,5\)を代入する。 \(x=1\):\(y=2(1-3)^2-4=2\times4-4=4\) \(x=2\):\(y=2(2-3)^2-4=2\times1-4=-2\) \(x=3\):\(y=2(3-3)^2-4=2\times0-4=-4\) \(x=4\):\(y=2(4-3)^2-4=2\times1-4=-2\) \(x=5\):\(y=2(5-3)^2-4=2\times4-4=4\) (1)すべて計算してから平均する方法:5つの\(y\)座標は\(4,\ -2,\ -4,\ -2,\ 4\)。 平均値\(=\dfrac{4+(-2)+(-4)+(-2)+4}{5}=\dfrac{0}{5}=0\) (2)対称性を利用する方法:この放物線の軸は\(x=3\)である。\(x=1\)と\(x=5\)は軸\(x=3\)を挟んで対称な位置(軸からの距離がどちらも\(2\))にあるので、\(y\)座標は等しい(実際どちらも\(4\))。同様に\(x=2\)と\(x=4\)も軸に対して対称なので\(y\)座標は等しい(どちらも\(-2\))。\(x=3\)は軸そのもの(頂点)で\(y=-4\)。 したがって、5つの値の和は「対称な2組のペア」と「軸上の1点」に分けて \(2\times(\text{x=1のy座標})+2\times(\text{x=2のy座標})+(\text{x=3のy座標})=2\times4+2\times(-2)+(-4)=8-4-4=0\) 平均値は\(0\div5=0\)。 (1)(2)どちらの方法でも平均値は\(0\)で一致した。(2)の方法は、すべての値を計算しなくても、軸に対して対称な点どうしは同じ\(y\)座標をもつという2次関数のグラフの性質だけから、計算の手間を減らして同じ結論にたどり着けることを示している。データの平均値を求めるときも、データに規則的な対称性がないかをまず確認する習慣は、計算ミスを減らすうえでも役に立つ。 5つのy座標は4, −2, −4, −2, 4で、平均値はどちらの方法でも0になる。放物線が軸x=3に対して対称であるため、x=1とx=5、x=2とx=4はそれぞれ同じy座標をもち、この対称性を使うと計算を減らして同じ平均値にたどり着ける。