この範囲の全体像

数Aは「場合の数と確率」「図形の性質」「数学と人間の活動(整数)」という、一見バラバラな3つの分野からなる科目である。しかしこの3章は独立した知識の寄せ集めではなく、根底に流れる考え方でつながっている。

第1章「場合の数と確率」で身につける「もれなく重複なく数える」技術(積の法則・順列・組合せ)は、単独の分野にとどまらない。たとえば第3章「整数の性質」で学ぶ「約数の個数の公式」——\(N=p^a\times q^b\times\cdots\)の約数の個数が\((a+1)(b+1)\cdots\)個になるという結果——は、実は「各素因数について指数を\(0\)から\(a\)までの中から独立に1つ選ぶ」という積の法則そのものの応用である。数える技術を先に固めておくからこそ、整数の構造を式の丸暗記ではなく「選び方」として理解できるようになる。

第2章「図形の性質」で身につける「定義から根拠を積み重ねて論証する」姿勢も、他の2章と地続きである。円に内接する正多角形の頂点から三角形を作る場面では、「何個の三角形ができるか」を求めるには第1章の組合せ\({}_{n}\mathrm{C}_{3}\)が必要になり、「そのうち直角三角形が何個か」を求めるには円周角の定理(直径に対する円周角はつねに\(90^\circ\))という図形の性質が必要になる。1つの問題の中で2つの章の技術が同時に要求される場面は、共通テストのような融合問題でしばしば出題される。

第3章「整数の性質」は、図形の性質で鍛えた論証の姿勢をもっとも直接的に引き継ぐ章でもある。ユークリッドの互除法が「なぜ\(\gcd(a,b)=\gcd(b,r)\)が成り立つのか」を根拠から示すように、n進法の桁数の条件や不定方程式の一般解の公式も、思いつきではなく「なぜそう言えるのか」を一歩ずつ積み上げて導かれている。

まとめると、数Aの3章は「数える(場合の数)」「論証する(図形の性質)」「構造を調べる(整数の性質)」という異なる切り口を持ちながら、どれも「具体例で確かめてから一般化し、なぜそうなるかを説明できるようにする」という同じ学び方で身につく。この総復習では、章をまたいだ融合問題(まとめテストの33・34・35・39・40番)を通して、そのつながりを実際に確認していこう。

章まとめへのリンク一覧

まず各章の要点整理・まとめテストで、章ごとの土台を仕上げておこう。下のリンクから各章のまとめページに移動できる。

  1. 場合の数と確率 まとめ ― 積の法則・順列・組合せから、確率の基本・独立な試行と反復試行・条件付き確率までの全6ページを総復習する。
  2. 図形の性質 まとめ ― 三角形の心(重心・内心・外心)、チェバの定理・メネラウスの定理、円の性質、作図と空間図形の全4ページを総復習する。
  3. 数学と人間の活動(整数) まとめ ― 素因数分解、最大公約数・最小公倍数とユークリッドの互除法、不定方程式、n進法の全4ページを総復習する。

要点整理 「積の法則」は数A全体を貫くエンジン

場合の数のいちばん最初に学ぶ「積の法則」は、この範囲の中でもっとも姿を変えて登場する道具である。同じ1つの原理が、整数の性質の中では「約数を数える」形に、n進法の中では「桁を1つずつ独立に決める」形に姿を変えて働いている。

積の法則の基本形 「Aの決め方が\(m\)通り、その各々に対してBの決め方が\(n\)通りあるとき、AとBを続けて決める方法は\(m\times n\)通り」——これが場合の数でいちばん最初に習う原理だが、実は「独立に決まる要素をいくつか掛け合わせる」という形で、数Aの至るところに顔を出す。
場合の数そのもの
「シャツを選ぶ→ズボンを選ぶ→靴を選ぶ」のように、続けて何かを決める場面でそのまま使う。順列\({}_{n}\mathrm{P}_{r}\)や重複順列\(n^r\)の式も、この積の法則を1列に並べる場面に当てはめた結果である。
整数の性質(約数の個数)
\(N=p^a\times q^b\times\cdots\)の約数を1つ作るには、「\(p\)の指数を\(0\)〜\(a\)の中から選ぶ」「\(q\)の指数を\(0\)〜\(b\)の中から選ぶ」…という決め方が独立に存在する。それぞれ\((a+1)\)通り、\((b+1)\)通り…あるので、積の法則よりその個数は\((a+1)(b+1)\cdots\)通りになる。
n進法(桁)
n進法では、最上位の桁だけ\(1\)〜\(n-1\)、それ以外の桁は\(0\)〜\(n-1\)の中から、他の桁の値に関係なく独立に決まる(最上位が\(0\)だと桁数そのものが減ってしまうため)。この独立な決め方こそが、「\(k\)桁で表せる数は何個あるか」を積の法則で数えられる根拠であり、桁数の条件の公式\(n^{k-1}\le N\le n^k-1\)もここから導かれている。
具体例で確かめる \(60=2^2\times3^1\times5^1\)の正の約数を1つ作るには、「\(2\)の指数を\(0,1,2\)の3通りから」「\(3\)の指数を\(0,1\)の2通りから」「\(5\)の指数を\(0,1\)の2通りから」独立に選べばよい。積の法則より約数の個数は\(3\times2\times2=12\)個。実際に書き出すと\(1,2,3,4,5,6,10,12,15,20,30,60\)のちょうど\(12\)個になり、確かに一致する。

要点整理 場合の数×図形の融合公式集

図形の性質の中には、「まず何通りあるか数えてから、その中で条件を満たすものを絞り込む」という、場合の数の技術がそのまま使われる場面がある。

正n角形の対角線の本数 頂点は\(n\)個。2点を選んで結ぶ方法は\({}_{n}\mathrm{C}_{2}\)通りだが、このうち\(n\)本は辺そのものなので、対角線の本数は \[{}_{n}\mathrm{C}_{2} - n\] で求まる。
円周上の点から作る三角形 円周上の\(n\)個の点から異なる3点を選ぶと\({}_{n}\mathrm{C}_{3}\)通りの三角形ができる。このうち「直径の両端を含む」三角形は、円周角の定理(直径に対する円周角はつねに\(90^\circ\))より必ず直角三角形になる。「何個の三角形ができるか」は場合の数、「そのうちどれが直角三角形か」は図形の性質の知識が必要になる——両方が揃って初めて解ける問題が、この総復習のまとめテストにも登場する(33番・35番)。
円順列との融合 「\(n\)人の中から\(k\)人を選んで円卓に座らせる」というタイプの問題は、まず「誰を選ぶか」を組合せで決め、次に「選ばれた人をどう並べるか」を円順列の公式\((k-1)!\)で決める、という2段構えになる。選ぶ段階と並べる段階を混同しないことが、この種の融合問題を解く鍵になる。

