STEP 1

集合と要素、部分集合

「1以上10以下の偶数の集まり」のように、範囲がはっきり決まったものの集まりを集合という。集合に含まれている1つ1つのものを、その集合の要素という。集合は \(A = \{2, 4, 6, 8, 10\}\) のように、要素を \(\{\ \}\) の中にコンマで並べて書く。

要素と集合、集合と集合の関係を表す記号が2つある。この2つは見た目が少し似ているが、意味はまったく違うので最初にしっかり区別しておこう。

\(\in\)(要素と集合の関係)
\(a \in A\) は「\(a\) は集合 \(A\) の要素である」という意味。1つのものが集合に入っているかどうかを表す。

\(\subset\)(集合と集合の関係)
\(A \subset B\) は「\(A\) は \(B\) の部分集合である」という意味。\(A\) の要素が全部 \(B\) にも入っているとき、こう書く。集合どうしの関係を表す。

例題 \(A = \{2, 4, 6, 8, 10\}\)、\(B = \{4, 8\}\) について、次の関係が正しいかどうかを判定せよ。
(1) \(4 \in A\) (2) \(B \subset A\) (3) \(A \subset B\)

解答を見る
(1) \(4\) は \(A\) の要素の1つなので、\(4 \in A\) は正しい。 (2) \(B\) の要素は \(4\) と \(8\)。どちらも \(A\) の中にある(\(4 \in A\)、\(8 \in A\))ので、\(B\) の要素は全部 \(A\) に入っている。よって \(B \subset A\) は正しい。 (3) \(A\) の要素の中には \(2,\ 6,\ 10\) のように \(B\) に入っていないものがある。\(A\) の要素が全部 \(B\) に入っているわけではないので、\(A \subset B\) は誤り。 (1) 正しい (2) 正しい (3) 誤り
注意(よくある間違い) 「\(4\) は \(A\) の中にある」を \(\{4\} \subset A\) と書いても意味は正しいが、\(4 \in A\) と \(\{4\} \subset A\) は同じ内容でも記号としては別物。要素そのもの(\(4\))を主語にするときは \(\in\)、集合(\(\{4\}\))を主語にするときは \(\subset\) を使う。
また、空集合 \(\varnothing\)(要素が1つもない集合)は、どんな集合の部分集合でもある(\(\varnothing \subset A\) は常に正しい)。そして \(A \subset A\) も常に正しい(自分自身も自分の部分集合)。

「部分集合」と言葉で説明されてもピンとこないときは、実際に全部書き出してみるのが一番わかりやすい。\(A = \{1, 2, 3\}\) を例に、部分集合を全部書き出してみよう。

要素0個:\(\varnothing\)
要素1個:\(\{1\},\ \{2\},\ \{3\}\)
要素2個:\(\{1,2\},\ \{1,3\},\ \{2,3\}\)
要素3個:\(\{1,2,3\}\)

要素の個数が少ないものから順に並べて数えると、\(1 + 3 + 3 + 1 = 8\) 個の部分集合がある。

ここで大事なのは、「1つも選ばない」(\(\varnothing\))のも1つの選び方、「全部選ぶ」(\(A\) 自身)のも1つの選び方として数える、という点。だから空集合 \(\varnothing\) も \(A\) 自身も、部分集合の仲間としてちゃんと数に入る。さっき確認した \(\varnothing \subset A\)、\(A \subset A\) は、まさにこの2つのことを言っていたわけだ。

では、この「8個」という数はどうやって求まるのか。書き出した結果を振り返りながら、要素の選び方に注目してみよう。

\(A = \{1, 2, 3\}\) の部分集合を1つ作るには、要素 \(1\) を「入れる」か「入れない」かで2通り、要素 \(2\) も「入れる」か「入れない」かで2通り、要素 \(3\) も同じく2通り。これらを独立に組み合わせるので、全部の作り方は \[2 \times 2 \times 2 = 2^3 = 8\] 通り。これは、さっき実際に書き出した8個の部分集合とぴったり一致する。

一般に、要素が \(n\) 個の集合では、要素それぞれについて「入れる・入れない」の2通りの選び方があるので、部分集合は全部で

\[(要素n個の集合の部分集合の個数)= 2^n\ 個\]

