STEP 1

数列の基本用語

数を一定の順序で並べたものを「数列」という。数列の中の1つ1つの数を「項」と呼び、前から順に第1項、第2項、第3項、…という。最初の項を「初項」、項の個数を「項数」、最後の項があるときはそれを「末項」という。

一般項 第 \(n\) 項を \(n\) の式で表したものを「一般項」といい、記号 \(a_n\) で表す。\(a_n\) の \(n\) に \(1,2,3,\ldots\) を代入すると、第1項 \(a_1\)、第2項 \(a_2\)、…がすべて求まる。
たとえば \(a_n = 3n-1\) という一般項なら、\(a_1=2,\ a_2=5,\ a_3=8,\ \ldots\) という数列になる。
STEP 2

等差数列の一般項

隣り合う項の差がつねに一定である数列を「等差数列」といい、その一定の差を「公差」という(記号 \(d\))。初項を \(a\)、公差を \(d\) とすると、項は1つ進むごとに \(d\) ずつ増えていく。

\(a_1 = a\)
\(a_2 = a+d\)
\(a_3 = a+2d\)
\(\vdots\)
\(a_n = a+(n-1)d\)(等差数列の一般項)

例題1 初項3、公差4の等差数列の一般項 \(a_n\) を求め、第10項を求めよ。

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\(a_n = 3+(n-1)\times4 = 4n-1\) \(a_{10} = 4\times10-1=39\) 一般項 \(a_n=4n-1\)、第10項は \(39\)

例題2 ある等差数列で、\(a_4=13,\ a_5=19\) のとき、公差 \(d\)・初項 \(a_1\)・一般項 \(a_n\) を求めよ。

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公差は隣り合う項の差なので \(d = a_5-a_4 = 19-13=6\)。 初項は、そこから3つ前に戻って \(a_1 = a_4-3d = 13-18=-5\)。 \(a_n = -5+(n-1)\times6 = 6n-11\) \(d=6,\ a_1=-5,\ a_n=6n-11\)
STEP 3

等差数列の和

初項から第 \(n\) 項までの和 \(S_n\) を求める公式を導いてみよう。天才数学者ガウスが子供のころ、1から100までの和を求める課題を出されたとき、\((1+100)+(2+99)+\cdots+(50+51)=101\times50=5050\) のように両端をペアにして一瞬で答えたという逸話が有名だ。この「両端をペアにする」考え方が、等差数列の和の公式のもとになっている。

\(S_n\) を1回はそのまま、もう1回は逆順に並べて、上下を足し合わせる。
\(S_n = a_1+a_2+\cdots+a_{n-1}+a_n\)
\(S_n = a_n+a_{n-1}+\cdots+a_2+a_1\)(逆順)
上下をたてに足すと、どの組も和は \(a_1+a_n\) で一定になり、それが \(n\) 組できるので
\(2S_n = n(a_1+a_n)\)
\(S_n = \dfrac{n(a_1+a_n)}{2} = \dfrac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}\)

例題 初項2、公差5の等差数列について、初項から第15項までの和 \(S_{15}\) を求めよ。

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\(a_n=2+(n-1)\times5=5n-3\) \(a_{15}=5\times15-3=72\) \(S_{15}=\dfrac{15(a_1+a_{15})}{2}=\dfrac{15(2+72)}{2}=\dfrac{15\times74}{2}=555\) \(S_{15}=555\)
STEP 4

和の最大値(項が正の間だけ足す)

公差が負の数である等差数列は、項がだんだん小さくなり、やがて0を割ってマイナスになる。マイナスの項まで足すと合計はそこから減っていくので、\(S_n\) が最大になるのは「項が正である間だけ足したとき」。つまり \(a_n \ge 0\) を満たす最後の \(n\) まで足せばよい。

考え方は2通りある(答えは一致する)。
方法1 \(a_n \ge 0\) を満たす最大の自然数 \(n\) を求める(不等式を解く)。
方法2 \(S_n\) を \(n\) の2次式とみて平方完成し、頂点にいちばん近い自然数 \(n\) を求める(数I 2次関数の最大値・最小値と同じ考え方)。

