STEP 1

確率変数と確率分布表

さいころを投げたときの「出た目」や、くじを引いたときの「当たった金額」のように、試行の結果によって値が決まり、しかもその値の出方に確率がともなう変数を確率変数という。確率変数がとりうる値と、それぞれの値をとる確率をまとめた表を確率分布表という。

例として、硬貨を2枚投げて表の出た枚数を \(X\) とする場合を考えよう。2枚の硬貨の出方は「表表」「表裏」「裏表」「裏裏」の4通りで、これらはすべて同じ確率 \(\dfrac{1}{4}\) で起こる。それぞれの出方で \(X\) の値は次のようになる。

硬貨の出方 表表 表裏 裏表 裏裏
確率 \(\frac{1}{4}\) \(\frac{1}{4}\) \(\frac{1}{4}\) \(\frac{1}{4}\)
表の枚数 \(X\) 2 1 1 0

\(X=1\) になるのは「表裏」「裏表」の2通りなので確率は \(\dfrac{1}{4}+\dfrac{1}{4}=\dfrac{1}{2}\)。同じ値になる出方をまとめると、\(X\) の確率分布表がつくれる。

\(X\) 0 1 2
\(P\) \(\frac{1}{4}\) \(\frac{1}{2}\) \(\frac{1}{4}\) 1
確率分布表の条件は次の2つ。
・すべての確率は \(0\) 以上(\(p_i \ge 0\))
・確率の合計はちょうど1(\(p_1+p_2+\cdots+p_n=1\))
表を作ったら、必ず横の合計が1になっているか確認する習慣をつけよう。
STEP 2

期待値(平均)と分散・標準偏差

確率変数 \(X\) が \(x_1, x_2, \ldots, x_n\) の値を、それぞれ確率 \(p_1, p_2, \ldots, p_n\) でとるとき、\(X\) の期待値(平均) \(E(X)\) は「値 \(\times\) 確率」を全部たしたもの。散らばりの大きさを表す分散 \(V(X)\) は、平均からの偏差の2乗の期待値だ。

\[E(X) = x_1p_1 + x_2p_2 + \cdots + x_np_n = \sum x_ip_i\]

分散 \(V(X)\) は「\((X-m)^2\) の期待値」(\(m=E(X)\))として定義されるが、実際の計算では次の変形(計算のコツ)を使うと速い。

\[V(X) = \sum (x_i-m)^2p_i = E(X^2) - \{E(X)\}^2\]

標準偏差 \(\sigma(X)\) は分散の正の平方根。

\[\sigma(X) = \sqrt{V(X)}\]

例題 1個のさいころを1回投げるとき、出る目 \(X\) の期待値 \(E(X)\)、分散 \(V(X)\)、標準偏差 \(\sigma(X)\) を求めよ。

解答を見る
確率分布表は \(X=1,2,3,4,5,6\) がそれぞれ確率 \(\dfrac{1}{6}\)。 期待値 \(E(X) = 1\cdot\dfrac{1}{6}+2\cdot\dfrac{1}{6}+3\cdot\dfrac{1}{6}+4\cdot\dfrac{1}{6}+5\cdot\dfrac{1}{6}+6\cdot\dfrac{1}{6} = \dfrac{1+2+3+4+5+6}{6} = \dfrac{21}{6} = \dfrac{7}{2}\) 分散(定義どおり:偏差の2乗の平均) 平均 \(m=\dfrac{7}{2}\) からの偏差 \(x_i-m\) は \(-\dfrac{5}{2},-\dfrac{3}{2},-\dfrac{1}{2},\dfrac{1}{2},\dfrac{3}{2},\dfrac{5}{2}\)、その2乗は \(\dfrac{25}{4},\dfrac{9}{4},\dfrac{1}{4},\dfrac{1}{4},\dfrac{9}{4},\dfrac{25}{4}\)。 \(V(X) = \left(\dfrac{25}{4}+\dfrac{9}{4}+\dfrac{1}{4}+\dfrac{1}{4}+\dfrac{9}{4}+\dfrac{25}{4}\right)\times\dfrac{1}{6} = \dfrac{70}{4}\times\dfrac{1}{6} = \dfrac{35}{12}\) 分散(計算のコツ:\(E(X^2)-\{E(X)\}^2\)) \(E(X^2) = \dfrac{1^2+2^2+3^2+4^2+5^2+6^2}{6} = \dfrac{91}{6}\) \(V(X) = \dfrac{91}{6} - \left(\dfrac{7}{2}\right)^2 = \dfrac{91}{6}-\dfrac{49}{4} = \dfrac{182}{12}-\dfrac{147}{12} = \dfrac{35}{12}\) どちらの方法でも同じ値になることが確認できる(普段は計算が速い後者を使う)。 標準偏差 \(\sigma(X) = \sqrt{\dfrac{35}{12}} = \dfrac{\sqrt{105}}{6} \approx 1.71\) \(E(X)=\dfrac{7}{2}\)、\(V(X)=\dfrac{35}{12}\)、\(\sigma(X)=\dfrac{\sqrt{105}}{6}\approx1.71\)
注意 分散は必ず0以上になる(2乗の平均だから)。計算した \(V(X)\) が負になったら、途中の計算にミスがある。
STEP 3

