二項分布 B(n, p)
「成功確率 \(p\) の試行を独立に \(n\) 回くり返す」とき、成功する回数を \(X\) とすると、\(X\) は次の確率分布に従う。これを二項分布といい、\(X \sim B(n, p)\) と書く。
\[P(X=k) = {}_n\mathrm{C}_k\, p^k(1-p)^{n-k}\quad(k=0,1,2,\ldots,n)\]前ページで学んだ期待値・分散の定義から計算すると、二項分布の期待値・分散・標準偏差は次の公式にまとまる(公式の導出は省略し、結果を覚えて使えるようにしよう)。
例題 1本の当たりくじを引く確率が \(0.4\) であるくじ引きを、独立に5回行う。当たった回数を \(X\) とするとき、\(E(X)\)、\(V(X)\)、\(\sigma(X)\) を求めよ。
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正規分布と標準化
身長・テストの点数のように、連続的な値をとる確率変数の分布として最もよく使われるのが正規分布だ。平均 \(\mu\)、標準偏差 \(\sigma\) の正規分布を \(N(\mu, \sigma^2)\) と書き、グラフは平均 \(\mu\) を中心に左右対称な、なめらかな釣鐘型の曲線になる。
正規分布は \(\mu\)、\(\sigma\) の組み合わせごとに無数にあるが、そのすべてを次の変換(標準化)によって、ただ1つの「標準正規分布 \(N(0, 1)\)」に統一して扱うことができる。
\[Z = \frac{X-\mu}{\sigma}\]正規分布では「確率=グラフとx軸で囲まれた部分の面積」。曲線の式は複雑なので、この面積は自分で積分計算するのではなく、次のSTEPで学ぶ正規分布表を使って読み取る。
標準正規分布表の使い方
標準正規分布表は、\(Z=0\) から \(Z=z\) までの面積 \(p(z) = P(0 \le Z \le z)\) を、\(z\) の値ごとにまとめた表。教科書の巻末についている本物の表はもっと細かい刻みだが、このページでは次の抜粋だけで解ける問題にしてある。
| \(z\) | 0.5 | 1.0 | 1.5 | 2.0 | 2.5 | 3.0 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| \(p(z)\) | 0.1915 | 0.3413 | 0.4332 | 0.4772 | 0.4938 | 0.4987 |
この後の問題は、すべてこの6つの \(z\) の値(またはその負の側)だけで解けるように作ってある。表にない \(z\) の値は出てこないので、安心してこの表だけを使えばよい。
この表の \(p(z)\) は「中心から片側だけ」の面積。求めたい確率のパターンに応じて、次のように組み合わせて使う。
・平均をまたいで両側に広がる範囲(\(\mu-z_1\sigma \le X \le \mu+z_2\sigma\))→ \(p(z_1)+p(z_2)\)(左右で別々に足す)
・平均の片側だけの範囲(\(\mu+z_1\sigma \le X \le \mu+z_2\sigma\)、\(z_1<z_2\))→ \(p(z_2)-p(z_1)\)(外側から内側を引く)
・平均より先の端まで(\(X \ge \mu+z\sigma\) など)→ \(0.5-p(z)\)(半分から表の値を引く)
・平均を中心に左右対称な範囲(\(\mu-z\sigma \le X \le \mu+z\sigma\))→ \(2p(z)\)(同じ値を2倍)
例題1 \(X \sim N(50, 10^2)\) のとき、\(P(50 \le X \le 65)\) を求めよ。
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例題2 \(X \sim N(50, 10^2)\) のとき、\(P(35 \le X \le 65)\) を求めよ。
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例題3 \(X \sim N(50, 10^2)\) のとき、\(P(X \ge 60)\) を求めよ。
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二項分布の正規近似
二項分布 \(B(n, p)\) は、本来は「とびとびの値」しかとらない分布だが、試行回数 \(n\) が十分大きいとき、二項分布の形は正規分布にどんどん近づいていくことが知られている。これを利用すると、二項分布の確率も正規分布表を使って(近似的に)求められる。
例題 1枚の硬貨を100回投げるとき、表の出る回数を \(X\) とする。\(X\) を正規分布で近似して、\(P(45 \le X \le 65)\) を求めよ。
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答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「3/2」のように、割り切れないときはそのまま分数で入力しよう。確率・パーセントの問題はSTEP3の表の値を使う。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。
当たる確率が \(\dfrac{1}{3}\) のくじを独立に9回引くとき、当たった回数を \(X\) とする。期待値 \(E(X)\) を求めよ。
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問1と同じ \(X\)(\(B\!\left(9,\dfrac{1}{3}\right)\))について、分散 \(V(X)\) を求めよ。
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ある製品の不良品が出る確率は \(0.2\) である。この製品を独立に50個検査するとき、不良品の個数を \(X\) とする。期待値 \(E(X)\) と分散 \(V(X)\) を求めよ。