例題 初項50、公差\(-3\)の等差数列について、初項から第 \(n\) 項までの和 \(S_n\) が最大になるときの \(n\) と、その最大値を求めよ。

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【方法1】\(a_n=50+(n-1)\times(-3)=53-3n\) \(a_n \ge 0\) を解くと \(53-3n\ge0\) より \(n\le\dfrac{53}{3}=17.66\ldots\) \(n\) は自然数なので \(n=17\) が \(a_n\ge0\) となる最後の項(\(a_{17}=2\) は正、\(a_{18}=-1\) は負)。 【方法2(検算)】\(S_n=\dfrac{n\{2\times50+(n-1)\times(-3)\}}{2}=\dfrac{n(103-3n)}{2}=-\dfrac{3}{2}n^2+\dfrac{103}{2}n\) 頂点の \(n\) 座標は \(n=\dfrac{103/2}{3}=\dfrac{103}{6}\approx17.17\)。最も近い自然数は \(n=17\)(方法1と一致)。 \(S_{17}=\dfrac{17\{2\times50+16\times(-3)\}}{2}=\dfrac{17(100-48)}{2}=\dfrac{17\times52}{2}=17\times26=442\) \(n=17\) のとき最大値 \(442\)
練習問題(全18問)

答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「-1/2」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜7)
1
公差を求める

数列 \(6,\ 10,\ 14,\ 18,\ \ldots\) は等差数列である。公差 \(d\) を求めよ。

\(d=\)
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隣り合う項の差を計算する。\(10-6=4,\ 14-10=4,\ 18-14=4\) \(d=4\)
2
特定項を求める

初項\(-2\)、公差5の等差数列の第6項を求めよ。

\(a_6=\)
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\(a_n=-2+(n-1)\times5\) \(a_6=-2+5\times5=-2+25=23\) \(a_6=23\)
3
一般項の式から特定項

一般項が \(a_n=4n-7\) で表される等差数列の第9項を求めよ。

\(a_9=\)
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\(a_9=4\times9-7=36-7=29\) \(a_9=29\)
4
公差(隣接2項から)

ある等差数列で \(a_4=13,\ a_5=19\) のとき、公差 \(d\) を求めよ。

\(d=\)
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\(d=a_5-a_4=19-13=6\) \(d=6\)
5
和の値(基本)

初項3、公差2の等差数列について、初項から第12項までの和を求めよ。

\(S_{12}=\)
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\(a_n=3+(n-1)\times2=2n+1\) \(a_{12}=2\times12+1=25\) \(S_{12}=\dfrac{12(a_1+a_{12})}{2}=\dfrac{12(3+25)}{2}=6\times28=168\) \(S_{12}=168\)
6
和の値(初項・末項・項数から)

初項7、末項67、項数16の等差数列の和を求めよ。

\(S=\)
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\(S=\dfrac{n(a_1+a_n)}{2}=\dfrac{16(7+67)}{2}=8\times74=592\) \(S=592\)
7
特定項(公差が負)

初項30、公差\(-4\)の等差数列の第11項を求めよ。

\(a_{11}=\)
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\(a_n=30+(n-1)\times(-4)\) \(a_{11}=30-4\times10=30-40=-10\) \(a_{11}=-10\)
標準(8〜14) ※パターンは自分で判定
8

初項5、公差\(-3\)の等差数列の一般項を整理すると \(a_n=pn+q\) の形になる。\(p,\ q\) の値を求めよ。

\(p=\)  \(q=\)
解説を見る
\(a_n=5+(n-1)\times(-3)=5-3n+3=8-3n=-3n+8\) \(p=-3,\ q=8\)
9

ある等差数列で \(a_3=11,\ a_7=23\) のとき、初項 \(a_1\) と公差 \(d\) を求めよ。

\(a_1=\)  \(d=\)
解説を見る
\(a_7-a_3=4d=23-11=12\) より \(d=3\) \(a_1=a_3-2d=11-6=5\) \(a_1=5,\ d=3\)
10

ある等差数列で \(a_4=2,\ a_{10}=20\) のとき、公差 \(d\) と初項 \(a_1\) を求めよ。

\(d=\)  \(a_1=\)
解説を見る
\(a_{10}-a_4=6d=20-2=18\) より \(d=3\) \(a_1=a_4-3d=2-9=-7\) \(d=3,\ a_1=-7\)
11

