STEP 1

不等式の性質

方程式は「=」で両辺の値が等しいことを表すが、不等式は \(>,\ <,\ \ge,\ \le\) を使って「大小関係」を表す式だ。移項のルールは方程式とまったく同じだが、両辺に同じ数をかけたり割ったりするときだけ、注意が必要になる。

性質1(たし算・ひき算) \(a<b\) ならば、どんな数 \(c\) を足しても引いても大小関係は変わらない:\(a+c<b+c\)、\(a-c<b-c\)
性質2(正の数をかける・割る) \(a<b\)、\(c>0\) ならば \(ac<bc\)、\(\dfrac{a}{c}<\dfrac{b}{c}\)(向きはそのまま)
性質3(負の数をかける・割る) \(a<b\)、\(c<0\) ならば \(ac>bc\)、\(\dfrac{a}{c}>\dfrac{b}{c}\)(向きが逆になる)
最重要ポイント 不等式の両辺に負の数をかけたり割ったりするときだけ、不等号の向きが逆転する(\(>\)は\(<\)に、\(\ge\)は\(\le\)になる)。たし算・ひき算や、正の数をかける・割るときは向きはそのまま。この1点を忘れると1次不等式の問題はほぼ確実に間違えるので、計算のたびに「今、負の数をかけていないか」を確認する習慣をつけよう。
STEP 2

1次不等式の解き方

\(2x+1>7\) のように、\(x\) の1次式で表された不等式を「1次不等式」という。解き方は1次方程式とほぼ同じ手順で進められる。

手順1 文字 \(x\) を含む項を左辺に、数だけの項を右辺に移項する
↓
手順2 両辺を整理して \(ax>b\)(や \(<,\ \ge,\ \le\))の形にする
↓
手順3 両辺を \(x\) の係数 \(a\) で割る。\(a\) が負の数のときは不等号の向きが逆になる

例題1 \(3x-5>1\) を解け。

解答を見る
\(-5\) を右辺に移項すると \(3x>1+5\)、つまり \(3x>6\)。 両辺を3(正の数)で割る。向きはそのまま。 \(x>2\)

例題2 \(5-2x>1\) を解け。(負の数で割るときに注意)

解答を見る
\(5\) を右辺に移項すると \(-2x>1-5\)、つまり \(-2x>-4\)。 両辺を \(-2\)(負の数)で割るので、不等号の向きが逆になる。 \(x<2\)
STEP 3

連立不等式(共通範囲を求める)

2つ以上の不等式を同時に満たす \(x\) の範囲を求める問題を「連立不等式」という。それぞれの不等式を別々に解いてから、両方を同時に満たす部分(共通範囲)を数直線で見つけるのがコツだ。

向かい合う型
\(x>\)◯ と \(x<\)△(◯\(<\)△)
→ 共通範囲は ◯\(<x<\)△ のような有限の範囲になる
同じ向き型
\(x>\)◯ と \(x>\)△
→ 数が大きい方(条件がきびしい方)だけが残る
離れる型
\(x>\)◯ と \(x<\)△(◯\(\ge\)△)
→ 重なる場所がない=解なし

例題3 次の連立不等式を解け。\(\begin{cases}x+3>0 \ \cdots\text{(1)}\\ 2x-5\le3 \ \cdots\text{(2)}\end{cases}\)

解答を見る
(1)を解く:\(x+3>0\) より \(x>-3\) (2)を解く:\(2x-5\le3\) より \(2x\le8\)、\(x\le4\) 数直線上で、(1)の範囲と(2)の範囲が重なっている部分(共通範囲)を読み取る。\(x>-3\) と \(x\le4\) が同時に成り立つのは、\(-3\) より大きく \(4\) 以下の部分。 \(-3<x\le4\)

例題4 次の連立不等式を解け。\(\begin{cases}2x+3>11 \ \cdots\text{(1)}\\ x+7<9 \ \cdots\text{(2)}\end{cases}\)

解答を見る
(1)を解く:\(2x+3>11\) より \(2x>8\)、\(x>4\) (2)を解く:\(x+7<9\) より \(x<2\) 数直線に2つの範囲をかいてみると、\(x>4\) の帯と \(x<2\) の帯はどこにも重ならない(4より大きくて2より小さい数は存在しない)。 解なし
STEP 4