aX+b の平均・分散

確率変数 \(X\) を定数倍したり定数を足したりしてできる新しい確率変数 \(aX+b\) の平均・分散は、\(X\) の平均・分散から公式で計算できる。いちいち新しい分布表を作り直さなくてよいのが便利なところ。

\(a,\ b\) を定数とするとき \[E(aX+b) = aE(X)+b\] \[V(aX+b) = a^2V(X)\] \[\sigma(aX+b) = |a|\,\sigma(X)\] 分散には \(a\) の2乗がつく(符号は消える)。\(b\)(平行移動の分)は散らばりに影響しないので分散には現れない。

例題 1個のさいころを投げて出た目を \(X\) とする。\(Y=2X+1\) とするとき、\(E(Y)\) と \(V(Y)\) を求めよ。

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STEP2より \(E(X)=\dfrac{7}{2}\)、\(V(X)=\dfrac{35}{12}\)。 公式にあてはめる。 \(E(Y) = E(2X+1) = 2E(X)+1 = 2\times\dfrac{7}{2}+1 = 7+1 = 8\) \(V(Y) = V(2X+1) = 2^2V(X) = 4\times\dfrac{35}{12} = \dfrac{35}{3}\) (検算)\(Y\) は \(X=1,\ldots,6\) に対応して \(3,5,7,9,11,13\) の値をそれぞれ確率 \(\dfrac{1}{6}\) でとる。 \(E(Y) = \dfrac{3+5+7+9+11+13}{6} = \dfrac{48}{6} = 8\)(一致) \(E(Y^2) = \dfrac{9+25+49+81+121+169}{6} = \dfrac{454}{6} = \dfrac{227}{3}\)、\(V(Y)=\dfrac{227}{3}-64=\dfrac{227-192}{3}=\dfrac{35}{3}\)(一致) \(E(Y)=8\)、\(V(Y)=\dfrac{35}{3}\)
STEP 4

独立な確率変数の和

2個のさいころを同時に投げるときのように、2つの確率変数 \(X,\ Y\) を組み合わせて考えることも多い。和の期待値にはとても便利な性質がある。

\[E(X+Y) = E(X)+E(Y)\] この式は \(X\) と \(Y\) が独立かどうかに関係なく、いつでも成り立つ。

さらに、\(X\) と \(Y\) が独立(一方の結果がもう一方に影響しない)ならば \[V(X+Y) = V(X)+V(Y)\] 分散の加法性は独立なときだけ成り立つ、という違いに注意。

例題 2個のさいころを同時に投げる。それぞれの出た目を \(X,\ Y\) とし(\(X,\ Y\) は独立)、和を \(S=X+Y\) とする。\(E(S)\) と \(V(S)\) を求めよ。

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1個のさいころについて \(E(X)=E(Y)=\dfrac{7}{2}\)、\(V(X)=V(Y)=\dfrac{35}{12}\)(STEP2より)。 \(E(S) = E(X+Y) = E(X)+E(Y) = \dfrac{7}{2}+\dfrac{7}{2} = 7\) \(X,\ Y\) は独立(片方のさいころの目がもう片方に影響しない)なので \(V(S) = V(X+Y) = V(X)+V(Y) = \dfrac{35}{12}+\dfrac{35}{12} = \dfrac{70}{12} = \dfrac{35}{6}\) \(E(S)=7\)、\(V(S)=\dfrac{35}{6}\)
参考(積の期待値) \(X\) と \(Y\) が独立ならば、和だけでなく積についても次が成り立つ。 \[E(XY) = E(X)E(Y)\] 例えば2個のさいころなら \(E(XY)=E(X)E(Y)=\dfrac{7}{2}\times\dfrac{7}{2}=\dfrac{49}{4}\)。(この性質は「独立」なときだけ成り立つので、独立でない2つの変数には使えない)
練習問題(全16問)