要点整理 この範囲の考え方の使い分け早見表

問題文を読んだとき、まずどの章の技術を使うべきかを見極めることが、融合問題を解く第一歩になる。

「何通り」「確率」
場合の数と確率(第1章)を疑う。積の法則・順列・組合せ・余事象・独立な試行・条件付き確率のどれに当てはまるかを判断する。
「角度」「比」「長さ」「円」「接線」
図形の性質(第2章)を疑う。三角形の心・チェバとメネラウス・円周角と方べき・空間図形のどれに当てはまるかを判断する。
「倍数」「余り」「進法」「最大公約数」
整数の性質(第3章)を疑う。素因数分解・互除法・不定方程式・n進法のどれに当てはまるかを判断する。
複数のキーワードが同時に出てきたら融合問題のサイン 「円周上の点から三角形を選ぶ」なら組合せ×円周角、「さいころの目の最大公約数」なら確率×整数、というように、2つ以上の章の技術を順番に(または並行して)使う。まとめテストの33・34・35・39・40番は、そうした融合問題を集めてある(36番・37番・38番は単一の章で完結する発展的な内容)。
この範囲に共通する学び方 この範囲の3章に共通する学び方は「具体的な小さい例で実際に書き出す→数えて確かめる→一般の式につなげる→公式が役立つ理由を言う」という4段階である。まとめテストの記述チャレンジでも、この型に沿って答えを組み立てよう。
まとめテスト(標準)

この範囲全体を横断する総合演習、全40問。目標時間は60分。答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「3/4」、根号は「√5」または「sqrt5」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜20)
1
積の法則

ある店ではケーキが6種類、飲み物が4種類ある。ケーキと飲み物を1つずつ選ぶ組み合わせは何通りあるか。

場合の数
解説を見る
ケーキの選び方に関係なく、飲み物の選び方はつねに4通り。続けて決まるので積の法則が使える。 6 × 4 = 24通り
2
nPrの基本計算

\({}_{8}\mathrm{P}_{3}\) を求めよ。

答え
解説を見る
8から1ずつ小さくしながら3個ぶんかける。 \({}_{8}\mathrm{P}_{3} = 8\times7\times6 = 336\) \({}_{8}\mathrm{P}_{3} = 336\)
3
nCrの基本計算

\({}_{10}\mathrm{C}_{4}\) の値を求めよ。

答え
解説を見る
\[{}_{10}\mathrm{C}_{4} = \dfrac{10\times9\times8\times7}{4\times3\times2\times1} = \dfrac{5040}{24} = 210\] \({}_{10}\mathrm{C}_{4} = 210\)
4
円順列

7人を円形の机に並べる方法は何通りか。

答え
解説を見る
円順列の公式 \((n-1)!\) より \((7-1)! = 6! = 720\) 720通り
5
余事象

1から50までの整数から1つ選ぶとき、4の倍数でない数である確率を求めよ。

確率
解説を見る
「4の倍数でない」の余事象は「4の倍数である」。 4の倍数:4,8,…,48の12個なので \(P(\text{4の倍数}) = \dfrac{12}{50} = \dfrac{6}{25}\) \(P = 1 - \dfrac{6}{25} = \dfrac{19}{25}\)
6
期待値

1等500円が1本、2等100円が4本、はずれ0円が5本、合計10本のくじが入った箱から1本引くとき、もらえる金額の期待値を求めよ。

期待値 円
解説を見る
1等を引く確率 \(\dfrac{1}{10}\)、2等を引く確率 \(\dfrac{4}{10}\)、はずれを引く確率 \(\dfrac{5}{10}\)(確率の合計は\(\dfrac{1+4+5}{10}=1\)で確認できる)。 \[E(X) = 500\times\dfrac{1}{10} + 100\times\dfrac{4}{10} + 0\times\dfrac{5}{10} = 50+40+0\] 期待値は90円
7
反復試行の公式

コインを4回投げるとき、ちょうど3回表が出る確率を求めよ。

確率
解説を見る
\(n=4,\ r=3,\ p=\dfrac{1}{2}\) \(P = {}_{4}\mathrm{C}_{3}\left(\dfrac{1}{2}\right)^3\left(\dfrac{1}{2}\right)^1 = 4\times\dfrac{1}{16} = \dfrac{4}{16}\) \(P = \dfrac{1}{4}\)
8
角の二等分線と比

三角形ABCで \(AB=8,\ AC=12,\ BC=15\)。∠Aの二等分線がBCと交わる点をDとするとき、BD, DCの長さを求めよ。

BD=  DC=
解説を見る
\(BD:DC = AB:AC = 8:12 = 2:3\) \(BC=15\) をこの比\(2:3\)(和5)で分けると \(BD = 15 \times \dfrac{2}{5} = 6\)、\(DC = 15 \times \dfrac{3}{5} = 9\) \(BD=6,\ DC=9\)
9
重心の性質(2:1)

三角形ABCの重心をGとする。中線AM(頂点Aから辺BCの中点Mまで)の長さが\(21\)のとき、AG, GMの長さを求めよ。

AG=  GM=
解説を見る
\(AG:GM=2:1\)なので、中線全体を3等分すると1等分は\(21\div3=7\)。 \(AG=14,\ GM=7\)
10
外接円の半径

3辺が\(6,\ 8,\ 10\)の直角三角形の外接円の半径\(R\)を求めよ。

R=
解説を見る
直角三角形の外心は斜辺(最長辺)の中点。斜辺は\(10\)なので \(R=\dfrac{10}{2}=5\)
11
チェバの定理

三角形ABCで、3直線AD, BE, CFが1点で交わっている。\(BD:DC=3:2\)、\(CE:EA=4:1\)のとき、\(AF:FB\)を求めよ。

\(AF:FB = 1 :\)
解説を見る
チェバの定理より \(\dfrac{3}{2}\times\dfrac{4}{1}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(6\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{AF}{FB}=\dfrac{1}{6}\) \(AF:FB=1:6\)
12
中心角→円周角