文章題への応用

「合わせて〇個」「代金は〇円以内」のような条件を1次不等式に翻訳できれば、値段や個数の問題も同じ手順で解ける。文字でおいた量が整数(個数など)のときは、最後に整数の条件を確認するのを忘れないこと。

例題5 1個120円のりんごと1個80円のみかんを合わせて15個買い、代金の合計を1500円以内にしたい。りんごをできるだけ多く買うとき、りんごは最大何個まで買えるか。

解答を見る
りんごの個数を \(x\) 個とする(\(x\) は \(0\) 以上 \(15\) 以下の整数)。合わせて15個なので、みかんは \((15-x)\) 個。 代金の合計は \(120x+80(15-x)\) 円。これが1500円以内なので \(120x+80(15-x)\le1500\) \(120x+1200-80x\le1500\) \(40x\le300\) \(x\le7.5\) \(x\) は個数なので整数。\(x\le7.5\) を満たす整数のうち最大のものは \(x=7\)。(\(x=8\) では代金が \(120\times8+80\times7=1520\) 円となり1500円を超えてしまう。) りんごは最大7個まで買える
練習問題(全21問)

解が \(x>3\) の形になる問題は「x>3」のように入力しよう(\(\le\) は「x<=3」、\(\ge\) は「x>=3」のように <= や >= を使ってよい)。連立不等式は下の入力欄が2つに分かれている問題があるので、ア・イそれぞれに数だけを入力しよう。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜7)
1
基本の1次不等式

\(2x+5>11\) を解け。

\(x\) の範囲 
解説を見る
\(5\) を移項して \(2x>11-5\)、つまり \(2x>6\)。両辺を2(正の数)で割る。 \(x>3\)
2
≤を含む

\(3x-4\le8\) を解け。

\(x\) の範囲 
解説を見る
\(-4\) を移項して \(3x\le8+4\)、つまり \(3x\le12\)。両辺を3(正の数)で割る。 \(x\le4\)
3
負の係数(向きが変わる)

\(-x+2>5\) を解け。

\(x\) の範囲 
解説を見る
\(2\) を移項して \(-x>5-2\)、つまり \(-x>3\)。両辺を \(-1\) で割るので向きが逆になる。 \(x<-3\)
4
負の係数・≥を含む

\(-3x-6\ge0\) を解け。

\(x\) の範囲 
解説を見る
\(-6\) を移項して \(-3x\ge6\)。両辺を \(-3\) で割るので向きが逆になる。 \(x\le-2\)
5
かっこを展開してから解く

\(4(x-1)<2x+6\) を解け。

\(x\) の範囲 
解説を見る
左辺を展開すると \(4x-4<2x+6\)。\(2x\) と \(-4\) を移項して \(4x-2x<6+4\)、つまり \(2x<10\)。両辺を2で割る。 \(x<5\)
6
分数を含む(両辺を整数倍)

\(\dfrac{x}{2}-1\ge\dfrac{x-3}{3}\) を解け。

\(x\) の範囲 
解説を見る
両辺に分母の最小公倍数6をかけて分数を消す(6は正の数なので向きはそのまま)。 \(6\left(\dfrac{x}{2}-1\right)\ge6\cdot\dfrac{x-3}{3}\) \(3x-6\ge2(x-3)\) \(3x-6\ge2x-6\) \(x\ge0\) \(x\ge0\)
7
不等式を満たす最小の整数

\(2x-7>-3\) を満たす \(x\) のうち、最小の整数を求めよ。

最小の整数 
解説を見る
\(-7\) を移項して \(2x>-3+7\)、つまり \(2x>4\)。両辺を2で割ると \(x>2\)。 \(2\) より大きい整数のうち、最小のものは \(3\)。 最小の整数は \(3\)
標準(8〜14) ※連立不等式は入力欄が2つに分かれている
8

次の連立不等式を解け。\(\begin{cases}x-1\ge2\\ 2x+3\le13\end{cases}\)  解は \(\text{ア}\le x\le\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
1つ目の式:\(x-1\ge2\) より \(x\ge3\) 2つ目の式:\(2x+3\le13\) より \(2x\le10\)、\(x\le5\) 両方を同時に満たすのは \(3\) 以上 \(5\) 以下の範囲。 \(3\le x\le5\)
9