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\(X \sim N(70, 6^2)\) のとき、\(X=79\) を標準化した値 \(Z\) を求めよ。
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\(X \sim N(70, 6^2)\) のとき、\(P(70 \le X \le 73)\) を求めよ。
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\(X \sim N(100, 15^2)\) のとき、\(P(X \ge 130)\) を求めよ。
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\(X \sim B(25, 0.2)\) のとき、\(E(X)\)、\(V(X)\)、\(\sigma(X)\) をそれぞれ求めよ。
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成功確率 \(p=0.3\) の試行を独立に \(n\) 回くり返す。成功回数を \(X\) とするとき、\(E(X)=12\) であった。\(n\) の値と、そのときの分散 \(V(X)\) を求めよ。
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\(X \sim N(50, 4^2)\) のとき、\(P(42 \le X \le 54)\) を求めよ。
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\(X \sim N(80, 10^2)\) のとき、\(P(70 \le X \le 105)\) を求めよ。
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\(X \sim N(30, 5^2)\) のとき、\(P(35 \le X \le 42.5)\) を求めよ。
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1枚の硬貨を独立に64回投げるとき、表の出る回数を \(X\) とする。\(X\) を正規分布で近似するときの平均 \(\mu\) と標準偏差 \(\sigma\) を求めよ。
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問12の \(X\)(硬貨を64回投げたときの表の回数)について、正規近似を使って \(P(24 \le X \le 44)\) を求めよ。
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ある試験の得点 \(X\) は正規分布 \(N(65, 10^2)\) に従うとする。得点90点以上の受験者は、全体の上位何%にあたるか。小数第2位まで、%の数値のみ入力せよ。
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ある工場で作られる製品の不良品が出る確率は \(0.1\) であることがわかっている。この製品を独立に400個検査するとき、不良品の個数を \(X\) とする。\(X\) を正規分布で近似して、\(P(28 \le X \le 52)\) を求めよ。
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ある試験の得点 \(X\) は正規分布 \(N(60, 12^2)\) に従うとする。合格ラインを72点に設定するとき、合格者の割合と不合格者の割合はそれぞれ全体の何%か。小数第2位まで、%の数値のみ入力せよ。
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ここから先はPDF限定の腕試し。コイン投げの正規近似と、模試などでおなじみの「偏差値」の仕組みを、正規分布表を使って読み解こう。
1枚の公正な硬貨(表と裏が出る確率がそれぞれ \(\dfrac{1}{2}\))を独立に400回投げるとき、表の出る回数を \(X\) とする。\(X\) を正規分布で近似するときの平均 \(\mu\) と標準偏差 \(\sigma\) を求めよ。
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応1の \(X\)(硬貨を400回投げたときの表の回数)について、表の値から \(2\,p(1.0)=0.6826\) であることがわかる。この「中央68.26%」にあたる範囲は、表の回数が何回から何回までか。
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応1の \(X\) について、\(P(X \ge 230)\) を求めよ。
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模試などで使われる「偏差値」は、平均を50、標準偏差を10にそろえた指標で、得点 \(x\)、平均 \(m\)、標準偏差 \(s\) を使って次の式で計算される。
\[\text{偏差値} = 50+10\times\dfrac{x-m}{s}\]ある試験の平均点が \(60\)点、標準偏差が \(12\)点であった。得点 \(78\)点だった生徒の偏差値を求めよ。
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応4の式で偏差値を計算すると、偏差値と \(Z=\dfrac{x-m}{s}\) の間には \(\text{偏差値}=50+10Z\)、つまり \(Z=\dfrac{\text{偏差値}-50}{10}\) の関係がある。得点が正規分布に従うとして、偏差値70の生徒は、全体の上位何%にあたるか。小数第2位まで、%の数値のみ入力せよ。