円Oにおいて、弧ABに対する中心角が\(96^\circ\)であるとき、弧ABに対する円周角∠APBを求めよ。

∠APB= 度
解説を見る
円周角は中心角の半分。 \(\angle APB = 96^\circ \div 2 = 48^\circ\) ∠APB = \(48^\circ\)
13
内接四角形・対角の和

円に内接する四角形ABCDにおいて、\(\angle B=95^\circ\)である。\(\angle D\)を求めよ。

∠D= 度
解説を見る
円に内接する四角形の対角の和は\(180^\circ\)。 \(\angle D = 180^\circ - 95^\circ = 85^\circ\) ∠D = \(85^\circ\)
14
方べき・2弦(内部の点)

円の内部の点Pで2本の弦AB, CDが交わっている。\(PA=6,\ PB=10,\ PC=5\)のとき、\(PD\)を求めよ。

PD=
解説を見る
方べきの定理より \(PA\times PB = PC\times PD\) \(6\times10 = 5\times PD\) \(60 = 5\,PD\) \(PD=12\) PD = \(12\)
15
素因数分解(指数を求める)

\(360 = 2^{\text{ア}} \times 3^{\text{イ}} \times 5^{\text{ウ}}\) となるように、ア・イ・ウに当てはまる指数を求めよ。

ア  イ  ウ
解説を見る
\(360\div2=180\)、\(180\div2=90\)、\(90\div2=45\)(ここで\(2\)割り終了、\(45\)は奇数) \(45\div3=15\)、\(15\div3=5\)(ここで\(3\)割り終了) 残った\(5\)はそのまま素数。 \(360 = 2^3 \times 3^2 \times 5^1\)(ア\(=3\)、イ\(=2\)、ウ\(=1\))
16
約数の個数

\(180\) の正の約数の個数を求めよ。

個数
解説を見る
\(180 = 2^2 \times 3^2 \times 5^1\) 約数の個数は \((2+1)(2+1)(1+1) = 3\times3\times2 = 18\) 約数の個数は \(18\)個
17
素因数分解からgcd・lcm

\(54\) と \(90\) の最大公約数・最小公倍数を求めよ。

最大公約数  最小公倍数
解説を見る
\(54 = 2\times3^3\)  \(90 = 2\times3^2\times5\) \(\gcd = 2\times3^2 = 18\)  \(\operatorname{lcm} = 2\times3^3\times5 = 270\) 最大公約数 \(18\)、最小公倍数 \(270\)
18
互除法

\(154\) と \(42\) の最大公約数を互除法で求めよ。

最大公約数
解説を見る
\(154 = 42\times3+28\) \(42 = 28\times1+14\) \(28 = 14\times2+0\) → 余りが \(0\) になった。 最大公約数は \(14\)
19
2進法→10進法

\(101101_{(2)}\) を\(10\)進法で表せ。

答え
解説を見る
位の重みは左から \(32,16,8,4,2,1\)。 \(101101_{(2)} = 1\times32+0\times16+1\times8+1\times4+0\times2+1\times1 = 32+8+4+1\) \(45\)
20
桁数条件(範囲を求める)

\(10\)進法の整数\(N\)を\(4\)進法で表すと、ちょうど\(4\)桁になるという。\(N\)の範囲を求めよ。

最小値  最大値
解説を見る
\(k=4\)、\(n=4\)として \(n^{k-1} \le N \le n^k-1\) に代入する。 \(4^3 \le N \le 4^4-1\) \(64 \le N \le 255\)
標準(21〜34)
21
組合せ・条件つき選出

男子6人、女子5人の合計11人から4人を選んで委員会を作るとき、女子がちょうど2人選ばれる場合の数を求めよ。

場合の数
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女子2人・男子2人に役割の違いはないので、それぞれ組合せで選び、続けて決まるので積の法則で掛け合わせる。 女子2人の選び方:\({}_{5}\mathrm{C}_{2} = 10\) 男子2人の選び方:\({}_{6}\mathrm{C}_{2} = 15\) 10 × 15 = 150通り
22
順列(隣り合う条件)

男子3人、女子4人の合計7人が1列に並ぶとき、男子3人が隣り合う並び方は何通りあるか。

並び方
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男子3人を1つの塊とみて、女子4人+塊1つの5つを並べ(\(5!\) 通り)、塊の中で男子3人の並び方が \(3!\) 通り。 \(5! \times 3! = 120 \times 6 = 720\)通り
23
独立な試行+反復試行の融合

さいころを1回、コインを4回投げる。さいころは偶数の目が出て、かつコイン4回のうちちょうど3回表が出る確率を求めよ。

確率
解説を見る
「さいころで偶数の目」と「コイン4回でちょうど3回表」は別々の試行なので独立。それぞれの確率を求めてから掛け合わせる。 さいころで偶数の目が出る確率:\(\dfrac{3}{6}=\dfrac{1}{2}\) コイン4回でちょうど3回表が出る確率(反復試行の公式): \(P = {}_{4}\mathrm{C}_{3}\left(\dfrac{1}{2}\right)^3\left(\dfrac{1}{2}\right)^1 = 4\times\dfrac{1}{16} = \dfrac{1}{4}\) さいころとコインの試行は独立なので、掛け算する。 \(P = \dfrac{1}{2}\times\dfrac{1}{4} = \dfrac{1}{8}\)
24
条件付き確率

赤玉4個、白玉3個の合計7個が入った袋から、続けて2個を順に取り出す(戻さない)。1個目が白玉だったとき、2個目が赤玉である確率を求めよ。

確率
解説を見る
1個目に白玉を取り出した後、残り6個の内訳は赤玉4個・白玉2個。 \(P_A(B) = \dfrac{4}{6} = \dfrac{2}{3}\)
25
角の二等分線の比+チェバの融合

三角形ABCで、∠Aの二等分線が辺BCと交わる点をDとする。\(AB=10,\ AC=14\)とする。辺CA上の点E(\(CE:EA=3:2\))、辺AB上の点Fがあり、3直線AD, BE, CFが1点で交わっているとき、\(AF:FB\)を求めよ。

\(AF:FB = 14 :\)
解説を見る
まず角の二等分線と比の定理より\(BD:DC=AB:AC=10:14=5:7\)。 次にチェバの定理を用いる。 \(\dfrac{5}{7}\times\dfrac{3}{2}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{15}{14}\times\dfrac{AF}{FB}=1\) \(\dfrac{AF}{FB}=\dfrac{14}{15}\) \(AF:FB=14:15\)
26
方べき・2次方程式(接線と割線)

