STEP 1

複素数を点で表す

複素数 \(z = a + bi\) は、座標平面上の点 \((a,\ b)\) として表せる。実部を横軸(実軸)、虚部を縦軸(虚軸)にとったこの平面を複素数平面という。

例えば \(z = 3 + 2i\) なら点 \((3,\ 2)\) に対応する。原点は \(0\)(実部も虚部も0)を表す。

共役複素数 \(\bar{z} = a - bi\) → 実軸に関して対称
\(-z = -a - bi\) → 原点に関して対称
\(-\bar{z} = -a + bi\) → 虚軸に関して対称

例題 \(z = 4 - 3i\) について、\(\bar{z}\)、\(-z\)、\(-\bar{z}\) をそれぞれ求め、対応する点の座標を答えよ。

解答を見る
\(\bar{z} = 4 + 3i\) → 点 \((4,\ 3)\)(実軸に関してzと対称) \(-z = -4 + 3i\) → 点 \((-4,\ 3)\)(原点に関してzと対称) \(-\bar{z} = -4 - 3i\) → 点 \((-4,\ -3)\)(虚軸に関してzと対称) \(\bar{z}=4+3i,\ -z=-4+3i,\ -\bar{z}=-4-3i\)
STEP 2

絶対値と2点間の距離

複素数 \(z = a + bi\) の絶対値 \(|z| = \sqrt{a^2 + b^2}\) は、原点から点zまでの距離を表す。

同じように、2点 \(z_1,\ z_2\) の間の距離は \(|z_1 - z_2|\) で求められる。

例題1 \(z = 5 - 12i\) のとき、\(|z|\) を求めよ。

解答を見る
\(|z| = \sqrt{5^2 + (-12)^2} = \sqrt{25 + 144} = \sqrt{169}\) \(|z| = 13\)

例題2 \(z_1 = 1 + 5i,\ z_2 = 4 + i\) のとき、2点間の距離 \(|z_1 - z_2|\) を求めよ。

解答を見る
\(z_1 - z_2 = (1-4) + (5-1)i = -3 + 4i\) \(|z_1 - z_2| = \sqrt{(-3)^2 + 4^2} = \sqrt{9+16} = \sqrt{25}\) 距離は \(5\)
STEP 3

極形式

複素数 \(z = a + bi\) は、原点からの距離 \(r = |z|\) と、正の実軸から反時計回りに測った角 \(\theta = \arg z\)(偏角)を使って \(z = r(\cos\theta + i\sin\theta)\) と表せる。これを極形式という。

直交形式 → 極形式:\(r = \sqrt{a^2+b^2}\)、\(\tan\theta = \dfrac{b}{a}\)(\(a,\ b\) の符号から象限を判断してθを決める)
極形式 → 直交形式:\(a = r\cos\theta\)、\(b = r\sin\theta\)

例題1 \(z = 1 + i\) を極形式で表せ。

解答を見る
\(r = \sqrt{1^2+1^2} = \sqrt{2}\) \(a=1,\ b=1\) はともに正なので第1象限。\(\tan\theta = \dfrac{1}{1} = 1\) より \(\theta = 45°\) \(z = \sqrt{2}(\cos45° + i\sin45°) = \sqrt{2}\left(\cos\dfrac{\pi}{4} + i\sin\dfrac{\pi}{4}\right)\)

例題2 \(z = -2\sqrt{3} + 2i\) を極形式で表せ。

解答を見る
\(r = \sqrt{(-2\sqrt{3})^2+2^2} = \sqrt{12+4} = \sqrt{16} = 4\) \(a<0,\ b>0\) なので第2象限。基準角は \(\tan(\text{基準角}) = \dfrac{2}{2\sqrt{3}} = \dfrac{1}{\sqrt{3}}\) より \(30°\)。第2象限なので \(\theta = 180° - 30° = 150°\) \(z = 4(\cos150° + i\sin150°) = 4\left(\cos\dfrac{5\pi}{6} + i\sin\dfrac{5\pi}{6}\right)\)
STEP 4