答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「7/2」のように、割り切れないときはそのまま分数で入力しよう。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜6)
1
期待値の基本

1枚の硬貨を1回投げ、表が出たら1点、裏が出たら0点を得るとする。得点を \(X\) とするとき、期待値 \(E(X)\) を求めよ。

\(E(X)=\)
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確率分布表は \(X=1,0\) がそれぞれ確率 \(\dfrac{1}{2}\)。 \(E(X) = 1\times\dfrac{1}{2}+0\times\dfrac{1}{2} = \dfrac{1}{2}\) \(E(X)=\dfrac{1}{2}\)
2
期待値の基本・さいころ

1個のさいころを1回投げるとき、出る目 \(X\) の期待値 \(E(X)\) を求めよ。

\(E(X)=\)
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\(X=1,2,3,4,5,6\) がそれぞれ確率 \(\dfrac{1}{6}\)。 \(E(X) = \dfrac{1+2+3+4+5+6}{6} = \dfrac{21}{6} = \dfrac{7}{2}\) \(E(X)=\dfrac{7}{2}\)
3
分散の基本(問2の続き)

問2の \(X\)(さいころの出る目)について、分散 \(V(X)\) を求めよ。

\(V(X)=\)
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\(E(X)=\dfrac{7}{2}\)(問2より)。 \(E(X^2) = \dfrac{1^2+2^2+3^2+4^2+5^2+6^2}{6} = \dfrac{91}{6}\) \(V(X) = E(X^2)-\{E(X)\}^2 = \dfrac{91}{6}-\dfrac{49}{4} = \dfrac{182}{12}-\dfrac{147}{12} = \dfrac{35}{12}\) \(V(X)=\dfrac{35}{12}\)
4
確率分布表を作ってから計算

1個のさいころを1回投げ、偶数の目が出たら10点、奇数の目が出たら0点を得るとする。得点を \(X\) とするとき、期待値 \(E(X)\) と分散 \(V(X)\) を求めよ。

\(E(X)=\)  \(V(X)=\)
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偶数(2,4,6)が出る確率は \(\dfrac{3}{6}=\dfrac{1}{2}\)、奇数(1,3,5)が出る確率も \(\dfrac{1}{2}\)。よって \(X=10,0\) がそれぞれ確率 \(\dfrac{1}{2}\)。 \(E(X) = 10\times\dfrac{1}{2}+0\times\dfrac{1}{2} = 5\) \(E(X^2) = 100\times\dfrac{1}{2}+0\times\dfrac{1}{2} = 50\) \(V(X) = 50-5^2 = 50-25 = 25\) \(E(X)=5\)、\(V(X)=25\)
5
くじの期待値

10本中2本が当たり(賞金100円)、8本がはずれ(賞金0円)のくじがある。1本引いて当たった金額を \(X\) とするとき、期待値 \(E(X)\) を求めよ。

\(E(X)=\)
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\(X=100,0\) がそれぞれ確率 \(\dfrac{2}{10},\dfrac{8}{10}\)。 \(E(X) = 100\times\dfrac{2}{10}+0\times\dfrac{8}{10} = 20\) \(E(X)=20\)(円)
6
くじの分散(問5の続き)

問5の \(X\)(くじの当たり金額)について、分散 \(V(X)\) を求めよ。

\(V(X)=\)
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\(E(X)=20\)(問5より)。 \(E(X^2) = 100^2\times\dfrac{2}{10}+0^2\times\dfrac{8}{10} = 10000\times0.2 = 2000\) \(V(X) = 2000-20^2 = 2000-400 = 1600\) \(V(X)=1600\)
標準(7〜12)
7
aX+b の期待値

1個のさいころを1回投げて出た目を \(X\) とする。\(Y=3X-2\) とするとき、期待値 \(E(Y)\) を求めよ。

\(E(Y)=\)
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\(E(X)=\dfrac{7}{2}\)。 \(E(Y) = E(3X-2) = 3E(X)-2 = 3\times\dfrac{7}{2}-2 = \dfrac{21}{2}-2 = \dfrac{17}{2}\) \(E(Y)=\dfrac{17}{2}\)
8
aX+b の分散(問7の続き)