円Oの外部の点Pから接線PT(Tは接点)と割線を引く。割線は円とA(近い方), B(遠い方)で交わり、\(AB=9,\ PT=6\)である。\(PA(=x)\)の値を求めよ(\(x\)は正の実数とする)。

\(x=\)
解説を見る
\(PB = PA+AB = x+9\)。方べきの定理より \(PT^2 = PA\times PB\) \(6^2 = x(x+9)\) \(36 = x^2+9x\) \(x^2+9x-36=0\) \((x+12)(x-3)=0\) \(x=3,\ -12\) \(x\)は正の実数なので\(x=-12\)は不適。 \(x=3\)
27
外角の二等分線(外分)

三角形ABCで\(AB=12,\ AC=18,\ BC=20\)。∠Aの外角の二等分線が、辺BCの延長と交わる点をEとする(Eは辺BCの外側、B側の延長上にある)。BE, CEの長さを求めよ。

BE=  CE=
解説を見る
外角の二等分線でも比の形は同じ:\(BE:CE = AB:AC = 12:18 = 2:3\)(ただし外分)。 Eは線分BCの外側(B側の延長上)にあるので、\(CE = CB + BE\)の関係が成り立つ。 比\(2:3\)より\(CE = \dfrac{3}{2}BE\)。これを\(CE = CB+BE = 20+BE\)に代入すると \(\dfrac{3}{2}BE = 20+BE\) \(\dfrac{1}{2}BE = 20\) \(BE=40\) \(CE=20+40=60\) \(BE=40,\ CE=60\)(確認:比も\(40:60=2:3\)で一致)
28
空間図形・ねじれの位置

立方体ABCD-EFGH(前面ABCD、後面EFGH、AE・BF・CG・DHが奥行きの辺)において、辺ABとねじれの位置にある辺は何本あるか。

本数
解説を見る
立方体の辺は全部で12本。辺ABとの関係を分類する。 平行な辺(DC・EF・HG):3本 交わる辺(頂点Aで交わるAD・AE、頂点Bで交わるBC・BF):4本 残りの辺(FG・HE・CG・DH)はABと平行でも交わりもしない=ねじれの位置。 12本 − 1本(AB自身) − 3本(平行) − 4本(交わる) = 4本
29
不定方程式:文章題

1本80円のペンと1本60円のノートを、あわせて何本か買って代金の合計をちょうど1200円にしたい。買い方は何通りあるか。ただし、どちらも1本以上買うものとする。

通り数
解説を見る
ペン \(x\) 本、ノート \(y\) 本とすると \(80x+60y=1200\)。両辺を \(20\) で割って \(4x+3y=60\)。 \(x=0\):\(3y=60 \to y=20\)。これが特殊解 \((x_0,y_0)=(0,20)\)。 一般解は \(x=0+3k=3k,\ y=20-4k\)(\(k\) は整数)。 \(x\ge1\):\(3k\ge1 \to k\ge1\) \(y\ge1\):\(20-4k\ge1 \to k\le\dfrac{19}{4}=4.75 \to k\le4\) よって \(k=1,2,3,4\) の4通り。それぞれ \((x,y)=(3,16),(6,12),(9,8),(12,4)\)。 買い方は4通り
30
最大公約数・最小公倍数から2数を復元

2つの自然数 \(a, b\)(\(a \lt b\))の最大公約数が \(15\)、最小公倍数が \(450\) であり、\(a+b=165\) であるという。\(a\)、\(b\) を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
\(\gcd(a,b)=15\) より \(a=15p\)、\(b=15q\)(\(p,q\) は互いに素、\(p \lt q\))とおける。 \(\operatorname{lcm}(a,b)=15pq=450\) より \(pq=30\)。 \(pq=30\) かつ \(\gcd(p,q)=1\) となる組(\(p \lt q\))は \((1,30)\)、\((2,15)\)、\((3,10)\)、\((5,6)\) の4通り。 それぞれ \(p+q\) は \(31,\ 17,\ 13,\ 11\)。条件 \(a+b=15(p+q)=165\) より \(p+q=11\) を満たすのは \((5,6)\) だけ。 これより \(a=15\times5=75,\ b=15\times6=90\)。 (検算:\(75=3\times5^2\)、\(90=2\times3^2\times5\) より \(\gcd=3\times5=15\)、\(\operatorname{lcm}=2\times3^2\times5^2=450\)。どちらも条件と一致。) \(a=75,\ b=90\)
31
n進法の方程式(桁を入れ替える)

\(0\)でない1桁の整数\(a,\ b\)(\(a \ne b\))について、\(7\)進法で\(ab_{(7)}\)と表される数の桁を入れ替えて\(5\)進法で\(ba_{(5)}\)と表すと、同じ値になるという。\(a,\ b\)を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
桁の範囲をまず確認する。\(ab_{(7)}\)の最上位の桁\(a\)は\(7\)進法の数字なので\(1 \le a \le 6\)、末尾の桁\(b\)は\(0 \le b \le 6\)。 \(ba_{(5)}\)の最上位の桁\(b\)は\(5\)進法の数字として\(1 \le b \le 4\)、末尾の桁\(a\)は\(0 \le a \le 4\)。 両方の条件をあわせると \(1 \le a \le 4\)、\(1 \le b \le 4\)。 値を比較する式を作る。\(ab_{(7)} = 7a+b\)、\(ba_{(5)} = 5b+a\)。これらが等しいので \(7a+b = 5b+a\) \(6a = 4b\) \(3a = 2b\) \(b\)が整数になるには\(a\)が\(2\)の倍数でなければならない。\(1 \le a \le 4\)の\(2\)の倍数は\(a=2\)と\(a=4\)。 \(a=2\)のとき \(b = \dfrac{3\times2}{2} = 3\)(範囲\(1\)〜\(4\)を満たす、OK) \(a=4\)のとき \(b = \dfrac{3\times4}{2} = 6\)(範囲\(1\)〜\(4\)を超えるので不適) よって\(a=2,\ b=3\)のみが条件を満たす。 (検算:\(ab_{(7)}=23_{(7)}=2\times7+3=17\)、\(ba_{(5)}=32_{(5)}=3\times5+2=17\)。一致する。) \(a=2,\ b=3\)
32
総和の公式を偶奇に分けて使う