になる。要素が3個なら書き出して数えても8個とすぐわかるが、要素の数が増えて全部書き出すのが大変になったときに、この \(2^n\) の公式が役に立つ。

例題 \(B = \{a,\ b,\ c,\ d\}\) の部分集合は何個あるか。また、要素 \(a\) を必ず含む部分集合は何個あるか。

解答を見る
\(B\) の要素は \(a, b, c, d\) の4個。それぞれについて「入れる・入れない」の2通りずつを独立に組み合わせるので、部分集合の総数は \[2 \times 2 \times 2 \times 2 = 2^4 = 16\] 個(要素0個の \(\varnothing\) から要素4個の \(B\) 自身まで、全部でこの16個の中に含まれている)。 要素 \(a\) を必ず含む部分集合を数えるときは、\(a\) は「入れる」に固定されているので、残りの \(b, c, d\) の3個だけが「入れる・入れない」を自由に選べる。よってその個数は \[2 \times 2 \times 2 = 2^3 = 8\] 個。 部分集合は全部で16個、そのうち \(a\) を必ず含むものは8個
STEP 2

共通部分・和集合・補集合

2つの集合を比べるとき、よく使う3つの言葉がある。共通部分(両方に入っている部分)、和集合(どちらか一方にでも入っている部分)、補集合(全体の中でその集合に入っていない部分)。ベン図(円を使った図)で見ると一目でわかる。

共通部分 \(A \cap B\)(エーかつビー)

\(A\) にも \(B\) にも入っている要素だけを集めたもの。

和集合 \(A \cup B\)(エーまたはビー)

\(A\) と \(B\) を合わせて、どちらか一方にでも入っている要素を集めたもの(同じ要素を2回数えない)。

補集合 \(\overline{A}\)(エーバー)

考えている全体の集合を全体集合 \(U\) という。\(U\) の中で \(A\) に入っていない要素を集めたものが、\(A\) の補集合 \(\overline{A}\)。

例題 \(U = \{1, 2, 3, \ldots, 10\}\) を全体集合とする。\(A = \{1, 2, 3, 4, 5, 6\}\)、\(B = \{4, 5, 6, 7, 8\}\) のとき、次を求めよ。
(1) \(A \cap B\) (2) \(A \cup B\) (3) \(\overline{A}\)

解答を見る
(1) \(A\) と \(B\) の両方に入っている数を探すと \(4,\ 5,\ 6\)。よって \(A \cap B = \{4, 5, 6\}\)。 (2) \(A\) と \(B\) に入っている数を、重複させずに全部集めると \(1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8\)。よって \(A \cup B = \{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8\}\)。 (3) \(U\) の中で \(A\) に入っていない数は \(7, 8, 9, 10\)。よって \(\overline{A} = \{7, 8, 9, 10\}\)。 \(A \cap B = \{4,5,6\}\)、\(A \cup B = \{1,2,3,4,5,6,7,8\}\)、\(\overline{A} = \{7,8,9,10\}\)
STEP 3

ド・モルガンの法則

「和集合の補集合」と「補集合どうしの共通部分」は、実はいつも同じ集合になる。同じように「共通部分の補集合」と「補集合どうしの和集合」も同じになる。これをド・モルガンの法則という。ベン図で塗ってみると、なぜそうなるのか目で見て確かめられる。

\(\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B}\)(和集合の補集合 = 補集合どうしの共通部分)
\(\overline{A \cap B} = \overline{A} \cup \overline{B}\)(共通部分の補集合 = 補集合どうしの和集合)

1つ目の法則を図で確認

図2で色がついている「円の外側」は、「\(A\) にも入らず、\(B\) にも入らない点」の集まりそのもの。これはまさに \(\overline{A} \cap \overline{B}\)(\(A\) の補集合と \(B\) の補集合の共通部分)と同じ領域。だから \(\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B}\) が成り立つ。

2つ目の法則を図で確認

図4の色がついた部分(\(\overline{A}\))と、図5の色がついた部分(\(\overline{B}\))を合わせると、図3で色がついていない部分(\(A \cap B\) の外側全部)とぴったり重なる。つまり \(\overline{A} \cup \overline{B}\) は \(A \cap B\) の外側全部と一致する。だから \(\overline{A \cap B} = \overline{A} \cup \overline{B}\) が成り立つ。

