条件付き確率ってなに?
「Aが起こったとわかっているという条件のもとで、Bが起こる確率」を条件付き確率といい、\(P_A(B)\) と書く。ポイントは、全事象を最初から数え直すのではなく、Aが起こった、という前提でAの中だけを新しい母集団と見て、その中でBが起こる割合を求めるということ。
\[ P_A(B) = \dfrac{n(A \cap B)}{n(A)} = \dfrac{P(A \cap B)}{P(A)} \]個数の比(\(n(A\cap B)/n(A)\))で求めても、確率の比(\(P(A\cap B)/P(A)\))で求めても同じ答えになる。表が与えられているときは個数のまま計算するのがラクなことが多い。
具体例で確認しよう。ある学年40人にアンケートをとり、スマホを持っているか(A)/持っていないか(\(\overline{A}\))と、SNSを利用しているか(B)/していないか(\(\overline{B}\))を調べた。
| SNS利用あり(B) | SNS利用なし(\(\overline{B}\)) | 計 | |
|---|---|---|---|
| スマホあり(A) | 21 | 9 | 30 |
| スマホなし(\(\overline{A}\)) | 3 | 7 | 10 |
| 計 | 24 | 16 | 40 |
例題1 この40人の中からランダムに1人を選ぶ。その人が「スマホを持っている(A)」とわかったとき、その人が「SNSを利用している(B)」確率 \(P_A(B)\) を求めよ。
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乗法定理
条件付き確率の定義式 \(P_A(B) = \dfrac{P(A\cap B)}{P(A)}\) の両辺に \(P(A)\) をかけると、次の式(乗法定理)が得られる。「AとBがともに起こる確率」は「Aが起こる確率」×「Aが起こったときにBが起こる条件付き確率」で求まる、という意味。
\[ P(A \cap B) = P(A) \times P_A(B) \]例題2 当たりくじ3本、はずれくじ7本の合計10本の中から、順に2本を続けて引く(引いたくじは戻さない)。1本目・2本目とも当たりを引く確率を求めよ。
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くじ引きの公平性
「くじは先に引いても後に引いても、当たる確率は同じ」と聞いたことがあるだろう。直感的には納得しづらいかもしれないが、乗法定理を使えばきちんと証明できる。当たり3本・はずれ7本、合計10本のくじで確かめてみよう。
例題3 当たり3本、はずれ7本の合計10本のくじから順に2本引くとき、2本目が当たりである確率を求めよ。
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原因の確率(結果からさかのぼる)
ここまでは「Aが起こった前提でBの確率」を考えてきたが、逆に「結果Bがわかったときに、原因Aだった確率」\(P_B(A)\) を求める問題もある。考え方は同じで、Bという新しい母集団の中でAの割合を求めればよい。病気の検査を例に見てみよう。
\[ P_B(A) = \dfrac{n(A \cap B)}{n(B)} \]ある検査を受けた200人のうち、実際に病気にかかっている人(A)は20人、かかっていない人(\(\overline{A}\))は180人だった。この検査は、病気の人が正しく陽性(B)と判定される割合(感度)が90%、健康な人が誤って陽性と判定されてしまう割合(偽陽性率)が5%とわかっている。これを表に整理する。
| 陽性(B) | 陰性(\(\overline{B}\)) | 計 | |
|---|---|---|---|
| 病気(A) | 18 | 2 | 20 |
| 健康(\(\overline{A}\)) | 9 | 171 | 180 |
| 計 | 27 | 173 | 200 |
例題4 この検査で陽性と判定された人の中で、実際に病気にかかっている確率 \(P_B(A)\) を求めよ。
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答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。分数は「3/10」のように入力。
わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。
ある学年36人に、運動部に所属しているか(A)/文化部に所属しているか(\(\overline{A}\))と、兄弟がいるか(B)/いないか(\(\overline{B}\))を調べたところ、次の表のようになった。
| 兄弟あり(B) | 兄弟なし(\(\overline{B}\)) | 計 | |
|---|---|---|---|
| 運動部(A) | 14 | 6 | 20 |
| 文化部(\(\overline{A}\)) | 4 | 12 | 16 |
| 計 | 18 | 18 | 36 |
運動部の生徒の中から1人選ぶとき、その生徒に兄弟がいる確率 \(P_A(B)\) を求めよ。
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問題1の表を使う。文化部の生徒の中から1人選ぶとき、その生徒に兄弟がいる確率 \(P_{\overline{A}}(B)\) を求めよ。
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問題1の表を使う。学年36人の中からランダムに1人選ぶとき、その生徒が運動部に所属していて、かつ兄弟がいる確率 \(P(A\cap B)\) を求めよ。
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\(P(A) = 0.4\)、\(P(A\cap B) = 0.12\) のとき、条件付き確率 \(P_A(B)\) を求めよ。
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\(P(A) = \dfrac{1}{2}\)、\(P_A(B) = \dfrac{2}{5}\) のとき、\(P(A\cap B)\) を求めよ。