\(72\) の正の約数の総和を求めよ。また、その中で奇数である約数だけの総和を求めよ。

総和  奇数の約数の総和
解説を見る
\(72 = 2^3\times3^2\) 約数の総和は \((1+2+4+8)(1+3+9) = 15\times13 = 195\) 奇数の約数だけを集めるということは、「\(2\)を1個も使わない」約数だけを集めるということ。これは\(2\)側の項を\(1\)(=\(2^0\))だけに固定した場合にあたるので、\((1)(1+3+9)=13\)。 総和は \(195\)、奇数の約数だけの総和は \(13\)(実際の奇数の約数は\(1,3,9\))
33
図形×場合の数の融合(円周角+組合せ)

円周上に7個の点があり、そのうち2点A, Bは直径の両端になっている(線分ABは円の直径である)。ただし、A, B以外に直径の両端となる2点の組はないものとする。この7点から異なる3点を選んで三角形を作るとき、直角三角形は何個できるか。

個数
解説を見る
円周角の定理より、直径に対する円周角はつねに\(90^\circ\)。逆に、円に内接する三角形が直角三角形になるのは、直角の対辺(斜辺)が直径であるときに限る。 問題文の条件より、この7点のうち直径の両端になっているのはA, Bの1組だけなので、直角三角形はすべて「A, Bと、残り5点のうちの1点」という形になる。残りの1点の選び方は \[{}_{5}\mathrm{C}_{1} = 5\] 直角三角形は5個
34
場合の数×整数の融合(確率+最大公約数)

1個のさいころを2回投げるとき、1回目に出た目と2回目に出た目の最大公約数が\(1\)(互いに素)である確率を求めよ。

確率
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全事象は \(6\times6=36\) 通り。1回目の目\(a\)ごとに、\(\gcd(a,b)=1\)となる2回目の目\(b\)の個数を数える。 \(a=1\):\(b\)は何でもよい(\(1\)とはどんな数も互いに素)→6個 \(a=2\):\(b\)が奇数(\(1,3,5\))→3個 \(a=3\):\(b\)が\(3\)の倍数でない(\(1,2,4,5\))→4個 \(a=4\):\(b\)が奇数(\(1,3,5\))→3個 \(a=5\):\(b\)が\(5\)の倍数でない(\(1,2,3,4,6\))→5個 \(a=6\):\(b\)が\(2\)の倍数でも\(3\)の倍数でもない(\(1,5\))→2個 合計 \(6+3+4+3+5+2=23\)(通り) \(P = \dfrac{23}{36}\)
発展(35〜40)
35
図形×場合の数の融合(正多角形+円周角)

正十二角形の12個の頂点から異なる3点を選んで三角形を作るとき、直角三角形は何個できるか。

個数
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正十二角形は外接円をもち、12個の頂点はすべてその円周上にある。頂点の総数が\(12\)(偶数)なので、頂点どうしを結んでできる直径は\(12\div2=6\)本ある(各頂点は真向かいの頂点とちょうど1本の直径を作る)。 円周角の定理より、直径を1辺とする内接三角形はつねに直角三角形になる。逆に、直角三角形になるのは直径を1辺として選んだときに限る。 1本の直径(2頂点)を選ぶごとに、残りの頂点は\(12-2=10\)個あり、そのどれを選んでも直角三角形が1個できる。 直角三角形は \(6\times10=60\) 個
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n進法の桁数条件+倍数条件の融合

\(10\)進法の整数\(N\)を\(3\)進法で表すとちょうど\(3\)桁になり、\(5\)進法で表すとちょうど\(2\)桁になるという。このような\(N\)のうち、\(7\)で割ると\(2\)余るものをすべて、小さい順にコンマ区切りで求めよ。

\(N=\)
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それぞれの条件を桁数の公式 \(n^{k-1} \le N \le n^k-1\) にあてはめる。 \(3\)進法で\(3\)桁:\(3^2 \le N \le 3^3-1\) すなわち \(9 \le N \le 26\) \(5\)進法で\(2\)桁:\(5^1 \le N \le 5^2-1\) すなわち \(5 \le N \le 24\) 両方を同時に満たすのは、2つの範囲の共通部分。下限は大きい方の\(9\)、上限は小さい方の\(24\)を取るので \(9 \le N \le 24\) この範囲の整数のうち、\(7\)で割って\(2\)余る(\(N=7m+2\)の形の)ものを順に探す。 \(m=1\):\(N=9\)(範囲内) \(m=2\):\(N=16\)(範囲内) \(m=3\):\(N=23\)(範囲内) \(m=4\):\(N=30\)(範囲外なので終了) \(N=9,\ 16,\ 23\)
37
オイラーの多面体定理の応用(頂点・辺・面の逆算)

ある正多面体の1つの面は正五角形であり、1つの頂点にはちょうど3つの面が集まっている。この正多面体の頂点の数\(V\)、辺の数\(E\)、面の数\(F\)を求めよ(これは正十二面体である)。

\(V=\)  \(E=\)  \(F=\)
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まず、面の数\(F\)と辺の数\(E\)の関係をつくる。1つの正五角形の面には辺が5本あり、どの辺も必ず2つの面に共有される。だから、すべての面の辺の本数を数え上げた\(5F\)は、実際の辺の本数\(E\)を1本につき2回ずつ数えたものになる。 \[5F = 2E \quad \text{つまり} \quad F = \dfrac{2E}{5}\] 次に、頂点の数\(V\)と辺の数\(E\)の関係をつくる。1つの頂点にはちょうど3本の辺が集まっている(1つの頂点に3つの面が集まっているということは、そこに集まる辺も3本という意味)。すべての頂点で数えた辺の本数の合計\(3V\)も、同じ理由で辺の本数\(E\)を2回ずつ数えたものになる。 \[3V = 2E \quad \text{つまり} \quad V = \dfrac{2E}{3}\] この2つの関係を、オイラーの多面体定理 \(V-E+F=2\) に代入する。 \[\dfrac{2E}{3}-E+\dfrac{2E}{5}=2\] 分母を\(15\)にそろえると \[\dfrac{10E}{15}-\dfrac{15E}{15}+\dfrac{6E}{15}=2\] \[\dfrac{E}{15}=2\] \[E=30\] これを\(V=\dfrac{2E}{3}\)、\(F=\dfrac{2E}{5}\)に代入すると \[V=\dfrac{2\times30}{3}=20,\qquad F=\dfrac{2\times30}{5}=12\] (検算:\(V-E+F=20-30+12=2\)。確かにオイラーの多面体定理が成り立っている。) \(V=20,\ E=30,\ F=12\)
38
円順列×同じものを含む順列の融合