次の連立不等式を解け。\(\begin{cases}x+6>1\\ 5x-3\le2x+15\end{cases}\)  解は \(\text{ア}<x\le\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
1つ目の式:\(x+6>1\) より \(x>-5\) 2つ目の式:\(5x-3\le2x+15\) より \(3x\le18\)、\(x\le6\) 両方を同時に満たすのは \(-5\) より大きく \(6\) 以下の範囲。 \(-5<x\le6\)
10

次の連立不等式を解け。\(\begin{cases}x-1\ge-4\\ 3x+2<11\end{cases}\)  解は \(\text{ア}\le x<\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
1つ目の式:\(x-1\ge-4\) より \(x\ge-3\) 2つ目の式:\(3x+2<11\) より \(3x<9\)、\(x<3\) 両方を同時に満たすのは \(-3\) 以上 \(3\) 未満の範囲。 \(-3\le x<3\)
11

\(\dfrac{2x-1}{3}>\dfrac{x+4}{2}\) を解け。

\(x\) の範囲 
解説を見る
両辺に6をかけて分数を消す。 \(6\cdot\dfrac{2x-1}{3}>6\cdot\dfrac{x+4}{2}\) \(2(2x-1)>3(x+4)\) \(4x-2>3x+12\) \(x>14\) \(x>14\)
12

\(-\dfrac{1}{2}x+3<x-3\) を解け。

\(x\) の範囲 
解説を見る
両辺に2をかけて分数を消す。 \(-x+6<2x-6\) \(-3x<-12\) 両辺を \(-3\) で割るので向きが逆になる。 \(x>4\)
13

\(3(2x-1)\le5x+4\) を満たす \(x\) のうち、最大の整数を求めよ。

最大の整数 
解説を見る
左辺を展開すると \(6x-3\le5x+4\)。\(5x\) と \(-3\) を移項して \(x\le7\)。 \(7\) 以下の整数のうち、最大のものは \(7\) 自身。 最大の整数は \(7\)
14

次の連立不等式を解け。\(\begin{cases}2x+7\ge-1\\ -3x+5\ge-13\end{cases}\)  解は \(\text{ア}\le x\le\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
1つ目の式:\(2x+7\ge-1\) より \(2x\ge-8\)、\(x\ge-4\) 2つ目の式:\(-3x+5\ge-13\) より \(-3x\ge-18\)。両辺を \(-3\) で割るので向きが逆になり \(x\le6\)。 両方を同時に満たすのは \(-4\) 以上 \(6\) 以下の範囲。 \(-4\le x\le6\)
15
文章題:少なくとも何人か

水族館の入館料は、大人1人850円、子ども1人400円である。ある日、大人と子どもを合わせて20人が入館し、入館料の合計は13000円以下だった。このとき、子どもは少なくとも何人入館したか。

子ども  人
解説を見る
子どもの人数を \(x\) 人とする(\(x\) は \(0\) 以上 \(20\) 以下の整数)。合わせて20人なので、大人は \((20-x)\) 人。 入館料の合計は \(400x+850(20-x)\) 円。これが13000円以下なので \(400x+850(20-x)\le13000\) \(400x+17000-850x\le13000\) \(-450x\le-4000\) 両辺を \(-450\)(負の数)で割るので、不等号の向きが変わる。 \(x\ge\dfrac{4000}{450}=\dfrac{80}{9}=8.88\cdots\) \(x\) は人数なので整数。\(x\ge8.88\cdots\) を満たす整数のうち最小のものは \(x=9\)。 念のため確認する。\(x=9\) のとき代金は \(400\times9+850\times11=3600+9350=12950\) 円で13000円以下を満たす。\(x=8\) のときは \(400\times8+850\times12=3200+10200=13400\) 円となり13000円を超えてしまうので、やはり \(x=9\) が最小である。 子どもは少なくとも9人入館した
挑戦(16〜21)
16
連立不等式・解なしパターン

次の連立不等式を解け。解がない場合は「解なし」と入力すること。\(\begin{cases}3x-5>13\\ -2x-1>-5\end{cases}\)

解 
解説を見る
1つ目の式:\(3x-5>13\) より \(3x>18\)、\(x>6\) 2つ目の式:\(-2x-1>-5\) より \(-2x>-4\)。両辺を \(-2\) で割るので向きが逆になり \(x<2\)。 \(x>6\) と \(x<2\) を同時に満たす \(x\) はない(6より大きくて2より小さい数は存在しない)。 解なし
17
分数を含む(さらに複雑)