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当たりくじ2本、はずれくじ8本の合計10本の中から、順に2本を続けて引く(戻さない)。1本目が当たりだったとき、2本目も当たりを引く条件付き確率を求めよ。
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赤玉4個、白玉2個の合計6個が入った袋から、続けて2個を順に取り出す(戻さない)。1個目が赤玉だったとき、2個目も赤玉である確率を求めよ。
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問題7と同じ袋(赤玉4個、白玉2個)から続けて2個を順に取り出すとき、1個目・2個目とも赤玉である確率を求めよ。
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当たりくじ2本、はずれくじ8本の合計10本のくじから順に2本引くとき、2本目が当たりである確率を求めよ。
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52枚のトランプから1枚引いたところ、それはハートだった。この1枚が絵札(J、Q、K)である確率を求めよ。
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\(P(A\cap B) = \dfrac{1}{6}\)、\(P_A(B) = \dfrac{1}{3}\) のとき、\(P(A)\) を求めよ。
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ある学年40人に音楽部に所属しているか(A)/していないか(\(\overline{A}\))と、聴力テストに合格したか(B)/不合格だったか(\(\overline{B}\))を調べたところ、次の表のようになった。
| 合格(B) | 不合格(\(\overline{B}\)) | 計 | |
|---|---|---|---|
| 音楽部(A) | 12 | 3 | 15 |
| 非所属(\(\overline{A}\)) | 10 | 15 | 25 |
| 計 | 22 | 18 | 40 |
音楽部の生徒の中から1人選ぶとき、その生徒が聴力テストに合格している確率 \(P_A(B)\) を求めよ。
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ある工場では、製品を機械Aと機械Bの2台で作っている。全製品のうち機械Aが60%、機械Bが40%を生産している。機械Aで作った製品の不良品率は2%、機械Bで作った製品の不良品率は5%である。この工場の製品からランダムに1個選んだところ不良品だった。この製品が機械Aで作られたものである確率を求めよ。(製品1000個として表を作って考えるとよい)
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当たりくじ3本、はずれくじ7本の合計10本の中から、続けて3本を順に引く(戻さない)。1本目・2本目がともに当たりだったとき、3本目も当たりを引く確率を求めよ。
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問題14と同じくじ(当たり3本、はずれ7本、合計10本)から続けて3本を順に引くとき、1本目・2本目・3本目のすべてが当たりである確率を求めよ。
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あるウイルスの検査を考える。感染している人(A)は全体の5%、感染していない人(\(\overline{A}\))は95%である。感染している人が検査で陽性(B)となる確率(感度)は96%、感染していない人が誤って陽性となってしまう確率(偽陽性率)は8%である。検査を受けた人が陽性だったとき、その人が実際に感染している確率を求めよ。(1000人として表を作って考えるとよい)
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ここから先はPDF限定の腕試し。検査の的中率・3つの箱・乗法定理の連鎖など、入試の基礎レベルに挑戦しよう。
ある検査を受けた500人について、感染しているか(A)/していないか(\(\overline{A}\))と、検査結果が陽性か(B)/陰性か(\(\overline{B}\))を調べたところ、次の表のようになった。検査結果が陰性だった人の中で、実は感染していた(見落とされていた)確率を求めよ。
| 陽性(B) | 陰性(\(\overline{B}\)) | 計 | |
|---|---|---|---|
| 感染(A) | 35 | 5 | 40 |
| 非感染(\(\overline{A}\)) | 420 | 40 | 460 |
| 計 | 455 | 45 | 500 |
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あるウイルスの有病率(感染している人の割合)は1%である。検査の感度(感染者が正しく陽性となる確率)は90%、偽陽性率(非感染者が誤って陽性となる確率)は10%である。この検査で陽性と判定された人が、実際に感染している確率を求めよ。(1000人として表を作って考えるとよい)
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箱A、箱B、箱Cがあり、どの箱を選ぶ確率も同じ \(\dfrac{1}{3}\) とする。箱Aには赤玉2個・白玉3個(計5個)、箱Bには赤玉4個・白玉1個(計5個)、箱Cには赤玉1個・白玉4個(計5個)が入っている。3つの箱から1つをランダムに選び、その箱から玉を1個取り出したところ赤玉だった。この赤玉が箱Aから取り出された確率を求めよ。
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赤玉4個、白玉3個、青玉3個の合計10個が入った袋から、玉を1個ずつ戻さずに続けて3個取り出す。1個目が赤玉、2個目が白玉、3個目が赤玉である確率を求めよ。
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当たりくじ4本、はずれくじ6本の合計10本の中から、続けて4本を順に引く(戻さない)。1本目・2本目・3本目がすべて当たりだったとき、4本目も当たりを引く確率を求めよ。