初項2、公差3の等差数列について、初項から第 \(n\) 項までの和が155であるとき、\(n\) の値を求めよ。

\(n=\)
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\(S_n=\dfrac{n\{2\times2+(n-1)\times3\}}{2}=\dfrac{n(3n+1)}{2}\) \(\dfrac{n(3n+1)}{2}=155\) より \(3n^2+n-310=0\) 判別式は \(1+3720=3721=61^2\) なので \(n=\dfrac{-1+61}{6}=10\)(\(n\)は自然数なので負の解は除く) \(n=10\)
12

公差が3で、初項から第20項までの和が650である等差数列の初項 \(a_1\) を求めよ。

\(a_1=\)
解説を見る
\(S_{20}=\dfrac{20(2a_1+19\times3)}{2}=10(2a_1+57)=650\) \(2a_1+57=65\) より \(2a_1=8,\ a_1=4\) \(a_1=4\)
13

数列 \(7,\ 11,\ 15,\ \ldots,\ 99\) は等差数列である。この数列の項数を求めよ。

項数
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公差 \(d=11-7=4\)、\(a_n=7+(n-1)\times4=4n+3\) 末項99について \(4n+3=99\) より \(4n=96,\ n=24\) 項数は \(24\)
14

数列 \(7,\ 11,\ 15,\ \ldots,\ 99\)(項数24)の和を求めよ。

\(S=\)
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\(S=\dfrac{n(a_1+a_n)}{2}=\dfrac{24(7+99)}{2}=12\times106=1272\) \(S=1272\)
挑戦(15〜18)
15
連立(項と和の2条件から)

ある等差数列で、第3項が8、初項から第6項までの和が57であるとき、初項 \(a_1\) と公差 \(d\) を求めよ。

\(a_1=\)  \(d=\)
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条件1:\(a_3=a_1+2d=8\) 条件2:\(S_6=\dfrac{6(2a_1+5d)}{2}=3(2a_1+5d)=57\) より \(2a_1+5d=19\) 条件1より \(a_1=8-2d\)。条件2に代入すると \(2(8-2d)+5d=19 \Rightarrow 16-4d+5d=19 \Rightarrow 16+d=19 \Rightarrow d=3\) \(a_1=8-2\times3=2\) \(a_1=2,\ d=3\)
16
連立から一般項の係数

ある等差数列で \(a_5=1,\ a_9=-11\) のとき、一般項を整理した \(a_n=pn+q\) の \(p,\ q\) の値を求めよ。

\(p=\)  \(q=\)
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\(d=\dfrac{a_9-a_5}{9-5}=\dfrac{-11-1}{4}=-3\) \(a_1=a_5-4d=1-4\times(-3)=1+12=13\) \(a_n=13+(n-1)\times(-3)=13-3n+3=16-3n=-3n+16\) \(p=-3,\ q=16\)
17
Snをnの2次式で表す

初項\(-5\)、公差4の等差数列について、初項から第 \(n\) 項までの和 \(S_n\) を整理すると \(S_n=an^2+bn\) の形になる。\(a,\ b\) の値を求めよ。

\(a=\)  \(b=\)
解説を見る
\(S_n=\dfrac{n\{2\times(-5)+(n-1)\times4\}}{2}=\dfrac{n(-10+4n-4)}{2}=\dfrac{n(4n-14)}{2}=2n^2-7n\) \(a=2,\ b=-7\)
18
連立(2つの和の差から)

ある等差数列で、初項から第10項までの和が210、初項から第5項までの和が55であるとき、初項 \(a_1\) と公差 \(d\) を求めよ。

\(a_1=\)  \(d=\)
解説を見る
\(S_{10}=\dfrac{10(2a_1+9d)}{2}=5(2a_1+9d)=210\) より \(2a_1+9d=42\) \(S_5=\dfrac{5(2a_1+4d)}{2}=55\) より \(2a_1+4d=22\) 上の式から下の式を引くと \(5d=20\) より \(d=4\) \(2a_1+4\times4=22\) より \(2a_1=6,\ a_1=3\) \(a_1=3,\ d=4\)
応用問題(プリント限定)