赤玉3個、白玉2個、青玉1個の合計6個の玉を円形に並べる方法は何通りあるか(同じ色の玉どうしは区別しない)。

並べ方
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同じものを含む円順列では、単純に\((n-1)!\)を使うと重複が生じることがある。そこで、6個のうち青玉だけは1個しかないことを利用し、青玉の位置を1か所に固定する(回転して重なる並びをまとめて数える基準点として使える)。 青玉の位置を固定すると、残り5か所に赤玉3個・白玉2個を並べる方法を数えればよい。同じものを含む順列の考え方より \[\dfrac{5!}{3!\,2!} = \dfrac{120}{6\times2} = 10\] 10通り
39
順列×整数の性質(倍数条件)の融合

1から9までの数字が1つずつ書かれた9枚のカードから異なる3枚を選んで3桁の整数をつくるとき、3の倍数は何個できるか。

個数
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3桁の整数が3の倍数になるかどうかは、各位の数字の和が3の倍数かどうかだけで決まる(倍数の判定法)。そこで、まず「3枚の数字の組(順序を考えない)」を3で割った余りごとに分類する。 1〜9を3で割った余りで分けると、余り\(0\):\(\{3,6,9\}\)(3枚)、余り\(1\):\(\{1,4,7\}\)(3枚)、余り\(2\):\(\{2,5,8\}\)(3枚)で、ちょうど3枚ずつに分かれる。 3枚の和が3の倍数になるのは、次の2パターンのどちらか。 (i) 3枚とも同じ余りのグループから選ぶ:余り\(0,1,2\)のどのグループも3枚しかないので、選び方は各グループ\({}_{3}\mathrm{C}_{3}=1\)通り。3グループ分で\(3\)通り。 (ii) 3つの余りグループから1枚ずつ選ぶ(\(0+1+2=3\)で3の倍数):\(3\times3\times3=27\)通り。 組の総数は \(3+27=30\)通り。 この30通りの組それぞれについて、3枚の数字を並べて3桁の整数を作る方法は(どの数字も\(0\)を含まないので先頭がどれでもよく)\(3!=6\)通り。 3の倍数は \(30\times6=180\) 個
40
図形×場合の数×整数の融合(章の総仕上げ)

正五角形の対角線の本数を求めよ。また、その本数を2進法で表すと何桁になるか、桁数の条件の公式を用いて求めよ。

対角線の本数  2進法での桁数
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正五角形の頂点は5個。2点を選んで結ぶ方法は\({}_{5}\mathrm{C}_{2}\)通りだが、このうち5本は辺そのものなので、対角線の本数は \[{}_{5}\mathrm{C}_{2} - 5 = 10 - 5 = 5\] 次に、この本数\(5\)を\(2\)進法で表すと何桁になるかを、桁数の条件の公式 \(n^{k-1} \le N \le n^k-1\)(\(n=2,\ N=5\))で調べる。 \(2^2=4 \le 5 \le 7=2^3-1\) なので \(k=3\)。 (検算:\(5=4+1=101_{(2)}\)。実際に3桁になっている。) 対角線は5本、2進法で表すと3桁
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

数Aは「場合の数と確率」「図形の性質」「数学と人間の活動(整数)」の3章から成るが、扱う対象も方法も一見バラバラに見える。しかし、この3章に共通する「数学的に考える」ときの姿勢がある。具体例を1つ挙げながら、その共通点を説明せよ。

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「場合の数と確率」「図形の性質」「数学と人間の活動(整数)」の3章は、扱う題材こそさいころ・三角形・整数とまったく違うが、どれも「いきなり公式に飛びつかず、具体的な小さい例で実際に確かめてから、一般の場合に話を広げる」という同じ学び方で身につく、という点で共通している。 たとえば整数の性質で学ぶ「約数の個数の公式」(\(N=p^a\times q^b\times\cdots\)のとき約数の個数は\((a+1)(b+1)\cdots\))は、公式だけを丸暗記すると意味がわからなくなる。しかし\(N=60=2^2\times3\times5\)という具体例で、約数を1つ作るには「\(2\)の指数を\(0,1,2\)の中から」「\(3\)の指数を\(0,1\)の中から」「\(5\)の指数を\(0,1\)の中から」独立に選べばよい、と実際に書き出して確かめると、これは場合の数で最初に学んだ「積の法則」(続けて決める場合の数は掛け算する)をそのまま使っているだけだとわかる。\(3\times2\times2=12\)個という答えも、実際に\(1,2,3,4,5,6,10,12,15,20,30,60\)と書き出して数えれば一致することが確認できる。 図形の性質で学ぶ「直角三角形の外心は斜辺の中点になる」という性質も同様である。天下り的に覚えるのではなく、円周角の定理の逆(斜辺を直径とする円をかくと、直角の頂点もその円周上にのる)に立ち返り、外心の定義(3頂点までの距離が等しい点)と合わせて、斜辺の中点が3頂点から等しい距離にあることを確かめることで、なぜそう言えるのかが初めて納得できる。 このように、3章に共通する姿勢は「具体的に確かめる→数えて一致を確認する→一般の式につなげる→その公式が役立つ理由を言葉で説明できるようにする」という4段階の学び方である。この姿勢を身につけていれば、初めて見る融合問題(複数の章の技術を組み合わせる問題)に出会っても、公式を思い出そうとする前に、まず具体的に手を動かして確かめる、という同じやり方で立ち向かうことができる。 3章に共通するのは、公式を丸暗記するのではなく「具体的な例で確かめる→数えて確認する→一般化する→理由を説明する」という同じ学び方である。約数の個数の公式が場合の数の積の法則そのものであることを\(N=60\)の具体例で確かめられることが、その典型である。
記2

整数の性質の章で学んだ「約数の個数の公式」(\(N=p^a\times q^b\times\cdots\)のときの約数の個数\((a+1)(b+1)\cdots\))は、場合の数の章で学んだどの考え方を使って導かれているかを、具体例\(N=60\)を用いて説明せよ。