積・商の図形的意味

極形式で表した複素数どうしの積・商は、絶対値と偏角を使って計算できる。掛け算は「拡大・縮小」と「回転」の組み合わせとして図形的に理解できるのがポイント。

\(z_1 = r_1(\cos\theta_1+i\sin\theta_1),\ z_2 = r_2(\cos\theta_2+i\sin\theta_2)\) のとき
積 \(z_1 z_2 = r_1 r_2\{\cos(\theta_1+\theta_2) + i\sin(\theta_1+\theta_2)\}\)
商 \(\dfrac{z_1}{z_2} = \dfrac{r_1}{r_2}\{\cos(\theta_1-\theta_2) + i\sin(\theta_1-\theta_2)\}\)(\(z_2 \neq 0\))

つまり \(z_1 z_2\) は、点 \(z_1\) を原点中心に \(\theta_2\) だけ回転し、\(r_2\) 倍に拡大(縮小)した点。\(z_1 \div z_2\) はその逆回転・逆倍率になる。

例題 \(z_1 = 2(\cos30°+i\sin30°),\ z_2 = 3(\cos60°+i\sin60°)\) のとき、\(z_1 z_2\) を極形式・直交形式の両方で求めよ。

解答を見る
絶対値は掛け算、偏角は足し算:\(r_1 r_2 = 2\times3 = 6\)、\(\theta_1+\theta_2 = 30°+60° = 90°\) 極形式:\(z_1 z_2 = 6(\cos90° + i\sin90°)\) 直交形式:\(\cos90°=0,\ \sin90°=1\) より \(z_1 z_2 = 6(0+i) = 6i\) \(z_1 z_2 = 6(\cos90°+i\sin90°) = 6i\)
STEP 5

内分点・外分点、\(z/w\) が実数・純虚数になる条件

複素数平面でも、2点を結ぶ線分の内分点・外分点は座標平面のときと同じ考え方で求められる。また、2つの複素数の商が実数になるか純虚数になるかは、共役複素数をかけて分母を実数化し、実部・虚部を直接見れば判定できる。

内分点・外分点の公式

2点 \(z_1,\ z_2\) を結ぶ線分を \(m:n\) に内分する点:\(z=\dfrac{nz_1+mz_2}{m+n}\)
2点 \(z_1,\ z_2\) を結ぶ線分を \(m:n\) に外分する点(\(m\ne n\)):\(z=\dfrac{-nz_1+mz_2}{m-n}\)

例題1 \(z_1=1+i,\ z_2=7+7i\) のとき、線分 \(z_1z_2\) を \(1:2\) に内分する点 \(w\) を求めよ。

解答を見る
内分公式 \(w=\dfrac{nz_1+mz_2}{m+n}\) に \(m=1,\ n=2\) を代入する。 \(w=\dfrac{2z_1+1\cdot z_2}{1+2}=\dfrac{2(1+i)+(7+7i)}{3}=\dfrac{(2+2i)+(7+7i)}{3}=\dfrac{9+9i}{3}\) \(w=3+3i\)

\(\dfrac{z}{w}\) が実数・純虚数になる条件

複素数の商が実数になるか純虚数になるかを調べるには、分母の共役を分子・分母にかけて実数化してから、実部・虚部を直接見るのが確実。

\(\dfrac{z}{w}\) が実数 ⟺ 虚部が \(0\)
\(\dfrac{z}{w}\) が純虚数 ⟺ 実部が \(0\) かつ虚部が \(0\)でない

例題2 \(z=3+ai\)(\(a\)は実数)、\(w=1+2i\) のとき、\(\dfrac{z}{w}\) が実数となるような \(a\) の値を求めよ。

解答を見る
分母を実数化するため、分母の共役 \(1-2i\) を分子・分母にかける。 \(\dfrac{z}{w}=\dfrac{3+ai}{1+2i}=\dfrac{(3+ai)(1-2i)}{(1+2i)(1-2i)}=\dfrac{3-6i+ai-2ai^2}{1+4}=\dfrac{(3+2a)+(a-6)i}{5}\) 実数になるのは虚部が \(0\) のとき。 \(a-6=0\ \to\ a=6\) (検算:\(a=6\) のとき \(z=3+6i=3(1+2i)=3w\) なので \(\dfrac{z}{w}=3\)、確かに実数。) \(a=6\)
練習問題(全20問)

