STEP 1

偏差と分散:散らばりを数値にする

平均値だけでは「データがどれくらいバラついているか」はわからない。そこで使うのが偏差分散。偏差は「各データが平均からどれだけ離れているか」、分散は「偏差の2乗の平均」で、散らばりの大きさをひとつの数値にまとめたものだ。

データ \(4,\ 6,\ 7,\ 8,\ 10\) の5個で考えよう。まず平均を求める。

\[\bar{x} = \dfrac{4+6+7+8+10}{5} = \dfrac{35}{5} = 7\]

偏差とは「データ \(-\) 平均」のこと。この5個について、偏差とその2乗を表にすると次のようになる。

データ \(x\) 4 6 7 8 10
偏差 \(x-\bar{x}\) \(-3\) \(-1\) \(0\) \(1\) \(3\)
偏差の2乗 \(9\) \(1\) \(0\) \(1\) \(9\)

偏差の2乗の和は \(9+1+0+1+9=20\)。これをデータの個数5で割ったものが分散

\[V = \dfrac{20}{5} = 4\]
分散の定義
データ \(x_1, x_2, \dots, x_n\)、平均 \(\bar{x}\) のとき、 \[V = \dfrac{1}{n}\left\{(x_1-\bar{x})^2+(x_2-\bar{x})^2+\cdots+(x_n-\bar{x})^2\right\}\] 分散=「偏差の2乗」の平均(2乗するので、偏差がプラスでもマイナスでも打ち消し合わずに散らばりの大きさを表せる)
STEP 2

分散のもう1つの公式

分散は「偏差の2乗の平均」で計算できるが、実はもう1つ、平均だけを使う近道の公式がある。「\(x^2\) の平均」から「平均の2乗」を引くという形だ。データが大きい数のときはこちらの方が計算が楽になることが多い。

導出してみよう。分散の定義の式を展開する。

\[V = \dfrac{1}{n}\sum (x-\bar{x})^2 = \dfrac{1}{n}\sum \left(x^2 - 2\bar{x}\,x + \bar{x}^2\right)\]

これを項ごとに分けると、

\[V = \dfrac{1}{n}\sum x^2 \ -\ 2\bar{x}\cdot\dfrac{1}{n}\sum x \ +\ \bar{x}^2\]

ここで \(\dfrac{1}{n}\sum x\) はまさに平均 \(\bar{x}\) そのものなので、真ん中の項は \(-2\bar{x}\cdot\bar{x} = -2\bar{x}^2\) になる。整理すると、

\[V = \dfrac{1}{n}\sum x^2 - 2\bar{x}^2 + \bar{x}^2 = \dfrac{1}{n}\sum x^2 - \bar{x}^2\]
分散の公式(2つ目) \[V = \overline{x^2} - (\bar{x})^2\] 分散 =(\(x^2\)の平均)-(平均)\({}^2\) ※ \(\overline{x^2}\) は「\(x^2\) を平均する」という意味で、\((\bar{x})^2\) とは別物なので注意。

例題 データ \(24,\ 28,\ 30,\ 32,\ 36\) の分散を、公式2つ目で求めよ。

解答を見る
平均は \(\bar{x} = \dfrac{24+28+30+32+36}{5} = \dfrac{150}{5} = 30\)。 \(x^2\) を計算すると \(576,\ 784,\ 900,\ 1024,\ 1296\)。 和は \(576+784+900+1024+1296 = 4580\)。 \(\overline{x^2} = \dfrac{4580}{5} = 916\) \(V = \overline{x^2} - (\bar{x})^2 = 916 - 30^2 = 916 - 900 = 16\) (検算:偏差で直接求めても \(-6,-2,0,2,6\) の2乗和 \(80\) を5で割って \(16\) となり一致する。) 分散 \(16\)
STEP 3

標準偏差:単位をデータと合わせる

分散は「2乗」してから平均しているので、単位が本来のデータと変わってしまう(点数のデータなら分散の単位は「点\({}^2\)」)。これを元の単位に戻すために、分散の正の平方根をとったものが標準偏差

\[s = \sqrt{V}\]

