STEP 1

散布図と相関

2つの数量(例えば「勉強時間」と「テストの点数」)の関係を調べたいとき、それぞれのデータを \((x, y)\) の組にして点で表した図を散布図という。点の並び方には、大きく分けて3つのパターンがある。

正の相関:一方が増えると、他方も増える

負の相関:一方が増えると、他方は減る

相関がない:これといった傾向が見えない

正の相関:\(x\) が増えると \(y\) も増える傾向(点が右上がり)
負の相関:\(x\) が増えると \(y\) は減る傾向(点が右下がり)
相関がない(無相関):右上がり・右下がりのどちらの傾向も見えない
STEP 2

共分散と相関係数

「正の相関」「負の相関」は見た目の印象にすぎない。その強さを数値で表すのが相関係数 \(r\) だ。まずは土台になる共分散 \(S_{xy}\) から順番に計算してみよう。

共分散 \(S_{xy} = \dfrac{1}{n}\displaystyle\sum(x-\bar{x})(y-\bar{y})\) (\(x\) の偏差と \(y\) の偏差の積の平均)
相関係数 \(r = \dfrac{S_{xy}}{S_x \times S_y}\) (\(S_x,\ S_y\) は \(x,\ y\) それぞれの標準偏差)

例題 5人の生徒が受けた2回の小テスト(各5点満点)の得点は下の表の通りである。1回目の得点 \(x\)、2回目の得点 \(y\) について、共分散 \(S_{xy}\) と相関係数 \(r\) を求めよ。

解答を見る
まず \(x\) の平均 \(\bar{x}\)、\(y\) の平均 \(\bar{y}\) を求め、それぞれの偏差(平均との差)と、その積・2乗を表にする。
生徒ABCDE
\(x\)(1回目)12345
\(y\)(2回目)13254
\(x-\bar{x}\)−2−1012
\(y-\bar{y}\)−20−121
40022
\((x-\bar{x})^2\)41014
\((y-\bar{y})^2\)40141
\(\bar{x}=\bar{y}=3\)(どちらも \(1+2+3+4+5=15\)、\(15\div5=3\))。 表の「積」の行は \((x-\bar{x})(y-\bar{y})\) の値なので、その合計を \(n=5\) で割れば共分散になる。 積の合計は \(4+0+0+2+2=8\) なので \(S_{xy} = 8\div5 = 1.6\) あわせて分散も求めておく。 \(x\) の分散 \(=(4+1+0+1+4)\div5=10\div5=2\)、よって \(S_x=\sqrt{2}\) \(y\) の分散 \(=(4+0+1+4+1)\div5=10\div5=2\)、よって \(S_y=\sqrt{2}\) したがって相関係数は \(r = \dfrac{S_{xy}}{S_x\times S_y} = \dfrac{1.6}{\sqrt{2}\times\sqrt{2}} = \dfrac{1.6}{2} = 0.8\) 共分散 \(S_{xy}=1.6\)、相関係数 \(r=0.8\)(かなり強い正の相関)
\(r\) の値が \(1\) や \(-1\) に近いほど、点は一直線に近づいて並ぶ。\(0\) に近いほど、点はばらばらに散らばる。
STEP 3

相関係数の性質

相関係数 \(r\) には、覚えておくべき性質が4つある。数値だけを見て早合点しないために、必ず押さえておこう。

性質1 \(-1 \le r \le 1\)
\(r=1\) は完全な正の相関(点が右上がりの一直線)、\(r=-1\) は完全な負の相関(点が右下がりの一直線)、\(r=0\) は無相関。この範囲を超える値は計算ミスである。
性質2 単位を変えても \(r\) は変わらない
\(x\) を「cm」から「mm」に変えたり、\(y\) を「円」から「千円」に変えたりしても、点の並び方の「形」そのものは変わらないので、相関係数の値は変わらない。
性質3 外れ値に弱い
ほとんどの点が一直線に近く並んでいても、傾向から大きく外れた点が1つ混ざるだけで、相関係数は大きく変わってしまう。
性質4 相関があっても、因果関係があるとは限らない
「アイスクリームの売上」と「水の事故件数」を1年間追うと、正の相関が見られる。だが、アイスクリームが水の事故を引き起こすわけではない。実際には「気温」という共通の要因が両方を押し上げているだけである。相関関係=因果関係ではないことを、必ず頭に入れておこう。
STEP 4