答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。偏角は度数(°を付けずに数字だけ)またはπを使った弧度法(例: π/6)のどちらで入力してもよい。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜8)
1
絶対値

\(z = 3 + 4i\) のとき、\(|z|\) を求めよ。

\(|z|=\)
解説を見る
\(|z| = \sqrt{3^2+4^2} = \sqrt{9+16} = \sqrt{25}\) \(|z| = 5\)
2
絶対値

\(z = -5 + 12i\) のとき、\(|z|\) を求めよ。

\(|z|=\)
解説を見る
\(|z| = \sqrt{(-5)^2+12^2} = \sqrt{25+144} = \sqrt{169}\) \(|z| = 13\)
3
絶対値(根号)

\(z = 1 - i\) のとき、\(|z|\) を求めよ。

\(|z|=\)
解説を見る
\(|z| = \sqrt{1^2+(-1)^2} = \sqrt{1+1} = \sqrt{2}\) \(|z| = \sqrt{2}\)
4
偏角(第1象限)

\(z = 1 + i\) の偏角 \(\theta\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。

\(\theta=\)
解説を見る
\(a=1,\ b=1\) はともに正なので第1象限。\(\tan\theta=\dfrac{1}{1}=1\) \(\theta = 45° = \dfrac{\pi}{4}\)
5
偏角(第2象限)

\(z = -1 + \sqrt{3}i\) の偏角 \(\theta\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。

\(\theta=\)
解説を見る
\(a=-1<0,\ b=\sqrt{3}>0\) なので第2象限。基準角は \(\tan(\text{基準角})=\dfrac{\sqrt{3}}{1}=\sqrt{3}\) より \(60°\)。第2象限なので \(180°-60°=120°\) \(\theta = 120° = \dfrac{2\pi}{3}\)
6
偏角(軸上の点)

\(z = -i\) の偏角 \(\theta\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。

\(\theta=\)
解説を見る
\(z=-i\) は点 \((0,-1)\)。虚軸の負の部分にあるので、正の実軸から反時計回りに \(270°\) 回った位置。 \(\theta = 270° = \dfrac{3\pi}{2}\)
7
2点間の距離

\(z_1 = 2 + 3i,\ z_2 = 5 - i\) のとき、2点間の距離 \(|z_1 - z_2|\) を求めよ。

距離=
解説を見る
\(z_1-z_2 = (2-5)+(3-(-1))i = -3+4i\) \(|z_1-z_2| = \sqrt{(-3)^2+4^2} = \sqrt{9+16} = \sqrt{25}\) 距離は \(5\)
8
絶対値

\(z = -6 + 8i\) のとき、\(|z|\) を求めよ。

\(|z|=\)
解説を見る
\(|z| = \sqrt{(-6)^2+8^2} = \sqrt{36+64} = \sqrt{100}\) \(|z| = 10\)
標準(9〜15)
9

\(z = \sqrt{3} + i\) を極形式 \(z = r(\cos\theta+i\sin\theta)\) で表すとき、\(r\) と \(\theta\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。

\(r=\)  \(\theta=\)
解説を見る
\(r = \sqrt{(\sqrt3)^2+1^2} = \sqrt{3+1} = \sqrt{4} = 2\) \(a,b\) ともに正で第1象限。\(\tan\theta = \dfrac{1}{\sqrt3}\) より \(\theta=30°\) \(r=2,\ \theta=30°=\dfrac{\pi}{6}\)
10

\(z = -2 + 2i\) を極形式で表すとき、\(r\) と \(\theta\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。

\(r=\)  \(\theta=\)
解説を見る
\(r = \sqrt{(-2)^2+2^2} = \sqrt{4+4} = \sqrt{8} = 2\sqrt{2}\) \(a<0,\ b>0\) で第2象限。基準角は \(\tan(\text{基準角})=\dfrac{2}{2}=1\) より \(45°\)。よって \(\theta=180°-45°=135°\) \(r=2\sqrt{2},\ \theta=135°=\dfrac{3\pi}{4}\)
11