STEP 1のデータ \(4,6,7,8,10\) は分散 \(V=4\) だったので、標準偏差は \(s=\sqrt{4}=2\)。「データはだいたい平均から2くらい離れている」という散らばりの目安になる。

標準偏差が大きい → データが平均から離れがち(散らばりが大きい)
標準偏差が小さい → データが平均の近くに集まっている(散らばりが小さい)

例題 データ \(17,\ 19,\ 21,\ 23\) の分散と標準偏差を求めよ。

解答を見る
平均は \(\bar{x} = \dfrac{17+19+21+23}{4} = \dfrac{80}{4} = 20\)。 偏差は \(-3,\ -1,\ 1,\ 3\)。2乗の和は \(9+1+1+9=20\)。 \(V = \dfrac{20}{4} = 5\) 分散が \(5\) はちょうど良い平方数ではないので、標準偏差は根号のままで表す。 分散 \(5\)、標準偏差 \(s=\sqrt{5}\)(\(\approx 2.24\))
STEP 4

データを一斉に変換すると、平均・分散はどうなる?

「全員のテストの点数に一律5点加える」「単位をcmからmに直すため全部を100で割る」のように、データ全体を同じルールで変換することがある。このとき平均と分散がどう変わるかには、はっきりした規則がある。

ケース1:全員に同じ数 \(a\) を足す(\(y = x + a\))

データ \(4,6,7,8,10\)(平均7、分散4)の全員に \(3\) を足すと \(7,9,10,11,13\) になる。平均は \(7+3=10\) と3増えるが、偏差(散らばりの形)はもとと全く同じ \(-3,-1,0,1,3\) のままなので、分散は変わらない

ケース2:全員を \(b\) 倍する(\(y = bx\))

同じデータ \(4,6,7,8,10\) の全員を \(2\) 倍すると \(8,12,14,16,20\) になる。平均は \(7\times2=14\) と2倍になる。偏差も全部2倍(\(-6,-2,0,2,6\))になるので、偏差の2乗は \(2^2=4\) 倍。ゆえに分散は \(b^2\) 倍、標準偏差は(2乗ではなく)\(b\) 倍そのまま(負の数のときは絶対値 \(|b|\) 倍)になる。

全員に \(a\) を足す(\(y=x+a\))
平均:\(\bar{x}+a\)
分散:変わらない(そのまま)
標準偏差:変わらない
全員を \(b\) 倍する(\(y=bx\))
平均:\(b\bar{x}\)(\(b\) 倍)
分散:\(b^2\) 倍
標準偏差:\(|b|\) 倍
注意 「足し算」は散らばりの形を動かすだけ(分散は不変)、「掛け算」は散らばりの幅自体を伸び縮みさせる(分散は2乗で効いてくる)。この違いを混同しないこと。\(y=bx+a\) のように両方組み合わせるときも、分散に効くのは \(b\) の部分だけ。
練習問題(全16問)

答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。根号の答えは「√5」または「sqrt5」で入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜6)
1
まずは偏差から

データ \(8,\ 8,\ 12,\ 12\) について、平均・分散・標準偏差を求めよ。

平均  分散  標準偏差
解説を見る
平均 \(=\dfrac{8+8+12+12}{4}=\dfrac{40}{4}=10\) 偏差は \(-2,\ -2,\ 2,\ 2\)。2乗の和は \(4+4+4+4=16\)。 分散 \(=\dfrac{16}{4}=4\)、標準偏差 \(=\sqrt{4}=2\) 平均 \(10\)、分散 \(4\)、標準偏差 \(2\)
2
偏差の合計は必ず0になることを確認しよう

データ \(14,\ 18,\ 20,\ 22,\ 26\) について、平均・分散・標準偏差を求めよ。

平均  分散  標準偏差
解説を見る
平均 \(=\dfrac{14+18+20+22+26}{5}=\dfrac{100}{5}=20\) 偏差は \(-6,\ -2,\ 0,\ 2,\ 6\)(合計するとちょうど \(0\) になる)。2乗の和は \(36+4+0+4+36=80\)。 分散 \(=\dfrac{80}{5}=16\)、標準偏差 \(=\sqrt{16}=4\) 平均 \(20\)、分散 \(16\)、標準偏差 \(4\)
3
データの個数が変わっても考え方は同じ