仮説検定の考え方

友達が「このコインは公正だ(表が出る確率は0.5)」と言ったとする。ところが実際に20回投げてみると、16回も表が出た。これは「たまたま」なのか、それとも「公正ではない」と疑うべきなのか——それを判断する考え方が仮説検定だ。

基本の流れ
手順1 仮説を立てる(例:「このコインは公正である」)
手順2 仮説が正しいとしたら、今回のような結果がどれくらい起こりやすいかを調べる(シミュレーションや確率計算)
手順3 その起こりやすさを、あらかじめ決めた基準(多くの場合5%)と比べる
手順4 基準より小さければ「めったに起こらないことが起きた」とみなして仮説を棄却する(疑わしいとして退ける)。基準より大きければ仮説は棄却できない

実際に「公正なコインを20回投げる」という実験をコンピュータで1000回シミュレーションし、表が出た回数を記録すると、次のような結果(の一部)になる。

表の枚数1011121314151617181920
1000回中の回数17616012074371551000

この表を使って、「20回中16回以上表が出る」ことが、公正なコインでどれくらい起こりやすいかを求め、5%を基準に「このコインは公正である」という仮説を棄却できるか判断せよ。

解答を見る
表から、16回・17回・18回・19回・20回が出た回数を足し合わせる。 \(5+1+0+0+0=6\)(1000回中6回) 割合にすると \(6\div1000=0.006\)、つまり 0.6%。 \(0.6\% < 5\%\) なので、「公正なコインで16回以上表が出る」ことは非常にめずらしいと判断できる。したがって、「このコインは公正である」という仮説は疑わしいとして棄却できる16回以上表が出る割合は0.6%(5%より小さい)→ 仮説を棄却できる
注意 「棄却できない」からといって、「仮説が正しいと証明された」わけではない。あくまで「今回の結果だけでは、疑うだけの十分な根拠がなかった」という意味にすぎない。
練習問題(全15問)

答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜6)
1
共分散の計算

4人の生徒の勉強時間 \(x\)(分)と小テストの得点 \(y\)(点)は次の通りである。\(x=10,20,30,40\)、\(y=60,65,75,80\)。共分散 \(S_{xy}\) を求めよ。

\(S_{xy}=\)
解説を見る
\(\bar{x}=(10+20+30+40)\div4=25\)、\(\bar{y}=(60+65+75+80)\div4=70\) \(x-\bar{x}\):\(-15,\ -5,\ 5,\ 15\) \(y-\bar{y}\):\(-10,\ -5,\ 5,\ 10\) 積:\(150,\ 25,\ 25,\ 150\) 合計 \(350\) \(S_{xy}=350\div4=87.5\)
2
公式に代入するだけ

あるデータについて、\(x\) の標準偏差 \(S_x=2\)、\(y\) の標準偏差 \(S_y=3\)、共分散 \(S_{xy}=4.8\) であった。相関係数 \(r\) を求めよ。

\(r=\)
解説を見る
\(r=\dfrac{S_{xy}}{S_x\times S_y}=\dfrac{4.8}{2\times3}=\dfrac{4.8}{6}\) \(r=0.8\)
3
散布図の読み取り

次の散布図は、5人の1日の読書時間(分)と読解テストの点数の関係を表したものである。相関の種類を「正」「負」「なし」のいずれかで答えよ。

相関の種類
解説を見る
読書時間が長い生徒ほど、読解テストの点数が高い傾向にある。点がおおむね右上がりに分布している。 正の相関
4
散布図の読み取り

次の散布図は、1日のテレビ視聴時間(時間)と期末テストの点数の関係を表したものである。相関の種類を「正」「負」「なし」のいずれかで答えよ。

相関の種類
解説を見る
テレビ視聴時間が長い生徒ほど、テストの点数が低い傾向にある。点がおおむね右下がりに分布している。 負の相関
5
散布図の読み取り

次の散布図は、生徒の上履きのサイズ(cm)と国語のテストの点数の関係を表したものである。相関の種類を「正」「負」「なし」のいずれかで答えよ。

相関の種類
解説を見る
上履きのサイズが大きくても小さくても、国語の点数は高い場合も低い場合もあり、右上がり・右下がりのどちらの傾向も見えない。サイズと国語の点数は本来無関係な量なので、これは自然な結果といえる。 相関なし(無相関)
6
相関係数の範囲