\(z = -3 - 3\sqrt{3}i\) を極形式で表すとき、\(r\) と \(\theta\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。

\(r=\)  \(\theta=\)
解説を見る
\(r = \sqrt{(-3)^2+(-3\sqrt3)^2} = \sqrt{9+27} = \sqrt{36} = 6\) \(a,b\) ともに負で第3象限。基準角は \(\tan(\text{基準角})=\dfrac{3\sqrt3}{3}=\sqrt3\) より \(60°\)。よって \(\theta=180°+60°=240°\) \(r=6,\ \theta=240°=\dfrac{4\pi}{3}\)
12

\(z = 4(\cos120° + i\sin120°)\) を直交形式 \(z=a+bi\) で表すとき、\(a\) と \(b\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
\(\cos120°=-\dfrac{1}{2},\ \sin120°=\dfrac{\sqrt3}{2}\) \(a = 4\times\left(-\dfrac{1}{2}\right) = -2\) \(b = 4\times\dfrac{\sqrt3}{2} = 2\sqrt3\) \(a=-2,\ b=2\sqrt3\)(\(z=-2+2\sqrt3i\))
13

\(z = 6\left(\cos\dfrac{\pi}{6} + i\sin\dfrac{\pi}{6}\right)\) を直交形式 \(z=a+bi\) で表すとき、\(a\) と \(b\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
\(\dfrac{\pi}{6}=30°\)、\(\cos30°=\dfrac{\sqrt3}{2},\ \sin30°=\dfrac{1}{2}\) \(a = 6\times\dfrac{\sqrt3}{2} = 3\sqrt3\) \(b = 6\times\dfrac{1}{2} = 3\) \(a=3\sqrt3,\ b=3\)(\(z=3\sqrt3+3i\))
14

\(z = 4\left(\cos\dfrac{5\pi}{3} + i\sin\dfrac{5\pi}{3}\right)\) を直交形式 \(z=a+bi\) で表すとき、\(a\) と \(b\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
\(\dfrac{5\pi}{3}=300°\)、\(\cos300°=\dfrac{1}{2},\ \sin300°=-\dfrac{\sqrt3}{2}\) \(a = 4\times\dfrac{1}{2} = 2\) \(b = 4\times\left(-\dfrac{\sqrt3}{2}\right) = -2\sqrt3\) \(a=2,\ b=-2\sqrt3\)(\(z=2-2\sqrt3i\))
15
実数・純虚数条件(共役利用)

\(k\) を実数の定数とする。\(z = (k+2i)^2\) が純虚数となるような \(k\) の値をすべて求めよ。

\(k=\)
解説を見る
複素数 \(z\) が純虚数(\(z\neq 0\))であることは、共役複素数 \(\bar{z}\) を用いて \(z=-\bar{z}\) と表せる。まず \(z\) を計算する。 \(z=(k+2i)^2=k^2+4ki+4i^2=(k^2-4)+4ki\) このとき \(\bar{z}=(k^2-4)-4ki\) である。 \(z=-\bar{z}\) より \((k^2-4)+4ki=-(k^2-4)+4ki\) 実部を比較して \(k^2-4=-(k^2-4)\)、すなわち \(2(k^2-4)=0\) より \(k^2=4\)、よって \(k=\pm 2\) 最後に \(z\neq 0\) を確認する。\(k=2\) のとき \(z=(2+2i)^2=8i\neq 0\)、\(k=-2\) のとき \(z=(-2+2i)^2=-8i\neq 0\) で、どちらも条件を満たす。 \(k=2,\ -2\)
挑戦(16〜23)
16
積の絶対値・偏角

\(z_1 = 2(\cos40°+i\sin40°),\ z_2 = 5(\cos80°+i\sin80°)\) のとき、\(|z_1z_2|\) と \(\arg(z_1z_2)\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。