\(\dfrac{3x+1}{4}-\dfrac{x-2}{2}\ge1\) を解け。

\(x\) の範囲 
解説を見る
両辺に4をかけて分数を消す。 \(4\left(\dfrac{3x+1}{4}-\dfrac{x-2}{2}\right)\ge4\cdot1\) \((3x+1)-2(x-2)\ge4\) \(3x+1-2x+4\ge4\) \(x+5\ge4\) \(x\ge-1\) \(x\ge-1\)
18
かっこを展開して整理

\(2(x-3)-5(x-1)\le-4\) を解け。

\(x\) の範囲 
解説を見る
左辺を展開すると \(2x-6-5x+5\le-4\)、整理して \(-3x-1\le-4\)。 \(-3x\le-3\) 両辺を \(-3\) で割るので向きが逆になる。 \(x\ge1\)
19
文章題ふうの抽象的な条件

ある数 \(x\) の3倍から2を引いた数は、\(x\) に5を加えた数の2倍より小さい。このような \(x\) の範囲を求めよ。

\(x\) の範囲 
解説を見る
「\(x\) の3倍から2を引いた数」は \(3x-2\)。「\(x\) に5を加えた数の2倍」は \(2(x+5)\)。前者が後者より小さいので \(3x-2<2(x+5)\) \(3x-2<2x+10\) \(x<12\) \(x<12\)
20
文字定数を含む連続不等式

\(a\) を定数とする。連続不等式 \(x+a<3x-4<2x+11\) を解け。解は \(\dfrac{a+4}{2}<x<15\) の形になる(\(a\) を含まない方の端点の値を答えよ)。

\(a\) を含まない方の端点 
解説を見る
連続不等式は「左側の不等式」と「右側の不等式」に分けて、それぞれ別々に解く。 左側:\(x+a<3x-4\) \(a+4<2x\) \(x>\dfrac{a+4}{2}\)(\(a\) を含む式のままでよい) 右側:\(3x-4<2x+11\) \(x<15\) 2つを合わせると \(\dfrac{a+4}{2}<x<15\)。左側の端点は \(a\) の式のまま、右側の端点は \(a\) を含まない \(15\) という数になる。 \(\dfrac{a+4}{2}<x<15\)(\(a\)を含まない方の端点は \(15\))
21
食塩水の濃度区間・文章題

濃度10%の食塩水300gに水を \(x\) g加えて薄める(\(x\ge0\))。できた食塩水の濃度を5%以上6%未満にしたい。\(x\) の満たす範囲を求めよ。解は \(\text{ア}<x\le\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
食塩水300gの中の食塩は \(300\times0.1=30\)(g)。水を \(x\) g加えても食塩の量は変わらず、全体の量は \((300+x)\) gになる。 できた食塩水の濃度は \(\dfrac{30}{300+x}\times100=\dfrac{3000}{300+x}\)(%)。 これが5%以上6%未満なので \(5\le\dfrac{3000}{300+x}<6\) \(300+x>0\) なので、各辺に \((300+x)\) をかけても不等号の向きはそのまま。 右側から:\(\dfrac{3000}{300+x}<6\) より \(3000<6(300+x)=1800+6x\)、\(1200<6x\)、\(x>200\) 左側から:\(5\le\dfrac{3000}{300+x}\) より \(5(300+x)\le3000\)、\(1500+5x\le3000\)、\(x\le300\) \(200<x\le300\)
応用問題(プリント限定)

ここから先はPDF限定の腕試し。入試の基礎レベルに挑戦しよう。

応1
整数解の個数から定数の範囲を決める

1次不等式 \(x<a\)(\(a\) は定数)を満たす正の整数がちょうど5個であるとき、定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。解は \(\text{ア}<a\le\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
\(x<a\) を満たす正の整数を、小さい方から並べると \(1,\ 2,\ 3,\ \ldots\) となる。これがちょうど5個、つまり \(\{1,2,3,4,5\}\) だけになるようにしたい。 ・\(5\) は解に含まれてほしいので、\(5<a\) が必要(\(x<a\) は「未満」なので、5が入るには境界 \(a\) が5より大きくなければならない)。 ・\(6\) は解に含まれてはいけないので、\(6\ge a\)、つまり \(a\le6\) が必要(\(a\) が6より大きいと6も解に入ってしまう)。 この2つを合わせると \(5<a\le6\)。(例えば \(a=6\) のとき \(x<6\) の正の整数解は \(1,2,3,4,5\) のちょうど5個で条件を満たす。) \(5<a\le6\)
応2
文字係数 ax>b の場合分け