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\(N=60\)を素因数分解すると\(60=2^2\times3^1\times5^1\)である。この\(N\)の正の約数は、必ず\(2^i\times3^j\times5^k\)(\(0\le i\le2,\ 0\le j\le1,\ 0\le k\le1\))という形で表される。逆に、\(i,j,k\)をこの範囲でどのように選んでも、その積は必ず\(60\)の約数になる(元の素因数分解に含まれる素因数しか使っていないため、必ず\(60\)を割り切る)。 つまり「\(60\)の約数を1つ作る」という作業は、「\(2\)の指数\(i\)を\(0,1,2\)の3通りから選ぶ」「\(3\)の指数\(j\)を\(0,1\)の2通りから選ぶ」「\(5\)の指数\(k\)を\(0,1\)の2通りから選ぶ」という3つの決め方を、続けて行うことと同じである。 このとき、\(i\)の選び方は\(j,k\)の選び方に一切影響を与えず、\(j\)の選び方も\(i,k\)の選び方に影響を与えない。つまり3つの決め方は互いに独立である。これは場合の数の章でいちばん最初に学んだ「積の法則」——「Aの決め方が\(m\)通り、Bの決め方が\(n\)通りで、これらが独立に決まるとき、AとBを続けて決める方法は\(m\times n\)通り」——の3つのバージョンにほかならない。 したがって、\(60\)の約数の個数は \[(2+1)\times(1+1)\times(1+1) = 3\times2\times2 = 12\] 個であるとわかる。実際に約数を書き出すと\(1,2,3,4,5,6,10,12,15,20,30,60\)のちょうど\(12\)個になり、この計算と一致する。 一般の\(N=p^a\times q^b\times\cdots\)についても、まったく同じ理屈で「各素因数の指数を独立に選ぶ」という積の法則が成り立つため、約数の個数は\((a+1)(b+1)\cdots\)個になる。 約数を1つ作る作業は「各素因数の指数を、それぞれ独立に決める」という手順そのものであり、これは場合の数の積の法則を素因数の個数だけ繰り返し使っていることに等しい。\(N=60=2^2\times3\times5\)なら、指数の決め方が\(3\times2\times2=12\)通りなので約数の個数は\(12\)個になる。
共通テスト形式チャレンジ(大問1)

目標時間 12分/配点 20点

花子さんのクラスでは、文化祭の模擬店でくじ引きゲームを行うことになった。袋の中には当たりくじ3本、はずれくじ7本の合計10本が入っている。来場者は続けて2本のくじを順に引く(引いたくじは戻さない)というルールにする。

先生「まず、2本ともくじが当たる確率を計算してみよう。」
花子「はい、乗法定理を使えばいいですね。」
(1)

1本目に当たりくじを引く確率は \(\dfrac{\boxed{\text{ア}}}{\boxed{\text{イウ}}}\)、1本目が当たりだったとき2本目も当たりくじを引く条件付き確率は \(\dfrac{\boxed{\text{エ}}}{\boxed{\text{オ}}}\)である。これらを用いると、2本とも当たりくじである確率は \(\dfrac{\boxed{\text{カ}}}{\boxed{\text{キク}}}\)である。ア〜クの値を求めよ。

ア イウ エ オ カ キク
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1本目に当たりくじを引く確率は、当たり3本/全体10本なので\(\dfrac{3}{10}\)。 1本目が当たりだったとき、残り9本の中には当たりが\(3-1=2\)本しか残っていないので、条件付き確率は\(\dfrac{2}{9}\)。 乗法定理 \(P(A\cap B)=P(A)\times P_A(B)\) より、2本とも当たる確率は \[\dfrac{3}{10}\times\dfrac{2}{9} = \dfrac{6}{90} = \dfrac{1}{15}\] ア=3、イウ=10、エ=2、オ=9、カ=1、キク=15(\(P=\dfrac{1}{15}\))
(2)

先生「今度は、ちょうど1本だけ当たりくじを引く確率を求めてみよう。1本目が当たりで2本目がはずれる場合と、1本目がはずれで2本目が当たる場合の2通りがあるね。」

1本目が当たり・2本目がはずれる確率は\(\dfrac{3}{10}\times\dfrac{7}{9}=\dfrac{7}{30}\)、1本目がはずれ・2本目が当たる確率も同じく\(\dfrac{7}{30}\)なので、ちょうど1本だけ当たる確率は \(\dfrac{\boxed{\text{ケ}}}{\boxed{\text{コサ}}}\)である。(1)で求めた「2本とも当たり」の確率\(\dfrac{1}{15}\)とこれを合わせると、少なくとも1本が当たりくじである確率は \(\dfrac{\boxed{\text{シ}}}{\boxed{\text{スセ}}}\)である。

ケ コサ シ スセ
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1本目が当たり・2本目がはずれる確率は\(\dfrac{3}{10}\times\dfrac{7}{9}=\dfrac{21}{90}=\dfrac{7}{30}\)。 1本目がはずれ・2本目が当たる確率は\(\dfrac{7}{10}\times\dfrac{3}{9}=\dfrac{21}{90}=\dfrac{7}{30}\)。 この2つは同時には起こらないので足し合わせると、ちょうど1本だけ当たる確率は \[\dfrac{7}{30}+\dfrac{7}{30}=\dfrac{14}{30}=\dfrac{7}{15}\] 「少なくとも1本当たり」が起こるのは、「2本とも当たり」か「ちょうど1本当たり」のどちらかが起きるとき。(1)で求めた\(P(\text{2本とも当たり})=\dfrac{1}{15}\)と、ここで求めた\(P(\text{ちょうど1本当たり})=\dfrac{7}{15}\)を足し合わせる。 \[P(\text{少なくとも1本当たり}) = \dfrac{1}{15}+\dfrac{7}{15} = \dfrac{8}{15}\] ケ=7、コサ=15、シ=8、スセ=15(\(P=\dfrac{8}{15}\))
(3)

太郎「じゃあ、当たりくじを2本とも引いた人には、追加でもう1回だけさいころを振ってもらって、6の目が出たら特別賞にしよう。」

ある来場者について、「2本とも当たりくじを引き、かつさいころで6の目が出る」確率は \(\dfrac{\boxed{\text{ソ}}}{\boxed{\text{タチ}}}\)である。

ソ タチ
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「2本とも当たりくじを引く」ことと「さいころで6の目が出る」ことは別々の試行(くじ引きとさいころ投げ)なので独立。(1)で求めた\(P(\text{2本とも当たり})=\dfrac{1}{15}\)と、\(P(\text{6の目})=\dfrac{1}{6}\)を掛け合わせる。 \[\dfrac{1}{15}\times\dfrac{1}{6} = \dfrac{1}{90}\] ソ=1、タチ=90(\(P=\dfrac{1}{90}\))
共通テスト形式チャレンジ(大問2)