データ \(8,\ 8,\ 8,\ 12,\ 12,\ 12\)(6個)について、平均・分散・標準偏差を求めよ。

平均  分散  標準偏差
解説を見る
平均 \(=\dfrac{8+8+8+12+12+12}{6}=\dfrac{60}{6}=10\) 偏差は \(-2,-2,-2,2,2,2\)。2乗の和は \(4\times6=24\)。 分散 \(=\dfrac{24}{6}=4\)、標準偏差 \(=\sqrt{4}=2\) 平均 \(10\)、分散 \(4\)、標準偏差 \(2\)
4
公式「(x²の平均)−(平均)²」を使ってみよう

データ \(7,\ 7,\ 7,\ 13,\ 13,\ 13\)(6個)の分散を、\(\overline{x^2}-(\bar{x})^2\) の公式で求め、標準偏差も答えよ。

分散  標準偏差
解説を見る
平均 \(=\dfrac{7+7+7+13+13+13}{6}=\dfrac{60}{6}=10\) \(x^2\) は \(49,49,49,169,169,169\)。和は \(49\times3+169\times3=147+507=654\)。 \(\overline{x^2}=\dfrac{654}{6}=109\) \(V=\overline{x^2}-(\bar{x})^2=109-10^2=109-100=9\)、標準偏差 \(=\sqrt{9}=3\) 分散 \(9\)、標準偏差 \(3\)
5
全員に同じ数を足す→分散はどうなる?

データ \(8,\ 8,\ 12,\ 12\)(平均\(10\)、分散\(4\))の全員に \(5\) を足すと、新しいデータの平均・分散・標準偏差はいくらになるか。

平均  分散  標準偏差
解説を見る
全員に \(+5\) するので新しいデータは \(13,13,17,17\)。 平均は \(10+5=15\)。偏差は元と同じ \(-2,-2,2,2\) のままなので分散は変わらず \(4\)、標準偏差も変わらず \(2\)。 平均 \(15\)、分散 \(4\)、標準偏差 \(2\)
6
全員の値をb倍する→分散はb²倍

データ \(14,\ 18,\ 20,\ 22,\ 26\)(平均\(20\)、分散\(16\))の全員を \(1.5\) 倍すると、新しいデータの平均・分散・標準偏差はいくらになるか。

平均  分散  標準偏差
解説を見る
平均は \(20\times1.5=30\)。分散は \(1.5^2=2.25\) 倍なので \(16\times2.25=36\)。標準偏差は \(1.5\) 倍なので \(4\times1.5=6\)。 (検算:新しいデータは \(21,27,30,33,39\)。偏差 \(-9,-3,0,3,9\) の2乗和は \(81+9+0+9+81=180\)、\(180\div5=36\) で一致。) 平均 \(30\)、分散 \(36\)、標準偏差 \(6\)
標準(7〜12)
7
標準偏差が無理数になることもある

データ \(46,\ 48,\ 50,\ 52,\ 54\) の分散と標準偏差を求めよ。

分散  標準偏差
解説を見る
平均 \(=\dfrac{46+48+50+52+54}{5}=\dfrac{250}{5}=50\) 偏差は \(-4,-2,0,2,4\)。2乗の和は \(16+4+0+4+16=40\)。 分散 \(=\dfrac{40}{5}=8\) \(8\) はきれいな平方数ではないので、標準偏差は \(\sqrt{8}=\sqrt{4\times2}=2\sqrt{2}\) と根号を簡単にした形で答える。 分散 \(8\)、標準偏差 \(2\sqrt{2}\)(\(\approx2.83\))
8
分散は小数になることもある

データ \(48,\ 49,\ 51,\ 52\) の分散を求めよ。

分散
解説を見る
平均 \(=\dfrac{48+49+51+52}{4}=\dfrac{200}{4}=50\) 偏差は \(-2,-1,1,2\)。2乗の和は \(4+1+1+4=10\)。 分散 \(=\dfrac{10}{4}=2.5\) 分散 \(2.5\)
9
標準偏差が√の形になる例