例題 \(U = \{1, 2, \ldots, 10\}\)、\(A = \{1, 2, 3, 4, 5\}\)、\(B = \{4, 5, 6, 7\}\) のとき、\(\overline{A \cup B}\) と \(\overline{A} \cap \overline{B}\) がそれぞれ求まることを確かめ、ド・モルガンの法則を数で確認せよ。

解答を見る
\(A \cup B = \{1,2,3,4,5,6,7\}\)(\(A\) と \(B\) を重複なく合わせる)なので、\(\overline{A \cup B} = U\) から \(A\cup B\) を除いて \(\{8, 9, 10\}\)。 一方、\(\overline{A} = U\) から \(A\) を除いて \(\{6,7,8,9,10\}\)、\(\overline{B} = U\) から \(B\) を除いて \(\{1,2,3,8,9,10\}\)。 この2つの共通部分は、両方に入っている数を探して \(\overline{A} \cap \overline{B} = \{8, 9, 10\}\)。 たしかに \(\overline{A \cup B} = \{8,9,10\}\) と \(\overline{A} \cap \overline{B} = \{8,9,10\}\) は一致する。 \(\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B} = \{8, 9, 10\}\)(ド・モルガンの法則が成り立つことを確認)
STEP 4

集合の要素の個数

集合 \(A\) の要素の個数を \(n(A)\) と書く。\(A \cup B\) の要素の個数を求めるとき、単純に \(n(A) + n(B)\) を計算すると、共通部分 \(A \cap B\) の要素を2回数えてしまうので、その分を1回だけ引く必要がある。

\[n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)\]

例題 ある高校の1年1組35人にアンケートをとったところ、運動部に入っている生徒は24人、文化部に入っている生徒は13人、両方に入っている生徒(兼部)は5人であった。運動部か文化部のどちらかに入っている生徒は何人か。また、どちらの部にも入っていない生徒は何人か。

解答を見る
運動部の集合を \(P\)、文化部の集合を \(C\) とすると、\(n(P)=24\)、\(n(C)=13\)、\(n(P \cap C)=5\)。 公式にあてはめると \(n(P \cup C) = n(P) + n(C) - n(P \cap C) = 24 + 13 - 5 = 32\)。 クラス全体は35人なので、どちらの部にも入っていない生徒は \(35 - 32 = 3\) 人。 運動部か文化部に入っている生徒は32人、どちらにも入っていない生徒は3人
練習問題(全18問)

答えを入力して「採点」を押すと○×が出るぞ。要素を並べる問題は小さい順にコンマ区切りで入力(例:1,2,3)。わからないときは「解説を見る」で解き方を確認しよう。

基本(1〜7)
1
要素の列挙・小さい順にコンマ区切り

\(A = \{2, 3, 4, 5, 6, 7\}\)、\(B = \{5, 6, 7, 8, 9\}\) のとき、\(A \cap B\) と \(A \cup B\) をそれぞれ求めよ。

\(A \cap B = \{\) \(\}\) \(A \cup B = \{\) \(\}\)
解説を見る
両方に入っている数を探すと \(5, 6, 7\)。よって \(A \cap B = \{5,6,7\}\)。 重複させずに全部を集めると \(2,3,4,5,6,7,8,9\)。よって \(A \cup B = \{2,3,4,5,6,7,8,9\}\)。 \(A \cap B = \{5,6,7\}\)、\(A \cup B = \{2,3,4,5,6,7,8,9\}\)
2
個数の公式

40人のクラスで、英語が好きな生徒は25人、数学が好きな生徒は18人、両方好きな生徒は10人であった。英語か数学のどちらかが好きな生徒は何人か。また、どちらも好きではない生徒は何人か。

どちらかが好き 人 どちらも好きでない 人
解説を見る
\(n(英 \cup 数) = n(英) + n(数) - n(英 \cap 数) = 25 + 18 - 10 = 33\)。 クラス全体は40人なので、どちらも好きでない生徒は \(40 - 33 = 7\) 人。 どちらかが好きな生徒は33人、どちらも好きでない生徒は7人
3
ベン図の読み取り