目標時間 12分/配点 20点

太郎さんの住む町の公園には円形の池がある。太郎さんと花子さんは、池の外側の点Pから2本のまっすぐな道を引いて、円の性質を使って池に関係する長さを求めようとしている。

先生「1本目の道はPから池に入る点をA、出る点をBとし、\(PA=5\)m、\(AB=15\)mとする。2本目の道はPから入る点をC、出る点をDとし、\(PC=5\)mとする。」
太郎「方べきの定理を使えば、道の長さから池の中の距離もわかりそうですね。」
(1)

まず\(PB\)の長さを求めよ。\(PB = PA+AB = \boxed{\text{アイ}}\)mである。次に方べきの定理\(PA\times PB=PC\times PD\)を用いて、\(PD\)の長さを求めよ。\(PD = \boxed{\text{ウエ}}\)mである。

アイ ウエ
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\(PB = PA+AB = 5+15 = 20\)(m) 方べきの定理\(PA\times PB=PC\times PD\)より \(5\times20 = 5\times PD\) \(100 = 5\,PD\) \(PD = 20\)(m) \(PB=20\)m、\(PD=20\)m
(2)

花子「池にはもう1本、点Pから接するように引ける道があるはずです。」 点Pから池に引いた接線をPT(Tは接点)とする。\(PT^2 = PA\times PB = \boxed{\text{オカキ}}\)なので、\(PT = \boxed{\text{クケ}}\)mである。

オカキ クケ
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方べきの定理(接線と割線の型)より \(PT^2 = PA\times PB = 5\times20 = 100\) \(PT = \sqrt{100} = 10\)(m) \(PT=10\)m
(3)

花子「PA=5m、(2)で求めたPT=10mですね。三角形PTAと三角形PBTは、角Pを共有していて\(PT^2=PA\times PB\)の関係もあるので、相似になりそうです。」
先生「そのとおり。\(PA:PT=PT:PB\)という2辺の比が等しく、その間の角(∠P)も等しいから、\(\triangle\text{PTA} \sim \triangle\text{PBT}\)が言えるんだ。」

この相似比\(PA:PT\)を、もっとも簡単な整数の比で求めよ。\(PA:PT = \boxed{\text{コ}} : \boxed{\text{サ}}\)である。この相似より対応する辺の比\(TA:BT\)も同じ比になる。弦\(TA=6\)mであるとき、\(BT=\boxed{\text{シス}}\)mである。

コ サ シス
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(1)より\(PA=5\)m、(2)より\(PT=10\)mなので \[PA:PT = 5:10 = 1:2\] 三角形PTAと三角形PBTは、∠Pを共有し、\(PA:PT=PT:PB\)(\(5:10=10:20\)で一致)という2辺の比が等しいので、2辺比とその間の角がそれぞれ等しく相似である(\(\triangle\text{PTA} \sim \triangle\text{PBT}\))。相似な三角形は対応するすべての辺の比が等しいので \[TA:BT = PA:PT = 1:2\] \(TA=6\)mのとき、この比を使うと \[BT = 6\times2 = 12\] 相似比 \(PA:PT=1:2\)、\(BT=12\)m
共通テスト形式チャレンジ(大問3)

目標時間 11分/配点 20点

花子さんの高校では、文化祭の模擬店でたこ焼き(1個130円)とラムネ(1個80円)を仕入れることになった。仕入れにちょうど2450円を使い切りたい。花子さんは先生と一緒に、仕入れの個数の組み合わせを考えている。

先生「たこ焼きの個数を\(x\)個、ラムネの個数を\(y\)個としよう。まず代金の式を立ててごらん。」
花子「はい、\(130x+80y=2450\)ですね。」
先生「その式の両辺を同じ数で割って、係数を小さくしてから考えると計算しやすいよ。」
(1)

\(130x+80y=2450\) の両辺を\(10\)で割ると \(13x+8y=\boxed{\text{アイウ}}\) となる。この式について、\(0 \le x_0 \lt 8\) の範囲で特殊解 \((x_0,y_0)\) を求めると \(x_0=\boxed{\text{エ}}\)、\(y_0=\boxed{\text{オカ}}\) である。

アイウ エ オカ
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\(130x+80y=2450\) の両辺を\(10\)で割ると \(13x+8y=245\)。 \(0 \le x_0 \lt 8\) の範囲で \(x=0,1,2,\ldots,7\) を順に代入して \(y\) が整数になるものを探す。 \(x=0\):\(8y=245\) は整数にならない(\(245\div8=30.625\))。 \(x=1\):\(13+8y=245 \to 8y=232 \to y=29\)。整数になった。 \(13x+8y=245\)、特殊解 \(x_0=1,\ y_0=29\)
(2)

(1)の結果を用いると、一般解は \(x=x_0+\boxed{\text{キ}}k,\ y=y_0-\boxed{\text{クケ}}k\)(\(k\) は整数)と表される。たこ焼き・ラムネともに1個以上仕入れるとき、買い方は全部で \(\boxed{\text{コ}}\) 通りある。

キ クケ コ
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公式 \(x=x_0+bk,\ y=y_0-ak\)(\(a=13,b=8\))にあてはめると \(x=1+8k,\ \ y=29-13k\)(\(k\) は整数) たこ焼き・ラムネともに1個以上仕入れる条件より \(x\ge1\):\(1+8k\ge1 \to k\ge0\) \(y\ge1\):\(29-13k\ge1 \to 13k\le28 \to k\le\dfrac{28}{13}=2.15\ldots\)、\(k\)は整数なので\(k\le2\) よって \(k=0,1,2\) の3通り。それぞれ \((x,y)=(1,29),(9,16),(17,3)\)。 一般解 \(x=1+8k,\ y=29-13k\)、買い方は\(3\)通り
(3)

花子「実際には、たこ焼きの方がよく売れそうだから、たこ焼きの個数をできるだけ多くする仕入れ方にしよう。」

(2)で求めた買い方のうち、たこ焼きの個数が最も多くなる組み合わせは、たこ焼き \(\boxed{\text{サシ}}\) 個、ラムネ \(\boxed{\text{ス}}\) 個である。

サシ ス
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(2)で求めた3通りの組み合わせ \((1,29),(9,16),(17,3)\) のうち、たこ焼きの個数\(x\)が最も多いのは\(k=2\)のとき、すなわち\(x=17\)である。このとき\(y=3\)。 (検算:\(130\times17+80\times3=2210+240=2450\)。代金の合計と一致する。) たこ焼き\(17\)個、ラムネ\(3\)個