\(a\) を定数とする。1次不等式 \((a-2)x>3\) を \(x\) について解け。

解説を見る
\(x\) の係数 \(a-2\) の符号によって、割り算をしたときに不等号の向きが変わるかどうかが決まる。3つの場合に分けて考える。 (i) \(a-2>0\)(\(a>2\))のとき 係数が正の数なので、両辺を \(a-2\) で割っても向きはそのまま。 \(x>\dfrac{3}{a-2}\) (ii) \(a-2<0\)(\(a<2\))のとき 係数が負の数なので、両辺を \(a-2\) で割ると向きが逆になる。 \(x<\dfrac{3}{a-2}\) (iii) \(a-2=0\)(\(a=2\))のとき このとき与式は \(0\cdot x>3\)、つまり \(0>3\) となる。これは \(x\) にどんな値を入れても成り立たない(常に偽)。よって解はない。 \(a>2\) のとき \(x>\dfrac{3}{a-2}\)、\(a<2\) のとき \(x<\dfrac{3}{a-2}\)、\(a=2\) のとき解なし
応3
文章題:仕入れ個数の条件

1個150円のたい焼きと1個100円のたこ焼きを合わせて20個仕入れ、仕入れ総額を2400円以下にしたい。また、たい焼きは最低でも6個は仕入れたい。たい焼きは最大何個仕入れられるか。

たい焼き  個
解説を見る
たい焼きの個数を \(x\) 個とする(\(x\) は整数、合わせて20個なのでたこ焼きは \((20-x)\) 個)。 仕入れ総額は \(150x+100(20-x)\) 円で、これが2400円以下。 \(150x+100(20-x)\le2400\) \(150x+2000-100x\le2400\) \(50x\le400\) \(x\le8\) さらに「たい焼きは最低6個」という条件から \(x\ge6\)。合わせて \(6\le x\le8\)。 この範囲でたい焼きを最大にしたいので \(x=8\)。(このとき代金は \(150\times8+100\times12=2400\) 円で、ちょうど2400円以内におさまる。) たい焼きは最大8個仕入れられる
応4
文章題:連立不等式(範囲で答える)

1個300円の部品Aと1個200円の部品Bを合わせて30個仕入れる。仕入れ総額を7000円以上8000円以下に抑えたいとき、部品Aの個数として考えられる範囲を求めよ。解は \(\text{ア}\le x\le\text{イ}\) の形になる(\(x\) は部品Aの個数)。

ア=  イ=
解説を見る
部品Aの個数を \(x\) 個とすると、部品Bは \((30-x)\) 個。 仕入れ総額は \(300x+200(30-x)=300x+6000-200x=100x+6000\)(円)。 これが7000円以上8000円以下なので \(7000\le100x+6000\le8000\) 各辺から6000を引くと \(1000\le100x\le2000\) 各辺を100で割ると(正の数なので向きはそのまま) \(10\le x\le20\) \(10\le x\le20\)
応5
文章題:速さと時間

家から駅までの道のりは3600mある。分速 \(x\) mで歩いて、この道のりを30分以内で歩きたい。\(x\) の満たす範囲を求めよ(ただし \(x>0\))。

\(x\) の範囲 
解説を見る
分速 \(x\) mで3600m歩くのにかかる時間は \(\dfrac{3600}{x}\) 分。これが30分以内なので \(\dfrac{3600}{x}\le30\) \(x>0\) なので、両辺に \(x\)(正の数)をかけても向きはそのまま。 \(3600\le30x\) 両辺を30(正の数)で割る。 \(120\le x\) \(x\ge120\)
応6
連立不等式+動く下限:整数解の個数から定数を決める