ここから先はPDF限定の腕試し。3数が等差数列をなす条件や、和が最大になるnの応用、調和数列の入り口まで、入試の基礎レベルに挑戦しよう。

応1
3数が等差数列をなす

3つの数 \(x-1,\ 2x+1,\ 4x-5\) がこの順に等差数列をなすとき、\(x\) の値を求めよ。

\(x=\)
解説を見る
3数が等差数列をなす条件は「まん中の数の2倍=両端の和」(隣り合う差が等しいという条件を式にするとこの形になる)。 \(2(2x+1)=(x-1)+(4x-5)\) \(4x+2=5x-6\) \(x=8\) (確かめ:\(x=8\) のとき3数は \(7,\ 17,\ 27\)。公差はどちらも10で等差数列になっている) \(x=8\)
応2
和が最大になるn(基本形)

初項50、公差\(-4\)の等差数列について、初項から第 \(n\) 項までの和が最大になるときの \(n\) と、その最大値を求めよ。

\(n=\)  最大値
解説を見る
\(a_n=50+(n-1)\times(-4)=54-4n\) \(a_n\ge0\) を解くと \(54-4n\ge0\) より \(n\le13.5\)。\(n\)は自然数なので \(n=13\)(\(a_{13}=2\)は正、\(a_{14}=-2\)は負)。 \(S_{13}=\dfrac{13\{2\times50+12\times(-4)\}}{2}=\dfrac{13(100-48)}{2}=\dfrac{13\times52}{2}=13\times26=338\) \(n=13\) のとき最大値 \(338\)
応3
一般項が先に与えられた形

ある等差数列の一般項が \(a_n=45-6n\) で表される。この数列の初項から第 \(n\) 項までの和が最大になるときの \(n\) と、その最大値を求めよ。

\(n=\)  最大値
解説を見る
初項は \(a_1=45-6\times1=39\)、公差は\(a_n\)の\(n\)の係数から \(d=-6\)。 \(a_n\ge0\) を解くと \(45-6n\ge0\) より \(n\le7.5\)。\(n\)は自然数なので \(n=7\)(\(a_7=3\)は正、\(a_8=-3\)は負)。 \(S_7=\dfrac{7(a_1+a_7)}{2}=\dfrac{7(39+3)}{2}=\dfrac{7\times42}{2}=7\times21=147\) \(n=7\) のとき最大値 \(147\)
応4
等差×調和数列の入り口

数列 \(\dfrac{1}{2},\ \dfrac{1}{5},\ \dfrac{1}{8},\ \dfrac{1}{11},\ \ldots\) は、各項の逆数をとった数列が等差数列になっている(このような数列を「調和数列」という)。逆数の数列の公差を求め、さらにもとの数列の第6項を求めよ。

逆数の数列の公差  もとの数列の第6項
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各項の逆数をとると \(2,\ 5,\ 8,\ 11,\ \ldots\) となり、これは初項2、公差3の等差数列である。 逆数の数列の一般項は \(b_n=2+(n-1)\times3=3n-1\)。 もとの数列の第6項は、逆数の数列の第6項 \(b_6=3\times6-1=17\) の逆数なので \(a_6=\dfrac{1}{17}\)。 逆数の数列の公差は \(3\)、もとの数列の第6項は \(\dfrac{1}{17}\)
応5
連立+和の最大(総合)

ある等差数列で \(a_5=7,\ a_{10}=-8\) のとき、この数列の初項から第 \(n\) 項までの和が最大になるときの \(n\) と、その最大値を求めよ。

\(n=\)  最大値
解説を見る
まず公差と初項を求める。 \(d=\dfrac{a_{10}-a_5}{10-5}=\dfrac{-8-7}{5}=-3\) \(a_1=a_5-4d=7-4\times(-3)=7+12=19\) \(a_n=19+(n-1)\times(-3)=22-3n\) \(a_n\ge0\) を解くと \(22-3n\ge0\) より \(n\le\dfrac{22}{3}=7.33\ldots\)。\(n\)は自然数なので \(n=7\)(\(a_7=1\)は正、\(a_8=-2\)は負)。 \(S_7=\dfrac{7\{2\times19+6\times(-3)\}}{2}=\dfrac{7(38-18)}{2}=\dfrac{7\times20}{2}=70\) \(n=7\) のとき最大値 \(70\)