上のベン図のように、\(n(A) = 15\)、\(n(B) = 12\)、\(n(A \cap B) = 5\) であるとき、\(n(A \cup B)\) を求めよ。

\(n(A \cup B) =\)
解説を見る
\(n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B) = 15 + 12 - 5 = 22\)。 \(n(A \cup B) = 22\)
4
要素の列挙

\(A = \{2, 4, 6, 8, 10\}\)、\(B = \{3, 6, 9\}\) のとき、\(A \cap B\) と \(A \cup B\) をそれぞれ求めよ。

\(A \cap B = \{\) \(\}\) \(A \cup B = \{\) \(\}\)
解説を見る
両方に入っている数は \(6\) だけ。よって \(A \cap B = \{6\}\)。 重複させずに全部集めると \(2,3,4,6,8,9,10\)。よって \(A \cup B = \{2,3,4,6,8,9,10\}\)。 \(A \cap B = \{6\}\)、\(A \cup B = \{2,3,4,6,8,9,10\}\)
5
個数の公式

30人のグループで、紅茶が好きな人は20人、コーヒーが好きな人は15人、両方好きな人は8人であった。紅茶かコーヒーのどちらかが好きな人は何人か。また、どちらも好きではない人は何人か。

どちらかが好き 人 どちらも好きでない 人
解説を見る
\(n(紅茶 \cup コーヒー) = 20 + 15 - 8 = 27\)。 グループ全体は30人なので、どちらも好きでない人は \(30 - 27 = 3\) 人。 どちらかが好きな人は27人、どちらも好きでない人は3人
6
要素の列挙

\(A = \{1, 3, 5, 7, 9\}\)、\(B = \{2, 3, 5, 7\}\) のとき、\(A \cap B\) と \(A \cup B\) をそれぞれ求めよ。

\(A \cap B = \{\) \(\}\) \(A \cup B = \{\) \(\}\)
解説を見る
両方に入っている数は \(3, 5, 7\)。よって \(A \cap B = \{3,5,7\}\)。 重複させずに全部集めると \(1,2,3,5,7,9\)。よって \(A \cup B = \{1,2,3,5,7,9\}\)。 \(A \cap B = \{3,5,7\}\)、\(A \cup B = \{1,2,3,5,7,9\}\)
7
ベン図の読み取り・片方だけ

上のベン図の色がついた部分は「\(A\) だけに入っていて \(B\) には入っていない部分」を表す。\(n(A) = 20\)、\(n(B) = 14\)、\(n(A \cap B) = 6\) であるとき、色がついた部分の個数を求めよ。

Aだけの個数
解説を見る
\(A\) の要素のうち、\(B\) にも入っている分(\(A \cap B\))を除けば「\(A\) だけ」の個数になる。 \(A\) だけの個数 \(= n(A) - n(A \cap B) = 20 - 6 = 14\)。 Aだけに入っている個数は14
標準(8〜15)
8

\(A = \{1, 2, 3, \ldots, 10\}\)、\(B = \{3, 6, 9\}\) のとき、\(A \cap B\) と \(A \cup B\) をそれぞれ求めよ。

\(A \cap B = \{\) \(\}\) \(A \cup B = \{\) \(\}\)
解説を見る
\(B\) の要素 \(3, 6, 9\) はどれも \(A\) の中にある。つまり \(B \subset A\)。 このように \(B \subset A\) のときは、両方に入っている部分は \(B\) そのものなので \(A \cap B = B = \{3,6,9\}\)。 また、どちらか一方に入っている部分は \(A\) そのものになるので \(A \cup B = A = \{1,2,3,4,5,6,7,8,9,10\}\)。 \(A \cap B = \{3,6,9\}\)、\(A \cup B = \{1,2,3,4,5,6,7,8,9,10\}\)
9

\(n(A) = 15\)、\(n(B) = 9\)、\(n(A \cup B) = 20\) であるとき、\(n(A \cap B)\) を求めよ。

\(n(A \cap B) =\)
解説を見る
公式 \(n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)\) を \(n(A \cap B)\) について解くと、 \(n(A \cap B) = n(A) + n(B) - n(A \cup B) = 15 + 9 - 20 = 4\)。 \(n(A \cap B) = 4\)
10