データ \(27,\ 29,\ 31,\ 33\) の分散と標準偏差を求めよ。

分散  標準偏差
解説を見る
平均 \(=\dfrac{27+29+31+33}{4}=\dfrac{120}{4}=30\) 偏差は \(-3,-1,1,3\)。2乗の和は \(9+1+1+9=20\)。 分散 \(=\dfrac{20}{4}=5\) \(5\) は平方数ではないので、標準偏差はそのまま \(\sqrt{5}\) で答える(これ以上簡単にならない)。 分散 \(5\)、標準偏差 \(\sqrt{5}\)(\(\approx2.24\))
10

データ \(14,\ 18,\ 20,\ 22,\ 26\)(平均\(20\)、分散\(16\))の全員から \(8\) を引くと、新しいデータの平均・分散・標準偏差はいくらになるか。

平均  分散  標準偏差
解説を見る
「\(8\) を引く」は「\(-8\) を足す」と同じこと。平均は \(20-8=12\)。 偏差の形は変わらない(\(-6,-2,0,2,6\))ので分散は変わらず \(16\)、標準偏差も変わらず \(4\)。 平均 \(12\)、分散 \(16\)、標準偏差 \(4\)
11

データ \(2,\ 4,\ 5,\ 6,\ 8\)(平均\(5\)、分散\(4\))の全員を \(-3\) 倍すると、新しいデータの平均・分散・標準偏差はいくらになるか。

平均  分散  標準偏差
解説を見る
平均は \(5\times(-3)=-15\)。分散は \(b\) の符号に関係なく \(b^2\) 倍なので \((-3)^2=9\) 倍、\(4\times9=36\)。標準偏差は \(|b|=3\) 倍なので \(2\times3=6\)(標準偏差はマイナスにはならない)。 (検算:新しいデータは \(-6,-12,-15,-18,-24\)。平均 \(=\dfrac{-6-12-15-18-24}{5}=\dfrac{-75}{5}=-15\)。偏差 \(9,3,0,-3,-9\) の2乗和は \(81+9+0+9+81=180\)、\(180\div5=36\) で一致。) 平均 \(-15\)、分散 \(36\)、標準偏差 \(6\)
12
y=2x+3の形(分散に効くのはbの部分だけ)

あるデータの平均が \(8\)、分散が \(5\) である。このデータの全員を2倍してから3を足した新しいデータ(\(y=2x+3\))の平均・分散・標準偏差を求めよ。

平均  分散  標準偏差
解説を見る
平均は「2倍して3を足す」をそのまま平均に適用すればよい:\(8\times2+3=19\)。 分散は「3を足す」部分は無関係で、「2倍」の部分だけが \(2^2=4\) 倍として効く:\(5\times4=20\)。 標準偏差は \(\sqrt{20}=\sqrt{4\times5}=2\sqrt{5}\)。 平均 \(19\)、分散 \(20\)、標準偏差 \(2\sqrt{5}\)(\(\approx4.47\))
挑戦(13〜16)
13
平均条件から未知のデータを逆算

データ \(3,\ 5,\ 9,\ x\)(4個)の平均が \(6\) であるとき、\(x\) の値と、このデータの分散・標準偏差を求めよ。

\(x=\)  分散  標準偏差
解説を見る
平均 \(6\) より合計は \(6\times4=24\)。\(3+5+9=17\) なので \(x=24-17=7\)。 データは \(3,5,7,9\)。偏差は \(-3,-1,1,3\)。2乗の和は \(9+1+1+9=20\)。 分散 \(=\dfrac{20}{4}=5\)、標準偏差 \(=\sqrt{5}\)。 \(x=7\)、分散 \(5\)、標準偏差 \(\sqrt{5}\)
14
散らばりの大小を分散で比較

Aグループのデータ \(5,\ 6,\ 7,\ 8,\ 9\) と、Bグループのデータ \(3,\ 5,\ 7,\ 9,\ 11\) は、どちらも平均が \(7\) である。それぞれの分散を求め、Bの分散はAの何倍かを答えよ。