次の値 \(-1.5,\ 0.3,\ 2,\ -0.9\) のうち、相関係数の値としてありえないものを、小さい順にコンマ区切りで全て答えよ。

ありえない値
解説を見る
相関係数は必ず \(-1\le r\le1\) の範囲におさまる。 \(-1.5\) はこの範囲より小さく、\(2\) はこの範囲より大きいのでありえない。\(0.3\) と \(-0.9\) はどちらも範囲内なのであり得る。 ありえない値は \(-1.5,\ 2\)
標準(7〜12)
7

5人の生徒が受けた2回の小テスト(各5点満点)の得点は、1回目 \(x=1,2,3,4,5\)、2回目 \(y=3,1,2,5,4\) であった(生徒の順は対応している)。共分散 \(S_{xy}\) と相関係数 \(r\) を求めよ。

\(S_{xy}=\)  \(r=\)
解説を見る
\(\bar{x}=\bar{y}=3\) \(x-\bar{x}\):\(-2,-1,0,1,2\) \(y-\bar{y}\):\(0,-2,-1,2,1\) 積:\(0,2,0,2,2\) 合計 \(6\) \(S_{xy}=6\div5=1.2\) 分散はどちらも \((4+1+0+1+4)\div5=2\) なので \(S_x=S_y=\sqrt{2}\)。 \(r=\dfrac{1.2}{\sqrt{2}\times\sqrt{2}}=\dfrac{1.2}{2}\) \(S_{xy}=1.2\)、\(r=0.6\)
8
負の相関

5人について、通学時間の順位 \(x=1,2,3,4,5\)(早く着く順)と朝食にかける時間の順位 \(y=4,5,2,3,1\)(長い順)を調べたところ次の対応になった(生徒の順は対応している)。共分散 \(S_{xy}\) と相関係数 \(r\) を求めよ。

\(S_{xy}=\)  \(r=\)
解説を見る
\(\bar{x}=\bar{y}=3\) \(x-\bar{x}\):\(-2,-1,0,1,2\) \(y-\bar{y}\):\(1,2,-1,0,-2\) 積:\(-2,-2,0,0,-4\) 合計 \(-8\) \(S_{xy}=-8\div5=-1.6\) 分散はどちらも \(2\) なので \(S_x=S_y=\sqrt{2}\)。 \(r=\dfrac{-1.6}{\sqrt{2}\times\sqrt{2}}=\dfrac{-1.6}{2}\) \(S_{xy}=-1.6\)、\(r=-0.8\)
9
性質2:単位の変換

あるデータで \(x\) の単位を「cm」から「mm」に変える(すべての値を10倍する)と、相関係数 \(r\) の値はどうなるか。「10倍になる」「10分の1になる」「変わらない」のいずれかで答えよ。

答え
解説を見る
単位を変えても、点の並び方の「形」(右上がり・右下がりの傾向の強さ)そのものは変わらない。相関係数は単位に依存しない量である。 変わらない
10
性質3:外れ値

ほとんどの点が右上がりの一直線に近い形で分布しているデータに、傾向から大きく外れた点を1つ追加すると、相関係数の絶対値は一般にどうなるか。「大きくなる」「小さくなる」「変わらない」のいずれかで答えよ。

答え
解説を見る
相関係数は外れ値の影響を受けやすい。一直線に近い並びの中に、傾向から離れた点が1つ混ざるだけで、一直線からのズレが大きくなり、相関係数の絶対値は小さくなる(1や−1から離れる)方向に動く。 小さくなる
11
性質4:相関と因果