上のベン図の色がついた部分は「\(B\) だけに入っていて \(A\) には入っていない部分」を表す。\(n(A) = 18\)、\(n(B) = 25\)、\(n(A \cap B) = 9\) であるとき、色がついた部分の個数を求めよ。

Bだけの個数
解説を見る
\(B\) の要素のうち、\(A\) にも入っている分(\(A \cap B\))を除けば「\(B\) だけ」の個数になる。 \(B\) だけの個数 \(= n(B) - n(A \cap B) = 25 - 9 = 16\)。 Bだけに入っている個数は16
11

\(n(A) = 12\)、\(n(A \cap B) = 5\)、\(n(A \cup B) = 23\) であるとき、\(n(B)\) を求めよ。

\(n(B) =\)
解説を見る
公式 \(n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)\) に、わかっている値をあてはめると、 \(23 = 12 + n(B) - 5\) \(23 = 7 + n(B)\) \(n(B) = 23 - 7 = 16\)。 \(n(B) = 16\)
12

\(A\) を \(20\) 以下の \(4\) の倍数全体の集合、\(B\) を \(20\) 以下の \(6\) の倍数全体の集合とする。\(A \cap B\) と \(A \cup B\) をそれぞれ求めよ。

\(A \cap B = \{\) \(\}\) \(A \cup B = \{\) \(\}\)
解説を見る
まず要素を書き出す。\(A = \{4, 8, 12, 16, 20\}\)、\(B = \{6, 12, 18\}\)。 両方に入っている数は \(12\) だけ(\(4\) と \(6\) の公倍数、つまり \(12\) の倍数のうち \(20\) 以下のもの)。よって \(A \cap B = \{12\}\)。 重複させずに全部集めると \(4, 6, 8, 12, 16, 18, 20\)。よって \(A \cup B = \{4,6,8,12,16,18,20\}\)。 \(A \cap B = \{12\}\)、\(A \cup B = \{4,6,8,12,16,18,20\}\)
13

上のベン図の色がついた部分は「\(A\) にも \(B\) にも入っていない部分」を表す。全体集合 \(U\) について \(n(U) = 50\)、\(n(A) = 22\)、\(n(B) = 19\)、\(n(A \cap B) = 7\) であるとき、色がついた部分の個数を求めよ。

どちらにも入っていない個数
解説を見る
まず \(A \cup B\) の個数を求める。\(n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B) = 22 + 19 - 7 = 34\)。 「どちらにも入っていない」個数は、全体から \(A \cup B\) を除いたものなので \(n(U) - n(A \cup B) = 50 - 34 = 16\)。 どちらにも入っていない個数は16
14

42人のクラスで、犬を飼っている生徒は18人、犬を飼っているか猫を飼っているかのどちらかである生徒は27人、両方とも飼っている生徒は9人であった。猫を飼っている生徒は何人か。

猫を飼っている生徒 人
解説を見る
犬を飼っている生徒の集合を \(D\)、猫を飼っている生徒の集合を \(C\) とする。公式にあてはめると、 \(n(D \cup C) = n(D) + n(C) - n(D \cap C)\) \(27 = 18 + n(C) - 9\) \(27 = 9 + n(C)\) \(n(C) = 27 - 9 = 18\)。 猫を飼っている生徒は18人
15
要素の条件から未知数決定