Aの分散  Bの分散  Bの分散はAの
解説を見る
Aグループ:偏差は \(-2,-1,0,1,2\)。2乗和 \(=4+1+0+1+4=10\)。分散 \(=\dfrac{10}{5}=2\) Bグループ:偏差は \(-4,-2,0,2,4\)。2乗和 \(=16+4+0+4+16=40\)。分散 \(=\dfrac{40}{5}=8\) Bの分散 \(\div\) Aの分散 \(=8\div2=4\)。平均が同じでも、データの散らばり方が違うと分散は大きく変わることがわかる。 Aの分散 \(2\)、Bの分散 \(8\)、Bの分散はAの \(4\) 倍
15
公式を逆向きに使う

あるデータ5個について、\(x^2\) の平均が \(125\)、平均が \(10\) であることがわかっている。このデータの分散と標準偏差を求めよ。

分散  標準偏差
解説を見る
公式 \(V=\overline{x^2}-(\bar{x})^2\) にそのまま当てはめる。 \(V=125-10^2=125-100=25\) 標準偏差は \(\sqrt{25}=5\)。個々のデータの値がわからなくても、\(\overline{x^2}\) と平均さえわかれば分散は計算できる。 分散 \(25\)、標準偏差 \(5\)
16
変換の逆算(分散にaは関係しない)

あるデータを2倍してから3を引いたところ(\(y=2x-3\))、新しいデータの平均は \(17\)、分散は \(48\) になった。もとのデータの平均・分散・標準偏差を求めよ。

もとの平均  もとの分散  もとの標準偏差
解説を見る
もとの平均を \(m\)、分散を \(V\) とする。 平均について:\(2m-3=17\) より \(2m=20\)、\(m=10\)。 分散について:「3を引く」は分散に影響しないので、効くのは「2倍」の部分だけ。\(2^2\times V=48\) より \(4V=48\)、\(V=12\)。 標準偏差は \(\sqrt{12}=\sqrt{4\times3}=2\sqrt{3}\)。 もとの平均 \(10\)、もとの分散 \(12\)、もとの標準偏差 \(2\sqrt{3}\)(\(\approx3.46\))
応用問題(プリント限定)

ここから先はPDF限定の腕試し。グループの合併や仮平均など、入試の基礎レベルに挑戦しよう。

応1
2グループ合併・加重平均

生徒20人のクラスAの小テストの平均点は\(65\)点、生徒30人のクラスBの平均点は\(75\)点であった。AとBを合わせた全体の生徒数と、全体の平均点を求めよ。

生徒総数 人 全体の平均点
解説を見る
合計人数は \(20+30=50\)人。 平均点は「人数の重みつき平均」で計算する。人数が違うグループを単純に \(\dfrac{65+75}{2}\) と平均してはいけない(それは人数を無視した誤り)。 合計点は \(\text{Aの合計}+\text{Bの合計} = 20\times65+30\times75 = 1300+2250 = 3550\)点。 全体の平均点 \(=\dfrac{3550}{50}=71\)点。 生徒総数 \(50\)人、全体の平均点 \(71\)点
応2
2グループ合併・加重分散

生徒5人のグループAは平均\(4\)点・分散\(2\)、生徒5人のグループBは平均\(8\)点・分散\(2\)であった。AとBを合わせた10人全体の平均点と分散を求めよ。

全体の平均点  全体の分散
解説を見る
全体の平均点 \(=\dfrac{5\times4+5\times8}{10}=\dfrac{20+40}{10}=\dfrac{60}{10}=6\)点。 分散は「各グループの分散をそのまま平均する」だけでは求まらない。各グループの平均が全体の平均からずれている分(\(6-4=2\)、\(6-8=-2\))も加味する必要がある。 \(\overline{x^2}\) を使う方法で確認する。公式2つ目 \(V=\overline{x^2}-(\bar{x})^2\) を逆に使うと \(\overline{x^2}=V+(\bar{x})^2\)。 Aグループ:\(\overline{x^2}_A=2+4^2=2+16=18\)、合計 \(=5\times18=90\) Bグループ:\(\overline{x^2}_B=2+8^2=2+64=66\)、合計 \(=5\times66=330\) 全体の \(\overline{x^2}=\dfrac{90+330}{10}=\dfrac{420}{10}=42\) 全体の分散 \(=\overline{x^2}-(\bar{x})^2=42-6^2=42-36=6\) 全体の平均点 \(6\)、全体の分散 \(6\)
応3
仮平均の利用