ある年の統計で「アイスクリームの売上」と「水の事故件数」には正の相関があった。しかし、アイスクリームが直接水の事故を引き起こしているとは考えにくい。この2つの背後で、両方に共通して影響していると考えられる要因を答えよ。

共通の要因
解説を見る
夏で気温が高い時期には、アイスクリームがよく売れる一方、海や川で泳ぐ人が増えて水の事故も増える。つまり「気温(夏かどうか)」という第三の要因が、両方の数値を同時に押し上げている。相関があるからといって、一方が他方の原因とは限らない。 気温(夏の暑さ)
12
仮説検定:STEP4の表を使う

友達が「このコインは公正だ」と言うので20回投げてみたところ、表が14回出た。STEP4の表を参考に、「20回中14回以上表が出る」割合(%)を求め、5%を基準に「このコインは公正である」という仮説を棄却できるか判断せよ。

割合 % 判断
解説を見る
STEP4の表から、14回・15回・16回・17回・18回・19回・20回が出た回数を足し合わせる。 \(37+15+5+1+0+0+0=58\)(1000回中58回) 割合は \(58\div1000=0.058\)、つまり5.8%。 \(5.8\% > 5\%\) なので、「公正なコインで14回以上表が出る」ことはそれほどめずらしいとは言えない。したがって、「このコインは公正である」という仮説は棄却できない(=仮説が正しいと証明されたわけではないが、疑うだけの根拠もない)。 14回以上表が出る割合は5.8%(5%より大きい)→ 仮説を棄却できない
挑戦(13〜15)
13
単位が違う実データでの計算

5人の生徒の学習時間 \(x\)(分)とテストの得点 \(y\)(点)は \(x=10,20,30,40,50\)、\(y=60,70,90,80,100\) であった(生徒の順は対応している)。相関係数 \(r\) を求めよ。

\(r=\)
解説を見る
\(\bar{x}=(10+20+30+40+50)\div5=30\)、\(\bar{y}=(60+70+90+80+100)\div5=80\) \(x-\bar{x}\):\(-20,-10,0,10,20\) \(y-\bar{y}\):\(-20,-10,10,0,20\) 積:\(400,100,0,0,400\) 合計 \(900\) \(S_{xy}=900\div5=180\) \(x\) の分散 \(=(400+100+0+100+400)\div5=200\)、よって \(S_x=\sqrt{200}=10\sqrt{2}\) \(y\) の分散 \(=(400+100+100+0+400)\div5=200\)、よって \(S_y=\sqrt{200}=10\sqrt{2}\) \(r=\dfrac{180}{10\sqrt{2}\times10\sqrt{2}}=\dfrac{180}{200}\) \(r=0.9\)(学習時間が長い生徒ほど得点が高い、強い正の相関)
14
負の相関・実データでの計算

5人について、1週間の漢字テスト復習回数 \(x\)(回)と、テストの誤答率 \(y\)(%)は \(x=2,4,6,8,10\)、\(y=25,15,20,10,5\) であった(生徒の順は対応している)。共分散 \(S_{xy}\) と相関係数 \(r\) を求めよ。

\(S_{xy}=\)  \(r=\)
解説を見る
\(\bar{x}=(2+4+6+8+10)\div5=6\)、\(\bar{y}=(25+15+20+10+5)\div5=15\) \(x-\bar{x}\):\(-4,-2,0,2,4\) \(y-\bar{y}\):\(10,0,5,-5,-10\) 積:\(-40,0,0,-10,-40\) 合計 \(-90\) \(S_{xy}=-90\div5=-18\) \(x\) の分散 \(=(16+4+0+4+16)\div5=8\)、よって \(S_x=\sqrt{8}=2\sqrt{2}\) \(y\) の分散 \(=(100+0+25+25+100)\div5=50\)、よって \(S_y=\sqrt{50}=5\sqrt{2}\) \(r=\dfrac{-18}{2\sqrt{2}\times5\sqrt{2}}=\dfrac{-18}{20}\) \(S_{xy}=-18\)、\(r=-0.9\)(復習回数が多いほど誤答率が下がる、強い負の相関)
15
公式の逆算