\(|z_1z_2|=\)  \(\arg(z_1z_2)=\)
解説を見る
積の絶対値は絶対値どうしの積、偏角は偏角どうしの和。 \(|z_1z_2| = 2\times5 = 10\) \(\arg(z_1z_2) = 40°+80° = 120°\) \(|z_1z_2|=10,\ \arg(z_1z_2)=120°=\dfrac{2\pi}{3}\)
17
商の絶対値・偏角

\(z_1 = 6(\cos150°+i\sin150°),\ z_2 = 3(\cos30°+i\sin30°)\) のとき、\(\left|\dfrac{z_1}{z_2}\right|\) と \(\arg\left(\dfrac{z_1}{z_2}\right)\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。

\(\left|\dfrac{z_1}{z_2}\right|=\)  \(\arg\left(\dfrac{z_1}{z_2}\right)=\)
解説を見る
商の絶対値は絶対値どうしの商、偏角は偏角どうしの差。 \(\left|\dfrac{z_1}{z_2}\right| = \dfrac{6}{3} = 2\) \(\arg\left(\dfrac{z_1}{z_2}\right) = 150°-30° = 120°\) \(\left|\dfrac{z_1}{z_2}\right|=2,\ \arg\left(\dfrac{z_1}{z_2}\right)=120°=\dfrac{2\pi}{3}\)
18
直交形式から積の絶対値・偏角

\(z_1 = 1+i,\ z_2 = \sqrt3+i\) のとき、\(|z_1z_2|\) と \(\arg(z_1z_2)\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。(それぞれの絶対値・偏角を先に求めてから計算するとよい)

\(|z_1z_2|=\)  \(\arg(z_1z_2)=\)
解説を見る
\(z_1=1+i\):\(|z_1|=\sqrt2,\ \arg z_1=45°\) \(z_2=\sqrt3+i\):\(|z_2|=\sqrt{3+1}=2,\ \arg z_2=30°\) \(|z_1z_2| = \sqrt2\times2 = 2\sqrt2\) \(\arg(z_1z_2) = 45°+30° = 75°\) \(|z_1z_2|=2\sqrt2,\ \arg(z_1z_2)=75°=\dfrac{5\pi}{12}\)
19
同じ複素数どうしの積(2乗)

\(z = 4\left(\cos\dfrac{2\pi}{3}+i\sin\dfrac{2\pi}{3}\right)\) のとき、\(|z^2|\) と \(\arg(z^2)\)(\(0° \le \theta < 360°\))を求めよ。

\(|z^2|=\)  \(\arg(z^2)=\)
解説を見る
\(z^2 = z\times z\) なので絶対値は2乗、偏角は2倍。 \(|z^2| = 4^2 = 16\) \(\arg(z^2) = \dfrac{2\pi}{3}\times2 = \dfrac{4\pi}{3} = 240°\) \(|z^2|=16,\ \arg(z^2)=240°=\dfrac{4\pi}{3}\)
20
内分点の公式

\(z_1=1+2i,\ z_2=9+10i\) のとき、線分 \(z_1z_2\) を \(3:1\) に内分する点 \(w\) を求めよ。

実部=  虚部=
解説を見る
内分公式 \(w=\dfrac{nz_1+mz_2}{m+n}\) に \(m=3,\ n=1\) を代入する。 \(w=\dfrac{1\cdot z_1+3z_2}{3+1}=\dfrac{(1+2i)+3(9+10i)}{4}=\dfrac{(1+2i)+(27+30i)}{4}=\dfrac{28+32i}{4}\) \(w=7+8i\)
21
z/wが実数・純虚数になる条件

\(z=3+ti\)(\(t\)は実数の定数)、\(w=1-i\) のとき、\(\dfrac{z}{w}\) が(1)実数、(2)純虚数となるような \(t\) の値をそれぞれ求めよ。