集合 \(A = \{2,\ a+1,\ a^2-1\}\) について、\(3 \in A\) であるとき、\(a\) の値を求めよ。

aの値
解説を見る
\(3 \in A\) ということは、\(A\) の3つの要素 \(2,\ a+1,\ a^2-1\) のうちどれかが \(3\) に等しいということである。\(2\) はもともと \(3\) ではないので、残りの \(a+1=3\) の場合と \(a^2-1=3\) の場合の2通りを調べる必要がある(これが場合分けが必要な理由)。 (i) \(a+1=3\) のとき: \(a=2\)。このとき他の要素も確かめると、\(a+1=3\)、\(a^2-1=4-1=3\) となり、\(A=\{2,\ 3,\ 3\}\) のように \(3\) が重複してしまう。集合をつくる要素は互いに異なっていなければならないので、\(a=2\) はこの条件に反し、不適である。 (ii) \(a^2-1=3\) のとき: \(a^2=4\) より \(a=2\) または \(a=-2\)。このうち \(a=2\) は(i)ですでに不適とわかっているので除く。\(a=-2\) のときは \(a+1=-1\)、\(a^2-1=3\) となり、\(A=\{2,\ -1,\ 3\}\) となって3つの要素はすべて異なる。よって \(a=-2\) は条件を満たす。 (i)、(ii)をあわせると、境界となった \(a=2\) はどちらの場合分けからも不適と判定されて消え、条件を満たす \(a\) の値は \(a=-2\) だけが残る。 a=-2
挑戦(16〜19)
16
約数の集合

\(A\) を \(12\) の正の約数全体の集合、\(B\) を \(18\) の正の約数全体の集合とする。\(A \cap B\) と \(A \cup B\) をそれぞれ求めよ。

\(A \cap B = \{\) \(\}\) \(A \cup B = \{\) \(\}\)
解説を見る
まず約数を書き出す。\(12\) の正の約数は \(A = \{1, 2, 3, 4, 6, 12\}\)。\(18\) の正の約数は \(B = \{1, 2, 3, 6, 9, 18\}\)。 両方に入っている数(\(12\) と \(18\) の公約数)は \(1, 2, 3, 6\)。よって \(A \cap B = \{1,2,3,6\}\)。 重複させずに全部集めると \(1, 2, 3, 4, 6, 9, 12, 18\)。よって \(A \cup B = \{1,2,3,4,6,9,12,18\}\)。 \(A \cap B = \{1,2,3,6\}\)、\(A \cup B = \{1,2,3,4,6,9,12,18\}\)
17
3つの数値から逆算

上のベン図の色がついた部分(\(A \cap B\))の個数を求める問題。全体集合 \(U\) について \(n(U) = 60\)、「\(A\) だけ」の個数が \(25\)、「\(B\) だけ」の個数が \(20\)、「どちらにも入っていない」個数が \(8\) であるとき、\(n(A \cap B)\)、\(n(A)\)、\(n(B)\) をそれぞれ求めよ。

\(n(A \cap B) =\)  \(n(A) =\)  \(n(B) =\)
解説を見る
全体は「\(A\) だけ」「\(B\) だけ」「\(A \cap B\)」「どちらにも入っていない」の4つの部分に分かれ、その合計が \(n(U)\) になる。 \(25 + 20 + n(A \cap B) + 8 = 60\) \(53 + n(A \cap B) = 60\) \(n(A \cap B) = 7\)。 \(n(A)\) は「\(A\) だけ」の個数と \(A \cap B\) の個数を合わせたものなので \(n(A) = 25 + 7 = 32\)。 同じように \(n(B)\) は「\(B\) だけ」の個数と \(A \cap B\) の個数を合わせたものなので \(n(B) = 20 + 7 = 27\)。 \(n(A \cap B) = 7\)、\(n(A) = 32\)、\(n(B) = 27\)
18
「どちらも〜ない」に注目

50人にアンケートをとったところ、サッカーが好きな人は28人、野球が好きな人は24人、どちらも好きではない人は9人であった。サッカーと野球の両方が好きな人は何人か。

両方好きな人 人
解説を見る
「どちらも好きではない」人が9人なので、「サッカーか野球のどちらかが好き」な人は \(50 - 9 = 41\) 人。 公式 \(n(サッカー \cup 野球) = n(サッカー) + n(野球) - n(サッカー \cap 野球)\) より、 \(41 = 28 + 24 - n(サッカー \cap 野球)\) \(41 = 52 - n(サッカー \cap 野球)\) \(n(サッカー \cap 野球) = 52 - 41 = 11\)。 サッカーと野球の両方が好きな人は11人
19
「どちらも〜ない」に注目