あるデータについて、\(x\) の標準偏差 \(S_x=1.5\)、\(y\) の標準偏差 \(S_y=2\)、相関係数 \(r=-0.5\) であることが分かっている。共分散 \(S_{xy}\) を求めよ。

\(S_{xy}=\)
解説を見る
\(r=\dfrac{S_{xy}}{S_x\times S_y}\) を \(S_{xy}\) について解くと \(S_{xy}=r\times S_x\times S_y\)。 \(S_{xy}=(-0.5)\times1.5\times2=(-0.5)\times3\) \(S_{xy}=-1.5\)
応用問題(プリント限定)

ここから先はPDF限定の腕試し。相関係数の性質と仮説検定の考え方を、別の場面で使ってみよう。

応1
相関係数の不変性

STEP2の例題のデータ(1回目の得点 \(x=1,2,3,4,5\)、2回目の得点 \(y=1,3,2,5,4\)、相関係数 \(r=0.8\))について、\(x\) を「点」から「10点満点中の点数の10倍(つまりmm的な単位変換にあたる \(x'=10x\))」に、\(y\) を \(y'=20y\) に変換したとする。このとき相関係数 \(r'\) はいくつになるか。

\(r'=\)
解説を見る
相関係数は「単位を変えても変わらない」という性質を持つ(STEP3・性質2)。\(x'=10x\)、\(y'=20y\) はどちらも正の数をかけるだけの変換なので、点の並び方の形は変わらない。 実際に計算しても確かめられる。\(x'=10,20,30,40,50\)、\(y'=20,60,40,100,80\)。 \(\bar{x'}=30\)、\(\bar{y'}=60\) \(x'-\bar{x'}\):\(-20,-10,0,10,20\) \(y'-\bar{y'}\):\(-40,0,-20,40,20\) 積:\(800,0,0,400,400\) 合計 \(1600\) \(S_{x'y'}=1600\div5=320\) \(x'\) の分散 \(=(400+100+0+100+400)\div5=200\)、\(S_{x'}=\sqrt{200}=10\sqrt2\) \(y'\) の分散 \(=(1600+0+400+1600+400)\div5=800\)、\(S_{y'}=\sqrt{800}=20\sqrt2\) \(r'=\dfrac{320}{10\sqrt2\times20\sqrt2}=\dfrac{320}{400}=0.8\) \(r'=0.8\)(変換前と同じ)
応2
外れ値を除いたときの変化

5人の生徒について、勉強時間の順位 \(x=1,2,3,4,5\) と、あるテストの得点の順位 \(y=2,3,4,5,1\) を調べた(生徒の順は対応している)。まず5人全員のデータで相関係数 \(r_1\) を求めよ。次に、明らかに他の4人の傾向から外れている5人目(\(x=5,\ y=1\))を除いた4人だけで相関係数 \(r_2\) を求め、外れ値を除くと相関係数はどう変化したか、「大きくなった」「小さくなった」「変わらなかった」のいずれかで答えよ。

\(r_1=\)  \(r_2=\)  変化
解説を見る
【5人全員】\(\bar{x}=3\)、\(\bar{y}=3\) \(x-\bar{x}\):\(-2,-1,0,1,2\) \(y-\bar{y}\):\(-1,0,1,2,-2\) 積:\(2,0,0,2,-4\) 合計 \(0\) \(S_{xy}=0\div5=0\) なので \(r_1=0\)(分散はどちらも2で0でないため、\(r_1=0\div2=0\))。 【5人目を除いた4人】\(x=1,2,3,4\)、\(y=2,3,4,5\)。 \(\bar{x}=2.5\)、\(\bar{y}=3.5\) \(x-\bar{x}\):\(-1.5,-0.5,0.5,1.5\) \(y-\bar{y}\):\(-1.5,-0.5,0.5,1.5\) 偏差の並びが完全に一致している(\(x\) と \(y\) が同じだけ増える完全な一直線)ので \(r_2=1\)。 5人目(\(x=5,y=1\))は他の4人が作る右上がりの直線から大きく外れた点だった。この1点があるだけで、相関係数は完全な正の相関(\(r_2=1\))から無相関(\(r_1=0\))にまで下がってしまう。 \(r_1=0\)、\(r_2=1\) → 外れ値を除くと相関係数は大きくなった
応3
仮説検定のもう1つの例(さいころ)

