ベクトルとは?
これまで扱ってきた数(長さ・時間・温度など)は「大きさ」だけを持つ量だった。それに対してベクトルは「大きさ」と「向き」の両方を持つ量。矢印で表すのがいちばんイメージしやすい。
点Aから点Bへ向かう矢印を \(\overrightarrow{AB}\) と書く。Aを始点、Bを終点といい、矢印の長さが大きさ \(|\overrightarrow{AB}|\)、矢印の向きが方向を表す。文字1つで表すときは \(\vec{a}\) のように書く。
逆ベクトル 大きさが同じで向きが正反対のベクトル。\(\overrightarrow{AB}\) の逆ベクトルは \(\overrightarrow{BA}\) で、\(\overrightarrow{BA}=-\overrightarrow{AB}\) と書く。
零ベクトル 大きさが \(0\) のベクトル。始点と終点が一致した状態で、\(\vec{0}\) と書く(向きは考えない)。
例題 四角形ABCDが平行四辺形であるとき、次の問いに答えよ。
(1) \(\overrightarrow{AB}\) と大きさ・向きがともに等しいベクトルを、A〜Dの文字を使って表せ。
(2) \(\overrightarrow{AB}\) の逆ベクトルを、A〜Dの文字を使って2通り表せ。
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ベクトルの和・差・実数倍
ベクトルどうしの計算は、ふつうの数の計算とは少し感覚が違う。「矢印をつなげる」「引き算は逆向きを足す」というイメージをつかもう。
和(たし算)
\(\vec{a}+\vec{b}\) は、\(\vec{a}\) の終点に \(\vec{b}\) の始点をつなげたときの「始点から終点まで」の矢印。三角形の形になるので三角形の法則とも呼ぶ:\(\overrightarrow{AB}+\overrightarrow{BC}=\overrightarrow{AC}\)。
同じ始点からの2本のベクトルなら、平行四辺形の対角線として和が求まる(平行四辺形の法則)。
差(ひき算)
\(\vec{a}-\vec{b}\) は \(\vec{a}+(-\vec{b})\) と考える。図でいうと、\(\vec{b}\) の終点から \(\vec{a}\) の終点へ向かう矢印が \(\vec{a}-\vec{b}\) にあたる(同じ始点から出た2本の矢印の「先端どうし」を結ぶ)。
実数倍
実数 \(k\) を使った \(k\vec{a}\) は、\(k \gt 0\) なら \(\vec{a}\) と同じ向きで大きさが \(k\) 倍、\(k \lt 0\) なら \(\vec{a}\) と逆向きで大きさが \(|k|\) 倍。\(k=0\) なら \(\vec{0}\)。
例題1 \(\overrightarrow{AB}+\overrightarrow{BC}\) を1つのベクトルで表せ。
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例題2 \(\overrightarrow{OA}=\vec{a}\)、\(\overrightarrow{OB}=\vec{b}\) とするとき、\(\overrightarrow{AB}\) を \(\vec{a},\ \vec{b}\) を用いて表せ。
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成分表示
ベクトルを座標平面上で「始点を原点にそろえた終点の座標」として扱うと、計算がぐっと楽になる。これが成分表示。
\(\vec{a}=(x,\ y)\) と書くと、\(x\) をx成分、\(y\) をy成分という。成分どうしなら、和・差・実数倍はそのまま数の計算でOK。
和・差:\(\vec{a}\pm\vec{b}=(a_1\pm b_1,\ a_2\pm b_2)\) 実数倍:\(k\vec{a}=(ka_1,\ ka_2)\)
大きさ:\(|\vec{a}|=\sqrt{a_1^2+a_2^2}\)(原点からの距離の公式と同じ考え方)
例題1 \(\vec{a}=(3,\ -1)\)、\(\vec{b}=(-2,\ 4)\) のとき、\(2\vec{a}+\vec{b}\) を求めよ。
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例題2 \(\vec{a}=(2,\ 2)\) の大きさを求めよ。
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平行条件とベクトルの分解
2つのベクトルが平行かどうかを見抜く方法と、1つのベクトルを2つの基準ベクトルの組み合わせで表す「分解」を学ぶ。
平行条件
\(\vec{a}\ne\vec{0}\) のとき、\(\vec{b}\) が \(\vec{a}\) と平行(向きが同じか、または正反対)であることは、ある実数 \(k\) を使って \(\vec{b}=k\vec{a}\) と表せることと同じ。成分で書くと、\(\vec{a}=(a_1,a_2)\)、\(\vec{b}=(b_1,b_2)\) が平行であるための条件は
ベクトルの分解
平面上で、\(\vec{0}\) でなく互いに平行でもない2つのベクトル \(\vec{b},\ \vec{c}\) を用意すると、どんなベクトル \(\vec{a}\) も
成分がわかっていれば、x成分どうし・y成分どうしをそれぞれ等式にして連立方程式を解けば \(s,\ t\) が求まる。
例題1 \(\vec{a}=(2,\ -3)\)、\(\vec{b}=(-4,\ 6)\) は平行であるか調べよ。
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例題2 \(\vec{a}=(1,\ 1)\)、\(\vec{b}=(1,\ -1)\)、\(\vec{c}=(5,\ 1)\) のとき、\(\vec{c}=s\vec{a}+t\vec{b}\) を満たす \(s,\ t\) の値を求めよ。
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答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「2/3」のように、√は「√5」または「sqrt5」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。
\(\vec{a}=(3,\ -2)\)、\(\vec{b}=(-1,\ 5)\) のとき、\(\vec{a}+\vec{b}\) を成分で求めよ。
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\(\vec{a}=(4,\ 1)\)、\(\vec{b}=(2,\ 5)\) のとき、\(\vec{a}-\vec{b}\) を成分で求めよ。