(1) \(t=\)   (2) \(t=\)
解説を見る
分母の共役 \(1+i\) を分子・分母にかけて実数化する。 \(\dfrac{z}{w}=\dfrac{3+ti}{1-i}=\dfrac{(3+ti)(1+i)}{(1-i)(1+i)}=\dfrac{3+3i+ti+ti^2}{2}=\dfrac{(3-t)+(3+t)i}{2}\) (1) 実数になるのは虚部が \(0\) のとき:\(3+t=0\ \to\ t=-3\) (2) 純虚数になるのは実部が \(0\)(かつ虚部が \(0\)でない)とき:\(3-t=0\ \to\ t=3\)。このとき虚部は \(\dfrac{3+3}{2}=3\ne0\) なので条件を満たす。 (1) \(t=-3\) (2) \(t=3\)
22
3点が一直線上にある条件

異なる3点 \(z_1=1+i,\ z_2=3+2i,\ z_3=k+4i\)(\(k\) は実数の定数)が一直線上にあるような \(k\) の値を求めよ。

\(k=\)
解説を見る
異なる3点 \(z_1,z_2,z_3\) が一直線上にあるための条件は、\(\dfrac{z_3-z_1}{z_2-z_1}\) が実数(0でない実数)となることである。これは点\(z_3\)が点\(z_1\)から見て、点\(z_2\)と同じ向き(またはその反対向き)にあることを意味する。 \(z_3-z_1=(k-1)+3i\)、\(z_2-z_1=2+i\) なので \(\dfrac{z_3-z_1}{z_2-z_1}=\dfrac{(k-1)+3i}{2+i}\) 分母を実数化するため、分母・分子に \(2-i\) をかける。 \(=\dfrac{\{(k-1)+3i\}(2-i)}{(2+i)(2-i)}=\dfrac{(2k+1)+(7-k)i}{5}\) これが実数となるのは虚部が0のときだから \(7-k=0\)、よって \(k=7\) \(k=7\)
23
方程式の表す図形の判定(円・直線)

次の2つの方程式は、それぞれ点 \(z\) がどのような図形を描くことを表すか。円のときは中心と半径を、直線のときはその式を答えよ。

(1) \(|z-3|=2\)

図形の種類:  中心:  半径:

(2) \(|z|=|z-4i|\)

図形の種類:  式:
解説を見る
\(|z-\alpha|=r\)(\(r>0\))の形は、点\(\alpha\)を中心とする半径\(r\)の円を表す。一方 \(|z-\alpha|=|z-\beta|\) の形は、2点\(\alpha,\beta\)から等しい距離にある点の集まりだから、線分\(\alpha\beta\)の垂直二等分線を表す。この見分け方をもとに(1)(2)を判定する。 (1) \(|z-3|=2\) は \(|z-\alpha|=r\) の形(\(\alpha=3,\ r=2\))なので円を表す。中心は点3(すなわち\((3,0)\))、半径は2 (2) \(|z|=|z-4i|\) は \(|z-0|=|z-4i|\) と読み替えられるので、2点\(0\)と\(4i\)から等しい距離にある点の集まり、つまり直線を表す。この2点を結ぶ線分の中点は\(2i\)(すなわち\((0,2)\))で、線分は虚軸上にあるから、垂直二等分線は虚軸に垂直な直線、すなわち\(y=2\) (1) 円・中心3・半径2 (2) 直線・\(y=2\)
応用問題(プリント限定)

ここから先はPDF限定の腕試し。回転移動や軌跡の図形的意味など、入試の基礎レベルに挑戦しよう。

応1
回転移動

複素数 \(z=4\) が表す点を、原点を中心に \(60°\) 回転すると、複素数 \(z(\cos60°+i\sin60°)\) が表す点に移る。回転後の点の座標を求めよ。

実部=  虚部=
解説を見る
複素数の掛け算 \(\cos\theta+i\sin\theta\) をかけることは、原点を中心に \(\theta\) だけ回転することにあたる。 \(z(\cos60°+i\sin60°) = 4\left(\dfrac{1}{2}+i\dfrac{\sqrt3}{2}\right) = 2+2\sqrt3i\) 回転後の点は \((2,\ 2\sqrt3)\)
応2
図形的意味(垂直二等分線)