45人のクラスで、数学の宿題を忘れた人は20人、英語の宿題を忘れた人は15人、両方とも忘れなかった人は18人であった。数学と英語の両方とも忘れた人は何人か。

両方忘れた人 人
解説を見る
「両方とも忘れなかった」人が18人なので、「数学か英語のどちらか(または両方)を忘れた」人は \(45 - 18 = 27\) 人。 公式 \(n(数学 \cup 英語) = n(数学) + n(英語) - n(数学 \cap 英語)\) より、 \(27 = 20 + 15 - n(数学 \cap 英語)\) \(27 = 35 - n(数学 \cap 英語)\) \(n(数学 \cap 英語) = 35 - 27 = 8\)。 数学と英語の両方を忘れた人は8人
応用問題(プリント限定)

ここから先はPDF限定の腕試し。部分集合の個数や3つの集合の計算など、入試の基礎レベルに挑戦しよう。

応1
部分集合の個数(2のn乗)

集合 \(A = \{1, 2, 3, 4, 5\}\) の部分集合(空集合や \(A\) 自身も含む)は全部で何個あるか。また、そのうち要素 \(1\) を必ず含む部分集合は何個あるか。

部分集合の総数 個 \(1\) を含む部分集合 個
解説を見る
部分集合を作るとき、\(A\) の要素それぞれについて「入れる」か「入れない」かの2通りの選び方がある。要素は \(5\) 個あるので、部分集合の総数は \(2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 = 2^5 = 32\) 個。 要素 \(1\) を必ず含む場合は、\(1\) は「入れる」に固定されるので、残り \(4\) 個の要素(\(2,3,4,5\))だけが自由に選べる。よってその個数は \(2^4 = 16\) 個。 部分集合は全部で32個、そのうち1を含むものは16個
応2
3つの集合の個数計算

あるクラス50人にアンケートをとったところ、犬を飼っている人は30人、猫を飼っている人は25人、鳥を飼っている人は15人、犬と猫の両方を飼っている人は12人、猫と鳥の両方を飼っている人は8人、犬と鳥の両方を飼っている人は7人、犬・猫・鳥のすべてを飼っている人は3人であった。犬・猫・鳥のうち少なくとも1つを飼っている人は何人か。また、どれも飼っていない人は何人か。

少なくとも1つ飼っている 人 どれも飼っていない 人
解説を見る
犬・猫・鳥の集合をそれぞれ \(D, C, B\) とする。3つの集合の場合、2つずつの重なりをそれぞれ引き、3つとも重なる部分を最後に1回足し戻す。 \(n(D \cup C \cup B) = n(D) + n(C) + n(B) - n(D \cap C) - n(C \cap B) - n(D \cap B) + n(D \cap C \cap B)\) \(= 30 + 25 + 15 - 12 - 8 - 7 + 3\) \(= 70 - 27 + 3 = 46\)。 クラス全体は50人なので、どれも飼っていない人は \(50 - 46 = 4\) 人。 少なくとも1つ飼っている人は46人、どれも飼っていない人は4人
応3
ド・モルガンを使う個数問題

全体集合 \(U = \{1, 2, \ldots, 20\}\) の部分集合として、\(A\) を \(U\) の中の \(3\) の倍数全体、\(B\) を \(U\) の中の \(4\) の倍数全体とする。ド・モルガンの法則 \(\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B}\) を用いて、\(3\) の倍数でも \(4\) の倍数でもない数の個数を求めよ。

3の倍数でも4の倍数でもない数の個数 個
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まず \(A\), \(B\) を書き出す。\(A = \{3,6,9,12,15,18\}\) より \(n(A)=6\)。\(B=\{4,8,12,16,20\}\) より \(n(B)=5\)。 \(A \cap B\) は \(3\) と \(4\) の公倍数、つまり \(12\) の倍数のうち \(20\) 以下のもので \(\{12\}\)、\(n(A \cap B)=1\)。 \(n(A \cup B) = 6 + 5 - 1 = 10\)。 求めたいのは「\(3\) の倍数でも \(4\) の倍数でもない数」、つまり \(\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B}\) の個数。これは全体からA∪Bを除いたものなので、\(n(\overline{A \cup B}) = n(U) - n(A \cup B) = 20 - 10 = 10\)。 3の倍数でも4の倍数でもない数は10個
応4
条件から個数を逆算

全体集合 \(U\) の要素の個数は \(n(U) = 16\) である。集合 \(A, B\) について、「どちらにも属さない要素」の個数が \(4\)、\(n(A \cap B) = 6\)、\(n(A) = n(B)\) であるとき、\(n(A)\) を求めよ。