問7の \(Y=3X-2\) について、分散 \(V(Y)\) を求めよ。

\(V(Y)=\)
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\(V(X)=\dfrac{35}{12}\)。 \(V(Y) = V(3X-2) = 3^2V(X) = 9\times\dfrac{35}{12} = \dfrac{315}{12} = \dfrac{105}{4}\) \(V(Y)=\dfrac{105}{4}\)
9
独立な和の期待値

2個のさいころを同時に投げるとき、出た目の和 \(X+Y\) の期待値 \(E(X+Y)\) を求めよ。

\(E(X+Y)=\)
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1個のさいころの期待値は \(E(X)=E(Y)=\dfrac{7}{2}\)。 \(E(X+Y) = E(X)+E(Y) = \dfrac{7}{2}+\dfrac{7}{2} = 7\) \(E(X+Y)=7\)
10
独立な和の分散(問9の続き)

問9の \(X,\ Y\)(2個のさいころの目、独立)について、分散 \(V(X+Y)\) を求めよ。

\(V(X+Y)=\)
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\(V(X)=V(Y)=\dfrac{35}{12}\)。\(X,\ Y\) は独立なので \(V(X+Y) = V(X)+V(Y) = \dfrac{35}{12}+\dfrac{35}{12} = \dfrac{70}{12} = \dfrac{35}{6}\) \(V(X+Y)=\dfrac{35}{6}\)
11
与えられた分布表から計算

硬貨を3枚投げて表の出た枚数を \(X\) とする。\(X\) の確率分布は下の表の通りである。期待値 \(E(X)\) を求めよ。

\(X\) 0 1 2 3
\(P\) \(\frac{1}{8}\) \(\frac{3}{8}\) \(\frac{3}{8}\) \(\frac{1}{8}\) 1
\(E(X)=\)
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\(E(X) = 0\times\dfrac{1}{8}+1\times\dfrac{3}{8}+2\times\dfrac{3}{8}+3\times\dfrac{1}{8} = \dfrac{0+3+6+3}{8} = \dfrac{12}{8} = \dfrac{3}{2}\) \(E(X)=\dfrac{3}{2}\)
12
与えられた分布表から計算(問11の続き)

問11の \(X\)(3枚の硬貨の表の枚数)について、分散 \(V(X)\) を求めよ。

\(V(X)=\)
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\(E(X)=\dfrac{3}{2}\)(問11より)。 \(E(X^2) = 0\times\dfrac{1}{8}+1\times\dfrac{3}{8}+4\times\dfrac{3}{8}+9\times\dfrac{1}{8} = \dfrac{0+3+12+9}{8} = \dfrac{24}{8} = 3\) \(V(X) = 3-\left(\dfrac{3}{2}\right)^2 = 3-\dfrac{9}{4} = \dfrac{3}{4}\) \(V(X)=\dfrac{3}{4}\)
挑戦(13〜16)
13
3通りの賞金があるくじ

1等(500円)が1本、2等(100円)が2本、はずれ(0円)が7本、計10本のくじがある。1本引いて当たった金額を \(X\) とするとき、期待値 \(E(X)\) と分散 \(V(X)\) を求めよ。

\(E(X)=\)  \(V(X)=\)
解説を見る
\(X=500,100,0\) がそれぞれ確率 \(\dfrac{1}{10},\dfrac{2}{10},\dfrac{7}{10}\)。 \(E(X) = 500\times\dfrac{1}{10}+100\times\dfrac{2}{10}+0\times\dfrac{7}{10} = 50+20 = 70\) \(E(X^2) = 500^2\times\dfrac{1}{10}+100^2\times\dfrac{2}{10} = 25000+2000 = 27000\) \(V(X) = 27000-70^2 = 27000-4900 = 22100\) \(E(X)=70\)(円)、\(V(X)=22100\)
14
係数が負のaX+b

1個のさいころを1回投げて出た目を \(X\) とする。\(Y=-2X+5\) とするとき、期待値 \(E(Y)\) と分散 \(V(Y)\) を求めよ。

\(E(Y)=\)  \(V(Y)=\)
解説を見る
\(E(X)=\dfrac{7}{2}\)、\(V(X)=\dfrac{35}{12}\)。 \(E(Y) = -2E(X)+5 = -2\times\dfrac{7}{2}+5 = -7+5 = -2\) \(V(Y) = (-2)^2V(X) = 4\times\dfrac{35}{12} = \dfrac{35}{3}\) (分散は係数を2乗するので符号は消える。負の係数でも \(V(Y)\) は正のまま) \(E(Y)=-2\)、\(V(Y)=\dfrac{35}{3}\)
15
独立な和とaS+bを組み合わせる