\(|z-1| = |z-i|\) を満たす点 \(z\) の全体は、どのような図形か。方程式(\(y=\) の形)で答えよ。

図形の式:
解説を見る
\(|z-1|\) は点 \(z\) から点 \((1,0)\) までの距離、\(|z-i|\) は点 \(z\) から点 \((0,1)\) までの距離を表す。 この2つの距離が等しい点の集まりは、2点 \((1,0)\) と \((0,1)\) を結ぶ線分の垂直二等分線。 2点の中点は \(\left(\dfrac{1}{2},\dfrac{1}{2}\right)\)、2点を結ぶ線分の傾きは \(-1\) なので、垂直二等分線の傾きは \(1\)。 求める図形は直線 \(y=x\)
応3
図形的意味(円)

\(|z-2| = 3\) を満たす点 \(z\) の全体は円になる。この円の中心の座標と半径を求めよ。

中心=(,) 半径=
解説を見る
\(|z-2|\) は点 \(z\) から点 \(2\)(座標 \((2,0)\))までの距離を表す。 これが常に \(3\) になる点の集まりは、点 \((2,0)\) を中心とする半径 \(3\) の円。 中心 \((2,\ 0)\)、半径 \(3\)
応4
共役複素数の性質

\(z = 3 - 4i\) のとき、\(z+\bar{z}\) と \(z\bar{z}\) の値をそれぞれ求めよ。

\(z+\bar{z}=\)  \(z\bar{z}=\)
解説を見る
\(\bar{z} = 3+4i\) \(z+\bar{z} = (3-4i)+(3+4i) = 6\)(実部の2倍。虚部が打ち消しあって実数になる) \(z\bar{z} = (3-4i)(3+4i) = 3^2-(4i)^2 = 9-(-16) = 9+16 = 25\)(\(z\bar{z}=|z|^2\) に一致する) \(z+\bar{z}=6,\ z\bar{z}=25\)
応5
回転と距離の不変性

複素数 \(z_1=2+2i\) が表す点を、原点を中心に \(-90°\)(時計回りに \(90°\))回転させた点の座標を求めよ。また、回転後の点と原点との距離を求めよ。

実部=  虚部=  距離=
解説を見る
\(-90°\) 回転は \(\cos(-90°)+i\sin(-90°) = -i\) を掛けることにあたる。 \(z_1\times(-i) = (2+2i)(-i) = -2i-2i^2 = -2i+2 = 2-2i\) 回転しても原点からの距離(絶対値)は変わらない。 \(|2-2i| = \sqrt{2^2+(-2)^2} = \sqrt{8} = 2\sqrt2\)(もとの \(|z_1|=\sqrt{2^2+2^2}=2\sqrt2\) と一致) 回転後の点は \((2,\ -2)\)、原点との距離は \(2\sqrt2\)
応6
3点が正三角形をなす条件(回転)

複素数平面上の3点 \(A(1),\ B(5),\ C(z)\) が正三角形をなすとき、\(z\) の値を求めよ(2つある。虚部が正の方を先に、負の方を後に答えよ)。

\(z_1\) の実部=  虚部=   \(z_2\) の実部=  虚部=
解説を見る
3点 \(A,\ B,\ C\) が正三角形をなすための条件は、点 \(B\) を点 \(A\) の周りに \(\pm60°\) 回転すると点 \(C\) に重なることである。すなわち \(z-1 = (5-1)\{\cos(\pm60°)+i\sin(\pm60°)\}\) 複号同順でそれぞれ計算する。 \(\cos60°+i\sin60°=\dfrac12+\dfrac{\sqrt3}{2}i\) のとき \(z = 1+4\left(\dfrac12+\dfrac{\sqrt3}{2}i\right) = 1+2+2\sqrt3i = 3+2\sqrt3i\) \(\cos(-60°)+i\sin(-60°)=\dfrac12-\dfrac{\sqrt3}{2}i\) のとき \(z = 1+4\left(\dfrac12-\dfrac{\sqrt3}{2}i\right) = 1+2-2\sqrt3i = 3-2\sqrt3i\) (どちらの解も、線分ABを底辺として上側・下側にできる正三角形の頂点に対応する。検算:\(|z-1|=|(2\pm2\sqrt3i)|=\sqrt{4+12}=4\)、\(|z-5|=|(-2\pm2\sqrt3i)|=\sqrt{4+12}=4\)、\(|B-A|=4\) と一致し、3辺の長さがすべて等しいことが確かめられる。) \(z=3+2\sqrt3i\) または \(z=3-2\sqrt3i\)
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