\(b\) を定数とする。連立不等式 \(\begin{cases}2x-5\le3\\ x>b\end{cases}\) を同時に満たす整数 \(x\) がちょうど3個であるとき、定数 \(b\) の値の範囲を求めよ。解は \(\text{ア}\le b<\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
まず定数だけの不等式を解く。\(2x-5\le3\) より \(2x\le8\)、\(x\le4\)。 よって条件は「\(x\le4\) かつ \(x>b\)」を満たす整数 \(x\) がちょうど3個、という意味になる。\(x\le4\) を満たす整数を大きい方から並べると \(4,\ 3,\ 2,\ 1,\ 0,\ \ldots\) となる。この中で \(x>b\) を満たすものがちょうど3個(\(4,\ 3,\ 2\) の3個)になるようにしたい。 ・\(2\) は解に含まれてほしいので、\(2>b\)、つまり \(b<2\) が必要(\(b\) が2以上だと \(x>b\) から2が外れてしまう)。 ・\(1\) は解に含まれてはいけないので、\(1\le b\)、つまり \(b\ge1\) が必要(\(b\) が1未満だと \(x>b\) に1も入ってきて4個になってしまう)。 この2つを合わせると \(1\le b<2\)。(例えば \(b=1\) のとき \(x>1\) かつ \(x\le4\) を満たす整数は \(2,3,4\) のちょうど3個で条件を満たす。) \(1\le b<2\)
応7
文章題:速さの変化と休憩をふくむ時間配分

家から図書館までの片道4800mの道のりを、行きは分速80mで歩く。図書館に15分滞在したあと、帰りは分速 \(x\) mで歩いて家に戻る。行き・滞在・帰りをすべて合わせた時間を100分以内にしたい。\(x\) の満たす範囲を求めよ(ただし \(x>0\))。

\(x\) の範囲 
解説を見る
行きにかかる時間は \(\dfrac{4800}{80}=60\)(分)。滞在時間は15分。帰りにかかる時間は \(\dfrac{4800}{x}\)(分)。 合計時間は \(60+15+\dfrac{4800}{x}\) 分で、これが100分以内なので \(60+15+\dfrac{4800}{x}\le100\) \(\dfrac{4800}{x}\le25\) \(x>0\) なので、両辺に \(x\)(正の数)をかけても向きはそのまま。 \(4800\le25x\) 両辺を25(正の数)で割る。 \(192\le x\) \(x\ge192\)
応8
分数係数の不等式+正の整数解がちょうど1個

\(a\) を定数とする。不等式 \(\dfrac{2x-5}{9} > x-\dfrac{5a+6}{6}\) を満たす正の整数 \(x\) がちょうど1個であるとき、定数 \(a\) の値の範囲を求めよ。解は \(\text{ア}<a\le\text{イ}\) の形になる。

ア=  イ=
解説を見る
まず不等式を整理する。分母の9と6の最小公倍数18を両辺にかけて分数を消す(18は正の数なので不等号の向きは変わらない)。 \(18\times\dfrac{2x-5}{9} > 18\times x-18\times\dfrac{5a+6}{6}\) \(2(2x-5) > 18x-3(5a+6)\) \(4x-10 > 18x-15a-18\) \(x\) の項を左辺に、それ以外を右辺に移項する。 \(4x-18x > -15a-18+10\) \(-14x > -15a-8\) 両辺を \(-14\)(負の数)で割るので、不等号の向きが変わる。 \(x < \dfrac{15a+8}{14}\) 以下、この右辺を \(M\)(\(=\dfrac{15a+8}{14}\))と呼ぶことにする。つまり、この不等式の意味は「\(x\) は \(M\) より小さい」というだけであり、\(M\) の位置によって、そこに何個の正の整数がおさまるかが変わる。 ここからが本題。正の整数を小さい順に並べると \(1,\ 2,\ 3,\ \ldots\) となる。\(M\) がこの並びのどこにあるかによって、\(x<M\) を満たす正の整数の個数が決まる。「ちょうど1個」にしたいので、その1個は必ず \(x=1\) でなければならない(もし1が条件を満たさなければ、それより大きい2,3,…はもっと条件から遠いので、1個も満たせなくなってしまう)。
考えるべき条件は2つ。 ・\(x=1\) は条件を満たしてほしいので、\(1<M\) が必要(\(M\) が1より大きくなければ、\(x<M\) に1すら入らない)。 ・\(x=2\) は条件を満たしてはいけないので、\(2\ge M\)、つまり \(M\le2\) が必要(もし \(M>2\) なら、\(x<M\) に2も入ってしまい2個以上になる)。 この2つを合わせると \(1<M\le2\)。この範囲にあれば、\(x<M\) を満たす正の整数はちょうど \(x=1\) の1個だけになる。 この不等式に \(M=\dfrac{15a+8}{14}\) を代入して、\(a\) の範囲を求める。 \(1 < \dfrac{15a+8}{14} \le 2\) 左側と右側に分けて解く。 左側:\(1<\dfrac{15a+8}{14}\) \(14<15a+8\) \(6<15a\) \(a>\dfrac{6}{15}=\dfrac{2}{5}\) 右側:\(\dfrac{15a+8}{14}\le2\) \(15a+8\le28\) \(15a\le20\) \(a\le\dfrac{20}{15}=\dfrac{4}{3}\) 合わせると \(\dfrac{2}{5}<a\le\dfrac{4}{3}\)。 確かめてみよう。範囲の中の値 \(a=1\) のとき、\(M=\dfrac{15\times1+8}{14}=\dfrac{23}{14}=1.64\cdots\)。\(x<1.64\cdots\) を満たす正の整数は \(x=1\) だけで、たしかにちょうど1個になっている。境界の \(a=\dfrac{4}{3}\) のときは \(M=\dfrac{15\times\frac{4}{3}+8}{14}=\dfrac{28}{14}=2\)、\(x<2\) を満たす正の整数はやはり \(x=1\) だけ(\(x=2\) は \(2<2\) が偽なので含まれない)で、こちらもちょうど1個。もし \(a\) がこれより少しでも大きくなると \(M>2\) となり、\(x=2\) も条件を満たしてしまって2個になる。 \(\dfrac{2}{5}<a\le\dfrac{4}{3}\)
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