データ \(48,\ 50,\ 53,\ 55,\ 49\) について、平均を求めやすくするため仮平均 \(50\) を基準にとる。各データから \(50\) を引いた「仮の偏差」を使って、真の平均と分散を求めよ。

真の平均  分散
解説を見る
仮平均を \(p=50\) とし、各データから \(p\) を引いた「仮の偏差」\(d=x-p\) を作る。 \(d\) は \(-2,\ 0,\ 3,\ 5,\ -1\)。この和は \(-2+0+3+5-1=5\)、平均は \(\bar{d}=\dfrac{5}{5}=1\)。 真の平均は「仮平均+仮の偏差の平均」で求まる:\(\bar{x}=p+\bar{d}=50+1=51\)。 (検算:\(48+50+53+55+49=255\)、\(255\div5=51\) で一致。) 分散は、仮平均だけずらしても散らばり方は変わらないので「\(d\) についての分散」と同じ。公式2つ目を \(d\) に対して使う。 \(d^2\) は \(4,\ 0,\ 9,\ 25,\ 1\)。和は \(39\)、\(\overline{d^2}=\dfrac{39}{5}=7.8\) \(V=\overline{d^2}-(\bar{d})^2=7.8-1^2=7.8-1=6.8\) (検算:真の平均51からの偏差は \(-3,-1,2,4,-2\)、2乗和は \(9+1+4+16+4=34\)、\(34\div5=6.8\) で一致。) 真の平均 \(51\)、分散 \(6.8\)
応4
分散から個々の値を逆算

データ \(4,\ 7,\ x,\ y\)(4個、\(x

\(x=\)  \(y=\)
解説を見る
平均条件(式A):\(\dfrac{4+7+x+y}{4}=7\) より \(4+7+x+y=28\)、\(x+y=17\) 分散条件(式B):偏差は \(4-7=-3\)、\(7-7=0\)、\(x-7\)、\(y-7\)。 \(V=\dfrac{(-3)^2+0^2+(x-7)^2+(y-7)^2}{4}=3.5\) より \((x-7)^2+(y-7)^2=14-9=5\) ここで \(u=x-7,\ v=y-7\) とおくと、式Aより \(u+v=17-14=3\)、式Bより \(u^2+v^2=5\)。 \(v=3-u\) を式Bに代入:\(u^2+(3-u)^2=5\) \(u^2+9-6u+u^2=5\) \(2u^2-6u+4=0\) \(u^2-3u+2=0\) \((u-1)(u-2)=0\) より \(u=1\) または \(u=2\)。 \(u=1\) のとき \(v=2\) → \(x=8,\ y=9\) \(u=2\) のとき \(v=1\) → \(x=9,\ y=8\) \(x\(x=8,\ y=9\)
応5
変換の複合(総合問題)

10人のクラスの小テストの平均点は \(60\)点、分散は \(25\) であった。全員に一律\(5\)点のボーナスを加点した後、さらに全員の点数を \(1.2\) 倍する特別措置を行った(先にボーナス、その後に倍率)。最終的な平均点・分散・標準偏差を求めよ。

最終的な平均点  分散  標準偏差
解説を見る
もとの点数を \(x\) とすると、最終的な点数は \(y=1.2(x+5)=1.2x+6\)(先にボーナス、その後に倍率をかけると、この順に展開される)。 平均:\(1.2\times60+6=72+6=78\)点。 分散:「\(+6\)」の部分は分散に無関係で、「\(1.2\) 倍」の部分だけが \(1.2^2=1.44\) 倍として効く。 \(25\times1.44=36\) 標準偏差:\(\sqrt{36}=6\)。 最終的な平均点 \(78\)点、分散 \(36\)、標準偏差 \(6\)