「このさいころは公正で、1の目が出る確率は \(\dfrac16\) である」という仮説のもとで、さいころを60回投げる実験を1000回シミュレーションしたところ、1の目が出た回数について次の結果(の一部)が得られた。

1の目の回数1314151617181920
1000回中の回数755031179421

実際に60回投げたところ1の目が18回出た。「18回以上1の目が出る」割合(%)を求め、5%を基準にこの仮説を棄却できるか判断せよ。

割合 % 判断
解説を見る
表から、18回・19回・20回が出た回数を足し合わせる。 \(4+2+1=7\)(1000回中7回) 割合は \(7\div1000=0.007\)、つまり0.7%。 \(0.7\% < 5\%\) なので、「公正なさいころで18回以上1の目が出る」ことは非常にめずらしいと判断できる。したがって、「このさいころは公正である」という仮説は棄却できる18回以上1の目が出る割合は0.7%(5%より小さい)→ 仮説を棄却できる
応4
練習問題14の再計算・実データ

ある工場で、機械の点検回数 \(x\)(回/月)と故障件数 \(y\)(件/月)を5か月分調べたところ \(x=2,4,6,8,10\)、\(y=25,15,20,10,5\) であった(月の順は対応している)。相関係数 \(r\) を求め、この結果からどのようなことが言えそうか、最も適切なものを次から選べ:1.点検回数を増やすと必ず故障がゼロになる/2.点検回数が多い月ほど故障件数が少ない傾向がある/3.点検回数と故障件数には関係がない

\(r=\)  適切な記述の番号
解説を見る
計算方法は練習問題14とまったく同じ(数値も同じ)。 \(\bar{x}=6\)、\(\bar{y}=15\) \(x-\bar{x}\):\(-4,-2,0,2,4\) \(y-\bar{y}\):\(10,0,5,-5,-10\) 積:\(-40,0,0,-10,-40\) 合計 \(-90\) \(S_{xy}=-90\div5=-18\) \(S_x=\sqrt{8}=2\sqrt2\)、\(S_y=\sqrt{50}=5\sqrt2\) \(r=\dfrac{-18}{2\sqrt2\times5\sqrt2}=\dfrac{-18}{20}=-0.9\) 記述1は「必ず」「ゼロになる」が言い過ぎ(相関は全体の傾向であって、因果関係を保証するものでも、個々のケースを断定するものでもない)。記述3は相関があるのに「関係がない」としており誤り。記述2は「傾向がある」という相関の性質に沿った、控えめで正確な表現なので適切。 \(r=-0.9\)、適切な記述は2
応5
相関係数の性質・総合

ある会社で社員50人について、残業時間 \(x\) と仕事の満足度アンケートの点数 \(y\) を調べたところ、相関係数は \(r=-0.75\) だった。次の記述のうち、この結果から確実に言えることを全て選び、番号を小さい順にコンマ区切りで答えよ。
1.残業時間を減らせば満足度は必ず上がる(因果関係が証明された)
2.残業時間と満足度の間には、線形的に見て負の傾向がある
3.残業時間が多い社員は、全員例外なく満足度が低い
4.この \(r=-0.75\) という値は、相関係数として妥当な範囲におさまっている

正しい記述の番号
解説を見る
1は誤り:相関があるからといって因果関係が証明されたことにはならない(STEP3・性質4)。残業時間と満足度の両方に影響する別の要因(例えば職場の人間関係など)がある可能性もある。 2は正しい:相関係数が負であることは、\(x\) が増えると \(y\) が減るという線形的な傾向があることをそのまま意味する。 3は誤り:相関はデータ全体の傾向を表すものであり、「全員例外なく」のように個々の社員すべてに当てはまることを保証するものではない(外れ値も存在しうる)。 4は正しい:相関係数は必ず \(-1\le r\le1\) の範囲におさまる(STEP3・性質1)。\(-0.75\) はこの範囲内なので妥当な値である。 正しい記述は2, 4