\(n(A) =\)
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「どちらにも属さない要素」が4個なので、\(n(A \cup B) = n(U) - 4 = 16 - 4 = 12\)。 公式 \(n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)\) に \(n(A)=n(B)\) をあてはめると、 \(12 = n(A) + n(A) - 6\) \(12 = 2n(A) - 6\) \(2n(A) = 18\) \(n(A) = 9\)。 \(n(A) = 9\)
応5
「ちょうど1つだけ」の個数

50人の生徒に数学と英語のどちらが得意か尋ねたところ、数学が得意な人は32人、英語が得意な人は28人、どちらも苦手な人は6人であった。数学だけが得意(英語は得意ではない)な人は何人か。

数学だけが得意な人 人
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「どちらも苦手」な人が6人なので、「数学か英語のどちらかが得意」な人は \(50 - 6 = 44\) 人。 \(n(数学 \cup 英語) = n(数学) + n(英語) - n(数学 \cap 英語)\) より、 \(44 = 32 + 28 - n(数学 \cap 英語)\) \(n(数学 \cap 英語) = 60 - 44 = 16\)。 「数学だけが得意」な人は、数学が得意な人から両方得意な人を除けばよいので、 \(32 - 16 = 16\) 人。 数学だけが得意な人は16人
記述チャレンジ

答えだけでなく「なぜそうなるか」を文章と式で書く練習。模範解答と見比べて、書き方の型を身につけよう。

記1

要素の個数が \(n\) 個の集合について、部分集合の個数が \(2^n\) 個になる理由を、要素を「入れる・入れない」で選ぶという考え方に基づいて説明せよ。

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集合の部分集合を1つ作るということは、もとの集合に含まれる要素それぞれについて、「その部分集合に入れるか、入れないか」を1つずつ決めていく作業と同じである。 例えば要素が3個の集合 \(A=\{1,2,3\}\) で考えると、要素 \(1\) について「入れる・入れない」の2通り、要素 \(2\) についても2通り、要素 \(3\) についても2通りの選び方があり、これらは互いに影響しない独立した選択なので、全部の組み合わせは \(2\times2\times2=2^3=8\) 通りになる。実際に \(A=\{1,2,3\}\) の部分集合を全部書き出すと \(\varnothing,\ \{1\},\ \{2\},\ \{3\},\ \{1,2\},\ \{1,3\},\ \{2,3\},\ \{1,2,3\}\) の8個であり、たしかに計算と一致する。 一般に、要素が \(n\) 個ある集合では、要素1つ1つについて同じように「入れる・入れない」の2通りの選び方があり、それらをすべて独立に組み合わせるので、部分集合の個数は2を \(n\) 回かけた \(2^n\) 個になる。要素の個数が少ないうちは全部書き出して数えることもできるが、要素の数が増えると書き出す作業が非現実的になるため、この \(2^n\) という公式が役に立つ。 部分集合を1つ作ることは各要素について「入れる・入れない」を独立に選ぶことと同じであり、要素が \(n\) 個ならその選び方の総数が \(2^n\) になるため。
記2

ある高校2年1組36人に読書調査をしたところ、小説を読んだことがある生徒は22人、漫画を読んだことがある生徒は19人、両方とも読んだことがある生徒は13人であった。小説と漫画のどちらも読んだことがない生徒は何人か、途中の式と結論を書け。

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小説を読んだことがある生徒の集合を \(S\)、漫画を読んだことがある生徒の集合を \(M\) とすると、\(n(S)=22\)、\(n(M)=19\)、\(n(S \cap M)=13\)。 まず、小説か漫画のどちらか(または両方)を読んだことがある生徒の人数を、公式 \(n(S \cup M) = n(S) + n(M) - n(S \cap M)\) を使って求める。 \[n(S \cup M) = 22 + 19 - 13 = 28\] よって、小説か漫画のどちらかを読んだことがある生徒は28人。 クラス全体は36人なので、どちらも読んだことがない生徒の人数は、クラス全体から今求めた28人を引けばよい。 \[36 - 28 = 8\] 小説と漫画のどちらも読んだことがない生徒は8人