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\(\vec{a}=(-3,\ 2)\) のとき、\(3\vec{a}\) を成分で求めよ。
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\(\vec{a}=(3,\ 4)\) の大きさ \(|\vec{a}|\) を求めよ。
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\(\vec{a}=(1,\ 2)\) の大きさ \(|\vec{a}|\) を求めよ。
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\(\vec{a}=(2,\ -1)\)、\(\vec{b}=(-3,\ 4)\) のとき、\(2\vec{a}-\vec{b}\) を成分で求めよ。
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\(\vec{a}=\overrightarrow{AB}\)、A\((1,\ 2)\)、B\((4,\ -1)\) のとき、\(\vec{a}\) と \(-\vec{a}\) をそれぞれ成分で表せ。
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\(\vec{a}=(-2,\ -3)\) の大きさ \(|\vec{a}|\) を求めよ。
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\(\vec{a}=(2,\ 3)\)、\(\vec{b}=(6,\ 9)\) は平行である。\(\vec{b}=k\vec{a}\) を満たす実数 \(k\) を求めよ。
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\(\vec{a}=(2,\ 3)\)、\(\vec{b}=(x,\ 6)\) が平行であるとき、\(x\) の値を求めよ。
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\(\vec{a}=(1,\ 2)\)、\(\vec{b}=(3,\ 1)\)、\(\vec{c}=(11,\ 7)\) のとき、\(\vec{c}=s\vec{a}+t\vec{b}\) を満たす \(s,\ t\) の値を求めよ。
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\(\vec{a}=(5,\ -12)\) の大きさ \(|\vec{a}|\) を求めよ。
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\(\vec{a}=(4,\ -3)\)、\(\vec{b}=(-2,\ 5)\) のとき、\(2\vec{a}-3\vec{b}\) を成分で求めよ。
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\(\vec{a}=(x,\ 4)\)、\(\vec{b}=(3,\ y)\) が \(\vec{a}=2\vec{b}\) を満たすとき、\(x,\ y\) の値を求めよ。
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\(\vec{a}=(x,\ 4)\) の大きさが \(5\) であるとき、\(x\) の値を求めよ。ただし \(x \gt 0\) とする。
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\(\vec{a}=(3,\ 4)\) と同じ向きで平行、かつ大きさが \(15\) であるベクトル \(\vec{b}\) を成分で求めよ。
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\(\vec{a}=(-4,\ 6)\)、\(\vec{b}=(6,\ -9)\) は平行である。\(\vec{b}=k\vec{a}\) を満たす実数 \(k\) を求めよ。
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\(\vec{a}=(2,\ 4)\)、\(\vec{b}=(1,\ -3)\)、\(\vec{c}=(2,\ 9)\) のとき、\(\vec{c}=s\vec{a}+t\vec{b}\) を満たす \(s,\ t\) の値を求めよ。
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ここから先はPDF限定の腕試し。入試の基礎レベルに挑戦しよう。
\(\vec{a}=(3,\ -4)\) と同じ向きの単位ベクトル(大きさ1のベクトル)を成分で求めよ。
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\(\vec{a}=(x,\ 2)\)、\(\vec{b}=(3,\ x-1)\) が平行であるとき、\(x\) の値をすべて求めよ。(コンマ区切りで入力)
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点Pは線分AB上にあり、\(\overrightarrow{AP}=\dfrac{1}{3}\overrightarrow{AB}\) を満たす。\(\overrightarrow{OA}=\vec{a}\)、\(\overrightarrow{OB}=\vec{b}\) とするとき、\(\overrightarrow{OP}=s\vec{a}+t\vec{b}\) と表される。\(s,\ t\) の値を求めよ。
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\(\vec{a},\ \vec{b}\) はともに \(\vec{0}\) でなく、互いに平行でないとする。\((s-2)\vec{a}=(1-2t)\vec{b}\) を満たす実数 \(s,\ t\) の値を求めよ。
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点Qは \(\overrightarrow{AQ}=\dfrac{3}{2}\overrightarrow{AB}\) を満たす点である(QはABの延長上にある)。\(\overrightarrow{OA}=\vec{a}\)、\(\overrightarrow{OB}=\vec{b}\) とするとき、\(\overrightarrow{OQ}=s\vec{a}+t\vec{b}\) と表される。\(s,\ t\) の値を求めよ。