1次不等式の両辺に負の数をかけたり割ったりすると、なぜ不等号の向きが逆になるのか。具体的な数の大小関係を使って説明せよ。

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たとえば \(2<3\) という正しい大小関係から出発する。この両辺に \(-1\) をかけると、 \(2\times(-1)=-2,\ \ 3\times(-1)=-3\) となる。ここで \(-2\) と \(-3\) の大小を数直線で比べると、\(-2\) は \(-3\) より右側(原点に近い側)にあるので、\(-2>-3\) である。つまり、もとは \(2<3\)(左辺の方が小さい)だったのに、両辺に \(-1\) をかけたあとは \(-2>-3\)(左辺の方が大きい)となり、不等号の向きが入れ替わっている。 この理由は、数直線上で負の数をかけるという操作が「原点を中心に位置を反転させる」ことに対応するからである。もとの数が大きいほど、原点から見て正の方向に遠くにあるが、負の数をかけると符号が反転して負の方向の同じ距離の位置に移る。もとの数直線で右にあった数(大きい数)ほど、反転後は左(小さい数)に来ることになる。つまり、数の並び順(大小関係)が反転前後で入れ替わってしまう。 これは1つの例だけの話ではなく、負の数 \(c\) を任意の \(a<b\) にかけたときにも同じ理屈が成り立つ一般的な性質である。だからこそ、1次不等式を解く途中で両辺を負の数でかけたり割ったりする場面では、必ず不等号の向きを逆にする操作を忘れてはならない。 負の数をかけると数直線上の位置が原点を挟んで反転し、もとは大きかった数の方が反転後は小さくなるため、大小関係(不等号の向き)が逆転する。
記2

1冊120円のノートと1個70円の消しゴムを合わせて12個買い、代金の合計を1000円以下にしたい。ノートをできるだけ多く買うとき、ノートは最大何冊まで買えるか。

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ノートの個数を \(x\) 冊とする(\(x\) は \(0\) 以上 \(12\) 以下の整数)。合わせて12個なので、消しゴムは \((12-x)\) 個。 代金の合計は \(120x+70(12-x)\) 円。これが1000円以下なので \(120x+70(12-x)\le1000\) \(120x+840-70x\le1000\) \(50x\le160\) 両辺を50(正の数)で割る。向きはそのまま。 \(x\le3.2\) ここで \(x\) はノートの個数なので整数である。\(x\le3.2\) を満たす整数のうち最大のものは \(x=3\)。 念のため確認する。\(x=3\) のとき代金は \(120\times3+70\times9=360+630=990\) 円で1000円以下を満たす。\(x=4\) のときは \(120\times4+70\times8=480+560=1040\) 円となり1000円を超えてしまうので、やはり \(x=3\) が最大である。 ノートは最大3冊まで買える