2個のさいころを同時に投げ、出た目の和を \(S=X+Y\)(\(X,\ Y\) は独立)とする。\(Z=2S-1\) とするとき、期待値 \(E(Z)\) と分散 \(V(Z)\) を求めよ。

\(E(Z)=\)  \(V(Z)=\)
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まず \(S\) の期待値・分散を求める(問9・問10と同じ)。 \(E(S) = E(X)+E(Y) = \dfrac{7}{2}+\dfrac{7}{2} = 7\) \(V(S) = V(X)+V(Y) = \dfrac{35}{12}+\dfrac{35}{12} = \dfrac{35}{6}\)(\(X,Y\)独立) 次に \(Z=2S-1\) に公式をあてはめる。 \(E(Z) = 2E(S)-1 = 2\times7-1 = 13\) \(V(Z) = 2^2V(S) = 4\times\dfrac{35}{6} = \dfrac{140}{6} = \dfrac{70}{3}\) \(E(Z)=13\)、\(V(Z)=\dfrac{70}{3}\)
16
同じ試行を2回繰り返す(独立な和)

硬貨を1枚投げて、表が出たら3点、裏が出たら\(-1\)点を得るとする。この試行を独立に2回行い、得点の合計を \(T\) とする。期待値 \(E(T)\) と分散 \(V(T)\) を求めよ。(まず1回分の得点 \(X\) について \(E(X),\ V(X)\) を求めてから考えよう)

\(E(T)=\)  \(V(T)=\)
解説を見る
1回分の得点を \(X\) とすると、\(X=3,-1\) がそれぞれ確率 \(\dfrac{1}{2}\)。 \(E(X) = 3\times\dfrac{1}{2}+(-1)\times\dfrac{1}{2} = 1\) \(E(X^2) = 9\times\dfrac{1}{2}+1\times\dfrac{1}{2} = 5\) \(V(X) = 5-1^2 = 4\) 2回の試行(それぞれの得点を \(X_1,\ X_2\) とする)は独立で、どちらも \(X\) と同じ分布に従う。 合計 \(T = X_1+X_2\)。 \(E(T) = E(X_1)+E(X_2) = 1+1 = 2\) \(V(T) = V(X_1)+V(X_2) = 4+4 = 8\)(独立なので分散はたし算できる) \(E(T)=2\)、\(V(T)=8\)
応用問題(プリント限定)

ここから先はPDF限定の腕試し。分布表を自分で作る問題や、公式を組み合わせて使う問題に挑戦しよう。

応1
分布表を自分で作る

硬貨を2枚投げて、表の出た枚数を \(X\) とする。確率分布表を自分で作り、期待値 \(E(X)\) と分散 \(V(X)\) を求めよ。

\(E(X)=\)  \(V(X)=\)
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2枚の硬貨の出方は「表表」「表裏」「裏表」「裏裏」の4通りで、それぞれ確率 \(\dfrac{1}{4}\)。表の枚数 \(X\) はそれぞれ \(2,1,1,0\)。 同じ値をまとめると分布表は次の通り。 \(X=0\):裏裏の1通り → 確率 \(\dfrac{1}{4}\) \(X=1\):表裏・裏表の2通り → 確率 \(\dfrac{2}{4}=\dfrac{1}{2}\) \(X=2\):表表の1通り → 確率 \(\dfrac{1}{4}\) (確認:\(\dfrac{1}{4}+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{4}=1\) OK) \(E(X) = 0\times\dfrac{1}{4}+1\times\dfrac{1}{2}+2\times\dfrac{1}{4} = 0+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2} = 1\) \(E(X^2) = 0\times\dfrac{1}{4}+1\times\dfrac{1}{2}+4\times\dfrac{1}{4} = \dfrac{1}{2}+1 = \dfrac{3}{2}\) \(V(X) = \dfrac{3}{2}-1^2 = \dfrac{1}{2}\) \(E(X)=1\)、\(V(X)=\dfrac{1}{2}\)
応2
独立な確率変数の和と積

2個のさいころを同時に投げる。それぞれの出た目を \(X,\ Y\)(独立)とするとき、和の期待値 \(E(X+Y)\) と、積の期待値 \(E(XY)\) をそれぞれ求めよ。