極形式で表した複素数の積について、絶対値は \(r_1r_2\)(積)、偏角は \(\theta_1+\theta_2\)(和)になる。この「積の図形的な意味」に触れながら、なぜ絶対値どうしは掛け算、偏角どうしは足し算になるのかを説明せよ。

模範解答を見る
複素数 \(z_1=r_1(\cos\theta_1+i\sin\theta_1)\) を複素数 \(z_2=r_2(\cos\theta_2+i\sin\theta_2)\) に掛けるという操作は、図形的に見ると「点 \(z_1\) を原点中心に \(\theta_2\) だけ回転させ、さらに原点からの距離を \(r_2\) 倍に拡大(縮小)する」という1つの変換にあたる。 まず倍率の部分について考える。回転は図形の形や大きさを変えない操作なので、原点からの距離(絶対値)には影響しない。距離を変えるのは「\(r_2\) 倍する」という拡大・縮小の部分だけである。もともと \(z_1\) の絶対値は \(r_1\) だったので、これを \(r_2\) 倍すれば、積の絶対値は \(r_1\times r_2=r_1r_2\) になる。だからこそ絶対値どうしは掛け算になる。 次に角度の部分を考える。拡大・縮小は原点からの方向(偏角)を変えない操作なので、偏角を変えるのは「\(\theta_2\) だけ回転する」という部分だけである。もともと \(z_1\) の偏角は \(\theta_1\) だったので、そこからさらに \(\theta_2\) だけ回転させれば、積の偏角はもとの角度に回転した角度を足した \(\theta_1+\theta_2\) になる。だからこそ偏角どうしは足し算になる。 このように、複素数の掛け算という1つの操作の中に「拡大・縮小(絶対値に効く)」と「回転(偏角に効く)」という性質の異なる2つの効果が同時に含まれており、それぞれが絶対値と偏角の別々の演算(掛け算・足し算)に対応しているために、このような分離した規則が成り立つ。 複素数の積は「回転」と「拡大・縮小」の合成であり、回転は距離を変えず角度だけを足し合わせ、拡大・縮小は角度を変えず距離だけを掛け合わせるため、絶対値は積・偏角は和という別々の演算になる。
記2

\(z_1=2(\cos80°+i\sin80°),\ z_2=4(\cos(-20°)+i\sin(-20°))\) のとき、\(z_1z_2\) と \(\dfrac{z_1}{z_2}\) をそれぞれ極形式で求めよ。絶対値・偏角の計算過程を明記して記述せよ。

模範解答を見る
積 \(z_1z_2\) について考える。積の絶対値は絶対値どうしの積になる。 \(|z_1z_2|=|z_1|\times|z_2|=2\times4=8\) 積の偏角は偏角どうしの和になる。 \(\arg(z_1z_2)=80°+(-20°)=60°\) よって \(z_1z_2=8(\cos60°+i\sin60°)\) 次に商 \(\dfrac{z_1}{z_2}\) について考える。商の絶対値は絶対値どうしの商になる。 \(\left|\dfrac{z_1}{z_2}\right|=\dfrac{|z_1|}{|z_2|}=\dfrac{2}{4}=\dfrac12\) 商の偏角は偏角どうしの差になる。 \(\arg\left(\dfrac{z_1}{z_2}\right)=80°-(-20°)=100°\) よって \(\dfrac{z_1}{z_2}=\dfrac12(\cos100°+i\sin100°)\) \(z_1z_2=8(\cos60°+i\sin60°)\)、\(\dfrac{z_1}{z_2}=\dfrac12(\cos100°+i\sin100°)\)