\(E(X+Y)=\)  \(E(XY)=\)
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\(E(X)=E(Y)=\dfrac{7}{2}\)。 和については、独立かどうかに関わらず常に成り立つ公式を使う。 \(E(X+Y) = E(X)+E(Y) = \dfrac{7}{2}+\dfrac{7}{2} = 7\) 積については、\(X,\ Y\) が独立なときだけ成り立つ公式 \(E(XY)=E(X)E(Y)\) を使う。 \(E(XY) = E(X)E(Y) = \dfrac{7}{2}\times\dfrac{7}{2} = \dfrac{49}{4}\) \(E(X+Y)=7\)、\(E(XY)=\dfrac{49}{4}\)(\(=12.25\))
応3
aX+bYの形(分散の性質の活用)

2個のさいころを同時に投げ、出た目をそれぞれ \(X,\ Y\)(独立)とする。\(Z=3X-2Y+4\) とするとき、期待値 \(E(Z)\) と分散 \(V(Z)\) を求めよ。

\(E(Z)=\)  \(V(Z)=\)
解説を見る
\(E(X)=E(Y)=\dfrac{7}{2}\)、\(V(X)=V(Y)=\dfrac{35}{12}\)。 期待値は独立でなくても常に「係数をかけて足す」だけでよい。 \(E(Z) = 3E(X)-2E(Y)+4 = 3\times\dfrac{7}{2}-2\times\dfrac{7}{2}+4 = \dfrac{21}{2}-7+4 = \dfrac{21}{2}-3 = \dfrac{15}{2}\) 分散は「係数を2乗してからたす」。定数 \(+4\) は分散に影響しない。\(X,\ Y\) が独立なので、掛け算部分(クロス項)は現れず単純にたし算できる。 \(V(Z) = 3^2V(X)+(-2)^2V(Y) = 9\times\dfrac{35}{12}+4\times\dfrac{35}{12} = (9+4)\times\dfrac{35}{12} = 13\times\dfrac{35}{12} = \dfrac{455}{12}\) \(E(Z)=\dfrac{15}{2}\)、\(V(Z)=\dfrac{455}{12}\)
応4
くじを独立に2回引く(分散の性質の活用)

1等(200円)が1本、2等(50円)が3本、はずれ(0円)が6本、計10本のくじがある。1本引いて当たった金額を \(X\) とする。まず1回分の期待値 \(E(X)\) と分散 \(V(X)\) を求めよ。さらに、この抽選を独立に2回行うときの合計金額を \(T\) とし、\(E(T)\)、\(V(T)\) を求めよ。

\(E(X)=\)  \(V(X)=\)
\(E(T)=\)  \(V(T)=\)
解説を見る
\(X=200,50,0\) がそれぞれ確率 \(\dfrac{1}{10},\dfrac{3}{10},\dfrac{6}{10}\)。 \(E(X) = 200\times\dfrac{1}{10}+50\times\dfrac{3}{10}+0\times\dfrac{6}{10} = 20+15 = 35\) \(E(X^2) = 200^2\times\dfrac{1}{10}+50^2\times\dfrac{3}{10} = 4000+750 = 4750\) \(V(X) = 4750-35^2 = 4750-1225 = 3525\) 2回の抽選(それぞれの当たり金額を \(X_1,\ X_2\) とする)は独立で、どちらも \(X\) と同じ分布に従う。合計は \(T=X_1+X_2\)。 \(E(T) = E(X_1)+E(X_2) = 35+35 = 70\) \(V(T) = V(X_1)+V(X_2) = 3525+3525 = 7050\)(独立なので分散はたし算できる) 1回分:\(E(X)=35\)、\(V(X)=3525\) / 2回の合計:\(E(T)=70\)、\(V(T)=7050\)
応5
逆算:条件からa,bを決める(分散の性質の活用)

1個のさいころを1回投げて出た目を \(X\) とする。\(Y=aX+b\)(\(a>0\))とするとき、\(E(Y)=10\)、\(V(Y)=\dfrac{35}{3}\) となるように \(a,\ b\) の値を定めよ。

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
\(E(X)=\dfrac{7}{2}\)、\(V(X)=\dfrac{35}{12}\)(STEP2より)。 分散の式から先に \(a\) を決める。 \(V(Y) = a^2V(X)\) より \(\dfrac{35}{3} = a^2\times\dfrac{35}{12}\) \(a^2 = \dfrac{35}{3}\div\dfrac{35}{12} = \dfrac{35}{3}\times\dfrac{12}{35} = 4\) \(a>0\) より \(a=2\)。 次に期待値の式から \(b\) を決める。 \(E(Y) = aE(X)+b\) より \(10 = 2\times\dfrac{7}{2}+b = 7+b\) \(b = 3\) \(a=2\)、\(b=3\)